第1回定例会代表質問(速報)―すがや議員(2月21日)



(映像は大田区議会ホームページより:62分)

【すがや議員】
日本共産党大田区議団のすがや郁恵です。代表質問を行います。

新型肺炎対策と羽田空港増便問題について

【すがや議員】
まず、はじめに、区民の命を守るための緊急課題について質問します。
第1は、新型肺炎(コロナウイルスの感染)についてです。大田区でも感染患者がでました。1日も早い回復を望むものです。
国内でも、新型肺炎で死亡者が出ました。観光バスの乗務員やタクシー運転手さんが感染したように、人から人への感染が報告されており、感染拡大防止のため十分な対応が求められます。同時に潜伏期間中にも他の人に感染する可能性も指摘されています。国内の医療や検査の体制をさらに強化する必要があります。
区民の方からは、「国や区に電話したけれども、何回かけてもつながらない」「店頭からマスクが消えた」「消毒液もない」などの声が寄せられ、日本の危機管理の弱さがみられます。また、「特区民泊で外国人を受け入れているが、ネット予約で確認のしようがない大丈夫なのか」「中国人ということだけで、学校などでいじめられないか」など敏感になっています。
区民の動揺にもこたえるため緊急の対策を求めます。
区民の電話相談は土日夜間含めて相談体制を強化すること、医療機関のところで感染患者がでたことにより区民への影響が出ないよう対策をとること、また、検査は保険適用されないので、受診できない高齢者もいらっしゃるのではないでしょうか。区長の施政方針演説で「基礎疾患をお持ちの方や高齢者などリスクの方への対策もさらに重要になってまいります」とあります。検査を無料にするなど特段の配慮を求めます。また、公立病院の独立行政法人化は、感染症や救急医療など採算が取れないことはやらなくなりますから、雪谷にある荏原病院を独立行政法人化しないよう小池都知事に求めることです。
●大田区は、蒲田、大森、羽田・糀谷、田園調布の4カ所にあった保健所を1カ所に統合したことが保健所機能を弱体化させました。感染症対策課の保健師さんは10人、その他本庁、各地域健康課、各地域福祉課などに保健師さんが配置されていますが、高齢者対応、精神障害者のアウトリーチ、母子対応など仕事内容が多岐になってきています。
派遣された保健師さんたちなど職員の感染防止対策と、新型肺炎など感染症に対応できるための保健所の体制強化、また、今回の新型肺炎について、保健師を含めて増員し、特別な体制を求めるものです。

【松原区長】
新型コロナウイルス感染症への対応の一環で、保健所の保健師は、帰国者の健康状態確認等の業務に従事しています。その際、感染防止のため必要な防護具の着用を徹底するなど、職員の安全確保措置を講じています。区は、平成9年4月にそれまで4か所に分散していた保健所を1か所に集約した後、平成28年度に効果的な感染症対策を推進するため、地域健康課の感染症対策業務を新設した感染症対策課に集約しました。この指揮命令系統の一元化により、感染症など広域的で緊急な課題に迅速に対応するとともに、その基盤となる情報を一元管理し、健康危機管理機能を強化しました。今回の新型コロナウイルス感染症に対応するため、感染症対策課の保健師が主に相談支援等の業務に従事するほか、地域健康課の保健師がローテーションで応援従事するなど事務職も含めて応援体制を構築することで、円滑な相談体制を整備したところです。

【すがや議員】
第2は、羽田空港増便、新飛行ルートの問題です。
1月30日からはじまった新飛行ルート、南風時の実機での飛行が終わりました。本運用を本格的に実現するためと、管制官の手順確認をおこなうために乗客を乗せた実機飛行確認です。
地域の方々から「これまでに聞いたことがないほどの音の大きさだ」「バンバン飛んでる、安全性は大丈夫なのか」「これからずーっとこの音に苦しまなければならないのか」など実際飛び始めて、中止を求めたい声が寄せられています。
計画によれば、南風運用の時は午後3時から7時の時間帯に、B滑走路から羽田地区川崎コンビナート上空へ1時間当たり20便が離陸します。A・C滑走路への着陸は都心上空から城南島・京浜島上空150メートル以下で飛行し、1時間当たり約44便になります。また、着陸時の降下角度は3.0が3.5°に引き上げ、世界のパイロットは3.5°の急降下はほとんど経験したことがなく危険だと言われています。
また、人口密集地に近い空港は世界にありませんし、川崎市の石油コンビナート上空を飛ぶのですから事故が起きたら大災害になります。
旧羽田空港の沖合移転が決まった際「航空機は海から入り海に出る」「内陸は6000フイート以下では飛ばない」「京浜島上空は飛ばない」「石油コンビナート上空は飛ばない」などが守られてきました。今回の増便、新飛行ルートはこのルールを一方的に破棄するもので許されません。
また、増便は、大気汚染の問題からも深刻です。気候変動に直結するからです。昨年9月の「国連気候行動サミット」で16歳のスエーデンの環境活動家グレタ・トゥンべリさんが「人々は苦しみ、死にかけ、生態系全体が崩壊しかけている」と世界に訴えたことは大きな反響を呼びました。2015年に採択されたパリ協定では、世界の平均気温上昇を1.5℃に抑制する努力目標を設定し、そのために21世紀後半までに人間活動による温室効果ガスの排出量を実質的に0にする方向性を打ち出しました。
この冬は、経験したことのない世界的暖冬ともいわれ「今年の夏はもっとすごい暑さになるのでは」「15号・19号のような台風も必ずくる」などの声が出ています。このような、地球温暖化の中でさらに、増便をすれば、飛行機から出る排気ガスやCO2が大量に増え大気汚染と地球温暖化を促進します。これまで、羽田飛行場でのCO2発生量について区に問い合わせても、「国際民間航空機関:ICAO(イカオ)が把握している」と区民の声に向き合おうとしていません。
●地球温暖化の影響は区民の生活に直結します。増便による環境変化を区は把握するべきです。おこたえください。

【松原区長】
航空機が排出する二酸化炭素削減については、「気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書」において、世界的な枠組みが定められております。それによりますと、国内航空の二酸化炭素は各国の排出量に計上し、各国の責任において削減に取り組むこととなっております。我が国における航空分野の二酸化炭素排出対策は、新機材導入による燃料効率の改善、航空交通システムの高度化による運航方式の効率化、バイオ燃料など代替航空燃料の普及促進に取り組むとされております。さらに、経済的な手法として、国内排出量取引制度についても検討するとされております。このように、航空機の二酸化炭素削減は、国及びICAOの責任の元で取組みが進めていくものと理解しております。なお、区は、新飛行経路の運用に関わり、国に対し、航空機による大気汚染等の環境影響に関する情報を公開するよう要請し、その結果、国では、大気汚染の状況について、今年度中に測定するとともに、運用開始後も測定しホームページ等で公表する予定です。区としては、区民の生活環境への影響についてこれらの数値の把握に努めてまいります。

【すがや議員】
●また、増便と新飛行ルートについて、これまで区長は、国に対して「さらに安全対策を求める」「区民に対して、丁寧な説明をすることを求める」と表明してきました。
しかし、区民が一番求めているのは、危険性の問題、騒音の問題、落下物の問題です。国は様々な対策を出していますが抜本的な解決になっていません。最大の対策は増便しないことです。
増便と新飛行ルートについて、今からでも、国に対して中止を求めることです。おこたえください。

【松原区長】
増便に伴う新飛行ルートの運用は、国の航空政策ですが、区は、国に対し、騒音対策や安全対策等を強く要望し、各種の対策が図られております。国際線着陸料の料金体系の見直しによる低騒音機の導入促進、南風時のB滑走路からの出発機の便数削減や長距離国際線の制限、機材制限等が講じられております。また、落下物対策を含む安全対策においては、部品欠落の報告制度拡充や、「落下物防止対策基準」の義務付け、駐機中の機体チェックの強化などが取り組まれております。運用開始前にこれらの対策が図られてきましたが、今後も国に対し、さらなる対策の強化を強く求めてまいります。

平和首長会議に加盟している松原区長の核兵器廃絶に果たすべき役割について

【すがや議員】
次に、平和の問題で質問します。
さて、昨年11月、ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が来日し、被爆地、長崎と広島で行った発言は、「核戦争の脅威による威嚇をちらつかせながら、どうして平和を提案できるでしょうか、人道及び環境の観点から核兵器の使用がもたらす壊滅的な破壊を考えなくてはなりません。核兵器禁止条約を含め、核軍縮と核不拡散に関する主要な国際的な法的原則にのっとり、たゆむことなく、迅速に行動し訴えていきます」であり、核禁止条約の発効への不退転の決意が、国内外に多大な感動と共感を広げています。
これまで党区議団は、平和首長会議に参加している区長に対し、核兵器禁止条約廃絶の先頭に立って、役割を果たすよう繰り返し求めたてきましたが、「大田区平和都市宣言をしている」「花火の祭典」など記念事業をしていると述べていますが、それでは役割をはたしていません。
平和首長会議は、被爆者の存命のうちに核兵器廃絶を実現したいと願い2003年に2020年までの核兵器廃絶を目指す行動指針「2020年ビジョン(核兵器廃絶のための緊急行動)」を策定し、具体的な取り組みとして国連・各国政府に対する要請、「核兵器禁止条約」の早期締結を求める署名活動など8項目をかかげ行動しています。今年は、戦後75年、核兵器廃絶を目指す行動指針の最終年度、被爆者の方々も、「命があるうちに、核兵器のない世界にしたい」「核兵器禁止条約を日本が締結するのを見届けたい」と言いながら無念にも、お亡くなりになる方々が毎年増えています。
●2月1日現在、「核兵器禁止条約」の早期締結を求める署名は、全国で296,650筆集まっています。松原区長は、「核兵器禁止条約」の早期締結を求める署名をして核兵器廃絶の先頭に立つことです。おこたえ下さい。

【松原区長】
日本政府は、これまで、核兵器のない世界を目指し、毎年「核兵器廃絶決議案」を国連総会に提出するなど、実践的な取組を進めてきました。昨年12月の国連総会本会議においても、日本政府が提出した「核兵器廃絶決議案」は、様々な立場の多くの国々の支持を得て採択され、現実に即した取組と理解しております。区は、昭和59年、世界の恒久平和と人類の永遠の繁栄を願い、平和都市宣言を行いました。この宣言を行った区の責務は、区民の皆様とともに、平和の尊さについて考え、次の世代に語り継ぎ、平和な世界を築いていくことであります。この趣旨に沿って、平和都市実現のため、基礎自治体として平和関連の各種事業を着実に進めてまいります。

2020年度の予算はくらし、営業、福祉、教育優先へについて

【すがや議員】
次に2020年度予算についてです。
大田区が発表した2020年度予算は、昨年度比54億9500万円余増の2874億円です。大田区は、「大田の未来プラン10年」の成果を踏まえて、策定する新基本計画につなげていく予算として2020年度予算を位置付け、これまでの実績を活かした課題解決をさらに展開するとともに「地域力を結集し、新しい世代の礎となる予算」とし、①安心して子どもを産み育てられ、未来を担う子どもたちの成長を応援する取り組み、など4項目の重点課題に取り組むとしています。
2月17日、内閣府が発表した2019年10~12月期の国内総生産GDP速報値は物価変動の影響を除いた実質で前期比1.6%減、年率換算で6.3%減と大幅に落ち込みました。日本経済の6割を占める家計消費は落ち込んだまま、労働者の実質賃金は、安倍第2次政権発足後、年収で10万円も減り、家計消費は25万円減です。さらに重大なことは、昨年10月から消費税10%にしたことが、深刻な消費不況が続き、格差と貧困が広がりくらしと営業はたいへんいなっています。
今、区民の実態はどうでしょうか。
消費税増税前でも、大田区の景況(2019年7~9月期)は、製造業、小売業は来期もⅮI指数がGで最悪状況です。さらに国民健康保険料の値上げ、年金給付は毎年削減、異常な物価高騰で区民から悲鳴が上がっています。生活保護者が13,447世帯16,346人(昨年4月現在)就学援助は小学生4,870人(16.6%)、中学生2,620人(23.9%)、区民の所得は、納税者の平均で2018年営業所得は、421万5千円(前年より1万4千円増)、消費税増税分にも追いつかず、ものづくりの町中小零細企業経営者や勤労者が一段と厳しい状況にあります。
地方自治体の役割は、まず、国の政治が悪い時こそ防波堤になって区民の命暮らし営業を守ることです。
しかし予算編成にあたって、昨年7月24日川野、清水両副区長名でだされた「2020年度予算編成、組織・職員定数の基本方針についての(通知)」では、②事務事業の最適な実施方針の追及として、健全財政を堅持しつつ・・・・費用対効果を踏まえたスクラップ・アンド・ビルドを徹底するとともにRPA、AIなどのICTの活用や自治体単独では解決が困難な課題に対しては、地域を構成する様々な主体とも認識を共有しながら連携・協働による取り組みを一層進めるなど、事務事業の最適な実施方針を追及するとしています。結局効率化の名のもとに職員削減と小さな政府づくりを目指すものです。
予算の中には、認可保育所整備など待機児童の推進、小中学校体育館等空調設備の整備、高校生への給付型奨学金の創設、人材確保型区奨学金減免制度、特別養護老人ホーム大森東整備計画、大腸がん検診無料化、不妊治療の助成、感震ブレーカーの支給取り付け事業、学校避難所に段ボールベッドの配備など区民の要求が反映し評価できるものがあります。
しかし、今議会に施設使用料を値上げする条例改正が提案されています。3年前、施設使用料値上げの提案は、1998年(H10年)から17年間上げていなかったこと、利用する人としない人の不公平感があり、利用する人に応分の負担をしてもらう、いわゆる受益者負担という考えです。3年前には、激変緩和として、最大25%の負担増を行い、約8割の区分でそれぞれ54施設、総額2100万円の値上げ、今回は指定管理者の分を除いて値上げする方針で総額8000万円、前回の4倍になります。
区長、公共施設は、みんなが利用できるものです。地方自治法第244条は、1. 普通地方公共団体は、住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設(これを公の施設という)を設けるものとする、2. 正当な理由がない限り住民が公の施設を利用することを拒んではならない、3. 住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的扱いをしてはならないとしています。公共施設は、住民自治と住民生活に役立つものとして、多くの区民に利用されてこそ、その目的が達成されるのではないでしょうか。また、使用料値上げの根拠に人件費と減価償却費をあげていますが、区民の税金で建てた公共施設をなぜ納税者の区民が負担しなければならないのでしょうか。受益者負担に人件費も減価償却費も含むのは租税で賄うべきを二重に区民負担させることで地方自治法違反の疑いがあるのではないでしょうか。
●受益者負担を理由にしての値上げをしてはなりません。値上げしたら、利用できない区民が出てきます。一人でも多くの区民に公共施設を利用してもらう立場に立ち、値上げしないことです。おこたえください。

【松原区長】
受益者負担の適正化は、サービスのコストに対する負担の公平性を確保する観点から重要です。前回、平成29年度に統一的な施設使用料の算定についての基本的な考え方をお示しし、改定を行ったところですが、今後、原則4年ごとに見直しを行うとしており、今回、令和3年度の改定を予定しているものです。また、前回の改定後、施設の利用率については、改定以前の状況を概ね維持しており、今後も社会経済状況の変化を踏まえ、公共施設の使用料の適正化に向けて、継続的に取り組んでまいります。

【すがや議員】
公共施設の再編では、総務省が、自治体に「公共施設等総合管理計画」を求めており、床面積1割削減の公共施設削減計画を区は国のいいなりで進めています。さらに、PPPによって企業が参画しPFIによって、建設維持管理、運営等に民間の能力や資金を活用するとして、結局は民間事業者に公共施設運営による利益を提供することになります。新年度予算にも、大森西地区公共施設整備計画や、田園調布公共施設の整備計画が出されています。複合化によって、例えば羽田保育園では、1歳児クラスの部屋の中に太い柱ができて子どもの姿が見えにくくなってしまう、園庭が狭い、プールがない。仲六郷保育園は、園庭が狭くなるなど子ども最優先の設計や施設でなくなってしまいます。大森西保育園を複合化に入れることは中止を求めます。
●複合化するにあたって、将来人口が減少するからと言っていた理由も、大田区の人口統計では、今後40年間増え続けます。公共施設は1カ所にまとまってあるのでなく、「より身近で、便利で、安全で」が区民の期待するところです。公共施設の削減や統廃合でなく増やすことです。おこたえください。

【松原区長】
公共施設の更新においては、将来の人口構成や行政需要の変化、地域のまちづくりと連動した施設の適正配置が重要です。そのため、地域ごとの将来を見据えた公共施設の整備を進め、また公共施設の多機能化を進めることで、施設の集約及び有効活用を図り、さらなる区民の利便性向上や、地域の活性化などを目指します。今後も効果的・効率的なマネジメントにより、将来を見据えた持続可能な公共施設の整備に取り組んでまいります。

【すがや議員】
新空港線についてです。区長は、新春のつどい挨拶で、「まちづくり推進部内に『新空港線・まちづくり調整準備室』を設立しました」また、党区議団が反対したにもかかわらず「昨年の第3定例会では、新空港線の早期整備と蒲田駅周辺のまちづくりに関する『蒲田駅周辺まちづくり等に関する意見書』を議決し、区と区議会が両輪となって取り組んでいく姿勢を示しました」の発言は強引で一方的で許せません。「私が先頭になって進める」という発言は、追い詰められているからです。
区の進めるまちづくりは、品川や川崎のような大型店やビルが立ち並ぶ、どこに行っても同じ特色のないまちづくりです。先日、東京駅と羽田空港を結ぶJRアクセス線構想も発表されています。新空港線は不要ではないでしょうか。
●区長は、アクセスが良くなる、防災のためなど理由をつけてきましたが、結局、地域住民には電車が通過し待つ時間が長くなり便利にならない路線に、どうして大切な税金を莫大につぎ込む必要があるのか区民は理解できません。新空港線計画は中止することです。おこたえください。

【松原区長】
新空港線は、区にとって重要な事業であります。新空港線が整備されることで、区内の東西移動の利便性が大きく向上するとともに、羽田空港と副都心や埼玉方面との新たな鉄道ネットワークが構築され、東京圏全体の交通ネットワークが補強されます。また、蒲田駅周辺のまちの機能更新や多摩川線沿線のまちづくりを併せて行うことで、大田区の更なる発展にもつながります。更に、首都直下型地震をはじめとする大規模災害時の代替ルートとしての役割も担い、都市機能の強化にも大きく貢献します。現在、今年度内の関係者合意に向け、東京都と鋭意協議を進めており、協議が整い次第、速やかに整備主体の設立を行ってまいります。以上のことから、新空港線事業の中止は考えておりません。

【すがや議員】
次に区民のいのちに係わる防災対策についてです。台風15号、19号は区内にたいへんな被害をもたらしました。区長は、新年挨拶で「水害時緊急避難場所の開設・運営や情報発信方法などについて、多くの課題が残りました」また、「今年の出水期、台風シーズンの備え防災対策の強化にしっかり取り組んでまいります」と述べています。新年度予算には、災害対策本部の充実や区民・事業者の防災意識啓発としてハザードマップなどの全戸配布などが組まれています。党区議団は、予算要望の中で、防災対策については、台風15号、19号などの教訓から被害想定に見合った水害時緊急避難場所の拡充を含め整備点検を行うことや要援護者の支援強化など29項目求めています。
●台風時、豪雨や強風で防災行政無線が聞こえない、何を言っているのかわからないという声が多く出されています。江東区は、災害情報をコミュニティFMで受信する防災用ラジオを全世帯(27万世帯)に配布する予算(15億円)を発表しました。大田区でも、コミュニティFM局を作って大田区の対策強化を求めるものです。おこたえください。

【松原区長】
コミュニティFMは、生活情報の発信や有事の際には防災情報を発信するなど活用されております。区といたしましても、災害時のラジオの有用性は認識しておりますが、運営スタッフの確保や平時におけるコンテンツの運用など、様々な課題もあります。現在、区では、ホームページやツイッターの他、区民安全安心メール、デジタルサイネージなど多様な媒体を活用しながら災害情報を迅速に発信しております。今後も多様な媒体を相互補完的に活用しながら適時適切な情報発信を行なってまいります。

【すがや議員】
次に保育について質問します。新年度予算では、待機児童対策として総額56億8425万円余の予算で、2021年4月を目途に12施設の認可保育園を開設し、700名の定員拡充を目指すものです。党区議団は、子育て世代の支援として、希望する保育園に入るためには、不承諾数に応じた認可保育園の増設で待機児童の解消を求めてきました。
●大田区未来プラン後期計画では2018年(H30年)待機児童をゼロにする計画が達成できず、実施計画で今年度中に待機児童ゼロにすると先送りにしました。先日、新年度の認可保育年入園の発表が行われましたが、待機児童ゼロの目標が達成できたのか、また、不承諾数についておこたえ下さい。

【松原区長】
今月7日に通知した令和2年度認可保育園一次利用調整結果での保留数は、1,313人で、昨年度より258人減少しております。厚生労働省は、「保育所等利用待機児童数調査要領」を定め、認可保育所等に入所できなかった児童のうち、認証保育所や幼稚園に入所した児童、特定の保育所等を希望した児童や保護者が育児休業を取得した児童等を除外するとしており、また、利用申請の二次受付から申請される保護者もおられることなどにより、待機児童数の確定は、毎年5月頃となっております。現在、二次利用申請者の利用調整のほかに保育ママの申請受付や認証保育所等の案内強化などを行っており、新年度に向け引き続き個々のニーズを踏まえた適切な保育サービスにっなげる努力を重ねてまいります。

【すがや議員】
次に産業経済費についてです。産業経済費予算は、56億3199万円で、予算全体の2.0%です。昨年より増えているおもなものは、南六郷創業支援施設大規模改修工事費用4億8575万円です。羽田空港跡地における産業交流拠点の形成約7億7千万円です。産業プラザの改修費用です。
1人親方の町工場では、昨年夏、ものすごい暑さの中で、大型クーラーが故障しても、取り替えられませんでした。仕事が全く来ない日もある不安定な毎日、仕事が来たと思ったら単品や、一日で仕上げてほしいというような複雑な仕事が増えています。大田区は、リーマンショック後の2009年、全庁の横断的組織として経済対策をより機動的かつ強力的に実施していく組織、緊急経済対策会議を設置しています。産業の集積を維持するセーフティネットを早急に構築することがいま求められています。大田区では、現在の急激に悪化する景気の中で家賃を払えず廃業する、又は廃業せざるを得ない中小業者、中小企業が続出しています。大田区の製造業の8割を占める従業員9人以下の小規模事業所を直接支援する、家賃補助制度が必要と考えます。大田区工業の強みである高度な技術の集積を守る、この観点からの施策の拡充が必要だと考えます。従来の枠にとらわれない直接支援を行うことです。
●さらに、今回の新型肺炎の影響で、従業員を休ませている中小企業もあります。区内の中小企業の雇用を守るため、かつて行われた、景気の悪化から生産量が減少し事業活動の縮小を余儀なくされた中小企業主がその雇用する労働者を一時的に休業、教育訓練又は出向させた場合に、手当もしくは賃金の一部を助成する中小企業緊急雇用安定助成金制度を行うことです。国、東京都にも働きかけ、区内中小企業さらに使いやすくするよう、大田区独自の上乗せなどの拡充を求めます。おこたえください。

【松原区長】
中小企業緊急雇用安定助成制度については、平成25年4月から雇用調整助成金に整理統合されています。この雇用調整助成金について、国は、今般の新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて、支給要件を特例で緩和する措置を取り、1月24日以降の休業などから適用しています。区は既に、ホームページ等を活用して、この特例措置の周知を図っているほか、新型コロナウイルス感染症の流行による影響を受ける、または受ける恐れのある中小企業・小規模事業者を対象として、融資や経営上の相談などを受ける相談窓口を設置し、事業者からの相談に対応しております。引き続き新型コロナウイルス感染症の流行が区内産業に与える影響を注視し、国や東京都と連携しながら、対応してまいります。

【すがや議員】
次に教育費についてです。予算は340億円余全体の11.8%です。主な予算は学校整備の改築費用55億円、ICT教育の環境整備、幼児私学費13億7千万円余です。また国は、昨年末突然教員の働き改革と称して、1年単位の変形労働制導入を決めました。忙しい時期は1日10時間まで労働まで認め、夏休みなどに労働時間を減らして平均して1日当たり8時間に収める制度です。これは、教育現場の長時間労働をさらに助長するものです。
本当の働き方改革は、少人数学級で正規の教員を増やすことです。都の予算を活用して、
●新年度予算には働き方改革として、すべての区立小中学校に教員支援員が付きましたが、非常勤職員です。子ども達の教育環境と働く人たちの環境をよくするためにも非常勤対応でなく、正規教職員の配置を求めます。おこたえください。

【小黒教育長】
来年度は、スクール・サポート・スタッフ配置支援事業の補助金を活用し、教員支援員を新たに区立全小中学校に各1名、配置する予定です。この教員支援員は、東京都の補助要綱では、非常勤であること、児童・生徒に直接対応するような業務は除くことが条件となっておりますが、教員の負担軽減を図る効果が期待できます。引き続き、児童・生徒への指導や教材研究等に注力できる体制整備に努めてまいります。

【すがや議員】
次に、補正予算につてです。公共施設整備積立基金、防災対策基金、新空港線整備資金積立基金へそれぞれ10億円ずつ、積み立てました。
●特に新空港線整備資金積立基金は、2019年2月総務財政委員会で「一定の目標額は60億円」「根拠は第3セクター資本金のために積み立てている」とこたえています。今年度も補正で、10億円の基金積立をすると、今年度末2020年最終見込みで68億円になります。どこまでも際限なく積み立てるかまえです。更に積み立てるのは約束違反です。おこたえください。

【松原区長】
本事業を進める上で、地方負担のうち、大田区負担分並びに利便増進法に基づく整備主体となる株式会社の設立資金等などの財源として確保する必要があります。少子高齢化が著しく進行する中、社会保障などの義務的経費が今後一層増加することが想定され、持続可能な区の発展には、将来を見据えた計画的な投資が必要であり、そのため財源確保が重要になってまいります。現在、新空港線の協議は大詰めを迎えており、協議が整い次第、すみやかに事業着手する予定です。新空港線事業を円滑に進める上で、新空港線の予算確保は重要となるため、後年度の区の財政負担軽減のために積み立てを行うものです。引き続き、基金を効果的に活用することで、安定した財政運営に取り組んでまいります。

すべての世代に負担を押し付ける「全世代型社会保障」は中止し、社会保障の充実について

【すがや議員】
次に「全世代型社会保障」についてです。
政府の「全世代型社会保障検討会議」は、2019年12月19日、現在「原則1割」の75歳以上の高齢者の医療窓口負担に「2割負担」を導入する事や「兼業・副業」などの推進を盛り込んだ「中間報告」をまとめました。最大の特徴は、従来の「社会保障改革」に「雇用改革」を組み入れていることです。具体的には、「生涯現役社会」として、労働者や国民に高齢になっても可能な限り働き続けることを求め、年金制度も改悪していくものです。「長く働かせるためには健康が前提」として、病気の予防や健康づくりに取り組ませ、なるべく社会保障を使わせないようにしています。自治体にインセンティブ(財政優遇)を与えて予防と利用抑制を競わせる方向を強め、給付抑制のために「制度を利用しない、させない」取り組みです。しかも、その内容は自己責任、家族の責任、地域の責任を拡大し、公的責任を縮小していくものです。国がやるべきことは、若者や高齢者、障害者などを分断して競わせることでなく、その時代時代で各世代に必要とされる医療・介護・年金を保障していくことです。政府は、憲法に基づいて健康で文化的な生活をすべての人が営むことに責任を持つことですから、社会保障を切り捨てる「全世代型社会保障」は中止させるしかありません。
国保の問題です。党区議団は、所得の1割を占め、高すぎる国民健康保険料について、国に対して国庫補助金引き下げをやめ、区民負担を増やさないように求めること、生まれたばかりの赤ちゃんまで均等割りに加えることは地方自治体の裁量でやめる事、第1子から減免制度する条例提案を行い区民のくらし健康を守る立場に立った国保制度にするよう求めてきました。
国保料は今でも高いため加入者の大半を占める非正規雇用・低所得の労働者や年金生活の高齢者は高額負担を強いられています。
しかし、今年の、国保運営協議会は、平均1,028円の値上げ提案で、さらなる負担増を示しています。提案では、均等割り額を上げて、所得割率を下げたので、低所得で多子世帯ほど負担が増します。
国は、国民健康保険料の値上げを抑えたり、引き下げたりするために一般会計から国保特別会計に独自に公費繰り入れを行う市区町村に対し国からの予算を減らす、ぺナルテイ―措置を2020年度から導入する方針であり、許せないものです。しかし、厚生労働省の国会答弁では、公費繰り入れは「自治体の判断」でできるとしているのは、自治体独自の施策を禁止すれば憲法が定める地方自治体の本旨を侵すことになるためです。安倍政権が憲法の趣旨に反して公費削減の圧力を強化するのは問題です。
また、自治体が条例を通じて行う、被災者支援、子ども、生活困窮者など国保料の独自減免に充てる公費繰入金は「赤字」に分類せず、20年度以後もペナルテイーの対象としない方針です。子どもの国保料均等割り部分について東京都清瀬市最大5割減額、昭島市は第2子を5割減額、埼玉県富士見市は第3子以降を全額免除などが実施されました。国の言いなりでなく住民生活を守る防波堤に大田区がなることを求めるものです。
●全国知事会が公費負担による国保料の抜本的軽減が必要として定率国庫負担割合の引き上げ、子どもの均等割り保険料の軽減を要求しています。
大田区も、値上げしないよう対策をとることです。おこたえください。

【松原区長】
保険給付に必要な財源は、公費と保険料で賄うこととしており、制度から等しく利益を受けることに対する応益分として、ご負担いただいているところです。特別区では、所得割と均等割の賦課割合を58:42と、均等割の割合を低く抑え、所得の低い方の負担に配慮したものとなっています。また、保険料の低所得者対策として、均等割保険料を軽減する措置のほか、災害その他特別の事情のある世帯には、保険料を減免することが国の制度として設けられております。均等割保険料のあり方については、国の制度として検討すべきものと考えております。なお、全国市長会の総意として、子どもに係る均等割保険料を軽減する支援制度を創設することについて、国に要望しております。今後も国の動きを注視してまいりたいと考えます。

【すがや議員】
区民の方から「国民健康保険料が払えず、担当から督促の電話があり、納めなければ延滞金を徴収するといわれた」また別の男性は「滞納金が34万円、借金して返した」理由を聞くと「自宅のローン返済中、自宅が差し押さえられると住むところが亡くなってしまう」というのです。これまで、国民健康保険料は延滞金徴収をしていませんでした。しかし、区は2年前、国保の広域化から延滞金徴収が始まったことが分かりました。2018年度決算では延滞金徴収は441世帯、109万円余です。督促から10日すれば差し押さえの通知が届くのです。相談がしにくい、区民の実情に寄り添う姿勢がなく、私たちのところに相談が来るような状況です。国保の広域化されるまでは22条(2)を適用し、延滞金を徴収していませんでした。
●そこで質問です。大田区の国民健康保険条例22条には延滞金について「加算して納付しなければならない」とありますが国保が広域化されるまでは、延滞金は徴収しませんでしたし、2019年度現在23区中16区は徴収していません。区は、なぜ、延滞金を徴収するようになったのか、区民が困っている時こそ地方自治体の役割に立ち、大田区は延滞金徴収を止めるべきです。お答えください。

【松原区長】
納期限までに保険料を完納いただけなかった場合は、延滞金が加算されます。延滞金は、納期限までに適正に保険料を納めていただいている多くの被保険者との公平性を考え設けられているものです。なお、災害等やむを得ない事情がある場合は、延滞金の減免を行っております。延滞金は、公平性の観点とともに、納期限までに保険料を納めていただくよう促す意義も有しており、今後も適正に実施してまいります。

【すがや議員】
国保滞納者への制裁措置として国で制度化された資格証や短期証の発行は患者が持つ医療を受ける権利を侵害し、滞納者へのぺナルティーは社会保障の原則に反するもので党区議団も、発行しないよう求めてきました。今回横浜市では資格証に続いて短期証もゼロになりました。国会での追及があり、改善もありますが、資格証、短期証の発行は、事務手続きが煩雑になり、人手と経費がかかり中止しました。どうしても払えない世帯に対して保険料の滞納を続けさせることは適切な対応ではありません。払えない保険証であれば保険料の滞納処分を執行停止にして、その資力に応じた当年の保険料を払ってもらう事がよっぽど合理的です。
●大田区の今年1月末現在、短期証発行は1,705世帯、資格証発行は535世帯です。短期証や資格証を発行することは中止することです。おこたえください。

【松原区長】
国民健康保険は、被保険者が相互に支え合って成り立っている制度です。保険料は被保険者の医療費に充てられる大切な財源です。短期証、資格証明書は、負担の公平を図る観点から、設けられているものです。保険料を滞納された世帯に、納付勧奨を重ねても納付いただけない場合は、6か月間有効の短期被保険者証を交付します。この保険証でも通常通り一部負担で医療機関に受診することが可能となっています。さらに、特別な事情がないにもかかわらず、保険料を滞納している被保険者に対しては、資格証明書を交付し、医療機関でお使いいただいております。短期証等は、納付計画の見直しを行う機会となっており、納付相談の際には、生活状況をよくお聴きし、丁寧に対応してまいります。

【すがや議員】
つぎに、介護の問題です。
大田区には要支援1,2の訪問と通所を新総合事業に移行したことにより、必要とするサービスが切られてしまった方が増えています。
2011年に脳梗塞を起こし左半身に後遺症が残っている男性は、「昨年12月8日の面談で『サービスを打ち切ります』」と言われた、「これからは、自分で、買い物をして、リハビリをやっている場所(大森西特養)まで来てください」という案内だったそうです。その男性は、家の中を自分ではやっと歩けますが、自宅に引きこもったら歩けなくなると、つえをついて、リハビリを行っている特養ホームまでの道のり約500mを何回も休みながら片道一時間もかかって行ったけれども「もう無理だ」と断念したそうです。また、別の女性は、ヘルパーさんをお願いしたら見つからないということもありました。
介護保険料を納めながら、希望する介護が受けられない状況で、ますます悪くなっています。憲法25条を逸脱しているひどい状況です。
●介護保険事業第7期に入り、当初予算で地域支援事業のうち介護予防・生活支援サービス事業費が2018年~20年の3年、毎年下がっています。それだけ、支援を受けられなくなっているのです。サービスの打ち切りはやめることです。また、第7期の終了に当たって42億円の基金があります。第8期介護保険事業計画において、第1段階から第3段階までの介護保険料を免除することができますので、実施すべきです。おこたえください。

【松原区長】
介護保険特別会計の地域支援事業では、介護保険法の趣旨に基づき、元気高齢者の介護予防から、重度化防止・自立支援まで、切れ目のない支援を目指しております。そのため、平成30年度からは、一般介護予防事業を拡充しております。介護予防・生活支援サービス事業については、介護事業者からの専門性の高いサービスに加えて、住民を主体とする多様なサービスを充実し、適切な支援に取り組んでおります。また、介護給付費準備基金は、3年ごとの介護保険事業計画の計画期間中における、介護保険給付や地域支援事業に要する費用の不足に備え、特別会計の剰余金を積み立てています。政府は全世代型社会保障を通じ、社会保障制度を持続的な制度とすることを今後の方針として明確化しました。区民に安定したサービス提供を継続することは、保険者としての大きな責務です。関係法令を遵守し、適切に判断していきます。

ひとりひとりの人権保障とジェンダー平等について

【すがや議員】
次に人権保障とジェンダー平等についてです。世界経済フオーラムが公表したグローバル・ジェンダー・ギャップ指数が2019年、日本は153か国のうち121位となり、過去最低を更新しました。経済、教育、健康、政治の4分野のデーターから作成され、特に低いのが「経済参画」117位、政治参画125位です。経済政策では「男女の賃金格差の是正」をすること、仕事の内容や性別に区別なく同じ報酬を払う「同一労働・同一賃金を書きこむことです。政治分野では、国会議員に占める女性の割合は1割、閣僚も女性は数人です。「政治における男女共同参画法」企業の管理職へ女性の登用を促進する「女性活躍推進法」の実現はまったなしです。
また、夫婦同姓を法律で義務付けている国は、世界で日本だけです。氏名は個人の人格の象徴であり、それを強制的に変えさせられるのは、憲法が定める「個人の尊厳」に反します。「選択制夫婦別姓」は、1996年に法制審議会が夫婦別姓も選べるように民法を改正すべきと答申しましたが、自民党が抵抗し国会で1回も審議されていないのは異例です。国連からも何度も勧告を受けています。
1月25,26日朝日新聞が実施した全国世論調査で選択的夫婦別姓について69%が「賛成」、「反対」24%を大きく上まっています。自民支持層でも63%が「賛成」、「反対」は31%です。
大田区議会にも陳情がだされ、継続になりましたが、議論を深める時です。
日本でも「MeToo」「WithYou」など性暴力をなくし性の多様性レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーSOGIの性的指向と性自認を理由とする差別をなくし、だれもが尊厳をもって生きることができる社会を求める運動が広がっていることは、人類の歴史的進歩を象徴し希望あることです
ジェンダーは私たちの身近にあふれています「男は泣くな」「女はすぐ感情的になる」など「男、女はこうあるべき」という見方、考え方を生れたときから家庭、学校、地域、職場など様々な場で自分の中に取り込み生きてきました。これが様々な性差別の温床になり、生きづらさになっています。ジェンダー平等とは対等な関係性を作っていこうという考え方です。
先日、来年中学に入学する子を持つ保護者から「子どもがスカートをはかず、小さいころからスラックスを着用していた、中学の制服でもスカートだけでなく、スラックスも選択させてほしい」とのご意見でした。また、制服に限らず、トイレ使用、移動教室などの入浴など様々な検討が必要です。港区では、トランスジェンダーなどが身体の性別にかかわらず職場や学校で制服など自由に選択できるよう、男女平等参画条例を改正する方針を固めたとの報道がありました。また、世田谷区、中野区でも制服(標準服)選択可能になりました。大田区では、連合審査会での佐藤区議の質問に、教育委員会が相談に応じると答えていますが、個別対応でなく、区として周知することです。
●大田区でも教育委員会の個別対応でなく、制服(標準服)の選択を可能にすることを求めます。おこたえ下さい。

【小黒教育長】
教育委員会は、心の性と体の性が一致しない生徒が標準服に対して心理的負担や不安を感じることがあると考えています。教育委員会では、生徒と保護者の意向にそった標準服の対応ができるよう、校長会や人権教育研修会などで指導・助言しております。各学校では、教育委員会の指導・助言を基に、標準服に関しては、生徒と保護者の意向にそった個別の対応を行っているところです。

【すがや議員】
都は、「東京オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」いわゆる人権条例を自民などを除く圧倒的多数で可決しました(第2回定例議会)。さらに、東京都性自認及び性的指向に関する基本計画を発表し、その内容はセクシュアルマイノリテイ当事者への性差別だけでなく、性的指向・性自認を理由とした差別の解消というすべての人に係わるものです。党区議団は、昨年第3定例議会にパートナーシップの条例を提案しました。
●「大田区立男女平等推進センター条例」は、(設置)第1条として男女平等参画社会の実現に資すると一言あるだけで、センター使用に関するものです。
港区は男女平等参画条例改正にLGBTカップルを公認する制度も盛り込む計画だと聞いています。パートナーシップ条例や制度のある自治体は、2015年に渋谷区、世田谷区ではじまり、31自治体に広がり、600組が利用しています。大田区でもジェンダー平等にかかわる条例や計画をつくり実践する時です。お答えください。

【松原区長】
ジェンダー平等にかかわる条例や計画についてのご質問ですが、区は、男女共同参画基本法に基づき、大田区男女共同参画推進プランを策定し、誰もが認め合い、女性が活躍できる社会の実現に取り組んでおります。性的少数者いわゆるLGBTの方々につきましては、差別や偏見を受けることのないよう、区民向けにLGBT問題を特集した区報を発行するとともに、人権上の悩みをお持ちの方には、人権擁護委員に人権身上相談を行っております。来年度は、令和3年度から5年間を計画期間とする、次期男女共同参画推進プランを策定する予定であり、このプランに基づき事業を推進してまいります。

以  上

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