第1回定例会代表質問(速報)―和田議員



(映像は大田区議会ホームページより:62分)

【和田議員】
日本共産党区大田議団を代表して質問します。

安倍政権の暴走政治から区民を守るための新年度予算について

【和田議員】
日本共産党区議団を代表して質問します。
昨年の総選挙後、第3次安倍政権が発足しました。安倍首相は2月12日に、衆参両院で施政方針演説を行い、「戦後以来の大改革」の名のもとに、国民のくらしを守るルールを壊し、憲法改悪を行う姿勢を示しました。
「大改革」の内容は、国民が求めているものではなく、農業を破壊するTPPの早期妥結、混合診療の導入による「医療改革」、法人税減税など大企業を優遇する施策を次々に打ち出し、その「断行」を宣言しました。どれをとっても財界・大企業が政権に実行を迫っているものばかりです。
安倍首相は、「アベノミクス」は成果をあげていると力説していますが、2014年10月~12月期のGDPは物価変動の影響を除いた実質で前期比0・6%増、年率換算で2・2%増の低い伸びにとどまりました。
同時に発表された2014年(1月~12月)の実質GDP成長率は、0・0%となり、民間最終消費支出は1・2%のマイナス、過去20年間で最大の落ち込みとなりました。実質賃金は18ヶ月連続マイナスです。アベノミクスが景気の悪化と格差拡大を招き、破綻していることは明白です。
大田区の景況の2014年7月~9月期でも製造業、小売業は、今期も来期も最悪のGマークです。「アベノミクス、円安等、一切恩恵なし」「厳しい状態が続いている」「廃業の予定」など悲鳴が上がっています。また、区内の業者団体などが昨年11月~12月に行った「中小零細工場の独自調査」によれば、売り上げは前年と比べて減っているが63%、消費税8%への増税で売り上げが減ったが67%、町工場経営者の月給は20万円以下が72%という結果になりました。区民の暮らし、営業が大変厳しい状況にあることが表れています。
●アベノミクスに期待しても景気回復になりません。景気回復には消費税10%増税をストップし、雇用のルール確立、社会保障の切り捨てをやめるなど「アベノミクス」から暮らし第1で経済を立て直す政策に転換することです。区長、区民の暮らし、営業の状況を見て、これでもアベノミクスに期待できますか。お答えください。

【松原区長】
景気回復には、アベノミクスは期待できないのではないかとのご質問でございますが、内閣府の四半期別GDP速報によりますと、安倍内閣発足時であります2012年の10月から12月期に約516兆円であったGDP国内総生産は、直近の昨年10月から12月期には、約526兆円となり、安倍政権発足後の過去2年間で約2%増加したことになります。消費税の再増税につきましては、今後、少子化・高齢化の進展に伴い、社会保障制度の安定財源確保が重要な課題となります。消費税の再増税にあたりましては、生活必需品の消費税率を低くする軽減税率の導入に向けた実質的な議論も開始されており、そうした動向も併せて見守る必要があるものと考えております。

【和田議員】
また、安倍首相は、「憲法改定は自民党の結党以来の目標」とし、集団的自衛権の行使容認の閣議決定、そのための法整備と憲法9条を焦点にした改憲への執念をあらわにしています。そしてこれらの「改革」について国民から白紙委任をされたかのようにふるまっています。
しかし、この間行った世論調査の結果でも、集団的自衛権行使関連法案の今通常国会提出について時間をかけるべきだが54・9%、そうした法整備は必要ないが15・6%、合わせて70・5%と多くの国民が反対しています。
日本共産党は、歴史を逆戻りさせ、海外で戦争する国づくりを許さない国民運動を広げながら、戦後70年という節目の年が、日本とアジアの国々との和解と友好に向かう年になるように、日本の政治がとるべき5つの基本姿勢を提唱しました。
①「村山談話」「河野談話」の革新的内容を継承し、談話を否定する動きに対してきっぱりと反論すること。②日本軍「慰安婦」問題について、被害者への謝罪と賠償など、人間としての尊厳が回復される解決に踏み出すこと。③国政の政治家が靖国神社を参拝することは、侵略戦争肯定に意思表示を意味するものであり、少なくとも首相や閣僚は靖国参拝を行わないことを、日本の政治のルールとして確立すること。④民族差別をあおるヘイトスピーチを根絶するために、立法措置を含めて、政治が断固たる立場に立つこと。⑤「村山談話」「河野談話」で政府が表明してきた過去の誤りへの反省の立場を、学校の教科書に誠実かつ、真剣に反映させる努力を尽くすこと。
●日本共産党区議団は、日本が世界の国々と平和と友好関係を築くために、以上の5つの提唱が必要だと考えますが平和都市宣言をしている大田区、国際都市大田区をめざしている区長としてこの立場に立つべきと考えます。お答えください。

【松原区長】
次に、歴史に対する国の見解などについてのご質問をいただきました。歴史認識におきましては、アジア諸国との関係は、それぞれの国益と時の政権のスタンスが絡むので非常に複雑なものとなります。特定の立場から一方的な見方にとらわれることが最も危険であると考えます。世界の平和と人類の永遠の繁栄のためには、双方が話し合い、見つめ直していく継続的な取り組みが不可欠であります。そうした取り組みを通じて初めてご提唱の案件につきましても、関係国における共通の理解が進むものと考えております。

【和田議員】
2015年度予算についてお聞きします。
2015年度(平成27年度)大田区一般会計予算は、歳入歳出それぞれ2501億2184万7千円で、前年度比約81億円、3・3%増と骨格予算なのに過去最大の規模となりました。
予算編成にあたって出された両副区長名の基本方針「通知」には、限りある資源である「ヒト、モノ、カネ」について、区民サービス向上の視点から「選択と集中」をすることがあげられていました。新年度予算は基本方針「通知」にもとづいて編成されたものとなっています。
しかし、松原区政の姿勢が問われる中、どう選択をしてどこに集中するのか、大変重要なことです。
予算には、待機児童解消に向けた取り組みとして私立認可保育所新設助成、保育士人材確保支援事業として保育士宿舎借り上げ支援事業、日本共産党区議団が条例提案した認証保育所保護者負担軽減補助の増額、特別養護老人ホームの整備支援として矢口3丁目に小規模特養ホームの建設など区民の願いに応えたものもあり評価できますが、都市整備費(目)87億5千万円余、前年度比約68億円、蒲田駅周辺地区の整備1億6千万円余、大森駅周辺地区の整備4700万円余、京急関連駅周辺のまちづくり58億円余、新空港線整備資金積立基金積立金5億円余など大型開発に集中しているものとなり、新空港線の積立は合計で20億円に上っています。
公共施設整備資金積立基金積立金は20億円余が計上されました。この積立金は2014年度の当初予算で20億円、第3次補正予算で40億円、今回の第5次補正予算で20億円、今年度だけで80億円、2015年度当初予算を加えれば合計100億円が積み立てられています。
学校や区民施設の改築、改修は今後の課題ですし、急がれています。しかし、公共施設整備には駅前再開発の広場や道路の拡幅なども含まれています。日本共産党区議団は学校などの区民施設の整備と開発などを一緒にしないで分離すべきと提案してきました。
大田区の全体の基金の状況は、2015年度末の積立基金現在高見込みの合計が1062億円です。
新年度の予算編成をはじめ、松原区政はオリンピック・パラリンピックなどを口実に、不要不急の大型開発を推し進め、同時にその財源確保のために異常なためこみを行っているといえます。その一方で、区民施策の切り捨て、負担増、自治体の仕事の民間委託など「住民の福祉の増進」という地方自治体の本来の役割を果たしていません。
まず国家戦略特区についてです。
新年度予算には、国家戦略特区を活用して羽田空港跡地の開発に8,636万円が計上されています。
「国家戦略特区」は「世界で1番企業が活動しやすい国」を掲げる安倍政権の「成長戦略」の目玉政策の1つです。その方式は、特定のエリアを選定し、税制・金融上の優遇措置や建物の容積率や雇用の規制緩和などで大企業を呼び込む政策です。しかし、「呼び込み」のための大型開発・産業基盤整備や補助金の大盤振る舞いなどが地方財政を圧迫し、住民のくらしや福祉、地域にある中小企業や産業のための施策が犠牲にされてきているのです。
東京圏の第1回国家戦略特別区域会議が開かれ、大田区地区として羽田空港跡地に羽田空港の航空ネットワークの活用による医療等先端産業と中小企業とのビジネスマッチング、クールジャパン情報発信等の施設整備事業となっています。
国家戦略特区については、日本共産党区議団は、この間、議会質問で再三とりあげ問題点を指摘してきました。しかし、区長はあくまでも「国家戦略特区の仕組みを活用して、羽田空港跡地のまちづくりや新空港線の整備を進める」と答弁しています。
●「特区」の仕組みからも、地域振興でないことは明らかです。外からの「呼び込み」と大型開発にたよる破たんした振興策から、地域に根を張ってがんばっている中小企業、産業を応援し、地域の力を伸ばす産業振興策、経済政策への転換こそ求められているのではないでしょうか。お答えください。

【松原区長】
次に、国家戦略特区と地域振興についてのご質問をいただきました。私は、昨年4月に内閣府にまいりまして、大田区の8つのプロジェクトを提案しましたが、そのいずれもが、大田区の地域的な課題を国家戦略特区の仕組みを活用することにより、解決の促進を図るものであります。「羽田空港跡地のまちづくり」や「新空港線の整備」、「蒲田駅周辺街路のエリアマネジメント」、「中小企業の技術力を活かす医療機器開発」、「区内産業と観光の振興」などいずれも「国際都市おおた」の実現を目指しております。国家戦略特区の取り組みは、我が国の経済成長を牽引すると共に、おおた未来プラン後期の取り組みを加速させる有効な手段になるものと考えております。今後も、大田区のプロジェクトの実現に向け、引き続き取り組んでまいります。

【和田議員】
次に新空港線「蒲蒲線」についてです。
新年度予算案には新空港線「蒲蒲線」事業のために5億円の基金積み立てが計上され計20億円になりました。総工費1080億円をつぎ込む新空港線「蒲蒲線」は、そもそもJR蒲田駅と京急蒲田駅間の800メートルを便利にしてほしいという区民の願いだったものが、東京西南部や都心への利便性のためと変化してきました。これまでの調査費はすでに1億円を超えました。
提案された新空港線の「新大田区案」は東急多摩川線の終点は全部地下駅にすることや新空港線の1部は、フリーゲージトレインで都心・副都心(渋谷、新宿、池袋)と羽田空港間を乗り換えなしで走行するなど整備計画内容が大きく変わりました。なぜ次々変更するのでしょうか。東急と京急の線路幅が違っても乗り換えなしで走行するという「フリーゲージ」については、まだ研究段階で、実用化されていないと聞いています。
さらに新たに下丸子駅については、駅舎の整備と駅前再開発の計画が示されましたが、これまでの総工費1080億円ではとてもできないはずですが、経費については「これから検討する」とのことです。
多額の税金が使われる事業を経費も示さないで進めることは、区民の納得が得られません。経費も含め事業計画の全容を区民に明らかにせず、区民の間での議論もなしで進めることはやめるべきです。
東急多摩川線の蒲田駅の地下化は池上線やJR線への乗り換えは地下駅から地上に上がって乗り換えなければならなくなり、利用者にとってはとても不便になります。
また、蒲田の町を活性化と言いますが、都心・副都心(渋谷、新宿、池袋)と羽田空港間を乗り換えなしで走行すればJR蒲田駅も京急蒲田駅もますます通過駅になり活性化など見込めません。
●新大田区案は、東急電鉄が乗り換えなしで羽田空港まで乗り入れるなど、これまでの案と比較をしても明らかに東急電鉄の利益のためであり、ますます関係者間の合意は見込めないのではないでしょうか。白紙撤回すべきです。
先の見えない事業のために20億円もの基金積み立てはすべきではありません。緊急性、必要性の高い認可保育園・特養ホームの増設や国民健康保険料、介護保険料の引き下げなどを優先すべきです。お答えください。

【松原区長】
次に、新空港線についてご質問をいただきました。新空港線の整備は、区内の移動はもとより、広域的な鉄道ネットワークの向上により、区民の利便性が高まるほか、緊急時の迂回ルートの確保や地域の活性化など、大田区の将来のために必要な事業であります。平成26年度の新空港線「蒲蒲線」整備促進区民協議会では、区民や関連沿線12区の関係者など、多数の参加で先日開催することができ、新空港線整備に対する機運の高まりと、整備を求める強い思いを痛切に感じたところであります。こうした区民の皆様の期待に応えるためにも、早期整備着手に向けて、関係者の合意形成を目指しております。事業化が決定した際には、速やかに対応できるように、新空港線の整備資金として「新空港線整備資金積立基金」を積み立てているところであります。

【和田議員】
次に京急蒲田西口駅前再開発についてです。
1970年代、80年代の再開発は、主に自治体による施行で、東京都が行った再開発事業では住民参加組織である都区住民協議会での話し合いをもとに、地元住民が住み続けることができる再開発、生活再建措置の実現に努力した結果、防災拠点、広場づくり、住環境向上などを目的に、住民のくらしと権利を守る施策として、大量の公営住宅建設、公営工場建設、地元商業が残るための施策となりました。
それ以降は、地権者で構成する組合施行が主流の再開発で、実態は大手デベロッパーが牛耳る再開発になり、生活再建措置はほとんど顧みられず法が掲げる「公共の福祉」とは縁遠い「企業の利益になる再開発」になりました。
その仕組みは、再開発前の権利者に土地建物を提供させ、代わりに権利者には再開発ビルの床を与え、空けた空間で大規模不動産業事業を行う、また、再開発ビルに権利者に提供する以上の床を確保し、これを売却して事業費をまかなうというものです。
区は京急蒲田西口駅前再開発について、議会に「保留床は完売しました」と報告しましたが、実際には野村不動産が保留床を一括購入し、その後、不動産業で利益を上げるというのが実態です。
●京急蒲田西口駅前再開発は、「6割の住民が転出」という地元住民を追い出すだけでなく再開発の仕組みを利用して、大手不動産会社は土地購入もせず、税金を使ってビルを建設させ、ビルの保留床を売ってもうけさせる再開発事業です。このような再開発事業はやめるべきです。お答えください。

【松原区長】
次に、京急蒲田西口再開発事業についてのご質問をいただきました。京急蒲田西口駅前地区第一種市街地再開発事業は、長い年月をかけて地元地域住民の皆様が主体となってまちづくりを推進し、まちの不燃化や耐震化を進め、安全で安心なまちの形成と交通結節点としての機能強化が図られる事業でございます。また、本事業は再開発区域に権利をお持ちの地権者の方が住み続けられる仕組みとなっております。本事業では、都市再開発法に規定された参加組合員が、あらかじめ事業に参画し、保留床を購入することで事業が構築され、再開発事業の円滑な推進と安定性の確保を担っております。現在、本事業は駅前広場、ペデストリアンデッキなどの公共施設及び再開発ビルの建設中でありまして、区といたしましては、引き続き再開発事業の支援を行ってまいる予定です。

【和田議員】
いま、区民の暮らしの実態は、認可保育園の待機児童が昨年4月第1次不承諾数1,700人余、特養ホームの待機者が1,500人、国民健康保険料の滞納者は、昨年10月末現在で約46,000人、生活保護16,690人、区内の4人以上の企業は1983年調査時5120社が2012年には1628社に、3492社の減、従業員では8万6千人が2万3千人に、6万3千人の減で、それぞれ32%、26%まで減っています。商店街も消費税増税で売り上げが下がり、これ以上増税されたらもうやっていけないと悲鳴が上がり、廃業する店舗も出てきています。
●大型開発とそのための積立金などを優先していることで、支援を必要としている区民には手を差し伸べられないのではないでしょうか。これでは地方自治体として本末転倒です。また、区が掲げる予算のスローガン「地域のちからで世界とつながり、誰もがいきいきと暮らせるまち大田区」の目標も達成できません。いまこそ本来の自治体としての役割を果たす予算に転換すべきです。お答えください。

【松原区長】
次に、公共施設整備資金積立基金に積み立てない予算へ転換すべきとのご質問でございますが、平成27年度予算編成にあたりましては、優先的に対応すべき4つの重点課題を掲げ、「選択と集中」によって、効果的、効率的に財源を配分し、区民生活や区内経済を守るための事業に取り組むことといたしました。総合防災力の強化に向けて、耐震診断・改修助成の拡充、橋梁の耐震性の向上、不燃化まちづくりの取り組み、防災地図の全戸配付、緊急医療救護所の設置など、区民の皆様が、安全で安心して暮らせるまちづくりを進めてまいります。健康・福祉・医療の分野では、高齢者の在宅サービスを支える24時間サービスの拡充、地域包括ケア体制の推進、介護予防事業の充実、重度の障がいのある方に対応できる緊急一時保護機能を備えた新たな施設の建設、がん検診の充実など、暮らしの安心を支える予算を重点的に配分をいたしました。産業分野では、商店街活性化推進事業、飲食店の魅力アップを図るための繁盛店創出事業、成長産業認証など取得補助の創設など区内産業振興に取り組んでまいります。まちづくりにおきましては、羽田空港跡地、蒲田駅・大森駅周辺地区、臨海部をはじめ、区全域を「国際都市おおた」にふさわしい魅力あるエリアとして進化させ、未来の大田区の遺産となるよう整備を進めてまいります。区民サービス向上のためには、ハード・ソフト両面から限られた財源をバランスよく配分することが重要であります。こうした視点から、区民にとって必要な施策を着実に推進し、「地域のちからで世界とつながり、だれもがいきいきと暮らせるまち大田区」を目指してまいります。

【和田議員】
外部委託・アウトソーシングについてはこの間、大田区が進めてきた区立保育園や特別養護老人ホーム、障害者施設、図書館などの民営化、民間委託、指定管理者制度導入などのアウトソーシングは、区職員を削減し、株式会社を含めた民間に委託してきました。
1989年には6433人だった区職員が2015年には4181人に、2252人の削減です。
そもそも行政が住民のために行う施策は憲法や地方自治法にもとづいて、住民の福祉の向上を目的に行われるものです。利益を追求するものではありません。
これまで日本共産党区議団が問題点として指摘したとおり、いま、委託先では、不安定な身分と低賃金などが原因で職員の離職率が高く、専門性や継続性が保障されにくくなっています。特に保育園や特養ホームでは、日常的に職員不足が深刻になっています。今回も保育園の民間委託で移行期間の職員が確保できないという状況も生まれました。
●自治体事業の民営化はますます問題が広がり、サービスの低下を招いています。区民の安心・安全のためにも職員の削減はやめて、アウトソーシングは中止すべきです。お答えください。

【松原区長】
次に、アウトソーシングについてのご質問でございますが、区は、健全で安定した行財政運営を継続しつつ、おおた未来プラン10年(後期)をより着実に推進し、同時に新たな行政課題に的確に対応することを目指していきます。そのためには、最少の経費で最大の効果を発揮できる効率的・効果的な組織の実現及び執行体制のスリム化を図ることが必要でございます。大田区職員定数基本計画では、行政のアウトソーシングなどの内部努力を計画的に進め、これにより確保した人員を優先度の高い施策に振り向け、適正な職員配置に努めることとしています。今後も、アウトソーシングによる成果の十分な検証を行うなど、その効果的な活用を進め、区民サービスの向上につなげます。

【和田議員】
次に待機児対策についてお聞きします。
先週末、保育園に入園を希望しているご家庭に入園の可否が届けられました。昨日、不承諾の通知を受けた多くの保護者が保育サービス課の窓口に殺到しました。働くために認可外の保育施設に申し込むためです。保育ママの申し込みが100人、小規模保育所の申し込みが94人でした。
毎年この時期には保育園に申し込んでも入れない子どものことを考えると心が痛みます。ある母親は、「子どもの保育園のことを考えると夜も眠れない」と語っていました。
●今年の4月の保育園入園申し込み者と1次不承諾の数字をお聞きします。お答えください。

【松原区長】
次に、認可保育所の入所申込状況についてご質問をいただきました。平成27年4月入所に係る認可保育所の入所申込者数は、4,335人で前年度と比較し、261人増加いたしました。第一次選考の結果、入所内定者は2,657人で、前年度と比較して、349人増加しております。入所が内定されていない方は1,678人で、前年度と比較し、88人の減となっております。なお、入所が内定されていない方に対しては、現在、特設サポート窓口を設置し、保育サービスアドバイザーが利用可能な保育施設について、個別のマッチング相談を行うなど、4月の保育所入所に向けて、懸命な努力をしているところでございます。

【和田議員】
大田区は、待機児解消のために、今年度中に33施設、1000人の定員増を確保できる見込みとしていましたが、この定員には、認可保育園だけでなく認証保育所や小規模保育所など認可外の保育施設の定員も含まれています。認可保育園に入園できず、やむなく認可外保育施設に入園した子どもは、また次の年に認可保育園の申し込みをするのですから根本的な待機児解消にはなりません。思い切った認可保育園の増設が必要です。
2月5日、日本共産党の東京都議団、各区市町村議員団、東京都委員会合同で東京都に対して待機児、介護、雇用、国保分野の申し入れを行い、私も参加しました。待機児問題の深刻さが次々に語られ、認可保育園の増設や認証保育所の保護者負担補助をどうしてもと要望してきました。
厚生労働省は、4月実施の子ども・子育て支援新制度を機会に、認可保育園に入る資格があるのに入れない「待機児童」の定義を大改悪し、みせかけだけの「待機児童減らし」をすすめようとしています。
以前の待機児童の定義は、認可保育園に入園を希望しても入れない子どもを待機児童としていましたが、待機児童数を表面だけ減らそうと、保育ママも含む認可外の保育施設で保育されている子どもは待機児童ではないと定義が変えられました。
今回はさらに通知を出して、子ども子育て新制度の給付対象となる幼稚園や小規模保育所、認可をめざす保育施設、幼稚園の一時預かり事業などを利用している子どもは待機児童として数えないこと。子どもの親が「保育園に入園できずやむなく育児休業中になる」場合や「求職活動中」の場合も待機児童に含めないことができるとしました。子どもが入園出来ない親の思いを無視した国のやり方は本当に許せません。
新制度でも、児童福祉法24条1項で区市町の「保育実施義務」が明記され、保護者に保育園入園を保障しなければならないことに変わりがありません。
区の2015年度の予算案には、待機児童解消に向けた取り組みとして、3カ所の私立認可保育園新設や認証保育所開設、小規模保育所開設などで420人の保育サービス定員の拡充が計上されました。
●国がどんなに待機児童の定義を変えても、認可保育園の入園希望者が減るわけではありません。大田区は認可保育園に入園申し込みをしたのに入園できない子どもをすべて待機児童として対策を立て、新年度予算案の定員拡充分420人はすべて認可保育園で対応すべきです。お答えください。

【松原区長】
次に、新年度予算の保育サービス定員420名増は、すべて認可保育所で対応すべきとのご質問でございますが、増加します保育ニーズに的確に対応していくためには、多様な手法を駆使しながら、保育サービス基盤の拡充を図っていくことが不可欠であると認識しております。このため、平成27年度の計画においても、認可保育所のほか、認証保育所、小規模保育所、グループ保育室の整備など、様々な手法を用いて、積極的な取り組みを進めてまいります。今後も、待機児解消に向けた施策を総合的に展開することにより、地域の保育ニーズにきめ細かく対応してまいります。

【和田議員】
●鵜の木3丁目の都有地(400㎡)、都営住宅隣地に認可保育園整備を求めます。

【松原区長】
次に、鵜の木3丁目の都有地に認可保育所整備を求めるとのご質問でございますが、お話しの都有地の活用については、本来、所有・管理している東京都が判断するものでございます。今後も、未利用となっている公有地を活用した保育所の整備につきましては、地域の保育ニーズなど、待機児解消対策としての有効性を見極めた上で、総合的に判断してまいります。なお、保育施設の整備については、多様な主体と連携・協働し、賃貸物件を活用した保育所整備等の手法も駆使しながら、迅速に取り組んでいるところでございます。

【和田議員】
また、今回の予算は組織改正にもとづいた編成となり、社会教育部門が区長部局に移り、青少年健全育成事業や生涯学習の推進、区民学習などは総務費の地域振興費へ社会体育関係は観光国際費にそれぞれ振り分けられました。
そもそも社会教育は、「教育基本法第7条で家庭教育及び勤労の場所その他社会において行われる教育は、国及び地方公共団体によって奨励されなければならない。」と明記されているように教育の一環として行われるべきで、移行はやめるべきです。

区民のくらし・営業支援へ第5次補正予算について

【和田議員】
次に第5次補正予算についてです。
一般会計第5次補正予算は、4423万円余の減で主に年度末の増減です。
その中で、公共施設整備資金積立基金積立金20億円が計上され、今回補正後現在見込みで合計211億円余となりました。さらに2015年当初予算で20億円の積立てとなります。
いま、区内の中小商工業者は仕事が減り、売り上げが落ち込み苦しんでいます。公共事業の前倒し工事や区で使用する備品購入など少しでも区内業者への仕事づくりに力を尽くすべきではありませんか。
●区民が利用する区民施設には、建物の老朽化だけでなく、机やいす、音響機器などの痛みがひどい施設があります。この際、区民施設を総点検し、磁気ループの設置や備品の修繕、買い替えなど区民が気持ちよく利用でき同時に区内業者の仕事づくり支援へ、第5次補正予算の公共施設整備積立金を積み立てないで活用することを求めます。お答えください。

【松原区長】
次に、公共施設整備資金積立基金を積み立てないようにとのご質問でございますが、区ではこれまで、区立小・中学校、保育園、図書館、文化施設など550ある公共施設を整備し、安全・安心で充実した区民生活を支える施設サービスを提供してまいりました。今後、これらの施設の多くは老朽化に伴う改築や改修が必要な時期が集中的に到来するため、多額の経費が必要となります。このような状況を踏まえ、公共施設整備資金積立基金につきましては、さらに積み立てる必要があります。施設の修繕や備品の更新については、良好な区民サービスを提供するために不可欠であり、しっかりと対応してまいりました。今後も、公共施設整備資金積立基金へ積み立てると共に、安全・安心で、区民の皆様にとって、魅力的で利用しやすい施設サービスを提供するため、計画的な施設の改築・改修・修繕を行ってまいります。

【和田議員】
住宅リフォーム助成についてです。
2月12日、日本共産党大田区議団と大田地区委員会は、国の交付金を活用した住宅リフォーム助成制度の拡充や国民健康保険料の値上げをしないこと、安心・安全のため、保育園の民間委託の検証・見直しなどを求める8項目の「国の補正予算、国民健康保険、子育て支援に関する緊急要望」を申し入れました。
国の補正予算の中に創設された「地域住民生活等緊急支援のための交付金」は、「地域の商店街における消費を喚起するための支援策(プレミアム商品券の発行等)」として、大田区には国からの交付金2億5千万程度、東京都補助金として1億2千万円程度、合計3億7千万円程度交付される予定です。大田区も今後第6次補正予算を組んで取り組む予定です。
1月30日、衆議院総務委員会で日本共産党の田村貴昭衆議院議員の「各地の自治体が取り組んでいる住宅リフォーム助成制度が『地域消費喚起・生活支援型』に含まれるか」という質問に対して、政府は「消費喚起につながると認められれば(交付金の)対象になる」と答弁し、住宅リフォーム助成に活用できると認めました。
区民要望により創設された大田区の住宅リフォーム助成制度は、昨年度313件、助成額3,967万8千円、全体工事費6億5,792万円余と約17倍の経済効果を生み出しています。
●大田区の地域経済活性化のために「地域住民生活等緊急支援のための交付金」を活用して、住宅リフォーム助成制度をさらに多くの区民が利用でき、仕事増やしに役立つよう、助成額の増額や助成率の引き上げ、さらに商店のリニューアルなど対象の拡大など思い切った予算の増額をすべきと考えますが、お答えください。

【松原区長】
次に、住宅リフォーム助成に関する質問でございますが、平成27年度予算で昨年度同様に、23区最大額の4千万円を計上しております。助成上限額や助成率は、他区とほぼ同レベルでございますが、大田区はバリアフリー、エコ、防犯・防災など対象工事を広く設定しております。更に、耐震補強工事や高齢者住宅改修工事など、他の助成制度も併用できるなど、充実した内容となっております。また、商店のリニューアルにつきましては、区で進めている「繁盛店創出事業」がございます。店舗改装や看板設置などが対象で専門家のアドバイスも受けられる事業のため、先ほど答弁いたしましたとおり平成27年度予算で事業拡大を行う予定でございます。

すべての高齢者が人間らしく生きられる介護保険制度について

【和田議員】
次に介護保険について質問します。
安倍自公政権は、昨年、多くの国民が反対をする中、大改悪である「医療・介護総合法」の可決を強行しました。「医療・介護総合法」には、要支援者の訪問介護・通所介護を保険給付から外し、区市町村が実施している地域支援事業に移すことや特養ホームの入居者を原則「要介護3」以上にすること、2015年8月実施で、利用料を現在の1割負担から年間所得160万円以上の層を2割負担にするなどが盛り込まれています。
「総合法」の具体化に向けて、政府は、「ガイドライン案」などを示し、介護給付の抑制を図るよう、区市町に3つのやり方を指示しました。
第1に、「安上がりなサービスの利用を普及」することです。
地域支援事業の「介護予防事業」に代替えサービスを加え、既存の介護事業所による「専門的サービス」と、ボランティアなどによる「多様なサービス」が用意され、新規利用者は基本的に「多様なサービス」を割り振り、いったん、「専門的サービス」に割り振った人も、一定期間後には「多様なサービス」に転換していくようにします。
第2は、要介護認定を受けさせない「水際作戦」です。
現行制度では、高齢者から区に介護の申請があった場合、まず要介護認定を行いますが、新制度では窓口の判断で、要介護認定の省略が可能となります。
第3は、介護サービスからの「卒業作戦」です。
区市町村が「介護予防ケアマネージメント」として、利用者に「目標」を持たせてケアプランを作成し、一定期間後に「評価」を行います。区市町村が、「順調に進行」と判断したら、説得して別のサービスへの転換や事業の「終了」を納得させます。
●新総合事業がスタートしても、要介護認定を受けるのは被保険者の権利であり、自治体が妨害することは法令違反です。また、行政が利用者に圧力をかけて本人の同意抜きにサービスを打ち切ることも許されません。それは結局、状態悪化を引き起こし、逆に給付費を増やすことになります。
大田区は、高齢者と家族のくらしと権利を守り、必要な介護が受けられるためにも、安上がりサービスや水際作戦、卒業作戦などを行わない立場に立つべきです。お答えください。

【松原区長】
次に、介護予防・日常生活支援総合事業に関する質問でございますが、現在「おおた高齢者施策推進プラン」を策定しているところであり、その中で、お話の介護予防・日常生活支援総合事業は重要な事業の一つであると認識しております。この総合事業は、区市町村が中心となって、地域の実情に応じて、地域の支え合いの体制を推進し、住民等の多様な主体が参画し、多様なサービスを充実することにより、要支援者に対する効果的かつ効率的な支援を可能とすることを目指すものとしております。平成28年4月から実施することとし、現在、介護予防事業や新たな生活支援サービス事業などの事業内容について、鋭意検討しているところでございます。引き続き高齢者がこれまで以上に自分にふさわしいサービスを選択できる仕組みとなるよう検討を進め、総合事業の実施に向け適切に対応してまいります。

【和田議員】
また、特養ホームの入所は原則「要介護3」以上となり、介護難民を生むことになります。
東京都は1月16日、2015年度予算原案を発表し、1万9000人分の特別養護老人ホーム整備として、141億円の整備費補助や63億円の定期借地権・借地を利用した保育園や特養ホーム、障害者施設整備への補助拡充・新設を盛り込みました。
区内には土地があれば新たに特養ホームを運営したいと考えている社会福祉法人さんもいらっしゃるようです。
●介護難民を出さないためには、高齢者の実態に合った特養ホームやグループホーム、ショートスティなどの高齢者福祉施設の増設計画と抜本的増設が求められます。さらに東京都は、活用できる都有地を調査中とも聞いています。国有地や都有地の活用と合わせて、東京都の予算原案に盛り込まれた事業を積極的に活用して「特養ホームの増設を」という区民の願いに応えるべきです。お答えください。

【松原区長】
次に、都の補助制度を積極的に活用して、特別養護老人ホームを増設すべきとのお尋ねでございますが、在宅生活が困難になった高齢者が、必要な時に特別養護老人ホームや高齢者認知症グループホームなどの施設を利用できる環境を整備することは重要な課題であると認識しております。これら特別養護老人ホームの整備にあたりましては、整備主体となる社会福祉法人を支援するため、従前より区は都に上乗せをする形で独自の補助を行ってきたところでございます。さらに、第6期介護保険事業計画期間中の整備においては、緊急整備加算金として区補助金の上乗せを行うと共に、平成27年度予算において、新たに30床分の予算を計上したところでございます。今後とも、国や東京都との連携を図り、公有地等の活用も含め、在宅サービスとのバランスも十分に図りながら、介護基盤の整備を進めてまいります。

【和田議員】
●鵜の木三丁目の東京都水道局跡地などを活用して特養ホームの増設を求めます。お答えください。

【松原区長】
次に、介護保険施設の増設にあたり、都有地等の活用を求めるとのご質問でございますが、ご指摘の土地の活用については、本来、所有・管理している水道局が判断するものでございます。今後も、未利用となっている公有地につきましては、情報収集に努め、購入・借り受けなど、活用可能な公有地がある場合は、その都度、計画に基づいた既存の区施設の改築や、新規施設の建設ニーズに適しているかなど、用地活用の有効性を総合的に判断してまいります。なお、介護保険施設等の整備については、社会福祉法人等の事業者が主体的に行う事業に対し、区は今後も必要な支援を行うことで、参入しやすい環境づくりに努めてまいります。

【和田議員】
「医療・介護総合法」は「安心できる介護を」という区民の願いに逆行するものです。中止・撤回を求めるべきです。
介護報酬引き下げについては安倍内閣は、2015年度から介護報酬を全体で過去最大級の2・27%引き下げます。介護職員の処遇改善加算などを除くと4・48%の削減です。
日本共産党区議団は、都議団と連携して「介護報酬削減の影響に関する聞き取り調査」を行っています。私も先日、区内の特養ホームを訪問して聞き取りをしてきました。こちらの施設では5%以上の引き下げで年間2000万以上の減収になると見込んでいます。「職員の給与を引き下げざるを得ないでしょう」と話していました。
また、昨年10月に東京北区では特別養護老人ホームの建設が、「介護報酬の引き下げ」を理由に事業者が突然撤退することになり中止になりました。
施設運営が立ち行かなくなれば、既存施設の撤退が懸念されます。
●介護報酬の引き下げは、事業所の運営にも増設が求められている介護施設整備にも重大な支障をきたすだけでなく、「介護崩壊」に拍車をかけることになります。政府は「介護保険制度の持続可能性が重大だ」と答えていますが、介護報酬の引き下げは国民の暮らしも介護施設の経営も介護職員のくらしも持続可能にはなりません。壊れてしまいます。区は、大田区の介護を守るためにも「介護報酬引き下げは」撤回するよう国に求めるべきです。お答えください。

【松原区長】
次に、介護報酬の改定についてのご質問でございますが、介護保険法の改正における国の基本的な考え方として、今回の改定は、地域包括ケア体制の構築を実現していくため、今後も増加が想定される中重度の要介護者や認知症高齢者への対応の更なる強化、介護人材確保対策の推進などの基本的な視点から実施するものとしております。更に、賃金・物価の状況や介護事業者の経営状況を勘案し、全体で2.27%の引き下げを行うものでございます。区といたしましては、現在策定中の「おおた高齢者施策推進プラン」に今回の見直し内容を着実に反映させると共に、地域包括ケア体制の構築に積極的に取り組んでまいります。

【和田議員】
介護職員不足も深刻です。東京都の介護職員の有効求人倍率は10・5倍、10施設が1人の職員を奪い合う状態です。区内の事業者が行う介護職員初任者研修は募集しても人が集まらないためヘルパー養成ができないと深刻です。
訪問した施設でも介護職員の確保に苦労し、 職員確保のために地方まで出かけているというお話でした。
区は、新年度の予算案に、保育士人材確保のために、国・都の補助制度を活用して、事業者が保育士の宿舎を借り上げる時に経費の一部を補助する予算を計上しました。
●介護職員不足の解消のため、大田区として保育士の宿舎借り上げ支援事業と同様に介護職員にも宿舎借り上げの支援を行うことを求めます。また、東京都や国に対しても要望することを求めます。お答えください。

【松原区長】
次に、介護職員不足解消についてのお尋ねでございますが、本格的な高齢社会を迎え、福祉・介護サービスを担う人材の確保と質の向上は、区としても重要な課題と認識しております。区といたしましては、介護人材確保に向けて介護・福祉の魅力を発信する普及啓発などを内容とした「おおた福祉フェス」に対して、広報などを中心に支援を行ったほか、平成27年度予算では、介護職員の人材確保・育成事業の両方を視野に、介護職員初任者研修の受講費を対象とした、新たな区独自の助成制度を設けたところでございます。引き続き現在の取り組みを推進し、介護の担い手となる人材の確保や育成に努めていくと共に、お話の宿舎借り上げの助成制度については、今後の国や都の動向を注視し適切に判断してまいります。

平和憲法にもとづいた教育について

【和田議員】
最後に教育について質問します。
安倍政権が集団的自衛権容認の閣議決定や法制化で「戦争する国づくり」を進める姿勢は、教科書問題や教育委員会改悪、道徳の教科化など子どもたちの教育の場にも大きな影響を及ぼしています。
いま、小中学校では週1時間「道徳の時間」があり、学校現場では「わが国と郷土を愛する心」「日本人としての自覚」など、国や社会への帰属意識を強調し、小学校低学年から「我が国」を入れるなど、安倍政権の「戦争する国づくり」に向けて国家主義的色彩を強めるものとなっています。国は、道徳を「特別の教科」にして検定教科書をつくり、1人1人の子どもの「道徳性を評価」しようとしています。
児童・生徒の心の成長や感じ方はそれぞれです。中央教育審議会答申は「評価をすることは限定した価値観をおしつけることになり、本来の道徳教育の対極にあるもの」としています。
今年は、2016年度に採用する中学校の教科書の採択が行われます。4年前に大田区は、東京23区で唯一、日本の侵略戦争だった太平洋戦争を民族解放の正しい戦争だったと教える歴史教科書や福島第1原発が大変な事故を起こしたのに原発を安全だとする公民の教科書を採択しました。
保護者をはじめ、多くの区民は子どもたちが歴史の事実をゆがめる間違った教科書で学んだら、「将来世界の国々の人々と仲良くやっていけなくなるのではないか」「お国のために命を投げ出すような大人に育っては困る」など心配しています。
大田区の子どもたちには、教育は子どもたちのためにあるという立場にたち、憲法や子どもの権利条約にもとづいた教科書で学んでほしいと思います。
教育委員会についてです。
昨年6月、教育委員会制度を定める法律(地方教育行政の組織と運営に関する法律=地方教育行政法)が改定されました。この4月から施行され、約半世紀ぶりに教育委員会制度が変わります。
①これまでの教育委員会が任命する教育委員長が廃止され、「新教育長」を首長が任命する。②首長に「教育大綱」制定を義務付ける。③首長と教育委員会との協議体である「総合教育会議」の開催。の3つの新しい仕組みが加わりましたが、広範な国民の願いにより教育委員会制度そのものは残りました。
もともと教育委員会は戦後、住民自治の組織としてスタートし、当時は公選制でした。教育基本法でうたわれている「個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期する」という教育の目的を達成するために教育委員会制度がつくられたのです。
「地方分権」、「民意の反映」、「一般行政からの独立」が教育委員会制度発足の「3つの根本方針」でした。
国会審議の中で、日本共産党の宮本岳志衆議院議員の質問に文部科学省は「3つの根本方針」は「改正案においても変わらない」と答弁しています。
●区長は国の「通知」どおり、大田区の教育について「地方分権」「民意の反映」「一般行政からの独立」という「3つの根本方針」を遵守すべきと考えますがいかがでしょうか。お答えください。

【松原区長】
次に、教育委員会制度の改正に関するご質問でございます。教育委員会制度を定めている法律、いわゆる「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」が、昨年6月20日に改正され、平成27年4月1日に施行されます。その改正の趣旨にのっとり、教育の政治的中立性、継続性及び安定性を確保しつつ、教育行政における責任の明確化、迅速な危機管理体制の構築、区長と教育委員会との連携強化を図り、大田区の教育の充実に努めてまいります。

【和田議員】
教育大綱についてです。
また、新たに教育の目標や施策の根本的な方針となる「教育大綱」の策定を首長に義務付けました。大綱は本来、教育委員会と首長とが対等平等の関係で共同し、広範な住民の参画のもとで民主的に策定すべきものです。教育委員会は首長から独立した意思決定機関として残された以上、首長が住民の合意なしに勝手に書き込むことは正しくありません。
●教育は住民自治で進めるという精神から、区長は教育委員会と協議をして「教育大綱」の策定にあたることを求めます。お答えください。

【松原区長】
次に、地方公共団体の教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の「大綱」の策定についてのご質問でございますが、大田区におけるよりよい教育環境づくりを目指し、大田区における教育関連施策の総合的な推進を図るため、教育委員会と連携・協議し、「大綱」の策定に当たる考えであります。

【和田議員】
総合教育会議についてですが、総合教育会議は、首長と教育委員会との「協議」「調整」の場です。
国の「通知文書」は、「総合教育会議は、地方公共団体の長と教育委員会という対等な執行機関同士の協議・調整の場であり、地方自治法上の附属機関には当たらない」としているように、首長サイドの機関ではなく、あくまで対等平等な2つ機関の協議体だという点は重要です。
また、「通知文書」は総合教育会議では教科書採択や個別の教職員人事等、特に政治的中立性の要請が高い事項については議題とすべきでないことも示しています。
●現在、大田区の中学校で使用している(育鵬社版や自由社版のように)過去の侵略戦争を正しい戦争だったと教える教科書を採択させたい団体は、総合教育会議で教科書採択の基準や方針を「大綱」に反映させるよう首長や議員に指示していますが、区長は国の「通知文書」のとおり、区長と教育委員会が対等平等の立場で総合教育会議を開くことを求めます。お答えください。

【松原区長】
次に、総合教育会議の運営並びに協議事項についてのご質問でございます。原則的に、地方公共団体における教育施策の基本方針について協議を行う場であり、議員ご指摘の個別事案を具体的に検討する場ではないと理解しております。法の趣旨に基づき、区と教育委員会相互の事務執行権限の調和・連携を図りながら、総合教育会議を運営していく考えであります。

以  上

カテゴリー: 議会の動き・政策・発言集 パーマリンク

コメントは停止中です。