第1回定例会一般質問(速報)―藤原議員



(映像は大田区議会ホームページより:41分)

防災対策は自治体の役割第一に

【藤原議員】
防災対策について質問します。
2月14日から16日にかけての関東甲信などの記録的な大雪は、死者9県24人、負傷者21都県926人、2月22日現在、家や農業用のハウスの倒壊などの生活再建と、高齢者や病弱な方々の支援が急務となっております。農業や輸送機関、道路などにも多大な被害が広がり、大田区民にも野菜の高騰などの影響が出ております。日本共産党は、関東甲信大雪対策本部を設置し、志位和夫委員長を本部長に、国会議員、地方議員を中心に、山梨、群馬、埼玉をはじめ被害実態調査を行い、国や県、自治体に災害救助法を適用など、被害に遭われた方々への支援、農業復旧などに全力を挙げて取り組みを行っております。
国内での災害は、この20年間だけでも阪神・淡路、東日本大震災、長野栄村、つくば市、東京大島町など、全国各地でのゲリラ豪雨や竜巻、大雪などの被害が相次ぎ起きております。大田区の防災対策は、阪神・淡路大震災以後、学校などの耐震診断・補強工事、民家の耐震診断・工事、家具転倒防止器具取りつけ、海抜標示設置、避難場所拡充や食料品の備蓄、民間会社との防災協定などに取り組んでこられました。
党区議団は、東日本大震災直後から、区内での防災対策強化と、震災でまち全体が被災した東松島市をはじめ被災地域住民の支援を大田区職員と区民の参加協力で取り組まれたことを評価してきました。また、東日本大震災の教訓から、大田区地域防災計画の修正を行い、区民からの意見も取り入れた事業もありますが、新年度予算案概要や大田区10か年基本計画おおた未来プラン(後期)素案、13年くらしのガイドなどでは、相も変わらず自助、共助、公助で区民の命や財産を守ることを求めておりますが、自助、共助も大切で、みずからの生命や財産を守らない区民は誰一人いません。生活弱者、高齢者、年金生活者、母子、生活保護受給者などにとっては、安倍自公政権のもとで、消費税大増税、年金給付や生活保護費も下げられ、国保や介護料金の負担増、円安で物価高などで、区民がみずからの命を自助で守ることができるというのでしょうか。
●阪神・淡路大震災以後、防災対策の第一は自己責任というこれまでの方針を改め、大田区が区民の生命、身体、財産を守るという自治体本来の責任を果たすために全力を尽くす防災対策を立てることです。おおた未来プラン(後期)素案の防災対策では、公助を全面にしたものにすべきです。答弁を求めます。

【防災・危機管理担当部長】
未来プランの中で防災対策は自助、共助ではなく、大田区公助を全面に出したものにすべきとのご質問でございますが、大規模地震発生直後は公助が十分に行き渡らず、みずからの命を守るため、また、家族、近所の方々の救助などに自助、共助が重要になることは、過去の大震災で証明されてきたところでございます。そのため、自分の命や安全はみずからが守る自助、そして隣近所の協力や地域の支え合いによって助け合う共助が災害初動期には最も重要となります。区民は、一人ひとりが自助と共助の重要性を十分に理解され、みずからの責任で命を守り、地域において助け合う行動ができるよう日ごろから備えておく必要がございます。
大田区におきましても、自助、共助を実践していただくための十分な支援を行うとともに、公助の役割もさらに充実させるため、平成24年度に策定いたしました大田区総合防災力強化プログラムに基づき、区民の命を守る、最低限の生活を守るという二つの視点から区の防災対策の強化に取り組んでいるところでございます。来年度は新型D級ポンプを配備し、スタンドパイプとの併用により延焼火災から区民の命を守る対策や、児童・生徒の命を守るため、全ての小中学校に緊急地震速報の受信機を設置するなど、新たな防災対策を実施する予定でございます。このように、区では公助としての役割を十分に認識して、総合防災力の強化に努めることはもちろんですが、区民による自助と共助の理解促進を図ることも重要であり、今後とも自助、共助、公助を結集した防災対策の強化充実を図ってまいります。

【藤原議員】
昨年12月に首都直下地震の被災想定も発表されました。いつ、いかなる災害にも区民を守る対策が求められています。また、東京都が12月4日に発表した東京湾北部地震、震度7.3による被害想定では、大田区全域で震度6強の揺れに見舞われ、死者1,073人、建物全壊棟数は1万棟を超えると報告されております。大きな震災が起こった場合に、避難しないでも身を守れる、出火させない、財産が守れる対策こそ一番大事だと思います。
阪神・淡路大震災の教訓は、約80%の人が家具転倒や家の倒壊によって圧死したのです。生命、身体、財産を守るとともに、大田区が行っている家具転倒防止器具取付事業は、全区民が設置することが求められていますが、転倒防止支援を受けられる世帯が区内で4万7814件ですが、2008年より設置申請者数は973名、取りつけ件数は882件です。
●みずからが設置した方もいるでしょうが、これまで65歳以上の高齢者で非課税世帯とひとり暮らしの方、障がい者が対象でしたが、共産党区議団が繰り返し提案し、課税対象者でも80万円以下の高齢者に取りつけが実現しました。65歳以上の高齢者には課税者も含め全員を設置対象者にすることを求めるものです。お答えください。

【防災・危機管理担当部長】
65歳以上の高齢者と世帯には非課税等の条件をつけずに、所得制限をなくして全ての方に家具転倒防止器具支給取付事業の対象にせよというご提案でございますが、家具の転倒防止策は防災対策の中でも自助に当たる取り組みであり、基本的には、みずからの身を区民みずからが守るために家具の転倒防止策を講ずることが大切と考えてございます。区で実施している家具転倒防止器具支給取付事業は、高齢者や障がい者で、かつ経済的に取りつけが困難と思われる世帯に対しては、福祉的な側面から支援をしていくことを目的としてつくられた制度でございます。こうした点を踏まえまして、本事業に住民税による一定の所得制限を設けるということは合理的な理由があるものと考えてございます。そのため、所得制限をなくし、希望する高齢者全員を対象とするということは考えてございません。

【藤原議員】
1981年以前に建てられた木造住宅などで耐震性が不足している建物に、大田区は耐震診断・補強に助成する制度を設けました。耐震診断が必要な住宅件数は申請者が少なく、診断・補強が必要な住宅戸数が調査できず、不明とのことです。2006年度から2012年度までの7年間で大田区の助成制度活用は、住宅の耐震診断で耐震コンサル派遣は1935件、本診断は984件、本診断助成金額合計は4億1600万円余です。補強・改修工事件数では408件、区の耐震補強工事助成額は5億4500万円余です。診断と工事費総額で9億6200万円余、家具転倒防止器具取りつけ助成額を入れても10億円以下です。年間平均1億7700万円余です。助成補助額の増額や、耐震診断の全世帯調査などを行う体制が急がれます。地震や台風などで家が倒壊しない、家具が転倒しないなどの対策が未設置の木造住宅が多いということは、家の倒壊や家具転倒で命と財産を失うことだけでなく、そのことが原因で火災になり、結果としてまち全体が大きな災害につながることになります。
大田区の耐震診断や耐震工事・補強する世帯がなぜ少ないのか。防災に関心が高く、高齢者対策を抜いて防災対策が区民アンケート第1位です。なぜ転倒防止器具取りつけ、耐震診断・補強が少ないのかです。一つには、大田区が家具転倒防止器具取りつけでも耐震工事でも、区民が窓口に申請されるのを待っている、待ちの姿勢だからではないでしょうか。防災対策の必要性、制度の活用などについて積極的に働きかけない、職員も少ない、回り切れない。結局、自助か共助で何とかなると考えているのではないでしょうか。二つ目には、補強工事に個人負担が多く、補助額が低いからです。防災対策に予算を増額しても決して無駄にはなりません。
●家具転倒防止器具取りつけについても、これまで工事助成額が3回引き上げられましたが、現場に行く場合、車を駐車場に入れなくてはなりません。駐車料金が少額とはいっても業者には負担になりますので、駐車料金分も助成すべきです。木造住宅耐震診断助成限度額も現行の10万円から20万円に引き上げること、耐震改修計画・設計を15万円から30万円に引き上げ、耐震工事・不燃化建て替え工事費100万円を150万円に引き上げることを提案します。木造以外の住宅への助成額の引き上げも、先ほど答弁がありましたが、予算増額について答弁を求めるものです。

【再開発担当部長】
まず、家具転倒防止器具取りつけについて、駐車料金分を助成すべきであるというご質問でございますけれども、先ほど防災・危機管理担当部長から答弁させていただきましたように、本来、家具の転倒防止器具の取りつけは、自分の命を守るための自助で実施する防災対策でございます。しかし、低所得者の高齢者、障がい者等のうち、取りつけが困難な区民の方もおられますので、福祉的な側面から支援をしているという性格のものでございます。この転倒防止器具の取りつけ工事受託者へは、家具転倒防止器具の取りつけ費用及び諸経費を含めた設置費を既にお支払いしてございます。設置費の額は、事業を創設した平成20年、地域の建築関係事業者の協同組織である建築あっせん事業連絡協議会とご相談の上、1件当たり3000円といたしまして、その後、見直しを行いまして、現在5500円に引き上げたということになってございます。区といたしましては、現行のままでお願いをしたいと考えてございます。
次に、木造住宅耐震診断助成限度額を10万円から20万円に、改修計画・設計を15万円から30万円に、耐震工事・不燃化建て替え工事を100万円から150万円に引き上げるべきとのご提案でございますけれども、住宅の耐震化助成につきましては、23区内において他区と比較しても遜色ない水準にあると認識しております。大幅な助成額の見直しは考えてございません。例えば、現行の木造以外の住宅への助成限度額でございますが、耐震診断が50万円、耐震改修計画・設計が50万円、耐震改修工事が150万円となってございまして、このうち耐震改修工事につきましては、特に高齢者等がお住まいの場合は、通常の150万円にさらに50万円を上乗せした200万円を助成限度額としております。ただし、先ほど押見議員からちょうだいいたしましたご質問にお答えしましたとおり、一部木造住宅の耐震診断に対する助成制度につきまして、その仕組みを簡略化しコストダウンを図りますとともに、診断費用の低額化等により区民の方の費用負担を軽減することとしております。
なお、現行の制度では、住宅への助成内容としまして、木造住宅とそれ以外という分類にしてございまして、マンションにつきましては、また別のカテゴリーで助成しておりますが、広い意味で住宅の一つという意味で申し上げますと、これも先ほどちょうだいしましたご質問にお答えしましたとおり、耐震化をより強力に進めていくため、来年度から分譲マンションの耐震診断、耐震改修計画・設計、耐震改修工事の助成限度額をそれぞれこれまでの3倍に引き上げる予算案を提案させていただいているところでございます。これらの制度を区民に十分に周知していくとともに、効果的に活用いたしまして、家具転倒防止器具の取りつけも含め、区内の住宅の耐震化をしっかりと推進してまいります。私からは以上でございます。

【藤原議員】
●区の支援対象になっている家具転倒防止器具未設置世帯や、1981年以前に建てられた住宅の全数調査を、区防災課を中心に各特別出張所に防災職員を2名以上配置し住宅実態調査し、区の制度活用を奨励するなど、職員でなければできない取り組みを行うべきです。防災職員、区職員の増員を求め、答弁を求めます。

【防災・危機管理担当部長】
区の支援対象となっている家具転倒防止器具未設置世帯等について、特別出張所に防災職員を2名以上配置し調査に取り組むべきとのご質問でございますが、区では、自分の身は自分で守る自助を地域で進めていくために、家具転倒防止器具の支給取りつけ制度や耐震診断・耐震助成制度などの事業の周知を様々な機会を通じて実施してございます。
具体的には、防災講話、地域での説明会、耐震事業の講習会の開催、本庁舎1階での展示、防災訓練、大田区での行事を活用して周知に努めているほか、防災パンフレット、大田区報、大田区ホームページを通じて広報に努めております。さらに、家具転倒防止器具支給取付事業につきましては、特別出張所、さわやかサポートや生活福祉課に申請書を置きまして、関係部署と連携して勧奨に努めているところでございます。加えまして、毎年地区を変えながら、直接支給対象となる世帯へ勧奨の案内を郵送するなど、調査の段階から工夫をしながら事業の推進を図るというところで、現在進めているところでございます。

【藤原議員】
防災対策でエレベーター問題について質問、提案します。
新しい防災対策問題として、マンションや特別養護老人ホーム、高齢者住宅などのエレベーターについて、昨年発表された首都直下型地震が起きた場合、地震で急停止したエレベーター内に最大で1万7000人が閉じ込められると言われています。これまでエレベーター内に閉じ込められ、最高9時間救出されなかったこともあり、数時間閉じ込められることになれば高齢者や子どもの命にもかかわります。大田区では、震度6・7の地震が起きた場合、エレベーター内に閉じ込められることを想定した対策はあるのでしょうか。
●一定の揺れを感知すると自動的に最寄りの階で停止して扉が開く地震時管制運転装置が最近のマンションや公の施設には設置されているとお聞きしました。そこで、5階建て以上の住宅や高齢者施設、障がい者施設について、地震時管制運転装置を設置していない棟数調査と、未設置の場合、助成制度を新たに設けるべきと思いますが、検討されているかお聞きします。

【まちづくり推進部長】
エレベーター内の閉じ込め防止対策についてのご質問でございますが、平成21年9月の建築基準法施行令の改正に伴いまして、それ以降の設置につきましては地震管制装置の設置が義務づけられているところでございます。それ以前のエレベーターへの対策といたしましては、大田区では平成24年度、25年度に国の補助制度を活用いたしまして、それとあわせてエレベーターの所有者の皆様にリーフレットをお配りいたしまして、地震管制運転装置、それからエレベーターのドアが開いたまま走行できないような保護装置、このセットで安全装置の設置を促してきたところでございます。
区内の5階建て以上1000平米以上の共同住宅及び3階以上2000平米以上の高齢者・障がい者施設で地震管制運転装置を設置していないものは、大田区は定期報告などで確認をしてございます。新たな助成制度は考えておりませんが、今後も、地震管制運転装置が設置されていないエレベーターの所有者に対しまして、毎年行われておりますエレベーターの定期検査報告の機会などを捉えまして設置を促してまいります。

大田区産業のまちづくり条例を生かし工業を守り、プレミアム付商品券発行を

【藤原議員】
次に、区内中小企業の取り組みについて質問します。
日本共産党大田区議団は、区内の中小企業を守り発展させることは、大田区だけでなく日本の経済にも貢献できるもので、ものづくり技術の継承、町工場の発展を願い、直接支援、後継者育成など予算増額を毎年提案してきました。日本共産党区議団が提案している後継者育成支援に1人150万円から200万円の助成、貸し工場の家賃助成、無担保・無利子融資制度など、直接助成などを行っていたなら多くの町工場が生き残れたのです。今からでも行うべきです。
私は、大田区産業のまちづくり条例について、中小企業・業者を主役にした条例を今日に生かされる条例に見直しが必要と思い、提案するものです。1991年ごろからバブル崩壊が始まり、全国で一番早くバブル崩壊の影響が出たのが大田区と言われ、町工場などは直接仕事が激減し、売り上げも落ち込み、自殺者も出るほどでした。大田区の中小企業・商店を守り発展させるために、当時、中小企業・業者と労働組合の皆さんが中小企業振興条例制定の運動に取り組まれた結果、1995年第3回定例会で区長提案として産業のまちづくり条例が制定されました。
しかし、この条例が、大企業も中小企業も同一にした「産業者」と一くくりにし、体力の弱い中小企業、町工場支援に光を当てないばかりか、中小業者に対して、時代の流れについてこられない企業は倒産・廃業しても仕方ないと見捨てたのです。当時、大企業の産業空洞化に対しても適切な対策がとられなかったのです。
二つ目には、自治体の長、区長の役割を条例から外しました。長の責任が曖昧になり、この条例を生かした取り組みが弱められました。当時でも7000社あった工場が、今は4000社とか3500社とも言われているほどに、19年間で大幅に工場が激減したのです。産業のまちづくり条例が機能を果たさなかったことになるのではないでしょうか。
●歩道橋から図面を飛ばせば製品になって返ってくると言われた、ものづくり技術集積の大田区中小企業のまちを再び活気あるまちにするためには、条例で見直すところは見直して、中小企業振興に役立てることです。提案します。条例では「産業者」とありますが、「中小企業」と変えるべきです。また、区長の責務を条例で明確に位置づけることです。答弁を求めます。
文言の変更が今すぐ無理な場合は、夏までに工場訪問調査を受け、意見や要望、区内商工業者、団体との懇談等も行い、区の条例について検討を行うべきと考えます。

【産業経済部長】
中小企業を守るために、大田区産業のまちづくり条例の改正の検討をというご提案でございます。大田区産業のまちづくり条例は、大田区が世界に誇る産業のまちであることを踏まえ、工業、商業、運輸、サービス業等、また、これらの業種や業態の別なく、産業活動に関係する全ての人を産業者とし、その産業者の方々を中心に、区民及び自治体としての区が一体となって産業のまちづくりを推進しようとするものでございます。区民の生活様式や社会の変化など国内外を取り巻く構造変化に対応できるような地域の産業基盤と企業体質をつくり、そしてこれらの産業が区民生活を支えているということを認識し、将来にわたって大田区を産業のまちとするために制定されたものです。したがいまして、ご提案の趣旨をも包含した条例であると認識しておりますので、条例改正の必要性についてはないと考えております。

【藤原議員】
国民の7割以上が増税に反対し、2月17日のTBSテレビでは、消費税増税はあなたに影響があるかとの問いに、89%の方が影響ありと答えられました。区商連新聞1月1日号の理事長の年頭挨拶の中でも、「4月には消費税率が5%から8%に引き上げられます。3月までの駆け込み需要を期待する声もありますが、それよりむしろ4月以降の消費の落ち込みが懸念されているところです」と述べられています。消費税率8%に引き上げられ、消費の落ち込みを区内商店街、個店の皆さんは心配されております。お客に消費税8%を負担してもらえるか、このまま商売は続けられるかと今から頭を痛められているのです。
●消費税増税で売り上げ減少の痛みを少しでも軽減し、区民が商店街で買い物をしていただくためにも、プレミアム付区内共通商品券を大田区が発行すべきです。国が消費税増税を強行する姿勢ですので、大田区商店街の活性化と、増税で痛みを解消するぬくもりあるプレミアム付商品券の発行を求める提案をいたします。

【産業経済部長】
プレミアム付商品券の発行を求めるとのご提案ですが、大田区では、プレミアム付商品券の発行をリーマンショックや東日本大震災の影響に対する緊急経済対策として、平成21年度から24年度にかけて実施してまいりました。消費税率の引き上げに伴う区内消費の影響につきましては、4月以降の動向を注視するとともに、緊急経済対策が必要と判断される状況になった場合には、幅広い視点から効果的な施策を考えてまいりますが、検討の際にはご提案の件も含めてまいりたいと考えております。

京浜急行空港線の改善を

【藤原議員】
京浜急行空港線について質問します。
昨年から羽田地域や糀谷地域で出されている意見で要望が特に多い、関心が寄せられている一つは、京浜急行空港線についてです。昨年も私は取り上げましたが、空港線の運行ダイヤのことです。午前10時6分以後から午後3時45分まで、品川、日本橋、浅草、スカイツリー方面に出かける場合は、連続立体交差事業完成前までは天空橋、穴守稲荷、大鳥居、糀谷駅から乗車しても品川、日本橋、浅草方面に直行便が昼間もありましたが、高架事業後、2012年10月21日より乗り換えなしで品川方面行きはなくなりました。一方、横浜・逗子方面行きが1時間6本もあるのです。京急蒲田駅に快速特急が停車するのだから、天空橋駅から糀谷駅間、昼の利用者には京急蒲田駅で乗り換えていただければよろしいと思っているのでしょうか。
区内を走る京浜急行本線は全て高架になり、空港線は西糀谷中ほどまで高架になりました。この高架化事業は、大田区からも区民の多額の税金が投入され、空港線沿線住民は住み慣れた自分の家の立ち退きに協力し、高架化事業ができたのに、完成後は沿線住民が空港線を利用する場合、逆に不便になったのでは、利用する住民だけでなく、協力してきた町会や商店街、また沿線住民にとっては許されないことです。
●羽田国際空港に品川方面から快特での直行運転を売りにする京浜急行は、空港線で利益を上げながら、昼間利用する沿線住民の足を奪い取る経営は公共鉄道として許せません。大田区は京浜急行に沿線住民の声を届け、品川方面へ乗り換えなしの直行運転を強く求めるべきです。いつダイヤ改正し品川方面への直行になる計画なのか、京浜急行に強く求めるべきです。答弁を求めます。

【まちづくり推進部長】
京急空港線の品川方面へのダイヤに関するご質問でございます。京急空港線は、平日及び土曜日、休日とも、朝夕時間帯では品川方面行きを含め多くの列車が運行されており、一定の利便性が確保されているものと考えているところでございます。一方、平日の日中時間帯及び土曜、休日の一部の運行ダイヤに限りましては、羽田空港方面からのエアポート急行は川崎方面行きとなっているという状況でございます。鉄道のダイヤ編成につきましては、列車運転の安全性、安定性の確保、旅客人員の動向や需要などを考慮して、京浜急行電鉄全体のバランスの中で、鉄道事業者がみずからの責任において決めていくものと考えてございます。京急電鉄に確認いたしましたところ、現在、ダイヤ改正につきましては未定とのことでございました。

【藤原議員】
次に、加算運賃について質問します。
空港線の加算運賃については、大田区で許可したものではなく国の管轄で、京浜急行電鉄が判断する問題ですが、大田区には関係ないでは済まされません。羽田空港へ直接乗り入れのためのトンネル工事や駅ターミナルなどに投資した費用回収する加算運賃制度は、空港を抱えている全国の都市でも問題になっております。羽田空港東西ターミナルが開業時から加算運賃を徴収し現在に至っていますが、京浜急行電鉄は、今、羽田空港への乗り入れによって、空港線はドル箱と言われています。
加算運賃について、2013年8月の内閣府消費者委員会資料では、資本費コスト回収完了が加算運賃の終了時期であっても、鉄道事業者の経営判断により、加算運賃を減額または廃止することは認められていると述べられており、50%以上は回収したのですから、もう廃止か減額するべきではないでしょうか。例えば、空港線の中ほどにある大鳥居駅から国内線ターミナル駅まで大人300円、子ども150円です。300円の運賃で本線を利用した場合、横浜の先の先の先の先、上大岡駅まで乗車できるのです。あまりにも空港線は高過ぎます。
●羽田空港国際化でにぎわいのある大田区を掲げているのですから、京浜急行電鉄に区長を先頭に空港線の加算運賃の廃止または減額を強く求めることを行うべきです。議会では議長や特別委員会委員長も京浜急行本社に直接申し入れをしているのですから、区長、副区長が直接申し入れることを強く求めるものです。答弁を求めます。

【まちづくり推進部長】
次に、京急空港線加算運賃の廃止、減額に関するご質問ですが、国土交通省は昨年10月の加算運賃通達におきまして、加算運賃は、主として新規路線の開業等に伴い発生する多額の資本コストを回収するために、加算区間において基本運賃に加算して設定されるため、終了時期は資本費コストが完了するまでとの見解を示しているところでございます。同時に、お話にございましたとおり、資本費コストの回収完了前でありましても、鉄道事業者の経営判断により加算運賃を減額または廃止することが認められていることから、京急電鉄に対しましては、回収額、回収率等の加算運賃に係る状況につきまして適時確認をしてまいりたい、そのように考えてございます。

【藤原議員】
2010年5月15日には、京急蒲田駅飛ばしは許せないと大田区、議会、住民が区民大会を開き、松原区長も記者会見や決起集会では、はっぴやくわを持って行動しました。空港線昼間の時間帯に品川方面へ直行運行と加算運賃の廃止または減額を京浜急行電鉄に重ねて強く申し入れることを求めて、以上で質問を終わります。

以  上

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