第3回定例会一般質問(速報)―清水議員(9月11日)



(映像は大田区議会ホームページより:28分)

コロナ禍において、介護施設における緊急対応について

【清水議員】
日本共産党大田区議団の清水菊美です。
まず初めに、国はこのコロナ禍でも強引に介護保険制度のさらなる改悪を進めています。要支援の介護外しと同様に、今度は要介護まで保険外しを可能とするものです。要支援の介護外しと同様に、今度は要介護まで保険外しをする可能とするものです。このような改定作業はやめることを強く求めておきます。
質問に入ります。コロナ禍において、介護施設における緊急対応について伺います。
当区議団は、介護事業所緊急アンケートを、8月17日に区内約600事業所に発送し実施しました。僅か2週間で1割を超える74通の返信がありました。コロナ禍での介護の現場の実態、従事者の切実な思いと度重なる制度変更に振り回され、膨大な事務量に苦労しているなど、困難さがひしひしと伝わってくるものでした。コロナ感染防止対策について、アンケートで多くの要望として寄せられたのは、「業務上、絶対に必要なマスク、使い捨て手袋が異常に高騰し、手に入りにくい状態で本当に困っています」、「布マスクは要りません。消毒液、手袋が足りません」などの声です。マスクや消毒液等は市場に出回っていると言われる8月の後半というこの時期に、このようなせっぱ詰まった声がたくさん上がっていました。
大田区は介護事業者へのコロナ感染対応として、大田区新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所等及び障がい福祉サービス事業所等に対するサービス継続緊急支援金が、第5次補正予算において可決されました。それぞれの介護事業所へ、コロナ対応への支援、1事業所30万円、施設サービス等は50万円が支給されるというものです。新型コロナウイルス対策として要した経費の一部を支援金とするとしています。この支援金の補助対象は、新型コロナ感染予防に対して衛生品等、リモートワークに必要な電子機器、人手不足の対応に係る費用等ですが、領収書添付等、申請には煩雑な手続きがかかります。しかも、この支援金は一部のみで、1回限りです。対象期間は、令和2年4月1日から令和3年3月31日としているのに、これではとても足りないのは誰の目にも明らかです。コロナ禍の下、介護現場にあふれている声に応える区の支援が求められております。
●伺います。介護事業者へ、消毒液、マスク、使い捨てプラスチックグローブ等の現物支給を実施すべきです。お答えください。

【福祉部長】
まず、介護事業者への衛生物品等の支給についてのご質問ですが、8月から開始いたしました新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所・施設に対するサービス継続緊急支援金の交付にて、マスクなど衛生物品等の購入を対象経費として事業者支援を実施しております。また、これまでも区の備蓄マスクや東京都から配付されたマスクを介護施設や介護事業所へ配付してまいりました。さらに、東京都からは、順次、マスクやプラスチックグローブなどの衛生物品が区に配付される予定でございます。今後も必要な衛生物品につきましては、区から適時適切に配付し、介護事業者を支援してまいります。

【清水議員】
アンケートで、「コロナ禍感染拡大で困ったこと」について聞いた項目には、本当に多くの意見をいただきました。「いつ感染者が出てしまうか分からない恐怖。相手の命を奪いかねないスタッフの仕事継続へのストレスは計り知れません。それを取り除いてあげられるすべもなく、利用者へも絶対安全ですとは言い切れない中での事業継続は本当につらいです」、「コロナと闘っているスタッフへの配慮が欲しい」などです。また、隣の品川区が介護事業者に慰労金として1人当たり4万円、パートの方にも常勤換算した額が支給されていることについて、「大田区はどうしてできないのか」の声が大変多く上がっていました。
第2回定例議会で我が党の大竹区議の一般質問で、「医療、介護、障がい福祉サービス等業務の職員に対して、区独自の上乗せした危険手当の新設を」と求めましたが、福祉部長の答弁は、「国の第2次補正予算の中で、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の事業対象として、感染者や濃厚接触者に対応した事業所に勤務し、利用者と接した職員に20万円、それ以外の事業所で勤務し、利用者と接した職員に5万円を支援するので、区は事業所が利用する場合は、適切な相談や助言を行っていく」と答弁しました。しかし、感染者、濃厚接触者に対応した事業所に勤務し、利用者と接した職員に20万円の支援の対象期間は、6月30日までに発生した場合のみです。区内では特養1か所、障がい者施設1か所しか該当しません。7月以降に陽性者が発生した施設は対象になりません。それ以外の事業所に勤務し、利用者と接触する職員への交付金1人5万円は、8月末に1回目の申請の締切りでした。申請の手続きが、職員一人ひとりから委任状を取るなど煩雑で大変と言っている現場の声があり、まだ申請していない事業者もいます。
区は、「交付金の適切な相談や助言を行う」と答弁しましたが、事業者が東京都に申請するものです。区は、相談があったら、都のホームページを見てくださいと言うだけです。これが適切な助言と言えるでしょうか。感染防止の責任とストレスの下で働き続ける職員一人ひとりに、いまだにこの交付金は届いていないということになっています。
●伺います。介護を支える介護従事者へ、大田区独自の危険手当の支給を求めます。お答えください。

【福祉部長】
次に、新型コロナウイルス感染症に係る介護従事者への手当支給についてのご質問ですが、国による介護施設・事業所に勤務する職員に対して慰労金を支給する事業が実施され、感染症や濃厚接触者に対応した事業所に勤務し、利用者と接触した職員に20万円、それ以外の事業所で勤務し、利用者と接した職員に5万円を支給することとなっています。区としましては、適切な支援が国から行われていると考えております。現時点では、介護従事者を対象とした手当の支給を行う考えはありません。

【清水議員】
また、アンケートでは、「感染対策をしてほしい」、「職員のPCR検査をしてほしい」、「感染が心配で、利用を控える方が多い」などがありました。千代田区では、介護に関わる職員にPCR検査を公費で3か月ごと行うとしています。世田谷区では、介護のみならず、保育園等の職員にもPCR検査を定期的に行うことを発表しています。大田区でも事業者に費用の負担をさせるのではなく、公費で誰でも安心して定期的にPCR検査を受けることができ、無症状の陽性者を見つけ出し、隔離していくことが感染を防止し、利用者、区民の不安の解消につながります。現在、区内の特養ホーム、有料老人ホーム、老健、グループホーム等の施設では、感染防止のために面会は禁止となっております。家族と数か月にわたり会うことができていません。しかし、区内の特養ホームでもコロナ感染陽性者が出ています。感染経路の特定は難しいと思いますが、新入所者や職員等からの可能性が考えられます。
9月3日に東京都は補正予算を発表し、PCR検査については、介護施設750か所の職員や利用者への検査費用15万人分の支援費用として30億円を行うとしています。都民の要望が一歩前進しましたが、全ての介護事業所職員がPCR検査を受けられるようにはなっていません。
●伺います。特養等の施設に新たに入居する区民と、区内で働く全ての介護職員へ、定期的なPCR検査の実施を一刻も早く行うことを求めます。お答えください。

【福祉部長】
次に、特別養護老人ホーム等へ新たに入居する区民と介護職員へのPCR検査についてのご質問ですが、PCR検査の公費負担につきましては、現在国の新型コロナウイルス対策本部会議において、「感染者が多数発生している地域やクラスターが発生している地域においては、その期間、医療機関、高齢者施設等に勤務する者、入院・入所者全員を対象に、いわば一斉・定期的な検査の実施を都道府県等に対して要請する」など今後の取組が示されております。また、東京都は、新型コロナウイルス感染拡大防止策として、特別養護老人ホームなどを対象にスクリーニングを含むPCR検査等を実施した場合の経費を支援する事業を、都議会第3回定例会で補正予算案に計上しております。引き続き、PCR検査の実施に係る国や東京都の動向を注視し、介護従事者が安全に介護サービスを提供いただけるよう、区といたしましては支援してまいります。

【清水議員】
アンケートで、「通常時と比較して収入は減りましたか」と質問したところ、特に通所介護の事業所では、利用者のコロナ感染の不安からの利用控えにより収入が激減していることが明らかになりました。事業所によっては、3割、2分の1減った、数百万円もの減収という事業所もありました。介護事業所では通常から慢性的な人手不足、低い介護報酬、低賃金で働く職員、それらの困難に、コロナ禍で拍車がかかり、介護崩壊しかねない事態となっています。減収の補塡がなければ事業を継続することができません。また、利用者やその家族からは、「事業所がなくなったらどこへ行けばいいのか」、「施設がなくなったら介護ができない、生活ができない」との声があります。国、東京都に支援を求めるとともに、大田区としても事業者を支援することが急務です。
●伺います。利用者減となり、収入が激減した事業者へ、減収分の補塡策を求めます。お答えください。

【福祉部長】
次に、介護事業者の減収への対応についてのご質問でございますが、区では、事業活動に影響を受けている中小企業に対して、低利の融資を金融機関にあっせんし、全額利子補給する新型コロナウイルス対策特別資金の融資あっせん制度を実施しています。また、独立行政法人福祉医療機構においても、新型コロナウイルス対応支援資金として無利子の融資を行っており、区から事業者に情報提供をしております。さらに、国の給付金制度といたしまして、事業の継続を下支えし、事業全般に広く使うことができる持続化給付金、家賃等の負担を軽減する家賃支援給付金などの活用を案内してございます。現時点では、事業者の減収分を区から補塡する考えはなく、各種融資制度や給付金を事業者に活用いただくことで介護事業を継続できるよう引き続き支援してまいります。

【清水議員】
区介護担当者が区内介護事業者に通知した6月1日付け厚生労働省の臨時的取扱いの内容、介護保険最新情報842は、コロナ感染予防で収益が下がった事業所に対しての救済として、利用者が同意すれば、2段階アップ請求できるとしています。例えば通所介護の場合、5時間以上6時間未満765単位を月4回まで、2区分上位の報酬区分7時間以上8時間未満887単位算定を可能としました。介護現場では混乱が生じています。同意しない利用者にはサービスを提供しない事業所があったり、利用者は断ったら通えなくなると思い、仕方なく我慢して同意してしまったなどです。コロナ禍による減収を利用者に負担を押しつけるのはおかしいとの声がアンケートでも多く寄せられました。このような理不尽な取扱いの改善を国に求めることを要望します。しかし、当面は介護保険者の区の責任が問われます。
●伺います。現在利用者が負担している差額分は区が負担すべきです。お答えください。

【福祉部長】
次に、厚生労働省より示された新型コロナウイルス感染症に係る人員基準等の臨時的な取扱いに係る利用者負担についてのご質問でございますが、通所介護サービス等において、2段階上位の区分での介護報酬の算定を可能とするこの臨時的な取扱いの具体的な運用方法につきましては、通所介護事業者等が、必ずケアマネージャーと連携し、利用者の同意を事前に得ることが条件となっております。区といたしましては、通所介護事業所等における臨時的な取扱いは、介護サービスの安定的な供給に資するものと捉えております。感染防止対策に尽力している通所介護事業者の状況を利用者にご理解いただいた上で、利用者負担分について事業所から十分に説明いただくことが肝要であり、利用者負担分の一部を区が負担することにつきましては、現在のところ考えておりません。引き続き、適切な介護サービスが継続できるよう、臨時的な取扱いに関する国や東京都からの情報収集に努めてまいります。

コロナ禍での生活保護行政は、区民に寄り添ったセーフティーネットにすることについて

【清水議員】
続いて、コロナ禍での生活保護行政は、区民に寄り添ったセーフティーネットにすることについて質問します。
コロナ禍という、私たちがいまだかつて経験したことのない緊急事態に、国、社会の在り方が問われています。今後の日本社会を考えたとき、人権保障の視点を強くしていかなければなりません。真の貧困、低所得者対策とは、生活保護基準の引下げで、社会が対応すべき貧困と判断する基準を引き下げることではないはずです。国はこんなときに生活保護基準を引き下げました。健康で文化的な最低限度の生活を送ることができる、しっかりとした生活保護基準を保障することが、コロナ禍ではさらに重要となっています。
厚生労働省としては、コロナの事態を踏まえて、柔軟、迅速な保護決定をするよう事務連絡を4月7日に出しています。区もこの事務連絡を受けて、生活保護業務がコロナ対応となっていると聞いております。生活保護の要否判定に直接必要な情報のみ聴取、感染リスクを最小限に抑えること、稼働能力の活用に関する判断留保、一時的な収入の減により保護が必要になる方への留意点などを示しています。
厚生労働省のまとめでは、解雇者数は8月末時点で計5万326人に、5月から7月までの3か月間は月1万人を超え、8月も1か月で約9000人と高水準でした。6割超えが非正規労働者。業種別では製造業が最も多く、次に小売業、外出自粛で飲食業も苦境に陥っていると発表しました。大田区内においても、商店街、飲食店街ではシャッターが閉まったままの店が目立ち、町工場、製造業でも「仕事がない」の声が出ています。突然の解雇や休業強制は人々の暮らしを直撃し、生活保護の受給者も急増していると思われます。
しかし、7月15日健康福祉委員会に提出された大田区の生活保護の動向についてでは、2020年4月末時点では世帯数は1万3283世帯で、2019年の10月より減少しています。受給者数も1万5953人で減少しています。担当課からは、2020年5月、6月、7月の受給者数は未集計で公表できないが、増加はしていない。コロナ特別対応で家賃助成等を受けることによって生活が維持されているのではないか、リーマンショックのときのように半年、1年後に生活保護の相談が急増するのではないかとの見方をしているようです。
しかし、現在本当に生活に困っている区民は減少していると考えていいんでしょうか。先日、私のところに相談に来られた方は、「生活保護はできるだけ受けたくない、今は1日300円くらいで生活している」と言うのです。また別な人は「1度相談に行ったが、もう二度と行きたくない」と言うのです。生活保護を受けると、親族に連絡が行くから受けるのをためらっているという人もいました。生活保護への偏見で我慢していたり、相談の仕方が分からない区民もいるのではないでしょうか。安倍首相は、「文化的な生活を送る権利があるので、ためらわず生活保護を申請してほしい」と、6月15日に国会で答弁しました。
●伺います。厚生労働省が作成した「生活保護は権利です」のリーフレットを活用し、ホームページ、区報などを使い、誰もが生活保護を受ける権利があること、心配しないで相談に来てほしいと広報、周知の努力をしてください。生活保護を受けて生き続けてほしいと、大田区が発信してください。お答えください。

【福祉支援担当部長】
私からは、生活保護の広報、周知に関するご質問にお答えいたします。
言うまでもなく、生活保護は、憲法第25条に基づく国民の権利です。生活に困窮した場合に、最低限度の文化的生活を保障する制度として生活保護があることは、既に区民の皆様に広く知られているものと認識をしてございます。区は、生活保護制度の概要や相談窓口について区のホームページに掲載をしているほか、各生活福祉課の窓口に「生活保護のしおり」を用意して、個々の相談に応じております。また、地域の民生委員をはじめ、大田区社会福祉協議会、大田区生活再建・就労サポートセンターJOBOTAや、区役所内の各窓口から生活福祉課の相談窓口につながるようにご案内をしております。さらに、今回の特別定額給付金を路上生活を余儀なくされる方々に周知する際のチラシにも、生活福祉課を記載してご案内をいたしました。区はこれまで同様、必要な方が生活保護を受けられるよう周知に努めてまいります。

【清水議員】
大田区福祉オンブズマン制度2019年度運営状況報告書では、生活福祉に係る事例が多く報告されました。ある事例の調査では、「生活保護課のケースワーカーが異動になったとき、次のケースワーカーへの引継ぎがお互いのコミュニケーションを密にして、被保護者への援助が切れ目がないようにする工夫が必要になります。残念ながら、こうした工夫が生活福祉課内で欠けていたと考えます」と報告がありました。生活保護を受けている高齢者が、担当のケースワーカーが1回会ったか会わないうちに代わってしまい、名前も覚えられないという声を聞きました。これでは相談もできません。2年、3年程度の異動年限の見直しが求められています。
また、ほかのオンブズマンからは、生活保護の返還金問題の事例で、「生活保護等の福祉の職員の丁寧な説明が大切だが、その説明がきちんとできている前提として、職員と利用者の信頼関係が必要で、ふだんから信頼関係が構築できる対応にしていくことが職員には求められている。人員体制、マニュアルチェックシート、それを使いこなすための研修等、多方面の改善を進めていただきたい」と報告されています。さらに別の調査報告では、「生活福祉課からは、職員の数が足りておらず、職員の負担が過重になっている」との説明がありました。調査した生活福祉課は、令和元年11月時点でケースワーカー面接員1人当たり90.3世帯、面接員の人数を除くとケースワーカー1人96.9世帯を担当、既に東京都から指導検査で勧告を受け、ほかのオンブズマンからも、このケースワーカー問題の提言がされていると報告がありました。
東京都の指導検査で勧告を受け、福祉オンブズマンからもケースワーカーの増員が必要と言われています。2020年の4月時点の各生活福祉課の被保護世帯数で試算をしてみました。面接員を除くと、現業ケースワーカー1人当たりの世帯は、大森で95.7、調布で104.5、蒲田で97.2、糀谷・羽田で92.6となっています。社会福祉法16条では、現業を行うケースワーカー配置の標準数は、保護世帯80世帯に1人と定めています。
●伺います。職員の過重負担を減らし、被保護者と信頼関係ができ、一人ひとりに寄り添った相談活動ができるようにケースワーカーの増員を求めます。お答えください。

【企画経営部長】
私からは、ケースワーカーに関するご質問にお答えさせていただきます。
社会福祉法におきまして、生活保護法の適用を受ける被保護世帯数により、ケースワーカーなどの人数が標準として定められてございます。この標準の人数を踏まえ、定数算定をしたうえで、各生活福祉課に職員を配置してございます。また、就労相談や資産調査などにおきまして、専門的な知識や経験を持った会計年度任用職員を活用するなど、執行体制の充実を図っているところでございます。今後も社会情勢や被保護世帯数の動向を的確に把握し、生活保護事務の適切な執行に向けて適正な職員配置に努めてまいります。

以  上

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