第3回定例会一般質問(速報)―藤原議員



(映像は大田区議会ホームページより:36分)

安心できる介護事業について

【藤原議員】
質問を行います。介護保険の充実を求め、大田区の取り組みについて質問します。
介護保険制度が2000年にスタートして、今年で15年を迎えました。発足当時、介護は社会全体で支えると理想を掲げ、一定の保険料負担があるが、家族介護から国と社会で支える介護に、サービスを選択できる制度と言われてきましたが、政府による介護見直しをするたびに要介護者への介護サービスは弱まり、保険料は引き上げし、保険あって介護なしという異常な状態が続いております。
要支援1・2と認定され、介護サービス、予防給付を受けられる人の8割以上はヘルパーによる訪問介護、デイサービスなどの通所介護を利用しております。介護総合法案の大改悪案では、この二つの要支援者向けサービスを介護保険事業から新総合事業とするものです。新総合事業は、市町村が中心になって、地域の実情に応じて住民等の多様な主体が参画し、多様なサービスを充実することにより、地域の支え合いの体制を推進し、要支援者に対する効果的かつ効率的な支援等を目的とするとなっており、各自治体の取り組みが問われています。
党区議団は、荒尾区議が第2回定例会で指摘した、部屋の掃除であれば掃除機からほうきに、買い物であればかご付き歩行車を活用することになる例を出し、サービスを引き下げる安上がりでなく、多くの要支援者が望む現行制度を継続するべきとの質問に対して、区の答弁は、「現行の介護予防サービスの利用者が適切なサービスを引き続き安心して受けられるよう、円滑な移行を行っていくことが重要であると認識しております」と答弁されましたが、しかし、先日出された新総合事業案は(仮称)大田区シニアステーション事業で、シニアボランティアによる通所介護予防です。毎年問題になっている高齢者が高齢者を介護する老老介護を、今度は大田区として専門職でない区内高齢者が高齢介護者を介護することになり、その責任は誰なのかも不明です。
大田区シニアステーション事業を区は2016年4月から実施するとのことですが、さわやかサポート、地域包括支援センター機能強化と老人いこいの家の再構築と連携することになっており、モデル事業として田園調布、嶺町の2地域で実施するとのことです。シニアステーション事業は、通所型介護予防事業を老人いこいの家で週一、二回実施し、12日間の研修を受けた無資格のシニアボランティアを担い手として行うものです。資格を取得した専門職でない元気高齢者が無償に近い形で担い手となるのです。老人いこいの家は、高齢者の居場所、外に出かけ元気で楽しく過ごせる、孤立死などなくす大きな役割を発揮している居場所です。今後は介護予防の場所に提供されるのですから問題です。
●区内のいこいの家の役割を十分生かし、高齢者のいきいき事業を進め、高齢者の尊厳を守り、現状を悪化させないためにも、従来どおり介護職員が行うためにも、大田区は、大田区シニアステーション事業計画を中止・撤回すべきです。答弁を求めます。

【福祉部長】
私からは、介護事業につきまして4問についてお答えしたいと思います。
まず、仮称でありますが、大田区シニアステーション事業計画についてのご質問でございます。このモデル事業を行う目的は、高齢者の元気維持・介護予防から最適な介護サービスへの切れ目ない支援を提供することでございます。高齢者の総合相談窓口である地域包括支援センターの機能と、また、いつでも元気を維持することを目指す介護予防の機能、そして、高齢者に憩いの場を提供する老人いこいの家の機能を融合することにより、一元化され、より充実したサービスを区民に提供できるものと考えておるところでございます。この事業運営は多機能の連携を特徴とするところから、専門性を持った質の高い事業者が担う必要があり、現在、公募型プロポーザル方式により事業者の選定作業を進めている段階でございます。また、地域に開かれた施設とし、より多くの方が利用でき、超高齢社会にふさわしい事業内容をただいま検討しているところでございます。事業実施に際しては、総合的な相談業務には保健師や社会福祉士等の保健、福祉、介護の専門職が従事する一方で、元気維持・介護予防業務には、専門職とともに元気な高齢者の生きがいや社会参加を促進するため、専門職の指導のもと、元気高齢者ボランティアの活用も考えております。このように、高齢者一人ひとりの心身の状況を把握し、適時適切に必要な医療・介護サービスにつなぐことができる体制を整える重要な事業として考えており、このモデル事業を撤回する考えはございません。

【藤原議員】
●介護、支援が必要な方には、要支援、要介護に必要な、さわやかサポート、地域包括支援センターの人員1名増だけでなく、もっと人を増やし、箇所も中学校単位、28か所まで増やすことです。地域包括ケアシステムの構築の上でも必要です。答弁を求めます。

【福祉部長】
次に、地域包括支援センター、さわやかサポートの人員及び設置箇所についてのご質問でございます。区では、さわやかサポートを地域包括ケア体制構築の中核と位置づけまして、高齢者の総合相談体制の機能強化に努めているところでございます。人員につきましては、国の基準を上回る形で、平成24年度から見守りコーディネーターをおのおののさわやかサポートに1名、さらに今年度から地域包括ケア体制推進のため、専門職の常勤職を同じくさわやかサポートに各1名配置し、きめの細かい行き届いたサービス提供に努めているところでございます。
設置箇所につきましては、高齢者支援のネットワークの構築を考慮する必要があると今認識しておりまして、地域力の拠点となる特別出張所の区域を基本に位置づけているところでございます。現在、田園調布地区にはさわやかサポートがございませんので、新たにさわやかサポートを設置する準備を進めているところでございます。また、区民の利便性や使いやすさを考え、さわやかサポートおんたけ山を嶺町特別出張所へ移転する準備も同時に行っております。区としましては、高齢者人口の推移や区民のニーズ等を的確に捉え、さわやかサポートの人員や設置に対応しており、高齢者総合相談体制がより一層強化されるよう努めてまいりたいと考えております。

【藤原議員】
●十分な準備をするためにも延期すべきです。国は新総合事業の実施について、実施延期が可能で、区が判断した場合に、2017年3月まで現行の仕組みを継続することが可能としています。お答えください。

【福祉部長】
次に、新しい介護予防・日常支援総合事業の実施の時期の延期についての質問でございます。区としましては、改正法を受けて、本年3月の大田区介護保険条例改正を行いまして、新しい総合事業実施における体制整備の必要性から、円滑な実施を図るために平成28年4月から行うとした経過がございます。また、新しい総合事業の目的は、地域の実情に応じて住民等の多様な主体が参画し、多様なサービスを充実することにより、地域の支え合いの体制づくりを推進し、要支援者等に対して効果的かつ効率的な支援を提供することにあります。本体制構築には一定の時間を要することから、平成28年度の新しい総合事業の実施延期は行わず、できるだけ早期に体制整備を進めることが地域包括ケア体制構築の一助になると認識をしております。平成28年4月からの円滑な実施に向けて、区としては、本年6月の介護保険事業者連絡会にて、500名以上の参加者に対し新しい総合事業についての説明を行いました。さらに、区として、利用者の皆様、介護関係の事業者など、関係する方々に丁寧な説明や案内を行い、安心してサービスを受けていただく準備を進めております。新しい総合事業へ移行後も、利用者が自立した生活を営むために真に必要な介護サービスを利用できるように適切に対処してまいります。

【藤原議員】
介護報酬削減による区内社会福祉法人、特別養護老人ホーム運営への影響については、今回の介護報酬は3年に一度改定されるもので、2.27%の引き下げ。前回もありましたから2回連続で、介護労働者の処遇改善の加算も含んでおり、その上乗せ分を除けば4.48%と文字どおり過去最大規模の引き下げで、首都では特養施設での減収になっており、党都議団が都内特養の調査で、年間減収予測額は平均で1施設1446万円、大きな特養で2020万円、小規模特養で981万円とのことです。
減収が見込まれる特養で、施設を維持するためには、どこの特養でも、職員体制の見直し52.4%、職員給与の見直し32.9%、行事や利用者サービスの見直しを考えているの順です。何の対策も講じなければ事業継続は無理、事業を廃止すると回答されています。
政府が決めた介護報酬の大幅削減は、結局、介護職員削減や給与引き下げ、サービス低下しなければ事業が継続、維持できなくなっているのです。区内の特養を守るためには、介護報酬削減撤回を事業者と大田区が国へ働きかけを行うべきです。要介護者も介護事業者も介護職員にも何一つよいことはありません。これだけの安上がりで、サービスを切り捨てて、利用者負担増は、65歳以上の介護保険料は大田区で今年700円値上げしましたが、今後も値上げを続けようとしています。
近くの方から、土日以外は毎日、特養にボランティアとしてお手伝いに行っていますが、今の特養はひどいよと次のように言われました。4月、5月の穏やかな天候の日でも、青空が見える日でも、草花が咲き誇っていても、特養に入居されている方が広間や部屋で車椅子に乗って何時間もじっとしているだけ。なぜ散歩や日光浴、景色を見せたりしてやらないのかと係の人に聞いたら、職員の出入りが多く、職員が大変なのよと言われたそうです。相談の方は、報酬引き下げとか職員が集まらないとかでサービスが行き届かなくなったんだ、俺はこのような特養だったら入居したくないと怒っていました。
●このような事態になぜなったのか。保険料を値上げしないで持続可能な制度と運営ができるようにするには、国へ介護報酬削減をやめさせ、国への意見と改善を求め、介護事業者と介護職員への支援を今以上に強めることです。区長会では昨年も国へ要望していますが、区内特養の実態調査と、事業者が削減されて介護支援で困難になっている、削減額の影響など聞き、区での独自支援対策を講じるべきです。
また、国には国庫負担の引き上げを求めることです。自民党も公明党も国庫負担割合を今より10%引き上げることを公約としています。日本共産党は、直ちに10%引き上げ、在宅25%から35%に、施設は20%から30%にし、その後、介護保険制度が始まる前の国庫負担率50%に引き上げることを提案しています。国庫負担を正常に戻すことを国に求めることです。答弁を求めます。

【福祉部長】
最後に、介護保険における国庫負担引き上げ等についてのご質問でございますが、平成27年の報酬改定は、地域包括ケアシステムの構築に向けて、一つには中重度の要介護者や認知症高齢者への対応のさらなる強化、二つ目には介護人材確保対策の推進、三つ目にはサービス評価の適正化と効率的なサービス提供体制の構築、以上の三つを柱として行われており、介護保険制度の持続可能性を高めるための改定であると認識しております。国は今回の改定に当たって介護事業者の実態調査を実施し、特別養護老人ホームの内部留保等も踏まえて実施されたものであります。区としては、国に対して特別区長会を通じて負担分である25%の国庫負担金の確実な交付や、従前の調整交付金とは異なる別枠措置についての要望を行っております。また、大田区介護保険サービス団体連絡会など事業者との意見交換の場で報酬改定による影響について意見を伺い、把握に努めているところです。今後も、今回の報酬改定が特別養護老人ホーム等の運営状況に及ぼす影響や国の動向の把握に努めてまいります。

区民の住宅(区営住宅)政策について

【藤原議員】
次に、区営住宅建設と空き家・空き住宅活用について質問します。
大田に住み続けたいと思っている区民の中で、特に高齢者、障がい者、生活保護者・家族にとっては、区の区営住宅の募集戸数の少なさに、申し込む前から諦めて申し込みをやめる方も多数おります。公営住宅法は、国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低所得者に対して低廉な家賃で賃貸すると明記されていますが、大田区は区営の高齢者、障がい者等の住宅を新規につくらないのです。大田区が公営住宅法の立場に立って希望者の多い区営住宅を毎年つくるならば、住宅困窮者が住宅申し込みのときに、職員が「もう少しで区営住宅に入居できますよ」と笑顔で話せるはずです。
区民から住宅相談がありました。相談者のSさんの娘さんは、地方のまちで結婚し、家族4人で普通の暮らしをしていましたが、一昨年、自宅兼民宿が火事になり、家族が窓から飛び降り、ご主人は死亡、奥さんは下半身不随で身体障害1級になってしまいました。現在、娘さんの孫はSさんと一緒に住み、住民票も移し、近くの学校に通っています。娘さんはまちの福祉施設でリハビリに励み、もうすぐ退院できるまでに回復されましたが、家族3人で住む住宅がなく、区の住宅課に相談したら、区営住宅申し込みには3年以上区内に住まないと資格がない、申し込んでも抽選に当たらなかったら入居できませんと。障がい者への優先枠も狭く、現在、区地域福祉担当者の援助と娘さんの親Sさんが必死に住宅探しを行い、古い民間のアパートを借りる仮契約を結び、車椅子生活なのでリフォームの件で相談中とのことです。
2015年7月の都営住宅の申し込みは、94戸に対して2638人、28.06倍の倍率です。毎年、都営・区営への申込者は、約1万件近くあるのですが、入居戸数が少なく、宝くじを当てるような状況です。国際都市大田区を看板にする以上、住宅建設を遅らせることはできません。
西糀谷一丁目にある気象庁蒲田住宅が2015年8月から空き住宅になりました。国は大田区にも活用の問い合わせをしましたが、区からはどこの課からも活用したいと手が挙がらなかったということで、国は来年、民間に競売することも考えていると言われております。主な理由は、都市計画39号線が蒲田住宅の真ん中に入っており、有効活用ができないからでしょうか。39号線は1946年に戦後復興道路として計画がされました。現在、東京都は緊急に拡幅する予定もなく、商店街や住宅密集地を突き抜ける道路で、道路拡幅は何十年先になるかわかりませんとのことです。39号線が入っていても、20年、30年は気象庁跡地は利用できるのです。国から購入でなくて借地でも活用は可能だと思います。大田区は、Luz大森に特別出張所、元蒲田保健所には民間施設を、借地で貸す、借りることを行っているではありませんか。区は、区営住宅が足りない、特養施設が欲しいと区民が意見を上げても、区民の願いには応えません。仮に道路が計画されても東西の土地が使えるのです。あと20年、30年間は区営住宅とか特養ホーム、公園でもよいではないですか。学校や駅にも近い用地です。今からでも国に交渉してみてはどうでしょうか。お隣の世田谷では、2年前に国の土地を定期借地として借り、保育園を2園建てたと報道で知りました。
●大田区は21世紀になってから新規区営住宅は何戸つくりましたか。建て替え区営住宅は何戸つくりましたか。
2016年度は区営住宅建設を予算化すべきです。答弁を求めます。

【まちづくり推進部長】
私からは、区営住宅の新規及び建て替えによる建設戸数に関するご質問にお答え申し上げます。
平成13年度に新規の1団地、プラムハイツ千鳥を建設いたしました。建設戸数は25戸でございます。さらに、平成21年度から23年度にかけまして2団地、大森西四丁目アパートと中央四丁目アパートを、それぞれプラムハイツ大森西四丁目、プラムハイツ山王に建て替えを行ってございます。建て替え前133戸に対しまして、建て替え後165戸を建設しております。
また、区営住宅の建設予算に関するご質問ですが、現在新たに区営住宅を供給する予定はございません。今後は、区営住宅等長寿命化計画に基づきまして、バリアフリー化を含めた計画的な改修など適切な維持管理を行ってまいります。
次に、空き家対策本部の設置と全数調査に関するご質問をいただいております。区は、空き家を地域資源として公益的に有効活用する視点で、空き家等地域貢献活用事業を昨年12月から行っております。また、管理不全の不適切な空き家の実態につきましては、内外の様々な情報をいただきながら、その実態を把握し、継続調査を行っているところでございます。さらに、区は、空家等対策特別措置法の本年5月全面施行を受けまして、空家等対策庁内調整会議を既に立ち上げております。また、特別措置法に基づく空家等対策協議会も今後立ち上がる予定でございます。本協議会には専門的な知見を有する各界の有識者の皆様にもご参加いただくこととなっております。また、本協議会で策定する空家等対策計画には空き家等の活用促進も盛り込むこととなっております。なお、議員ご提案の空き家の全数調査につきましては、現在実施する考えはございません。

【藤原議員】
●また、大田区は、羽田空港跡地には積極的ですが、そのほかの国・都有地の活用にはなぜか消極的に思えるのは私だけでしょうか。答弁を求めます。

【計画財政部長】
私からは、国有地、都有地の活用に関するご質問についてお答えいたします。
区では、これまでも立地や地域の施設需要など条件を満たす場合におきまして、必要に応じて国や都の所有地も積極的に活用し、公園や区営住宅、出張所等、公共施設の整備を行ってまいりました。引き続き、国有地、都有地に関する情報収集を適時行うとともに、公共施設の整備に当たりましては、国や都などの用地活用や民間活力の導入も視野に入れ、区民の皆様が安心し、便利にお使いいただける施設整備に取り組んでまいります。

【藤原議員】
大田区が計画的に住宅建設を行うことを求めるとともに、当面の緊急対策として、住宅困窮者向けに区内の空き家・空き住宅の積極的活用を提案します。もちろん、空き家も空き住宅も勝手に自由に区が活用できるものではありません。空き家の持ち主、オーナーの大田区へ住宅提供する意思がなければできません。また、家賃の問題もあり、安い家賃で入居したい方と通常の家賃を望む持ち主とのこともあります。区の補助も必要です。
党区議団は提案します。大田区空き家・空き住宅対策本部を設置し、職員も配置し、実態調査を行うためにも、広く区民の協力も得て、例えば不動産協会、建築・建設組合、弁護士、障がい者団体や個人等も入れた空き家・空き住宅対策委員会を設けて、空き家・空き住宅の全面調査に取り組んだらどうでしょうか。当面、100戸から200戸の空き住宅確保を目安に、住宅提供数は何件あるか、住める状態にあるのか、家賃や環境、耐震など一つ一つ聞き取りし、一日も早く空き住宅を確保できるまで取り組むことです。空き家・空き住宅活用ができれば経済効果も生まれ、仕事も増えます。
●大田区は全国に先駆けて危険な空き住宅を2014年5月に行政代執行を行い、新聞、テレビでも全国に報道され、注目を集めました。今度は空き住宅の調査をし、安い家賃で住宅困窮者への住宅提供に取り組むなら、また大田区への注目が集まります。大田区空き家・空き住宅対策本部を設置し、全数調査を直ちに行うことです。答弁を求めます。

【まちづくり推進部長】
次に、空き家対策本部の設置と全数調査に関するご質問をいただいております。区は、空き家を地域資源として公益的に有効活用する視点で、空き家等地域貢献活用事業を昨年12月から行っております。また、管理不全の不適切な空き家の実態につきましては、内外の様々な情報をいただきながら、その実態を把握し、継続調査を行っているところでございます。さらに、区は、空家等対策特別措置法の本年5月全面施行を受けまして、空家等対策庁内調整会議を既に立ち上げております。また、特別措置法に基づく空家等対策協議会も今後立ち上がる予定でございます。本協議会には専門的な知見を有する各界の有識者の皆様にもご参加いただくこととなっております。また、本協議会で策定する空家等対策計画には空き家等の活用促進も盛り込むこととなっております。なお、議員ご提案の空き家の全数調査につきましては、現在実施する考えはございません。

大田区平和都市宣言を生かした大田区平和・戦争資料館(仮称)建設について

【藤原議員】
最後に、大田区平和都市宣言・平和歴史資料館の建設について提案します。
今年は戦後70年の年、全国各地で終戦70年を節にした行事が取り組まれ、大田区でも区報8月1日号で、区長の「平和への思いを新たに」や、羽田地域の田村さんとお孫さんの写真と「子どもや孫たちに戦争のない社会を」との記事が載っており、平和都市宣言全文も掲載され、すばらしい区報だと思い読みました。8月15日、第28回大田区平和都市宣言記念事業「花火の祭典」で、区長も舞台から子どもたちと一緒に「ふれあう街・平和ってなあに」を合唱しました。
大田区は、戦争は二度としないことを誓い、1984年に平和都市宣言を採択しました。大田区では1945年9月21日、羽田空港跡地の中に羽田穴守町、羽田江戸見町、羽田鈴木町がありましたが、米軍によるブルドーザーによって48時間内の強制立ち退きが命じられた歴史がある空港跡地です。終戦70年の節目に平和都市宣言の立場に立って、大田区平和都市宣言・平和歴史資料館(仮称)が必要ではないでしょうか。場所は羽田空港跡地の広場予定地が望ましいのではないかと思います。昨日、第4回ふれあいまつり羽田・萩中に参加された方に聞いたら、「そのような歴史会館は必要ですね」と言われました。
●羽田や区内には、70年前の強制立ち退きや空襲で焼け野原になった当時を知る区民がいます。戦争を知らない区民が約8割と言われますが、まだ2割近くの方が生存し、話を聞くことができるうちに、羽田地域の思いも生かし、大田区平和都市宣言・平和歴史資料館建設を提案します。答弁を求めます。

【観光・国際都市部長】
平和歴史資料館の建設に関するご質問についてですけれども、大田区は昭和59年に、世界の恒久平和と人類の永遠の繁栄を擁護し、核兵器のない平和都市として平和都市宣言を行いました。宣言から30年のこの間、区では8月を平和強調の月と位置づけて、様々な平和推進事業に取り組んでいるところです。このように平和都市宣言の趣旨を踏まえて、命の尊さや平和の大切さを毎年継続して多くの区民に発信しております。このようなことから、ご質問の平和歴史資料館の建設は考えておりません。

【藤原議員】(再質問)
質問通告要旨に理事者の答弁時間も明記してあるんです。それを長々と5分以上もオーバーするというのは、決めたことを守らないということを理事者はやっているではありませんか。
それで改めて、気象庁跡地については、ご承知のように国から区に情報を流しているのに、大田区はそれについて購入しようともしないとも先ほどの答弁では言っておりません。
同時に、平和資料館についても、やはり区民の願い、また羽田空港の利用についても、区民の声はそこに歴史会館をつくってほしいということが載っております。それをなぜ無視するんですか。以上です。

【時間切れのため答弁なし】

以  上

カテゴリー: 議会の動き・政策・発言集 パーマリンク

コメントは停止中です。