第2回定例会代表質問(速報)―大竹議員(6月11日)



(映像は大田区議会ホームページより:55分)

【大竹議員】
日本共産党区大田議団を代表して質問します。

コロナワクチン接種と同時並行で感染症拡大防止対策をすすめることについて

【大竹議員】
先ずワクチン接種と感染対策を同時並行に行うことについてです。
5月25日から65歳以上の高齢者のワクチン接種が始まり、国の目標である7月末まで終了の計画で進められています。しかし、新型コロナ感染拡大は変異株の流行で、緊急事態宣言も6月20日まで延長され予断を許さない状況です。ワクチン接種の安全、迅速な推進を行うとともに、感染対策を同時並行に行うことです。
先ずワクチン接種では、65歳以上の接種については接種率65%として接種回数を2回分22万6,200回となり、7月末までに22万7000回を予定していますが、私の周りにも、「一回目の予約がやっと取れたが7月中旬以降になり、2回目が取れない」との苦情が出されています。6月7日9000回増やしましたが、これで65歳以上の接種が7月中に終了できるのかが不透明です。
●7月末までに65歳以上の希望者全員接種ができるよう、「練馬区モデル」を取り入れさらに医師会と連携し、接種率を引き上げ接種回数も会場も増設を求めます。お答えください。

【松原区長】
まず、ワクチン接種に関するご質問でございますが、区は現在接種を希望する65歳以上の高齢者の方が7月末までに接種できる体制を整えております。集団接種会場9か所のほか、医師会と連携し約200か所の医療機関で5月から7月に約227,000回の接種枠を用意し、当初計画の65%の高齢者の方が2回接種する回数を確保いたしました。一方大勢の区民の方が接種を希望しているため、集団接種会場の運営の効率化を図り、各会場での予約枠を拡大しました。さらに6月には集団接種会場を複数追加し、接種を希望する区民の方が接種できるよう対応してまいりあmす。今後も65歳以上の高齢者の方が7月末までに2回接種を終えられるように取り組んでまいります。

【大竹議員】
次に感染対策についてです。この間党区議団が、PCR検査については高齢者や医療機関職員の定期的に行う社会的検査や、無症状者の検査の抜本的拡充を求めてく中で、国や都が実施に向けて動いてきました。
しかし、大田区独自の検査を求めてきましたが、応えられていません。墨田区等は、区独自でのPCR検査の拡充や変異株の検査を行っています。
また、事業者の保障も求めてきましたが。区独自では都の協力金に上乗せした2回だけです。
まち工場の事業者からは「家はもうやっていけない、飲食店は良い都の協力金が出ているから」業者間の分断や、「駅前の飲食店はアルコールを出している」飲食店事業者ないでも分断が起こっています。
●ワクチン接種と同時並行で区独自で抜本的なPCR検査、減収となっている区内の中小・個人事業者への直接支援を行うことを求めます。お答えください。

【松原区長】
次に新型コロナウイルス感染症のPCR検査に関するご質問でございますが、PCR検査の結果はあくまでも検査した時点の状態を表すこと、またはPCR検査は完全ではないため、その結果を慎重に判断することが求められます。区は症状がある方や濃厚接触者など、検査が必要な方がきちんと検査を受けられる体制を整えることが重要と考えており、今のところ区独自でPCR検査を広く意識する考えはございません。
次に、区内事業者への直接支援に関するご質問でございますが、緊急事態宣言等に基づく休業が営業時間の短縮要請といった事業者や住民の生活に多大な影響が及ぶ場合、その経済的支援は一義的には国や広域自治体が行うべきだと考えます。一方で地域経済を支えていくために必要な支援を行うことは区の責務であります。昨年度、区は様々な緊急経済対策を実行しました。現在も緊急事態宣言期間中であり、厳しい地域経済状況は今も続いていますが、そうした中でも、新たな生活様式への対応と様々な取り組みを行っている事業者も数多くおられます。区といたしましては今後の経済も回復軌道を見据えつつも、区内事業者の皆様を引き続き全力で支援をしてまいります。なお、全額利子補給は実質的に事業者への直接支援と同様の効果と考えており、現時点ではこれ以上の直接支援を行う予定はございません。

今夏のオリンピック・パラリンピックの開催中止について

【大竹議員】
次に、今夏のオリンピック・パラリンピックの開催中止についてです。
東京オリンピック開会まで42日となりましたが、オリンピック・パラリンピック開催とコロナ対策と両立しないことは、いよいよ明らかです。ワクチンが間に合わず、安全・安心な大会が保障されません。世界のアスリートが同じ条件で競い合うフェアな大会になりません。さらに、看護師など医療従事者を医療現場から引きはがし、五輪に集めることになってしまいます。世論調査でも中止43%延期40%と8割以上となっており、国民の多くは中止の声です。
日本共産党は、夏の五輪を中止しコロナ封じ込めに全力集中するよう申し入れてきました。
菅首相は「安心・安全の五輪」を繰り返し、国民・都民の大多数の反対を無視してオリンピック開催を強行しようとしています。東京都政もこれに追随しています。
5月26日の朝日新聞が「夏の東京五輪の中止の決断を首相に求める」社説を発表しました。「冷静に、客観的に周囲の状況を見極め、今夏の開催の中止を決断するよう菅首相に求める」内容です。また、3日政府分科会の尾身茂会長が「今の状況でやるというのは普通はない。このパンデミック(世界的流行)で」と答弁しています。
●オリンピックを中止しコロナ封じ込めに全力を挙げるよう、自治体としても政府に要求することが必要ではないでしょうか。お答えください。

【松原区長】
次に東京2020大会についてでございますが、大会を成功導くには実効性のある新型コロナウイルス感染症対策を行い、安全・安心な環境が整うことが最優先となります。そのために水際対策、行動制限や健康管理の徹底等、選手・大会関係者が守るべきルールとして、大会組織委員会等がプレイブックを取りまとめております。国や東京都大会組織委員会が安全・安心な大会に向けて着実に準備を進めておりますので、区として中止を要請する考えはございません。

【大竹議員】
大田区ではブラジル選手団の事前キャンプ受け入れを予定しています。
東京オリンピック・パラリンピックに参加する海外選手団の事前キャンプがコロナ禍で中止に追い込まれるケースが急増していることが報道されています。5月末までに内閣府が把握しているもので、「ホストタウン」の総登録数456件のうち、キャンプや交流事業の中止を決めたのは少なくとも78自治体にのぼる。ある大会関係者は「表に出ているより、実際はもっと多い、最終的には中止が200を超える可能性もある」と、決して明るくない見通しを示している。中止の主な理由はウイルスによる安全面の懸念。一方で、国が求める厳格なコロナ対策を満たさず、自治体側が断念する場合があるとも伝えています。7月13日選手とスタッフ200人が来る予定になっています。
●オリンピック開会を目前に各自治体の判断で事前キャンプの中止を決めています。大田区もブラジル選手団の事前キャンプ受け入れを断念し辞退すべきです。お答えください。

【松原区長】
次にブラジル事前キャンプの受け入れについてでございますが、事前キャンプでは、選手がコンディションを整えるとともに区民がブラジルの選手やコーチとの交流を通じ、友好や国際理解を深めるために受け入れるものです。事前キャンプの実施にあたりましては、ブラジル選手団はもとより、受け入れる側の区民をはじめ関係者にとっても安全で安心な環境を確保するとともに、交流を実現させることが重要と考えております。新型コロナウイルスの感染症対策については、事前キャンプの期間も選手・関係者の行動規制を徹底するよう、国や大会組織委員会から求められております。区はホストタウンとしてとして国や大会組織委員会、東京都から示される感染予防策をキャンプの運営マニュアルに反映し、十分な対策を講じる準備を進めており、その上で公開練習や競技終了後の交流についてブラジルと調整を行っているところです。これらにより事前キャンプを安全・安心に受け入れることができますので、ブラジル、大田区、双方にとって有意義なキャンプとなるよう取り組んでまいります。

【大竹議員】
次に、小中学校のオリンピック観戦についてです。昨年度予算で小中学校の東京2020大会競技観戦として予算額3495万3千円が計上されました。小学生29597人、中学生10956人合計40553人がオリンピック・パラリンピック教育の集大成として、区立小中学校の全児童・生徒を対象に、大会における競技観戦を実施します。学校やクラスごとに観戦する日時と場所が決められており、生徒の交通費の公費負担、引率する補助員の配置費用、暑さ対策の実施費用が含まれています。
通常ならば4年に一度のオリンピック・パラリンピックにすべての子供たちが人生の糧となるかけがいのない思い出を残すことになるのですが、コロナ禍の下で、子供たちの命がかかった問題となっています。
先ず、学校から最寄りの駅から競技場まで往復を利用する公共交通機関や観戦中の安全は大丈夫なのでしょうか。コロナの変異株が全体の8割を占めている中で、子どもが重症化することが言われていますが、子ども達にはオリンピック・パラリンピックまでワクチン接種は予定されていません。
●現在オリンピック・パラリンピックへの開催の有無の論議がされて結論が出ていませんが、開催の有無に関わらず、子供たちの安全が確保されていないなか、小中学校児童生徒の観戦中止を求めます。お答えください。

【小黒教育長】
私からは、オリンピック・パラリンピックの小・中学生の競技観戦についてお答えいたします。小・中学校ではこれまで、オリンピック・パラリンピック教育に取り組んで参りました。子どもたちが実際に選手が競技する姿を会場で見ることは、これまで学んできたことのまとめとして、子どもたち一人ひとりにとってかけがえのない貴重な体験になると考えております。現在、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、入場者や観戦方法について検討しており、子どもの競技観戦については不確定な状況です。教育委員会といたしましては、現時点においては暑さ対策、感染症対策、移動等の安全対策を講じた上で、競技観戦ができるよう準備を進めております。今後の国や東京都の動向を注視してまいります。

自治体の本旨を侵害し・自治体の自立性を失わせるおそれがあるデジタル化について

【大竹議員】
次に、行政のデジタル化についてです。
菅政権は、デジタル化を看板政策に位置付け「集中的な改革、必要な投資を行い、再び力強い経済成長を実現する」として、昨年12月に閣議決定された「デジタル社会の実現に向けた改革の方針」で、政府がめざすデジタル施策の基本となるIT基本法の抜本的見直しと、強力な権限を持ったデジタル庁の設置を定めました。
「基本方針」では、デジタル化のメリットとして、コストの削減や災害・感染症に強い社会の実現、データ利活用で経済成長が可能だと宣伝し、その実現のために、行政のデジタル化を進め、システムの標準化、官民の情報連携、マイナンバー制度の活用などをおこなうとしています。
しかし、デジタル化で問題の第一は、プライバシー侵害になることです。
個人情報保護法制の一元化で、自治体の個人情報保護条例に縛りをかけ、個人情報保護の仕組みを切り捨て、自治体の独自策を崩すものです。
問題の第二に、地方自治侵害になることです。
「情報システムの共同化・集約の推進」で、自治体は国がつくる鋳型(いがた)に収まる範囲の施策しか行えないことになりかねません。
問題の第三に、国民生活への影響についてです。
個人の預貯金口座のマイナンバーひも付けなどを盛り込んでいます。マイナンバー制度は消費税増税を前提に、国民の所得・資産・社会保障給付を把握し、徴収強化と社会保障費の削減を進めるもので、廃止すべきです。
行政デジタル化を口実に対面サービス後退が相次いでいます。迅速簡便なデジタル手続きを生かすとともに、多面的な行政ニーズに応える対面サービス・相談業務を拡充し、住民の選択肢を増やすべきです。
いま求められているのは、デジタル時代にふさわしい個人情報の保護と権利の保障です。
●デジタル化で党区議団の質問に、「区民に便利になる」と区は答弁してきましたが、例えば今回の65歳以上のワクチン接種の予約でも、インターネットが使えずコールセンターへ電話を何度掛けても繋がらず、インターネットを使える人と使えない人との命の格差が起こりましたが、デジタル化によって誰もが便利になるとは限りません。
そして何よりも、自治体独自のサービスが抑制され、自治体を国の「出先機関」に変質させる危険はらんでいます。自治体の自立性を失わせ、「住民の福祉の増進を図る」とした地方自治の本旨や住民自治・団体自治を侵害するものではないでしょうか。区長の見解をお聞きします。お答えください。

【松原区長】
次に、行政のデジタル化に関する質問ですが、地方自治法では地域内の公共事務を自らの意思に基づいて行うことを地方自治の本旨として、国からは独立した人格を有する事が必要とされています。その上で、住民の福祉の増進を基本に、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うことが地方公共団体の役割です。行政のデジタル化は情報化を通じて人々の暮らしを豊かにすることを主眼としており、国は自治体DX推進計画の中でも業務の効率化と合わせ、デジタルにおける恩恵を誰もが享受できる「地域社会のデジタル化」を目指すとしております。区は「大田区情報化推進計画」を策定し、情報格差、いわゆるデジタルデバイドの解消に向け、区民のICTリテラシー向上や、利便性の高い行政手続き、窓口サービスの推進などを行っております。今後も誰一人取り残さない地域づくりに取り組むとともに、デジタル化による「住民福祉の増進」を図り、多様な地域性を持つ大田区らしい独自の取り組みへ注力してまいります。

住民本位の改定大田区都市計画マスタープラン・改定蒲田駅周辺地区グランドデザインについて

【大竹議員】
次に、大田区都市計画マスタープランについてです。
前回改定から10年が過ぎたとして、改定大田区都市計画マスタープラン骨子(案)、改定蒲田駅周辺地区グランドデザイン骨子(案)が、昨年12月15日のまちづくり環境委員会に報告されました。
同時に東京都の上位計画の都市計画区域マスタープランが報告されました。この都市計画区域マスタープランに即して、区市町村は地域に密着した都市計画の方針を策定します。
都市計画区域マスタープランに対して日本共産党区議団は、第174回都市計画審議会に意見を提出しました。
先ず「新型コロナ危機を踏まえた未来の東京」で、「都市づくりの目標」として、「AIやIoTなどの最先端技術も活用しながらゼロミッション東京を目指し」や、「都市づくりの戦略」として、「都市全体がスマート化した社会を築き上げるに当たり、ビックデータなど先端技術を積極的に活用。」と述べていますが、デジタル化で全てを直ぐに解決できるものではなく、先端技術を国民生活向上のためにどう生かせるかは、個人情報とプライバシー保護等の様々な課題があり、活用するには様々な問題があり拙速に進めるべきではありません。
また、「都市づくりの方向性」として、「多様な住まい方、働き方、憩い方を選択できる都市づくりを推進」と述べていますが、コロナ危機でもっとも深刻な打撃をうけているのは、非正規労働者フリーランスの人々、とりわけ女性と若者です。労働法制の規制緩和路線を抜本的に転換することなしには実現できません。
「コロナ危機を踏まえた未来の東京」や「激甚災害にも負けない東京」を将来像と掲げていますが、気候変動問題でも、感染症のパンデミックの問題でも、地球規模の環境破壊を止めることは人類の生存にとっても急務となっています。
新型コロナウイルスの爆発的な感染は、世界経済の問題点を浮き彫りにしました。これまで地域経済や国民生活を犠牲にして競争力強化をめざす経済のグローバル化が推し進められてきましたが、世界的な感染拡大によって、たちまち生産あるいは流通体制が機能不全に陥り、格差と貧困がさらに広がりました。
新型コロナによる経済危機で温室効果ガス排出量は一時的に減少している状況となっていますが、この機会に気候変動を抑制する経済・産業構造に変換する事で経済立て直しを図る「グリーン・リカバリー」が大切で、そのチャンスにすべきです。
●「新型コロナを契機にした都市づくりの方向性」とありますが、気候変動を抑制する取り組みを、雇用増加と地域振興へのステップと位置付けて、再生可能エネルギーを地域に根付いた固有のエネルギーとする「地産地消」を広範囲に運用することでさらに活性化が図れます。
大田区の産業には、小風力発電機、小水力発電機、バイオマス等つくる技術は十分ありますので、地域起こしとして、再生可能エネルギー発電機等の開発を地域振興の柱にする、「グリーン・リカバリーおおた」と位置付け、産業のまち大田区の地域振興にふさわしい取り組みにしようではでありませんか。都市計画マスタープランに位置付けて進めることを求めます。お答えください。

【松原区長】
次にグリーン・リカバリーに関するご質問ですが、グリーン・リカバリーとは、「アフターコロナに向け、経済政策が実施される機会を捉え、脱炭素社会の実現など、環境を重視した施策を組み合わせることにより、コロナ禍以前とは異なる、新たな未来の創造につながる復興を目指すもの」と認識をしております。東京都においては気候変動対策だけではなく、人々の持続可能な生活を実現する「サスティナブル・リカバリー」の考え方を踏まえ、令和3年3月に「都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」を改定しております。区においては「都市計画マスタープラン」について今年度中の改定を目標に検討を進めております。昨年度取りまとめた「都市計画マスタープラン」について、今年度中の改定を目標に検討を進めております。昨年度取りまとめた「都市計画マスタープラン」の骨子では、産業をはじめ、交通やみどりなど、都市づくり分野の方針に対する横断的視点を示す都市づくりのテーマの1つに「環境」を位置づけております。そのため今後は、戦略的に都市づくりを推進するとともに、国や東京都の動きを注視しながら、環境・経済・社会の好循環につながる取り組みを進めてまいります。

【大竹議員】
次に、「緑と水の潤いある都市の構築」を掲げていますので、区民の願いである呑川の悪臭対策をおこない浄化を進めることについてです。
東京都、目黒、世田谷、大田区が呑川の水質悪化や悪臭の防止に向けた呑川水質研究会が設置されています。呑川の西蒲田の高濃度酸素水・浄化施設が今年4月から運転がはじまり、呑川合流改善貯留施設の工事が今年度から始まり5年後の完成を目指しています。
呑川の浄化については、都市計画の案に関する公聴会で、意見がありましたので提案します。
「東京都は、本年度より呑川の水質改善の一環として、洗足池幹線流域及び呑川幹線中流域を対象とした貯留施設を設置し、呑川への下水流入を減らす事業に着手しています。しかし、現在までのところ、呑川幹線上流域を対象とした貯留施設の設置計画は未定です。」
●呑川幹線上流域を対象とした貯留施設の設置計画をつくるよう都に働きかけるべきです。お答えください。

【松原区長】
次に呑川幹線上流域の貯留施設設置計画に関するご質問ですが、東京都は上流域の世田谷区・目黒区との連携による「呑川水質浄化対策研究会」を開催し、貯留施設につきましても検討を進めているところです。また、東京都城南五区下水道・河川連絡協議会などを通じて、東京都に対し貯留施設などの水質浄化対策の推進を働きかけております。
多摩川の水を呑川に補給することに関する質問ですが、多摩川の水を呑川まで導水することは技術的・経済的な課題があり、実現は難しいと考えております。呑川では、落合水再生センターから高度処理された再生水を導水するほか、地下鉄浅草線の湧水なども導水し、水源確保を図っております。また「呑川水質浄化対策研究会」において、総合的な水質浄化対策に取り組んでおります。引き続き、東京都や流域自治体と連携しながら、呑川の水質改善に務めてまいります。

【大竹議員】
「呑川の水質改善は、雨水の流入分を補給することではないでしょうか。
ところで、水道局が管理する調布取水堰(せき)は、毎秒2.04立方メートルの多摩川河川水を取水することができます。内訳は、水道用水毎秒1.45立方メートル、工業用水、雑用水道、合計毎秒0.59立方メートルです。工業用水道事業は、昨年度をもって終了しています。
この水利権毎秒0.59立方メートル、つまり日量約5万立方メートルの河川水を城南地区の清流復活事業に活用できないでしょうか。調布取水堰地点の水質は、1990年代後半に入り改善が進み、水質環境基準B類型BOD3mg/L以下を満たすようになりました。
多摩川の水を環境用水として呑川に補給することにより、呑川中域の河川の流速を増し、ユスリカなどの発生を防止するとともに、呑川下流域、西蒲田、蒲田地区の滞留水から発生するスカム臭を減少させる効果が期待できます。
都市整備局が中心となり、河川を管理する建設局、調布取水堰を管理する水道局、水利権の許認可を行う国土交通省等と調整を図ることを要望します。」具体的な提案です。
●この提案の実現に向けて呑川の水質改善のため、多摩川の水を環境用水として呑川に補給することを決め、都や国に働きかけることを求めます。お答えください。

【松原区長】
次に呑川幹線上流域の貯留施設設置計画に関するご質問ですが、東京都は上流域の世田谷区・目黒区との連携による「呑川水質浄化対策研究会」を開催し、貯留施設につきましても検討を進めているところです。また、東京都城南五区下水道・河川連絡協議会などを通じて、東京都に対し貯留施設などの水質浄化対策の推進を働きかけております。
多摩川の水を呑川に補給することに関する質問ですが、多摩川の水を呑川まで導水することは技術的・経済的な課題があり、実現は難しいと考えております。呑川では、落合水再生センターから高度処理された再生水を導水するほか、地下鉄浅草線の湧水なども導水し、水源確保を図っております。また「呑川水質浄化対策研究会」において、総合的な水質浄化対策に取り組んでおります。引き続き、東京都や流域自治体と連携しながら、呑川の水質改善に務めてまいります。

【大竹議員】
次に、主要な都市計画の決定の方針で、「羽田空港の強みを生かし、空港容量の拡大を図る施設整備の推進を引き続き国に求めるなど、更なる機能強化に取り組む」と述べています。
2019年6月15日に着陸の許可された航空機が進入中の滑走路に出発機が横断するという、羽田空港における発生した重大インシデントに関する調査報告書が今年4月に運輸安全委員会から公表され、世界でも有数の危険な空港であること示されました。
羽田空港機能強化を理由にした増便・新飛行ルートによる都心上空を通過することにより、危険・騒音・落下物・大気汚染により都民の批判の声が広がっています。都民の安心・安全を無視して空港容量の拡大や更なる機能強化に取り組むことは都民との矛盾を広げることになります。
●コロナ禍の下で、減便となっている状況では増便は必要なく、こんな時に更なる機能強化に対して、区民の安心・安全を守る立場から反対の声を上げるべきあり、区の都市計画マスタープランに入れるべきではありません。お答えください。

【松原区長】
次に、羽田空港の基本強化及び都市計画マスタープランについてのご質問ですが、国は将来的な航空事業の拡大を見据え、我が国の国際競争力の強化、首都圏における航空機の騒音による影響の分散等の観点から、引き続き運用する必要があると説明しているところです。区は国に対し騒音対策や安全対策等の着実な実施と更なる強化を強く求めてまいります。また、現行都市計画マスタープランでは、羽田空港の再拡張・国際化の機会を捉えて、魅力と活力ある都市環境の形成を図り、蒲田・大森地域との連携した中心拠点づくりを目指すとしております。現在改定中の都市計画マスタープラン骨子においても蒲田・大森・羽田空港及び周辺地区・臨海部の4つの拠点が連携し、持続的に成長することを、国際都市おおたの発展として位置付けております。今後も羽田空港のポテンシャルを活かしながら、誰もが安全・安心に住み続けられる持続可能な街づくりを推進してまいります。

【大竹議員】
さらに、「答申において検討などを進めるべきとされた路線」として、「新空港線」が入っています。
先の臨時会で区長は、新空港線整備について「今後は、まちづくりの要素を踏まえて、本案について検討を深めた上で、事業化に向けた関係者調整を一層加速させてまいります。今年度の早い時期に都区費用負担割合について合意形成を図り、整備主体が設立出来るよう、引き続き推し進めてまいります。」と述べました。この間、「今年度の早い時期に合意形成を図る」と本会議で何度も聞きました。
新空港線について、先の第1回定例会でも、2016年度(平成28年度)実施の新空港線整備調査報告書の開示請求に対して、黒塗りのノリ弁の公文書部分開示決定通知書が党区議団に出されましたが。党区議団へのノリ弁は同時に区民へのノリ弁であり区民へ説明責任を果たさないことになります。
また、運営主体と想定されている東急株式会社(東急)の変化です。
東急が3年毎に出している中期3か年経営計画(2018年度から2020年度)では、重点施策①「安全」「安心」「快適」のたゆまぬ追求、鉄道ネットワーク拡充で、相鉄・東急直通線開業、各線早朝・夕夜間増発、と並んで新空港線計画推進が位置付けられていました。しかし、今年改定した中期3か年計画(2021年度から2023年度)では、重点戦略①交通インフラ事業における事業構造の強靭化で、利便性向上として2022年度下期(しもき)開通予定の東急新横浜線が位置付けられて、新空港線は外されています。
コロナ禍により2020年度で営業利益が316億円の赤字になったため、基本方針と重点方針が見直され、重点方針で『変革』を掲げ、事業環境変化への対応による収益復元と進化として、新空港線は外されました。
●コロナ禍の下、運営主体と想定されている東急でさえ新空港線を事業から外さざるを得ない状況となっています。区民には説明できず、破綻が明らかな新空港線計画は中止し、大規模開発よりいのちとくらしに財政の重点を移すことを求めます。お答えください。

【松原区長】
次に新空港線についてのご質問ですが、現在、区は新型コロナウイルス感染症の収束に向けて全庁的に取り組んでおります。その一方で、中長期的な視点に立ち、まちづくりの基盤となるインフラ整備をしっかりと行っていくことも非常に大切であります。更に、その先のアフターコロナを見据え、新しい生活様式に対応した都市づくりにも取り組む必要があります。その一翼を担うのが新空港線であります。新空港線は単なる鉄道整備だけはなく、まちづくりと連携して行い相乗効果を発揮する事業であることから、地域の活性化に大きく寄与するものであります。更に、鉄道事業者が先月公表した新・中期事業戦略においても新空港線の早期実現が示されております。区は引き続き鉄道事業者等と連携し、新空港線の早期実現に向けて全力で取り組んでまいります。

【大竹議員】
次に、「未来の東京」戦略ビジョン等を「実効性のあるものとするため、再開発の適正な誘導と計画的な推進を図ることを目的として定める。」と述べています。
この間、大田区では、京急蒲田・糀谷駅前再開発が終了し、その結果土地関係者(地主、借地人、賃貸借人)の4割しか残れないまちとなりました。今後の計画では、さらに、蒲田駅東西周辺の開発計画では、中長期計画により建替え促進、雑色の駅前再開発も計画に入っています。
「老朽木造建築物の更新を促進し、不燃化及び共同化を図る。さらに高層化をすすめる」と述べていますが。十分な住民合意が図られていないままで、建て替え促進では、経済優先の高度化へのまちづくりへの誘導となり、地価の高騰や建て替えや建て替えによる家賃の値上げ等で、土地所有者も含め、住民の半数以上を占める借地借家人については、ほとんどが今まで住んでいるところには住めない、鉄とコンクリートの住民追い出しのまちづくりになりかねないことです。
●「地域力を生かした大田区まちづくり条例」3条で「区民、事業者及び区は、生活の拠点として誰もが安心して暮らせるまち・・・・実現に向けて互いに連携し、協働して地域のまちづくりに取り組むことをまちづくりの基本理念とする。」、この条例の立場に立って、計画地域に区営住宅やシルバーピア建設など、今まで住んでいた住民が住み続けられるような計画もつくり、今まで住んでいた住民が追い出しにならないまちづくりを進めることを求めます。お答えください。

【松原区長】
次に蒲田のまちづくりについてのご質問ですが、まちづくりはまちを再生・活性化し、更なる発展を次世代に引き継いでいくことが大切です。特に区の中心拠点である蒲田については、蒲田の将来像実現に向けた基本方針である蒲田駅周辺地区グランドデザインについて、現在、改定に向けた検討を進めており、本年3月に骨子を公表しました。この骨子ではまちの将来像をにぎわいあふれる多文化都市、誰もが安心して気持ちよく過ごせる人にやさしい蒲田とし、目指す姿として、活気あふれる商店街と地域の活性化に向けた活動の創出、一体的に捉えた都市基盤の整備と活用に向けた都市空間の充実、ユニバーサルデザインの推進と防災対策の強化に向けた環境の向上を3本柱として掲げています。これらの目標等を踏まえ、まちの多くの方々と連携しながら、区の中心拠点にふさわしい魅力と活力のある蒲田のまちづくりを進めてまいります。

【大竹議員】
私は前回10年前の改定蒲田駅周辺地区のグランドデザインの時に、まちづくりを住民全体の問題として位置づけていない姿勢について質問しました。
先に述べた「地域力を生かした大田区まちづくり条例」(区の責務)6条の2では「区は、区民のまちづくりへの参画の機会を広げるとともに、区民によるまちづくり活動を支援しなければならない」となっています。
この計画地域約80ヘクタールには1万6000人の住民が生活しています。土地所有者、借地借家人を含めた、すべての住民にかかわるまちづくりの計画となるはずです。素案ができた早い段階の説明が必要であり、住民と一緒にまちづくりを進める姿勢が必要ではないでしょうか。
この間区民参画では、イベント100名、ワークショップ21名、今後のスケジュールは(予定)は、11月に素案パブリックコメント、来年3月に改訂(予定)となっています。
●今回こそ従来通りの住民参画ではなく、素案段階から住民とともにつくり、住民と一緒にまちづくりを進める姿勢に立つべきです。お答えください。

【松原区長】
次に、蒲田駅周辺地区グランドデザインの改定についてのご質問ですが、区の中心拠点である蒲田は、コロナ禍を踏まえた社会状況の変化や、まちの機能更新を進めるため、現在、「蒲田駅周辺地区グランドデザイン」の改定に向けた検討を進めております。検討にあたりましては、蒲田周辺に住む人、働く人、学ぶ人、訪れる人など、多様な人々による参画の機会を設けるとともに、学識経験者から蒲田の特徴や将来像に関する意見等を伺うなど、住民や関係者と連携しながら進めております。東京都心や羽田空港とも連携が強化される中、東海道軸と新空港線軸の結節点に位置する蒲田が区の中心拠点として、将来にわたり持続的に発展していくための実現性のある計画として取りまとめてまいります。

旧蒲田西特別出張所は計画どおり早期に区民活用スペースとして利用することについて

【大竹議員】
次に、蒲田西特別出張所についてです。
蒲田西特別出張所大規模改修工事について去る5月13日の総務財政・地域産業委員会で、「蒲田西特別出張所の旧庁舎を大規模改修(長寿命化)し、地域活動施設として整備する計画である。」としていたが、
「旧庁舎の改修工事着手後、内部の一部解体工事を実施したところ、仕上げ材で隠れた部分等において、老朽化に伴う劣化など、構造上大規模な改修を必要とする箇所が新たに多数発見された。と報告されました。」
よって工事については、「コスト、工期、安全性の観点から工事継続について検討した結果、工事を中止する」と報告がありました
私は、2017年(29年)11月の総務財政委員会で「なぜ長寿命化にしたのか」という質問に対して。
施設整備課長は、「現在の建物は、敷地のほぼいっぱいに建っておりますが、建て替えた場合には、建物の周りに提供歩道ということで、歩道を約幅2メートル、それと緑化の届け出も必要になりますので、花壇で約1メートル、合計3メートル、敷地としてもセットバックが自動的についてきてしまいます。
もともと細長い敷地の中で、道路に面するところ、それぞれ3メートル削られて、その中で細長いビルを建てることは可能です。また、高さは、もう少し高くまではいけるのですけれども、そうした場合に、同じ床面積を確保しようと思うと、より細くて使いにくい建物が高くなってしまうということで、駐車場等も現在ありませんが、建て替えるよりは長寿命化をしたほうがワンフロア当たりの面積が広く使えるので、より有効に使えると考えました。」と答弁しました。
そして長寿命化工事が、都税事務所の工事がコロナ感染症の影響で、1年間延期し、契約が2回にわたって不調になった事もあり、昨年12月から工事が始まりました。
党区議団は公共施設の長寿命化を提案してきましたが、旧庁舎の容積率が本来500%のところが200%強しか利用されておらず、区民の貴重な財産である土地の有効活用から解体し建替えを求めてきましたので評価します。しかし、まだ今後の方向性が決まっていません。
●解体してプレハブで庁舎として活用すると、合同庁舎が解体・工事で4年間かかり、その後の建設工事着工となり、さらに遅れることになります。当初の計画のどおり2025年度中に地域活用拠点施設として早期に活用することを求めます。お答えください。

【松原区長】
次に旧・蒲田西特別西出張所の活用に関するご質問ですが、蒲田西地区におきましては新蒲田一丁目複合施設や東京都と連携した都区合同庁舎の整備など、大田区公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設整備を進めております。こうした中、建物の長寿命化進めていた旧・蒲田西特別出張所につきましては、老朽化に伴う劣化など大規模な補修を必要とする箇所が、新たに多数発見されたことにより、改修費用・工期・安全性を考慮した上で工事を中止致しました。このため、特別出張所機能の継続に向けた仮設庁舎の確保につきましては、現在、民間建物の賃貸借に向けた取り組みを進めております。旧・蒲田西特別出張所の跡地につきましては、蒲田西地区地域活動拠点の整備をはじめ、新たな行政需要や適切な整備時期も踏まえ、着実に有効活用を進めてまいります。

【大竹議員】
次に、長寿命化についてです。
今回の蒲田西特別出張所を再び繰返してはなりません。今後二度と起こさないよう教訓とするため、区立公共施設の長寿命化について明らかにすることが必要です。
私は、2019年1定で、現在、具体的に長寿命化を明らかにしているのは、旧蒲田西特別出張所1か所だけです。目標耐用年数を「原則として60年」を見直し、川崎市のように全ての公共施設の長寿命化計画を基本に進めるべきと求めました。
企画経営部長は、「原則として建物の目標耐用年数は60年とし、躯体の健全性が確認でき、長寿命化を図るとした建物は80年以上としており、引き続き適切な維持管理に取り組み、効果的で効率的な施設マネジメントを進めてまいります。」と答弁されました。
しかし、長寿命化する公共施設は区民にも、議会にも明らかにされていません。
公共施設等マネジメント今後の取り組み、公共施設等の管理に関する方針、(1)劣化状況で、「今後、施設ごとの整備方針や整備手法(建替えや長寿命化改修等)の決定が急務」と述べています。
そして、(3)維持管理・更新サイクルの設定で、「建物に不具合が発生してから手当てをする「事後保全」からの考え方から、計画的に修繕改修を行う「予防保全」による建物の長寿化を図ります。
建物を本来の寿命である構造躯体の対応年数まで使用する場合、屋根・屋上・外壁・空調設備といった部位を15周年で改善し、さらに30年目には大規模改修として、バリアーフリー化をはじめ、省エネルギー対策など環境に配慮した工事を可能な限り実施します。」と定期的な改修を行うことで、長寿命化を図っていくとしています。
●各公共施設の目標対応年数に応じた整備内容の設定を行い、長寿命化する施設を区民にも明らかにし進めるべきです。お答えください。

【松原区長】
次に長寿命化についてのご質問ですが、区では公共施設の更新にあたりましては、安全・安心の確保をはじめ、地域課題の解決や利便性の一層の向上、さらには管理・運営における経済性や効率性などを踏まえながら整備手法を決定しております。このうち長寿命化につきましては、構造躯体の状況に加え、当該施設の立地環境や使用状況を踏まえ、財政負担の平準化やライフサイクルコストの削減も意識しながら総合的に検討し、取り組むよう努めております。このため、長寿命化に取り組む建物について、構造躯体の健全性調査の結果のみで一律に耐用年数を定めることは困難でございます。今後の公共施設の更新にあたりましては、建て替えのみならず、引き続き建物の長寿命化を併用するなど、大田区公共施設等総合管理計画に基づき、施設ごとの状況に応じた取り組みを進めることで、持続可能の公共施設の整備を実現してまいります。

【大竹議員】
また、この間の党区議団の推進体制の拡充の提案に、「区で既に公共施設の整備に係る専門職を配備し、業務に当たっています」と答えています。
長寿命化を推進するためにも、川崎市のように長寿命化の担当部署の設置を求めまましたが「改築や長寿命化など施設ごとの状況に応じた検討を、専門職を配置した企画経営部施設整備課が教育総務部などと連携して、庁内調整を行いながら丁寧に進めている。」と体制の強化については答弁されていません。
●長寿命化を進めるための長寿命化のために専門の部署を作るなど強力な体制を求めて、質問を終わります。

【松原区長】
次に公共施設の長寿命化のための体制整備に関するご質問ですが、公共施設の機能更新にあたりましては、利用実態が地域特性等を踏まえて、複合化による改築が大規模改修による長寿命化など、施設ごとの状況に応じた検討を進めることが重要です。こうした多面的な検討のもと、最適の施設整備の手法を選択し、将来を見据えた施設マネジメントを更に強化するため、今年度、企画経営部に施設整備担当部長を新たに設置したところです。今回も引き続き行政需要に的確に対応しながら、適正な組織体制の整備に努めて参ります。

以  上

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