第2回定例会一般質問(速報)―すがや議員



(映像は大田区議会ホームページより:15分)

認可保育園待機児童ゼロの大田区について

【すがや議員】
私は、大田区の緊急で最重要課題である子育て支援、待機児童対策について質問します。
マスコミでも取り上げられた、認可保育園にお子さんを預けられなかった保護者の方々は不服申し立てを、昨年に続き今年も大田区に対し行いました。
席上では「1歳児の子どもが4月入園がだめでした。8月に職場復帰しなければなりませんが、4月に入園できず職場に戻れないと話すと会社から電話があり『首になるかもしれない』といわれています」また、「西馬込に住んでいます。認可保育園に入れず認証保育園に預けることになりました。この地域には認証保育所はケンパしかありません。ママ友が競争相手になってしまう。同点で入れる子、入れない子がでるのはどうして」また、「22点でも入れないのはなぜですか」また、「1歳児の子が不承諾。フルタイムで働いています。4月に職場復帰しなければならないので、認証保育所がようやく1ヶ所見つかりました。空も見えず、狭い場所に何人も入っていて、このような所に入れていいのか悩む。園庭もないので、公園に子どもたちが遊びに来ていますが本当に大変そう。公園から出て行かないように制限し、かわいそうな環境」また、「二人目入れたいが二人目も入れない。そのことで人生設計を決めなければならないのですか」また、「兄は、認可保育園5歳児、育休を伸ばしたが8月1日に職場復帰しなければならない。5歳児の兄は退園しなければならない」などのつらい思いや声が出されました。
せっかく見つけた仕事をやめなければならない、人生設計まで変更するようなことをさせていることに、大田区は、心が痛みませんか。住民への奉仕、区民の苦難解消をする地方自治体の役割の原点に立って待機児童解消に取り組むことを求めておきます。
今年、5月15日子ども文教委員会で発表した認可保育園入園を希望して入れなかった不承諾数は精査した結果1326人、待機児童は613人でした。昨年の待機児童438人と比較して175人増えています。大田区は、区長を本部長とし、待機児童対策本部を作り待機児童対策として、昨年は、目標450人分を上回る509人分の定員増を行いました。しかし、今年はさらに待機児童が増えるという結果になりました。
このことは、大田区の待機児童対策の計画が不十分ということです。
●どうして計画が不十分になるのか、第1は、待機児童の数の数え方に問題があるからです、今年の第1次不承諾数は1768人でしたが、その後、認証保育所、小規模保育所、保育ママさんなどを利用した数を差し引いて、待機児童の数を発表し、その数で計画をもちます。
しかし、実際は、どうしても職場復帰や仕事に付かなければならない保護者の方々は高い保育料の認証保育所等に一時的に預けても、年度途中や翌年には、再度認可保育園に申し込みます。また、はじめから入園できないとあきらめて申し込まない家庭もあり、倍近くの待機児童が潜在的にいるとも言われています。ですから、待機児童は減らないのです。これまで、党区議団は何回もこのことを指摘してきましたが、その都度大田区は「国が決めていることなので」と姿勢を変えません。これではいつまでたっても待機児童は解消されません。大田区の待機児童の数は認可保育園を希望して入園できなかった数にすることです。おこたえください。

【こども家庭部長】
待機児童の数は、認可保育園の入園を希望して入園できなかった児童の数にするべきではないかとのご質問でございますが、国が示している「保育所入所待機児童の定義」では、「保育園入所申込みが提出され、入所要件に該当しているが、入所していない児童のうち、地方公共団体における保育施策において保育されている児童は、待機児童に含めない」とされてございます。区はこれまでも、地域の保育ニーズにきめ細かく対応するため、多様な保育サービスの提供を進めてまいりました。今後も、待機児解消に向け、総合的な施策展開を図ってまいります。

【すがや議員】
第2は、保護者が希望する数に見合った認可保育園の増設計画を持たないからです。
党区議団は、認可保育園は作らないといっていた時もあった大田区が、認可保育園を増設してきたことや待機児童対策を緊急課題として取り組んでいることは評価します。
昨年の保育サービス定員の増加数509人のうち、認可保育園266人です。残りの約半分は、認証保育園141人、小規模保育所55人、定期利用事業は38人、保育ママ9人の243人分ですから、認可保育園を希望する数にあいません。
●大田区は、認証保育所や小規模保育所などを含んで定数を増やしていますが、保護者は、園庭や、保育室などの国基準がある認可保育園に入園を希望しています。初めから、認証保育所などを希望する方は、直接申し込んで入園しています。認可保育園増設で待機児童解消をすることです。
先日の議会運営委員会で副区長より「今年度の待機児童613人を超える620人の計画をもつ」と話がありました。その計画は、調布地域217人、大森地域192人、蒲田地域150人、糀谷、羽田地域54人分の620人分ではまったく足りません。また、今年と同じように待機児童が増えるのです。今年の認可保育園不承諾数1326人の目標に引き上げることです。
区の計画は、認証保育所や小規模保育所を含めた待機児童解消の計画ですから、翌年は認可保育園入園を保護者は希望するため、また足りません。認可保育園増設を中心とした計画にすることです。お答えください。

【こども家庭部長】
次に、待機児解消に関する計画についてのご質問でございますが、増加する保育ニーズにスピード感をもって対応するため、保育サービス定員620名増を目標とする「平成26年度大田区待機児解消緊急加速化プラン」を策定し、待機児解消の取り組みを強化しているところでございます。このプランに基づき、多様な保育ニーズに応えるため、認可保育所に加え、認証保育所、グループ保育室、小規模保育所、定期利用保育事業などの整備を進めてまいります。引き続き、待機児解消に向けた施策を総合的に展開することにより、保育を必要とする子どもが適切なサービスを利用できるよう努めてまいります。

【すがや議員】
党区議団は、国有地、都有地の活用で認可保育園の増設することを提案してきました。
●舛添東京都知事は、特養ホームや認可保育園の増設に向けて国有地、都有地、民間の土地も活用の検討委員会を作っています。大田区は、保育所用途として活用できる不動産物件情報を集約し、保育事業者へ適切に提供できる仕組みづくりとして、効果的な保育所整備を進める、マッチング事業をホームページでも発表しました。マッチングも重要ですが、まず大田区が、積極的に土地を購入して認可保育園の増設をすることや、民間への土地購入の助成金を出して認可保育園増設をすることです。お答えください。

【こども家庭部長】
次に、区が土地を購入するほか、民間の土地購入費用を助成し、認可保育所を増設すべきとのご質問でございますが、待機児解消対策の取り組み方針といたしまして、待機児の多い地域を重点地域に定め、集中的に保育施設の整備を進めてございます。また、保育施設の整備に当たりましては、民間活力を活用し、テナント型保育所などの手法も駆使しながら、スピード感を持って取り組んでいるところでございます。国有地などの取得につきましては、地域の保育ニーズなど待機児解消対策としての有効性を見極めた上で、判断してまいります。なお、現時点では保育事業者へ土地購入についての助成を行うことは考えてございません。

【すがや議員】
次に、認証保育園保育料の助成額についてです。
●不服申請の席上でもだされたように、認証保育園の保育料は約5万5千円から11万円など高額です。党区議団が条例で提案したのも、認可保育園に入りたいのに入れず、認証保育所に入る状況を作っているのは大田区の責任であり、認証保育園と認可保育園の保育料の差額を大田区が助成することは当然と考えるからです。
党区議団が増額を求めると、大田区は現在第1子1万円、第2子2万円の助成を出していると繰り返すだけです。多くの区が所得の差額を考えながら、隣の品川区では2歳まで6万6千円、3歳以上は所得に応じて4万円、目黒区4万円、世田谷区で最大2万円、港区2万円か4万円、渋谷区4万5千円(区外7万円)など23区で制度のない江戸川区についで大田区は低い補助額です。大田区と同じ1万円の補助額だった板橋区は、今年度2万円に引き上げています。大田区の助成額を増額することを求めます、お答えください。

【こども家庭部長】
続きまして、認証保育所保護者負担軽減補助金を増額すべきとのご質問でございますが、認証保育所は、入所できる児童の範囲が認可保育所とは異なり、「保育に欠ける」ことは要件になっておりません。そのため、就労していない方も利用することが可能となってございます。また、13時間の開所など、提供する保育サービスも認可保育所とは異なっているため、保育料の比較において、必ずしも同列に論じることはできないものと考えてございます。今後、新制度への移行に伴い、保育をめぐる国の制度は大きく変わることから、新制度における認証保育所の位置づけについては、国や都の動向を注視しているところでございます。当補助金につきましては、利用者負担額のあり方を検証しつつ、適切に判断してまいります。

【すがや議員】
アベノミクスの経済政策とさも景気が良くなるかのようなことが言われますが、そのような実感はまったくありません。ましてや、若い子育て世代の賃金は増えず、25年間減少しています。働かなければ生活できない状況はますます拡大され、認可保育園の入所希望数は増えます。
また、5月1日オープンの北馬込にある認可外保育施設フランチャイズ系は園児が集まらず撤退することがわかりました。経営がうまくいかなければ簡単に撤退するのが企業です。フランチャイズ系は参入者にオープンで1000万円、撤退で違約金1000万円など支払わせる儲け方式です。保育は、儲けではできません。今後、子育てステムに移行しますが、公的保育制度の充実を求め質問を終わります。

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