議会の民主的運営に向け、世論と運動を広げます
議会役職を自・公がほぼ独占
5月26・27日の大田区議会第一回臨時会が開かれ、副議長、常任・特別委員会の正・副委員長の互選が行われました。
結果は依然として、議会役職20ポストのうち自民・公明党だけで15ポスト(75%)を占めます(左表参照)。
党区議団(8名)はじめ立憲民主(3名)・フェア民(奈須議員)・フォーラム(荻野議員)の4会派13名で、区議会の民主的な運営に関わる要望書を提出し改善を求める中で、党区議団から2名の副委員長が選出されました。
会派名 | 2022年5月27日現在 | ||
---|---|---|---|
議席数 | 委員長 | 副委員長 | |
共産 | 8 | 0 (2) | 2 (2) |
自民 | 15 | 6 (4) | 3 (3) |
公明 | 10 | 3 (3) | 3 (2) |
令和 | 6 | 1 (1) | 2 (2) |
立民 | 3 | 0 (0) | 0 (1) |
現在の配分数(議席数に応じた配分数)
*令和大田区議団…犬伏・三沢(維新)・松原元・須藤・植田・荒木議員
区民の声が反映される議会運営を
今、コロナ禍で日本全体が窮地にたたされています。このような時だからこそすべての会派が英知を出し合い、区民のくらし・営業を守ることが求められています。
党区議団は、区民に選ばれた区議会が、区民の声を反映させ、議会の民主的な運営のために、議席数に応じた役職配分となるよう、共同を広げます。
本会議の質疑・討論に時間制導入
本会議の質疑・討論について、「全議員の発言機会の保障と、能率的かつ公平な議会運営を実現するため」として、これまで無かった時間制限を設ける議論がされて、5月19日の議会運営委員会で採択され、第一回臨時会から時間制が導入されました。
党区議団をはじめ4会派13名は、言論の府の議会において、一人一人の議員の発言は最大限保障されることこそが重要であり、時間制は導入しないことを求め反対しました。
議会の民主的運営に向け区民のみなさんや他会派とも協力し、世論と運動を広げます。
時間制導入の内容
- 質疑は5分以内とする。なお、答弁は含まない。
- 討論は一人当たり5分とし、会派の人数を乗じた時間とする。ただし、30分を限度とする。
18歳以下医療費無償化 党区議団の繰返し提案で実現
党区議団は第二回定例会で「子ども医療費無料化は、現在、区は15歳まで所得制限も自己負担もなしになるよう都に上乗せをして行っています。それと同じように、18歳まで子ども医療費の無料化を早期に実施することを求めます」との質問に、松原区長は「実施主体となる特別区の区長会と財政支援を行う東京都との間で調整を行っているところです」と答弁していました。
しかし、本会議最終日松原区長より、「特別区長会として2023年度から所得制限なし、自己負担なしで実施する方向でまとまり、必要な財源の負担等については東京都と引き続き協議を行うことといたしました。区は早期実現に向けて着実に進めてまいります」と発言がありました。
党区議団は、乳幼児医療費無償化から子ども医療費の無償化の18歳以下までの年齢引き上げなど、繰返し条例提案を行ってきました。党区議団の提案に自民・公明等は「バラマキ」などと発言し、反対してきました。
多額の区税投入で区民犠牲押付ける新空港線(蒲蒲線)は白紙撤回を!
6月6日松原区長は、新空港線整備事業について緊急に記者会見を行い、都区で協議をしていた事業総額三分の一の地方負担分となる都区負担割合について、都区が合意したことを発表しました。
総事業費は1360億円となり、三分の一、453億円の地方負担分について、都区の負担割合は、区が7割317億円、都が3割136億円となります。
さらに、大田区は第三セクターを設立し、事業者となるため46億円負担することになり、合計で363億円の多額の区財政投入になります(区は実際の区負担額を明確にしていません)。
区説明の「区民の利便性向上」にはなりません
区は「区民の利便性向上」と「沿線まちづくりの整備」となると説明していますが、
- 今回の計画は京急蒲田駅までの第1期事業計画で、第2期事業計画の京急蒲田駅から羽田空港への連絡は未定です。
- 多摩川線蒲田駅は地下化され、JR蒲田駅への乗り換え時間が大田区の想定では、現在の3分58秒から5分20秒になり1分22秒多くかかり、多摩川線利用者は不便になります。
- 新空港線は東横線等との相互乗り入れを想定し、8~10両編成となります。現在、多摩川線は3両編成で、駅の改良をしない限り停車することは困難です。この点について大田区は「営業主体(東急電鉄を想定)が考えること」と述べるにとどまり、多摩川線の各駅は素通りの可能性があります。
- 下丸子の踏切解消では、新空港線の整備と共に行うと答弁していますが、新空港線の整備期間となる13年以上も整備が遅れることになります。区民の利便性向上と沿線まちづくり整備にはならず、区民に役に立ちません。
多額の区税投入は他の施策の削減となり区民犠牲となります
新空港線整備は350億円を超える区財政投入となります。区は、区の財政負担については、都区の合意文書で「特別区都市計画交付金制度の対象事業とするよう、東京都と大田区が調整を行う」としているので、財政負担は大幅に圧縮できると説明していますが、その保証はありません。また、総事業費の圧縮に努めるとしていますが、まちづくり関連費用等が加算されることが予想され、見通しもありません。
さらに、この間大田区の財政削減計画(事務事業見直し)で「限られた経営資源を区民が真に必要とする施策に再配分していきます」と述べ、今年度だけでも313項目6億円余を削減しています(下図参照)。
すでに新空港線の積立基金は90億円となり、不足分は他の施策の削減で捻出するしかなく、くらしや福祉の切り捨てにつながり区民犠牲となりかねません。
世論と運動を広げ白紙撤回のために全力を尽くします
日本共産党区議団は、区民への利便性向上や沿線まちづくりに寄与せず、多額の税金投入で区民犠牲を強いる新空港線の白紙撤回を求めます。
今後、第二回定例会をはじめ、来年4月に行われる区長・区議会選挙まで合わせて4回の定例会で徹底究明するとともに、区長・区議会議員選挙で最大の争点に押し上げ、区民の皆さんと世論と運動を広げ、白紙撤回のため全力を尽くします。