学童保育・保育園の保育料改定条例への反対討論


28日、学童保育・保育園の保育料改定条例が自民・公明・民進などの賛成多数で可決・成立しました。日本共産党大田区議団を代表して佐藤区議が反対討論を行いました。

 はじめに、第111号議案 大田区学童保育の実施等に関する条例の一部を改正する条例は、①通常利用保育料の見直し、②夏休み利用保育料の見直し、③2人目以降の児童に対する見直し、④低所得世帯への負担の軽減の見直しの内容です。③の2人目以降の児童に対する見直し、④の低所得世帯への負担の軽減の見直し内容は保護者負担の軽減であり評価できるものです。しかし、①の通常利用保育料の見直しで月額4000円から5000円へ値上げ、②の夏休み利用保育料の見直しで5000円から6000円へ値上げなど、通常利用、夏休み利用の保育料見直しなど全体では子育て世代を直撃する負担増になり反対です。

 次に、第112号議案 大田区保育の必要性の認定等に関する条例の一部を改正する条例は、認可保育所等の保育料を改定する内容です。今回の改定によって認可保育所などに在籍する約65%の児童の保育料が値上げになり、総額約1億7千万円の新たな区民への負担増になります。
 保育所は、「自治体が保育に欠ける子どもを措置しなければならない」とする児童福祉法第24条などに基づき設置・運営される義務があります。また、保育料は児童福祉法第56条保護者の負担能力に応じて徴収する応能負担の原則がとられています。
 今回の改正で、①負担力に応じた階層の見直し、②保育料の階層区分における税額幅の見直し、③0歳児保育料の単独設定、④2人目の児童に対する保育料減額幅の拡充、⑤区市町村民税均等割課税のみの世帯の保育料の低減等、5項目を主な見直し内容としています。
 ④の2人目の児童に対する保育料減額幅の拡充、⑤の区市町村民税均等割課税のみの世帯の保育料の低減等については、今回初めて「子どもの貧困対策の視点」が入り、他区より高かった区市町村民税均等割課税のみの世帯の保育料を低減したこと、2人目の子どもに対する保育料軽減額幅の拡充を行ったこと、 年収約360万円未満の世帯で保育料減免措置は評価できます。更に所得制限の緩和を求めます。 また、①の負担能力に応じた階層の見直しにより、これまでの27階層が30階層に拡大されましたが、負担能力に応じた原則に立って、最高限度額を引き上げ、更に細分化し応能負担を進めることを求めます。
 しかし、②の保育料の階層区分における税額幅の見直しでは、各階層の税額幅をできる限り均等にするとして、3歳以下の新たなC11階層以上のすべてが最大で8300円の大幅な値上げになり、子育て世帯の家計に大打撃となる負担増を押し付けるものです。
さらに③の0歳児保育料の単独設定は23区で初となるやり方ですが、この見直しの大本の考え方には「受益者負担」があります。「公平性」と「受益と負担」の関係として、保育サービスを利用していない家庭との比率を示して公平性を強調し、0才児では1、2歳児と比べて2倍以上の経費がかかり、高額となることから、0才児の保育料を1、2歳児と区分し、新たに設定しています。
0歳児は、子ども3人に保育士1人、看護師、栄養士などの配置基準からして経費がかかるのは当然です。これでは、若い世代の間で子どもを産むことへのハードルが上がり、「少子化対策の視点」に逆行し、児童福祉法24条の精神・大田区の保育が必要な児童に対して保育を提供しなければならない義務に背くもので、条例改正に反対します。

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