日本共産党大田区議団は22日、松原区長に対し女川町からの震災がれき受け入れに関する申し入れを行いました。黒澤秘書課長が応対しました。
2011年12月22日
大田区長 松原 忠義様
女川町からの震災がれき受け入れに関する申し入れ
日本共産党大田区議団
東日本大震災により被災した自治体の復興の障害となっているがれき処理問題で、石原東京都知事が決定した岩手県宮古市からの震災がれきの受け入れに続いて、宮城県女川町からの震災がれき受け入れに、松原区長も大田清掃工場での受け入れを表明しました。しかし、議会にも、区民にも事前説明も合意もない中での受け入れについて、12月7日の焼却試験地元説明会でも「質問にかみ合った回答が得られなかった」とか「時間制限で質問が打ち切られた」などの声も寄せられています。がれきを受け入れる大田区の説明会が2月中旬まで開かれないことは自治体としての責任が問われることになります。
もともと、放射性物質については、移動、拡散させてはならないというのが基本です。ドイツ放射線防護委員会も、日本に対して移動計画の中止を勧告しています。しかし、被災地のがれき処理が立ち遅れ、復旧・復興の障害になっているとき、被災地への支援の一環として徹底した安全・安心の確保と住民合意のもとで、これらを受け入れることについては、日本共産党大田区議団は一概に反対するものではありません。
今求められているのは、がれき処理にあたって安全・安心を確保するための徹底した調査と対策の強化、区民への丁寧な説明と合意への行政側の真剣な努力です。いま、廃棄物の受け入れ基準として東京都が示している環境省ガイドラインは、埋め立て作業者の被曝レベルのものであり、放射性物質が大量に処理・排出される場合の区民への健康、環境への影響については科学的な評価・検証が不十分です。中央防波堤にこのまま埋め立てつづけた場合、大震災時の影響なども十分考慮されていないなど、様々な問題があります。
よって、大田区が東京都に対して以下の事項について実行するよう強く申し入れるものです。記
1、住民説明会について
① 説明会は2月を待たずに、1月中に区民が参加しやすい休日や夜間に行い、開催案内は区報や掲示板など様々な媒体を使い周知徹底すること。
② 質疑応答の時間を十分確保できる体制をとり、住民からさらなる説明会の要望があれば、誠意をもって対応すること。
③ 東京都の担当者、大田区の担当者が同席し、住民との合意形成に最大限努力し拙速に進めないこと。2、焼却実験について
① 排出ガスからの放射性物質拡散の可能性については、捕捉量、検出限界値、フィルター性能、各種の気象条件などを考慮し、12月13・14日の実験段階で、詳細に科学的な検証を行うこと。
② 焼却実験は区民、専門家に公開して行うこと。3、安全対策について
① 放射線測定については、少なくても宮古市からの先行事業分の水準を確保し、各処理工程ごとの詳細な放射線測定、厳格な監視体制をとること。
② 排出ガスからの放射性物質拡散の可能性については、捕捉量、検出限界値、フィルター性能、各種の気象条件などを考慮し、排出口、都内の浮遊塵、降下物などについて、詳細な測定を行い、全てのデータを公表すること。
③ 焼却量、中央防波堤への処理量が増えることによる、区民への健康、環境への影響評価を科学的に行い、大震災などを想定した安全対策をとること。4、現地で処理できないのは、政府と東京電力が対策を怠っているからであり、政府に対し、一日も早く現地処理ができるよう強く要求すること。
以 上