(映像は大田区議会ホームページより:58分)
- 「今こそ大田区から核兵器のない世界の実現を」について
- 区民が願う羽田空港のあり方について
- 区民のくらし、営業支援の2017年度予算について
- 子どもの成長が保障される支援について
- 福島原発事故の避難者の支援について
- 再質問
【すがや議員】
日本共産党区大田議団を代表して質問します。
「今こそ大田区から核兵器のない世界の実現を」について
【すがや議員】
「今こそ大田区から核兵器のない世界の実現を」についてです。
10月27日、核兵器禁止条約の締結交渉を来年開始する決議案が、国連総会第1委員会で、賛成123か国の圧倒的多数で採択しました。このことは、核兵器禁止条約に、仮に最初は核保有国が参加しなかったとしても、国連加盟国の多数が参加して、条約が締結されれば、核兵器は人類史上初めて「違法化」されることになります。そうなれば、核保有国は法的拘束力を受けなくても、政治的、道義的拘束を受け、核廃絶に向けて世界は新しい段階に入ることになり、日本共産党は、心から歓迎するものです。
また、「核兵器を禁止しその全面廃絶につながるような法的拘束力のある法文書」の交渉が、市民社会も参加して、来年3月から国連で開催されることは、核兵器を違法化して、「核兵器のない世界へ」向けて扉を開くもので、被爆者を先頭に、核兵器廃絶の緊急性を訴える、日本と世界の世論と運動、「核兵器禁止条約の早期締結」を求める諸政府が20年来とりくんだ歴史的な成果です
一方、核兵器禁止条約の交渉を求める国連総会の決議に「棄権」を続けてきた日本政府が「反対」の態度をとったことは、唯一の戦争被爆国としてあるまじき、日本国民の意志を踏みにじるものです。
そのような中、平和首長会議は11月7,8日第6回国内加盟都市会議総会で『ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名』に対し平和首長会議として賛同・協力する総括文書を採択したことは、希望です。今や、自治体の94.4%が加盟し、安倍首相あてに「『核兵器禁止条約』の早期実現に向けた取組の推進について」の要請文を全会一致で確認し、日本政府が核兵器禁止条約の交渉を来年開始する決議に反対したことについて、「被爆者の切実な思いに背くものであり極めて遺憾」である。「戦争被爆国としてこれまで以上に力強いリーダーシップを発揮し全ての国連加盟国により適切な議論が行われるよう、力を尽くしていただくことを強く要請いたします」としています。
●そこで質問します。松原区長は、いち早く平和首長会に参加され、第3回定例議会の日本共産党区議団の代表質問、非核平和都市宣言についての再質問に「核のないということをちゃんと入れてるのです。それから平和憲法を守るということも言っていますから、実質上はそういう形になるんではないかと私は解釈しています」と述べられています。このことは、区長が核兵器のない平和都市大田区と平和憲法を擁護する立場に立つ強い決意を示すものと理解しました。よって、区長は、世界が核兵器廃絶の流れに進んでいることに対し、深い思いがあるのではないでしょうか。平和首長会議として『核兵器廃絶国際署名』に賛同・協力することをきめたのですから、大田区としてその先頭に立つこと、また、核兵器禁止条約の交渉を求める国連総会の決議に、「反対」した日本政府に対して抗議し、撤回することを求めることです。お答えください。
【松原区長】
核兵器廃絶に向けた大田区の取り組みについてのご質問ですが、大田区ではこれまでも様々な取り組みを通じて、核兵器の悲惨さ、平和の大切さを訴えてまいりました。私自身も、平和首長会議の一員として、核兵器廃絶の取組みに賛同・協力しているほか、これまで広島市や長崎市の平和祈念式典にも出席を重ね、核兵器のない世界を実現する決意を強く示しているところでございます。一方、世界情勢は刻一刻と変化しており、今年に入り北朝鮮は2度の核実験を行うなど、核兵器を取り巻く状況の変化を憂慮しております。大田区は世界の恒久平和と人類の永遠の繁栄を願い、昭和59年に平和都市宣言を行っております。この平和都市宣言の中で、大田区は核兵器のない平和都市であることを、しっかりとうたっております。この平和都市宣言の理念を区の様々な平和都市関連事業を通じて、区民の皆様と理解しあい、広めていくことが、基礎自治体の運営を担う我々に課された責務であります。
【すがや議員】
また平和の問題では、政府が、11月15日閣議決定で南スーダンPKO(国連平和維持活動)に関し戦争法=安保法制に基づく自衛隊初の新任務「駆けつけ警護」「宿営地共同防護」を付与。この活動に参加する陸上自衛隊第11次派遣隊のうち、第1弾となる約130人が11月20日午前、青森空港から出発しました。21日には首都ジュバの宿営地に到着し、残る220人は、12月14日までに出発する予定です。南スーダンでは、自衛隊派兵の前提となる停戦合意など「PKO5原則」が崩壊している元で、憲法違反の武器使用が可能になり、南スーダンの派兵が「殺し、殺される」最初になりかねません。自衛隊を南スーダンからただちに撤退させ、日本の貢献は、憲法9条の立場に立った非軍事の人道支援民生支援の抜本的強化へと転換すべきです。区長には、国に強く撤回をすることを求めます。
この他にも、国政では、TPP、原発再稼働、「年金カット法案」、医療介護の改悪、消費税増税など、区民に直接影響を及ぼす問題がめじろ押しです。
地方自治体の役割は、国の政治が悪い時こそ、国の防波堤になって区民の暮らし命を守らなければなりません。しかし、今の大田区は、国の言いなりです。その姿勢が表れているのが羽田空港関連です。
区民が願う羽田空港のあり方について
【すがや議員】
次に、区民の願う羽田空港の在り方についてです。
党区議団や議会は繰り返し、敗戦直後GHQによる48時間強制退去によって羽田鈴木町、羽田江戸見町、羽田穴守町の1200世帯3000人の方々が住まいを追われ苦難を余儀なくされたこの地を、200ヘクタールは、3者協でも合意された、大田区が無償で取得することを求めてきました。それをやめて、産業交流施設の建設をするとして、委託業者にA案、B案、C案など絵をかかせ、次に「おもてなしエントランス」の絵をかき、毎年、どれだけ税金をつぎ込んできたのでしょうか。当初の案から全く変わってしまいました。
第1ゾーン(土地区画整理施行区域)約16.5ヘクタールに大幅に削減、その土地について、「現在、羽田空港跡地第1ゾーンは、空港用地の一部として国土交通省の管理下にあるが、第1期事業予定地については、工事着工時までに区が取得する予定」と書きこまれました。土地の取得、水道ガスなどのインフラ整備も区がおこない、この費用総額はいったいいくらになるのでしょう。
また、計画案にある1㎡最低月額300円で大田区が貸し出せば50年間の定期借地の計画ですから約100億円しか取り戻せないのに、企業はもっと高値で貸すでしょう。これは、Luz大森と同じ手法です。さらに、イノベーション創出エリアの4000㎡を大田区がお金を出して借り上げる計画です。
これまで大田区が取り組んできたものは何だったのでしょうか。
●大田区が土地取得の費用をだし、更にインフラ整備などどれだけ税金投入になるかわかりません。区民のためでなく、中小企業のためでなく、大企業の儲けのためです。歴史まで無視した特区という名のもとに多額の税金投入はやめることです。
【松原区長】
羽田空港跡地第1ゾーン整備事業についてのご質問でございますが、跡地第1ゾーンは、平成22年10月に羽田空港移転問題協議会が策定した「羽田空港跡地まちづくり推進計画」において、大田区が過去の経緯を踏まえて取得する方向で検討するされております。昨年7月には区が策定した「羽田空港跡地第1ゾーン整備方針」において、世界と地域をつなぐ「新産業創造・発信拠点」を形成すると位置づけました。空港跡地は、高度なものづくり技術を有する中小企業が集積する京浜臨海部に位置し、24時間国際拠点空港である羽田空港に隣接するなどの優れた立地特性を活かした、この場所でしかできない取り組みが求められます。国内外から企業・人材・情報を呼び込み、交流させることで、区内中小企業にとっても、ビジネスチャンスが広がることが期待されます。現在、官民連携のまちづくりを行うべく、事業者公募を進めております。区内産業をはじめとした地域経済の活性化、日本の国際競争力強化への貢献等、区ならではの地方創生をめざし、跡地第1ゾーンの整備事業を進めてまいります。
【すがや議員】
また、都市再生特別措置法(平成14年法律第22号)の、都市再生緊急整備地域及び特定地域に、これまで「川崎殿町・大師河原地域」としていた区域に多摩川対岸に位置する羽田空港跡地の区域を新たに加え、整備方針案を出しました。10月6日から13日間行われたパブリックコメント募集結果は、ゼロ件でした。ここにも、国民や区民不在の中で進んでいることがよくわかります。
さらに、羽田空港跡地第1ゾーン整備事業(第1期事業)について区長は、第3回定例議会あいさつで「6月2日に閣議決定された日本再興戦略2016において・・・(中略)・・・国による位置づけも踏まえつつ、区内中小企業と結び付いた産業交流拠点としてのまちづくりを進めていくため・・・、事業者の公募を行う」と述べています。しかし、その公募概要は、「・・・、2020年に向けて『新産業創造・発信拠点』を形成するため、優れたノウハウとアイデアを有する民間事業者のスピード感をもったチャレンジある提案を募集する」としています。さらに、これまでの産業交流施設は( )カッコ付きに、先端産業事業がおもてになり、企業誘致エリア延床面積24,000㎡程度、イノベーション創出エリア延床面積12,000㎡程度であり、区内の既存中小企業のためではなく、研究開発やベンチャー企業のためのものです。
●そこで質問します。大田区は、区内の中小企業を「日本経済の根幹」(中小企業憲章)に位置づけ、中小企業の商品開発、販路開拓、技術支援などの振興策と大企業・大手金融機関の横暴から中小企業の経営を守る規制策を「車の両輪」として進めることです。
また、地域振興策を「呼び込み」型から地域にある産業や企業など今ある地域の力を支援し、伸ばす、「内発」型に転換することです。お答えください。
【松原区長】
中小企業の振興策に関するご質問ですが、地域経済を活性化する上では、中小企業の持つ個性や可能性を伸ばし、発揮することが重要です。これまでものづくり中小企業は、意欲をもって努力と創意工夫を重ねることで、高付加価値のものを作り出してきました。大田区においては、ものづくり基盤技術の集積があり、これをさらに生かしていくため、区は、公益財団法人大田区産業振興協会と連携し、支援等を実施しております。こうした支援策等と同時に、大学や研究機関との産学連携、企業間連携を促進し、新たな分野への進出や市場拡大を図ることが必要です。そのため、いわゆる「コネクターハブ企業」を中心とした、受発注の活性化を促進しております。さらに、区内企業への発注を期待できる企業を区外から誘致することも重要となります。今後も引き続き、各種振興策を継続し、区内ものづくり産業の活性化に努めてまいります。
【すがや議員】
また、都市再生緊急整備地域及び特定地域、つまり川崎殿町と羽田を結ぶ橋が幹線街路補助線街路第333号線(川崎殿町と羽田を結ぶ橋 神奈川口構想)です。2014年(平成26)年、第3回定例会党区議団の国家戦略特区に反対すべきの代表質問に「国家戦力特区を活用することにより。羽田空港のまちづくりや新空港線の整備などの大田区のまちづくりを進めるとともに・・・我が国経済成長を牽引するとともに、おおた未来プラン(後期)の取り組みを加速させる有効な手段と考える」と答えています。これまで大田区は、国道357号線を早期につないで交通や流通の緩和を目指すことが悲願であり、川崎と羽田が橋で結ばれることに、議会答弁でも区長は「反対する」と明確に述べ、2008年11月14日神奈川口構想を巡り始めての首長会談が行われた席で、区長は譲れない姿勢を示したと東京新聞で報じられました。それが、羽田が国家戦略特区域に指定され、国、東京都、大田区、川崎市等で構成する「羽田空港周辺・京浜臨海部連携強化推進委員会」に参加することで、大きく変わりました。医工連携というよりも、2車線のこの橋は、羽田から、川崎殿町の引き込み線の役割であり、仕事が区内の中小企業にはまわらず、交通解消にもならないことを指摘しておきます。また、これは、神奈川の長年の悲願であった、羽田から、よりスピーデイに川崎に人・ものを運ぶことに道を開くものであり、区内は素通り、川崎に流れ出ていく道を開くのです。結局は、羽田空港跡地は、大企業が行う開発のタネ地にさせられてしまったではありませんか。
●そこで質問します。川崎殿町や羽田空港跡地第1ゾーン、333号線の開発を一体で進める都市再生緊急整備地域及び特定地域は、閣議決定のトップダウンであり、世界からの呼び込み型で、区内の中小企業を守り、活性化させる施策ではありません。大田区は、国に中止を求めることです。お答えください。
【松原区長】
羽田空港跡地に関するご質問にお答えします。地域経済の主役は、中小企業であります。区は、羽田空港跡地第1ゾーンの新産業創造・発信拠点において、国内外から企業の立地を図り、それら企業群と大田区のものづくり中小企業を結びつけ、新たな受注を開拓してまいります。区内におけるコネクターハブ企業の成長や、取引におけるシャワー効果の一層の推進を実現してまいります。また、本年6月2日に閣議決定された「日本再興戦略2016」において、跡地第1ゾーンは、クールジヤパン発信拠点に位置付けられました。区は、国などとも連携し、日本の魅力を、国内外に発信する地方創生の拠点を形成してまいります。跡地整備事業を進めることは、区内企業の成長と取引拡大を実現し、区内産業の活性化と我が国の産業競争力強化につながるものと考えます。区としては、引き続き、羽田空港跡地第1ゾーン整備事業を進めます。
【すがや議員】
次に増便問題です。国の「羽田空港機能強化計画」では、「国際競争力強化」を理由に、2020年から羽田空港の離発着の便数を、一時間当たり80回から90回に増便し、年間44.7万回を3.9万回増やして48.6万回に、南風時都心上空を低空飛行する飛行経路の変更は大問題です。党区議団は、国が教室型の説明会を開かず進めている事、新飛行経路計画がどのような影響を及ぼすのか知りたいという方々の要望を受けて「羽田空港を考えるシンポジウム」を10月18日に開催したところ、埼玉や神奈川など近県含め133人が集まり、参加者から、このまま黙って国の動向を見ているわけにいかないと思いあふれる熱気ある集会でした。
党区議団は、第1に、現在でも北風時A滑走路左旋回で区内上空を午前7時半前後に3機が飛行しておりゴーアラウンド(着陸やり直し)による低空飛行、夜間早朝の国際便の増加などから騒音被害があること、5月には大韓航空の飛行機が滑走路で炎上事故、世界中で空港の事故が絶えない中、周辺住民は絶えず危険にさらされ、さらなる増便は、騒音、大気汚染、落下物、飛行機事故の危険など区民に新たな影響を及ぼすことになり問題と考えます。
第2は、羽田空港の飛行機による騒音被害や飛行機事故による不安は、1973年大田区議会での空港撤去決議が採択され羽田空港沖合移転が決定され、その際国と大田区は大田区内上空を飛行しない「飛行機は、海から出て海に出る」という約束がされました。その約束を反故にするのが「羽田空港機能強化計画」であり問題です。
第3は、国民不在、経済最優先の国家戦略特区が狙いだからです。
先に述べたように、安倍首相は、「世界一企業が活動しやすい国づくり」として、国家戦略特区構想を打ち出し、大田区を指定地域にし、海外から企業を呼び込み経済の活性化を図るとしています。
また、増便計画は、アベノミクスによる経済発展のため「羽田空港を日本の起爆剤」として世界中の客を呼び込むために国際便を増便することであり、大田区が国家戦略特区で条例を制定した民泊も同様であり、問題です。
これらは、東京一極集中を進めていくものであり、企業呼び込み型である産業振興は全国でも失敗しています。今やるべきことは、区内の産業を公共財として支援し、優れた技術のネットワークの維持・発展させることです。
11月24日、参議院国土交通委員会で羽田空港増便問題、新飛行ルート問題について、日本共産党山添拓議員が7月の国交省と関係自治体との協議会で「新ルートが了承されたと報道されていることについてただしたのに対し、石井国交大臣は、「合意や了承といった事実はない」と答えました。
●そこで質問します。区民の安心、安全を守るためにも新飛行経路計画「羽田空港機能強化計画」は撤回するよう国に強く求めることです。お答えください。
【松原区長】
国による「羽田空港の機能強化」に関するご質問でございます。これまでも申し上げてまいりましたが、羽田空港の運用は、現在におきましても、北風時A滑走路北向き離陸左旋回や、着陸のやり直しであるゴーアラウンド、深夜早朝時間帯における航空機の離発着など、航空機騒音による区民生活への影響が生じていることから、今回の国の機能強化提案は、大変重要な問題であると認識しております。区では、本年6月16日に、本件にかかる区としての要望をとりまとめ、国土交通大臣に申し入れており、その内容はこの7月に国が示した「羽田空港機能強化に係る環境影響等に配慮した方策」に反映されたものと理解しております。また国は来年1月以降、大田区を含む近隣自治体において、オープンハウス型の説明会を開催するほか、情報をいつでも得られる「常設情報発信拠点」の設置を予定しております。引き続き東京都や周辺自治体とも十分に連携しながら、より一層の騒音対策、安全対策とともに、丁寧な情報提供を進めるよう、強く国に求めてまいります。
【すがや議員】
これら、羽田空港増便問題、羽田空港跡地第1ゾーン問題、333号線を含む羽田空港地域の一体の開発は、区民不在に急ピッチで進められ、地方自治体の役割を投げ捨て「飛行場だけがあるまち」に加速させるものです。
区民のくらし、営業支援の2017年度予算について
【すがや議員】
次に、区民のくらし、営業支援の2017年度の予算についてです。
地域を歩くと「もうあきらめました」「我慢してしっかり元気でいないとだめですよね」「一生懸命働いて税金収めたのに」などと声が聞こえてきます。「アベノミクス」がはじまって4年になりますが、「世界で一番企業が活躍しやすい国」を目指すという掛け声のもと、日銀の「異次元金融緩和」や3年間で4兆円もの企業減税によって、大企業は3年連続で「史上最高益」を更新し、大株主など富裕層にも巨額の富がもたらされました。一方、労働者の実質賃金は3年間のうちに、年額で17.5万円も減り家計消費は13か月連続で対前年度比マイナスとなっています。「アベノミクス」が格差と貧困を一層拡大し、経済の危機を深刻にしていることです。特に中間層が深刻です。
今、区民の実態は、一昨年からの消費税8%への引き上げでくらしと営業は深刻です。さらに、国民健康保険料の値上げ、年金給付は毎年減額、異常な円安による物価高騰が襲っています。区に対する国保料への1万2千人余の問い合わせや怒りの声など、多くの区民から悲鳴の声が上がっています。生活保護受給者が13555世帯16729人(今年9月末現在)、就学援助は小学生5284人(18.4%)、中学生3105人(27.9%)(4月末現在)、区の取り立て強化の中で国保滞納40,572世帯、短期証発行3,109世帯、資格証明書発行654世帯(7月末現在)と深刻です。特養ホームの待機者1,275人(今年9月末現在)4月からの認可保育園に申し込んで入れなかった数は1,864人となっています。
日本一と言われていた高度な技術のものづくり集積地の大田区でしたが、最高で9,000社あった区内中小工場は、大企業の横暴と海外進出・産業の空洞化、バブル崩壊やリーマンショックなどで、2年前の調査では3,481社となっています。大田区の景況では最低のGランクが続き、倒産・廃業が依然として後を絶たず、2015年度倒産件数は、前年度から多少増えて95件、従業員数は、前年度比7倍の2,689人、負債額は5倍の906億8,500万円です。
2015年度営業所得は411万6千円(前年より7万3千円増)、給与所得は391万4千円(前年より5万6千円増)となっていますが消費税増税分にも追いつかず、ものづくりのまち大田区の中小企業経営者や勤労者が一段と厳しい環境になることが表れています。
党区議団は区内全地域に区民アンケートを行い、11月28日付で3,000通をこえる回答が寄せられました。まだ途中ではありますが、中間集計を取ると、くらしがよくなった1.5%、変わらない35.1%、苦しくなったは55.6%です。3か月ごとに行う景況調査4月~6月では最低のGランクで、「お客が減っています。アベノミクスも関係ない」(小売業)「不況期が長く、リストラが吹き荒れ、新技術が未来だという現状ではないです」(金属)「明るい材料は一つもない」などの声が紹介されています。子どもの貧困について、小学校5年生やひとり親家庭を対象にした生活実態調査にも表れています。
この状況で組まれた、大田区の2017年度の予算編成、組織・職員の基本方針(通知)では、「新空港線や羽田空港跡地の整備といった長期的な重要課題については、その具体化に向けて力強く前進させる重要な局面にある」としています。
新空港線「蒲蒲線」は、約35億円の積立金、毎年調査費が計上され、大田フエスタでは、のぼり旗を立て、子どもたちに塗り絵コーナーを作り印象付けようとしています。新空港線「蒲蒲線」は、国が促進すべき優先路線に位置付けられていないことを、第3回定例議会款別質問で明らかにしました。これこそ「片思い」と言わざるを得ません。区内では、沿線住民が通過待ちになってしまう新空港線「蒲蒲線」の開発は中止すべきです。
京急蒲田駅付近は、西口に区が税金投入して建てた高層タワーマンション、東口は、東京ガスの敷地を区が38億円投入して購入し、バスのロータリーなどを作ったものの、利用者は、少なく「もったいない」とため息が出ます。党区議団が指摘したとおり税金のムダ使いの最たるものです。
●積立金1,193億円は過去最高、借金は減らすという大田区ですが、ため込んだ税金は大型開発でなく、区民の暮らし、営業応援に使い2017年度予算に反映することです。お答えください。
【松原区長】
平成29年度予算編成に対するご質問ですが、区は、これまでも、今後も増加が見込まれる扶助費や公共施設の機能更新など、将来の 行政需要に的確に対応するため、基金を計画的に積み増すとともに、区債の着実な償還にも努めてまいりました。平成29年度の予算編成にあたっては、4つの重点課題に特に優先的に取り組むこととしております。具体的には、待機児童解消に向けた対策や高齢者施策の強化、首都直下地震への備え、様々な産業振興施策等、効果的な事業を積極的に推進してまいります。また、「蒲田」、「大森」、「臨海部」、「羽田空港」といった陸・海・空の交通結節機能の強化等にも、精力的に取り組んでまいります。このように、平成29年度は、基金と区債を効果的に活用しながら、ソフト・ハード両面において、区民の皆さまにとって必要な施策を着実に推進することで、「暮らしてよし、訪ねてよし、地域力あふれる国際都市おおた」の実現につなげてまいります。
【すがや議員】
また、通知では、「日本経済の緩やかな回復が続いている」とし「中長期の財政見通しについては、少子高齢化の一層の振興や、老朽化した公共施設の更新時期が集中することなど、引き続き圧迫要因を抱えていることから、各年度において、歳出に対して歳入の不足が見込まれる。・・・区民目線に立った事業の見直しや再構築を行うことによる『選択と集中』を強化する必要がある」としています。「区民目線」はだれのめせんでしょうか。
この間、公平性や受益者負担のことばを並べて、区民切り捨ての施策を行ってきたではありませんか。例えば、保育園に預けている人と預けていない人と比較、0歳児は費用が掛かりすぎる他の年齢と比較して、保育料の値上げ、文化センターなど利用している人いない人を比較して使用料値上げ、社会教育団体の方々とそうではない方々と比較して、優先枠をなくす、大田区の指定保養施設利用者と利用していない人を比較して日数制限と利用料値上げ、お風呂のいきいき高齢者入浴事業もそうです。だれのための「区民目線」でしょうか。区民施策切り捨てのための「区民目線」です。さらに、大田区がしていることは、区民の中に分断と対立を持ち込んでいることを指摘しておきます。
また、組織・職員定数の基本方針では、簡素で効率的な組織整備と「選択と集中」に基づく効果的な人員配置としています。例えば、先日総務財政委員会で出された偽装請負の疑いもある国保の窓口業務委託では、今まで15人の区職員が行っていた仕事を20人~30人の委託職員が窓口で仕事をしています。
せっかく4月から始めた区民の要望でもある、学校図書館司書は非常勤で週3日5時間、一時間1,500円ではなかなか集まりませんでした。賃金の引き上げ日数の拡充を求めます。民間委託された区立保育園では、引き継ぎ期間に保育士が集まらず苦労されておりました。また、保育士が定着しないという不安定の理由に低賃金があります。保育の質確保、人員確保のために区立保育園の民間委託はやめることです。
経費削減の名のもとに、低賃金で雇う、不安定雇用・ワーキングプアを大田区自ら増やすことはやめ、貧困と格差を広げる民間委託は中止することです。
さらに、区民から出されている切実な願いは、政治と金の問題に絡む区議会議員の海外親善訪問調査の中止です。毎年、約2,200万円余の予算ですが、これこそ、「区民目線」に立ち税金のムダ使いはやめることです。他区では全員対象の予算は立てられていませんし、また、区議会議員50人が任期4年間で一度は参加することとなっていたのが、現在、自民党、公明党、民進党の議員が2回3回と区民の税金で海外に行くことは認められません。政治とカネの問題で地方議員のあり方や税金の使い方が大きく問われているからこそ「区民目線」にたち、やめることです。
党区議団は、来年度の予算編成に向けて各団体と懇談を行い、11月28日、最重点項目含む350項目の予算要望を区長に行いました。どの項目も各団体からの大切な要望であり、来年度の予算に反映されることを求めておきます。
特に、緊急対策についてです。子どもたちの大好きな学校給食は、台風の多発、長雨などの影響で、人参、白菜、キャベツなど普段安価な野菜が高騰し、ジャガイモは7割増しで各学校やりくりが大変です。三重県鈴鹿市教育委員会では、野菜の価格の高騰で給食2日間中止する報道がされ、それを知った市長が撤回するということが起こりました。
これまで党区議団は、消費税増税8%になったことにより、学校給食は、業者の方々も学校側も維持が厳しくなっている事を指摘し、大田区として補助をして子どもの給食を守ることを求めてきました。
●今、野菜などが高騰している中で緊急に野菜の補助をして、学校給食の質を守ることです。そのことが、区内の業者の方を応援することになります。お答えください。
【津村教育長】
私からは、給食費補助に関する御質問にお答えいたします。はじめに、高値が続く野菜代の補助を行うべき、との御質問ですが、今年は、8月に相次いだ台風の影響や秋雨前線の停滞により、日照不足などで、野菜の価格が上昇し、現在もその状況が続いていることは承知しております。しかしながら、各学校においては、献立の工夫はもちろんのこと多少形の悪いものを安く仕入れるなどの工夫により、給食の質を落とさずに提供できております。食材の購入にあたりましては、事業者からの見積もりにより、適正な価格で購入している。そのため、この度の野菜の高値に対しては、適切な対応が行われており、野菜代の補助などは、考えておりません。
【すがや議員】
●また、子どもの貧困は相対的貧困6人に1人と社会的大問題になり、大田区でも、子どもの貧困検討委員会を部をこえて設置し、おおた子どもの生活実態調査として、5年生を対象とした保護者、子どもに対するアンケート、また、ひとり親家庭の生活実態調査の結果報告が健康福祉委員会にされました。このアンケート調査では、生活困難層やひとり親家庭の厳しさがより一層鮮明に示され、早急に対応しなければならないことがわかります。
特に学校給食は、お金があってもなくても同じ栄養価で同じものを食することができるよい制度です。野菜など物価が高騰する中でも、学校給食費の値上げはせず、おいしい給食の提供をすることです。大田区として以前行っていたように米代の補助など、何らかの手立てをして給食代の値上げはしないことです。お答えください。
【津村教育長】
次に、給食費の値上げはせず、以前行っていた米代補助などの手立てを行うべきとの御質問ですが、米代補助につきましては、教育委員会が主食である米や麺を購入し、学校に現物支給するという「学校給食費緊急支援事業」を平成20年12月から平成21年3月末にかけて実施したことがございました。これは、平成19年からの原油価格上昇やバイオエネルギー需要に伴う穀物価格の上昇により、学校給食の原材料の価格が高騰したことを受けまして、当時の給食費の中では、それまでの給食内容を維持することが困難となったことから、あくまで緊急的に実施したものでございます。いわゆるリーマンショックという、世界同時不況ともいうべき深刻な景気低迷といった経済状況の中で実施したものであり、現在は、そのような経済状況にはないと認識しております。加えて、学校給食に係る費用は、学校給食法において、学校給食の設備、調理に関する費用は区が負担し、保護者の方には食材費相当分を負担することと定められております。こうしたことから、以前のような米代補助を行うことは考えておりません。
【すがや議員】
国保問題では、この数年で大きく値上げされ、低所得世帯や多子世帯では軒並み年収の1割を超える保険料になるなど深刻です。先に述べたように大田区では、加入世帯の3分の一世帯が保険料を滞納し、保険証の短期保険証発行世帯が約3109世帯、医療機関の窓口で医療費の全額負担を求められる資格証発行世帯は約654世帯になるなど制度そのものが崩壊の危機になっています。ところが区は、徴収強化に躍起になり、滞納差し押さえ目標を年間200件と決め実行した結果、191件差し押さえをして、差し押さえる財産がなく、差し押さえられなかったのはその10倍にあたる1870件です。本来なら区民を助けなければならない自治体が、毎年の値上げで払えない保険料になっている状況にもかかわらず差し押さえをする、その原因は、保険料の収納率が上がると補助金が増えるという東京都による国民健康保険特別調整交付金です。
●そこで質問します。東京都による国民健康保険特別調整交付金による滞納処分の取り組みを推進し、収納率向上にかかわる取り組み成績によって収納強化はやめることです。お答えください。
【松原区長】
国民健康保険料の徴収についてのご質問ですが、被保険者の皆様にご負担いただいている保険料は、国民健康保険事業に関わる保険給付を滞りなく行っていくための貴重な財源です。公平に保険料をご負担いただくため、毎年度、所得割・均等割の割合・賦課割合の検討をはじめ、国の制度改正の動向を踏まえて検討を行っております。国保事業の貴重な財源である保険料の徴収が滞ることになれば、国保事業の維持運営にも支障が生じることにつながって参ります。保険料のご負担が厳しい方に対しては、納付相談を行い丁寧に対応しております。都の特別調整交付金は、このような保険料徴収努力に対する取組みなどに対して交付されているものです。保険料の徴収への取組みは、公平な負担を実現するためにも、保険者として進めて行かなければならないものです。
【すがや議員】
保険料を払うと生活保護基準以下になる世帯が保険料の減免を受けられる「境界層措置」を介護保険制度と同じように受けられるようにすることは待ったなしです。
子どもの成長が保障される支援について
【すがや議員】
次に、子どもたちの成長が保障される支援についてです。
まず、待機児童解消についてです。
子育て中の区民に「保育園落ちたの私だ」などの思いをさせない区の思い切った対策は、認可保育園の増設です。
待機児童問題に対して、前区長時代は、0才、1歳児は不足しているけれど、4,5歳児は空きが多い、差し引きゼロである。保育は人が人を育てる事業なのにお金がかかりすぎる、多様なサービスを提供するとして、区立保育園の民間委託に力を注いでいた時代に、あまり認可保育園を作らなかった時がありました。党区議団は、そのような区の姿勢を、保護者の願いは認可保育園で子どもを育てたい、質の確保には認可保育園増設をと求めてきました。世論と運動で2006年8月から2016年4月の10年で32か所、定員2,031人分増やしました。
小池百合子都知事は、都知事選挙の公約であった待機児童対策の補正予算を組みました。保育士の宿舎借り上げ支援の対象拡大や5年間の期限解消、認可保育園の整備費補助の拡充、借地料補助の拡充など日本共産党都議団が提案していたことが盛り込まれました。特に待機児童解消、区市町村支援事業、認可保育園等設置にかかわる土地賃借料補助事業等、事業者の負担軽減を図るため補助率補助上限額を引き上げる内容で、年度内に契約をするとさらに補助率が引き上げられます。
●そこで質問します。示された東京都の補正予算を大田区は「まだ要綱が来ない」という「まち」の姿勢でなく東京都に積極的に働きかけ活用すべきです。また、2017年度待機児童解消のための計画は、認可保育園を希望する数に見合った計画に引き上げ区民の願いに応えることです。来年度の計画についてお答えください。
【松原区長】
待機児解消に向けた来年度の計画についてのご質問ですが、区では、今年度、保育定員について、当初計画の500名から600名に拡充し、来年度に向けた保育所整備を進めております。また、今年度の待機児童の状況や妊娠届出の地域分布を踏まえ、待機児童数が多い調布地区を重点地域と定めて、来年度の整備計画を策定しているところです。特に保育所整備が困難な地域では、空き家情報を収集し、保育事業者とのマッチングなど、多様な手法による待機児解消に向けた施策を展開し、引き続き、保育を必要とするご家庭が適切なサービスを利用できるように取り組んでまいります。
【すがや議員】
同時に都知事は、面積基準を取り払うなど規制緩和も行うとしています。子どもたちの大切な命を守り、成長をはぐくむため規制緩和はやめるよう東京都に求めることを要望します。
また、3月に生後6か月の幼い赤ちゃんの命が無認可保育室で奪われたことをかち佳代子都議会議員が質問し、立ち入り検査を年2回は最低でも行うことを約束しました。この子どものお母さんは「大田区は、保育園に入りやすいと聞いて引っ越してきたのに」と涙を流して語っておられました。
●そこで質問します。このお子さんは、無認可保育室しか預けられず、認可保育園に入れなかったことの犠牲であるといえます。認可保育園の増設は待ったなしです。また、無認可保育室は、都の所管といわず、大田区の子どもです。監督指導を強化するとともに、保育の質を良くするため、無認可保育室は、認可にするよう指導と支援をすること。また、夜間保育は、夜10時以降の法整備がないということですが、このまま放置すれば基準のない劣悪な環境に預けなければならないことも事実です。子どもたちの命を守るため国に法整備を求めるとともに、区としても対策を求めます。お答えください。
【松原区長】
無認可保育室に対する監督指導の強化についてのご質問ですが、認可外保育所については、東京都が実施する認可外保育所の立入り調査に区も同行し、実態把握に努めております。また、必要に応じて当該施設への指導について東京都に要請を行っているところです。東京都の今回の補正予算の中で「待機児童解消に向けた緊急対策」として認可外保育施設に対する巡回指導の体制強化が盛り込まれております。今後も、より連携を強化し、大田の全ての子どもの、よりよい育ちを支える保育環境の確保に努めてまいります。次に、無認可保育室の認可化については、小規模保育所などの認可施設への移行の可能性があります。事業者から認可化に向けた相談があった場合には、きめ細かな支援を行ってまいります。また、認可保育園における夜間保育については、夜間保育に必要な設備や、長年の経験と良好な経営実績が必要です。
【すがや議員】
また、保育士不足の原因となっている保育従事者の処遇改善を行うこと、保育料引き上げは撤回を求めます。
さて、8月15日こども文教委員会で「児童館のあり方」の資料説明がありました。49の児童館を中心に行われていた学童保育を59の小学校施設を活用し放課後広場事業に移行していくというものです。4施設を区立区営、55施設は民間委託です。また、これまで児童館で行われていた乳幼児の交流や相談などフアミリールーム事業は、中学校区に1施設目途に整備、28施設中8施設が直営で残すというものです。中高生の居場所づくり事業6カ所などです。
廃止する児童館施設は、区の最重要課題である待機児童解消対策として保育施設に転用するほか子どもに関する施策を推進するための施策として活用するとしています。それが、今回廃止条例が出された千束子どもの家では、学童保育を廃止し、小規模保育所の連携施設園にするというものです。
この根底にあるのが第1次安倍内閣時に設置された「教育再生会議」のもと厚労相と文科相が「放課後総合プラン」を発表し、すべての就学児童が放課後等を安全、安心にすごし、多様な体験、活動が行えるよう一体型を中心とした放課後学童クラブ及び放課後子ども教室の計画整備を強める方針です。これは、児童館をつぶして学校施設内に作られる「一体型の学童保育及び放課後子ども教室は、今までの学童保育とは違います。学童保育も児童館も児童福祉法に基づき保護者が就労などで昼間留守になる子どもたちの下校時の生活の場所で、児童館は地域の中で子どもを育てる自主的な場所です。しかし、すべての小学生が対象で定員や基準がないのが「放課後子ども教室」です。
問題は、大規模ルームになり、子どもたちが安定して過ごせる関係や居場所つくりが困難になる、学童保育の役割が低下する事、配慮・支援の必要な子どもの保育環境の後退、全児童対策が学童保育の代替えに使われるなど先行自治体では問題点が出されています。また、児童館の遊びを楽しみにしていた小学生の居場所を奪うことにもなります。
学童保育室は、経験豊かな学童主事さんたちと家庭的な雰囲気の中で、安心できる子どもたちの居場所です。党区議団は、この間、児童館の見学をしてきましたが、学校の教室活用とは、まったくちがいます。学校の教室は、35人学級で子どもたちのために使うことです。
●そこで質問します。児童館、学童保育の果たしてきた役割があります。「児童館のありかた」に示された計画は、児童館、学童保育の在り方を大きく変更するものです。この計画は中止することです。撤回を求めます。お答えください。
【松原区長】
放課後ひろばの計画についてのご質問ですが、子どもたちを取り巻く社会環境が刻々と変化する中、子どもたちが安全かつ安心に過ごせる居場所の確保は極めて重要であると考えております。区では平成27年度から、児童の放課後の安全、安心な居場所として、小学校施設を活用した放課後ひろば事業を推進しております。事業の実施にあたりましては、教育委員会と連携のもと、小学校と協議を重ね、教育活動に影響がない範囲で、実施に適したスペースを確保しているところです。なお、放課後ひろば事業における学童保育は、区で定めた基準に基づき運営しており、保護者ニーズの高い19時までの延長保育なども実施し、サービスの向上に努めております。引き続き、子どもたちが身近な場所で、安全、安心に過ごせるよう、放課後ひろば事業の全校実施に向けて取り組んでまいります。
福島原発事故の避難者の支援について
【すがや議員】
次に福島原発事故の避難者の支援についてです。2011年3月11日の東日本大震災から5年8カ月がたちました。未だに被災された方々の生活の安定は取り戻せていません。
区内には、福島原発の被災者として避難した方が区民住宅に居住しています。福島県知事は帰宅困難区域以外の居住制限区域、帰還解除区域の避難解除すると発表し、住宅支援は来年の3月までとしていましたが、とても帰れる状況ではないので、世論と運動の結果1年延期になりました。現在でも、自宅を測定器で図ってもいまだに毎時1μSv超えていること、環境省に何度、除染を求めても「もう少し待っててください」と少しも前に進んでいません。
野生化した牛、イノシシ、キツネ、クマなどが不在にしている間に繁殖するなどで、家を取り壊さざるを得なくもなりました。
また、もう一人は、お子さんが小学5年生の時に福島原発事故で避難。その後、住んでおられたところが解除され自主避難者となりましたが、原発事故の影響、特に健康被害、チエルノブイリにみられるような甲状腺がんの発症をさける為戻ることができません。そのお子さんも高校受験です。そのような一人一人の状況を無視して、来年3月で、自主避難者の方々は住居支援は打ち切られます。先日も福島で地震がありました。帰りたくても、とても帰れないのです。区長は、これまで支援を続けてこられました。
●そこで質問します。区長は、国に対して住宅支援の継続を求めることです。また、住宅支援は、地方自治体の判断にゆだねられますから、大田区として、住宅支援の継続を求めます。お答えください。
【松原区長】
福島原発事故の避難者の支援について、お答えいたします。東日本大震災が発生してから早くも5年と半年が経過いたしました。区はいち早く被災地支援本部を立ち上げ、福島第一原子力発電所の事故などへの対応として、速やかに区民住宅をはじめとした区所有の住宅などを、災害救助法に基づく応急仮設住宅とし、避難者の受け入れに当たってきたところです。応急仮設住宅の供与期間については、被災自治体が国と協議して決定することとなっております。来年の3月31日をもって供与期間が終了する10世帯に対しまして、区は、個別訪問などにより世帯の状況やお困りになっていることなどを直接伺ってまいりました。福島県からの支援もあるなか、帰郷あるいはこちらで生活を続けるなど、皆さん新たな生活の一歩を踏み出すための準備を着々とされておられると報告を受けております。一方、避難指示により、いまだに故郷に戻りたくても戻れない7世帯の皆様に対しましては、これまで同様支援を行ってまいります。
再質問
【すがや議員】
●先ほど、こどものところで東京都の補正予算を活用してというところで、明確な答弁がなかったことと、それから教育委員会の方で給食費の値上げをしないでというのを入れておいたんですけど、その点についてはいかがでしょうか。
【こども家庭部長】
今回東京都の緊急対策の補正予算126億円について計上されております。当然これは補正予算でございますので、今年度ということで、活用させて頂きます。補正予算の中身ですが、これまでもありましたメニューを拡充するという内容でございます。既に大田区としては活用しております。拡充した内容で、今現在の、今年度の取り組みに活用させて頂く予定でございます。また来年度に関しましては、現在このような支援の内容も含めて取り組んでまいります。
以 上