第4回定例会代表質問(速報)―杉山議員(11月29日)



(映像は大田区議会ホームページより:57分)

【杉山議員】
日本共産党大田区議団の杉山こういちです。党区議団を代表して質問します。

軍拡ではなく国際都市おおたの平和の役割について

【杉山議員】
まず、最初に、軍拡ではなく国際都市おおたの平和の役割についてです。
年末の国家安全保障戦略など3文書改定に関する政府の有識者会議がまとめた提言の原案は、歴代政権が違憲としてきた「反撃能力」=敵基地攻撃能力の保有は「抑止力の維持・向上のために不可欠だ」とし、軍事費増額の財源には「幅広い税目による国民負担が必要だ」として増税をあげています。暮らしと平和・憲法破壊の大軍拡は許されません。
イスタンブールで開催された、アジア政党国際会議(ICAPP・アイカップ)第11回総会は30カ国1地域から69の政党が参加し、19日に「イスタンブール宣言」を全会一致で採択しました。
この宣言には日本共産党が提案した、(1)ウクライナの主権と領土保全を尊重しつつ、政治的対話による平和的解決を(2)日本共産党が「平和ビジョン」にかかわって「ブロック政治を回避し、競争より協力を重視」、東南アジア諸国連合(ASEAN)と協力して、東アジアのすべての国を包摂する平和の枠組みを発展させる(3)核兵器使用の脅しを許さず「核兵器のない世界」などの内容が盛り込まれました。ICAPP総会に参加せず外交不在で軍事一辺倒の自民党は「ブロック政治」を一番悪い形で行っています。このような党には平和を守る資格はありません。
自治体の首長とその経験者による「全国首長九条の会」の総会と市民のつどいが12日、都内で行われ、改憲勢力が国会発議に必要な3分の2の議席を両院で確保し、改憲策動の加速化に懸念が示され、自民党と旧統一協会が憲法9条への自衛隊明記主張を批判し、草の根の運動と広く連携して9条を擁護する運動を進める活動方針とアピールを採択しています。同会は現職11人を含む126人の会員を擁し、所属や立場・信条の違いを超えて「憲法9条の擁護」の一点で力を合わせています。
共同代表の川井貞一・元宮城県白石(しろいし)市長はあいさつで、「首長は命を賭しても住民の命と安心を守らなければならない。そのためには憲法9条は絶対に必要である。総力で9条を守ろう」と訴え、また、共同代表の松下玲子・東京都武蔵野市長や、保坂展人(のぶと)・世田谷区長、7月に新区長となった岸本聡子(さとこ)・杉並区長らは、「地方自治体の首長としても、平和を希求する思いをしっかり発信していきたい」「一人ひとりが人権を取り戻していく行政を実現するべきだ」と主張しています。そこで伺います。
●これまで松原区長は平和や憲法を守ることについては、国の専権事項として、明確な答弁を避けてきました。これまで述べてきたように、国の専権事項とせず、自治体の長として、国に「平和と憲法」を守る事を求めるべきです。お答えください。

【松原区長】
政府は、外交政策において、「日本は、国際協調を基本として、近隣諸国との安定した関係の構築のみならず、国際社会の平和と安定を脅かしている様々な課題の解決に向けて積極的に取り組んでいます。」としており、憲法にうたわれる平和主義の理念に基づき平和で安全な世界を目指すため、国際社会の責任ある一員として、軍縮等に取り組んでいます。
区は、世界の恒久平和と人類の永遠の繁栄を願い、平和都市宣言をいたしました。
平和都市宣言におきましては、「平和という人類共通の願いをこめて大田区は平和憲法を擁護し核兵器のない平和都市であることを宣言する」としております。
私達は、歴史の教訓を深く胸に刻み、未来に継承する責任があります。私は、区民の皆様一人ひとりが平和について考え、平和の尊さを確かめ合い、平和への思いを一つにすることが大切であると思っております。
基礎自治体である区は、平和関連事業に取り組むことこそが果たすべき重要な責務であると考えており、引き続き平和都市実現に向けた着実な歩みを進めてまいります。

大田区として反社会的団体である統一協会との関係を調査し関係を断つことについて

【杉山議員】
次に、大田区として反社会的団体である旧統一協会(世界平和統一家庭連合)との関係を調査し、関係を断つことについてです。旧統一協会による正体を隠した伝道活動、霊感商法と高額献金などの反社会的な行為、それによる被害者の救済には、被害者へのサポート体制(法的支援、心理的支援、児童虐待や生活困窮問題の解決に向けた支援等)を国の責任で整える事は急務です。また、国は早急に解散請求をすべきです。
岸信介(のぶすけ)、安倍晋太郎、安倍晋三と安倍家3代にわたる旧統一協会との関係、自民党と旧統一協会の深刻な癒着を解明することは、二度と再び被害を生まないためにも絶対不可欠です。自民党は議員任せではなく、党として責任を持って調査をすべきであり、救済法(新法)作りと合わせて行うことを最優先にすべきです。
政府の被害者救済のための新法は被害者や弁護団から「実効性ある被害者救済にはつながらない」との声が上がり続けています。日本共産党は、新たな被害を生み出さないための新法(被害者救済法)については、(1)マインドコントロールなど悪質な勧誘行為による寄付の強要の禁止(2)家庭を崩壊させるような社会的に許容しがたい悪質な寄付が行われない措置(3)こうした寄付の取り消しや損害賠償を行えるようにすること(4)宗教2世、3世、配偶者などの人権を守る、などを提案しています。
旧統一協会の触手は国会に止まらず、地方政治にも及んでおり、すでに家庭教育支援条例制定等の動きが広がっています。また自らの選挙のために旧統一協会関連団体との関係を深めている首長・議員も明らかになってきています。
これらは、国民主権、基本的人権はもちろん、地方自治の本旨にしたがった行政運営を求める憲法からの逸脱でもあります。旧統一協会との癒着を解明し、癒着を一掃することは、地方議会も例外ではありません。
第3回定例会・決算特別委員会で党区議団の佐藤区議が、旧統一協会と大田区の関わりについて、大田区として責任をもって調査をし、区民に公表したうえで、今後きっぱりと関係を断つよう求めました。答弁では、「改めて各部局にたいして調査を依頼している。まとまり次第、しかるべき時期に公表する」とし、10月の総務財政委員会で「2017年(平成29年)4月から2022年(令和4年)9月までの期間で、名義使用の承認1件、区施設利用は2団体、計20回、寄付受領、補助金支出は該当なし」今後は、「旧統一協会や関連団体との…事業に協力しているとの誤解が生じないよう、名義使用承認に限らず補助金の支出や区施設利用等においても、条例や規則等を順守し…適切に対応していく」また「…被害に遭われた方に寄り添う相談体制などについて取り組んでゆく予定である」としていますが、一般的な対応となっており、反社会的団体と認識して、区民に寄り添ったものにするためにも、お聞きします。
●庁内に旧統一協会専門相談窓口をつくり、被害に遭われた区民の救済に全力をつくすこと。このような団体と区は今後一切の関係を断つことを区民に宣言すること。また、行政と旧統一協会を仲介した関係者を調査し、結果、公の立場にある人が関わった場合は公表することを求めます。お答えください。

【松原区長】
まず、区民に被害が確認された場合には、引き続き、全庁において、被害に遭われた方に寄り添う相談体制などについて取組んでまいります。
また、被害者救済を含む、当該団体の行動に対する法的な対応につきましては、現在、国などにおいて検討されているところであり、区としましては、推移を見守っていくとともに、被害者救済や当該団体への対応が法的に整備された際は、適切に対応してまいります。
区は、旧統一教会及び当該団体との関連が報道されている団体について、過去にさかのぼって、区との関連を調査いたしました。
調査結果は、10月14日の総務財政委員会においてご報告したとおりです。
今後、国の動き等を注視しながら、新たな調査等の必要性について検討してまいります。
今後も、引き続き、区が当該団体及び当該団体との関連が報道されている団体の事業に協力しているとの誤解を生じないよう、名義使用承認に限らず、補助金の支出や、区施設利用等においても、条例や規則等を順守し、適切に対応してまいります。

止まらない物価高騰・新型コロナウイルス感染症第8波から区民のいのち、くらしを守るための新年度予算について

【杉山議員】
次に、止まらない物価高騰、新型コロナウイルス感染症第8波から区民のいのち、くらしを守るための来年度予算についてです。
11月24日、日本共産党区議団は、松原区長に来年予算について453項目からなる要望書を提出しました。内容は重点51項目、新規30項目です。この間、コロナ禍の中、区内各団体との懇談や多くの区民から寄せられた声、特に党区議団が行った区民アンケートには4,000を超える返信があり、その声を反映させました。ぜひ予算案に反映されるよう求めます。
区民の実態は、生活保護受給者が1万3,026世帯、1万5,354人(今年9月末現在)、就学援助は小学生4,670人、15.7%、中学生2,367人、21.6%(今年6月末現在)、国民健康保険ではコロナ禍による徴収猶予があっても滞納2万5,454世帯、28.0%(今年10月末現在)と深刻です。国民健康保険料等の値上げ、後期高齢者医療保険の医療機関窓口負担が原則20%に倍加、年金給付の毎年の減額と異常な物価高騰が大きな負担増で、多くの区民から悲鳴が上がっています。大田区の景況(2022年4月から6月期)では、景気動向指数・DIは製造業の精密機械器具を除いて全て業種・分野でマイナス、来期(7月から9月)予測でも全てマイナスです。
日本一と言われた高度な技術のものづくり集積地の大田区でしたが、最高で約9,000事業者を超えていた区内中小工場は、現在は3,000事業者を割っているとも言われ、更に、新型コロナ感染症や物価高騰の影響で大量倒産、大量廃業が発生する危険な局面となっています。
この間、大田区は「事務事業の見直し・再構築、最適な実施方法の追求」「一般財源への影響を考慮した事業の再構築」(~予算編成、組織・職員定数の基本方針について)などを掲げ福祉分野等で区民生活を支える施策を削減・廃止してきました。そこで伺います。
●コロナ禍と物価高騰の今こそ、「住民の暮らしと福祉の増進」という地方自治の原点に立った予算編成に加え、物価高騰によって疲弊している区民生活を支えるためにも、来年度予算に改めることを求めます。お答えください。

【松原区長】
区民が苦境に直面した場合、区がどのような厳しい環境にあっても、区民に身近な基礎自治体として、求められる必要な対策を講じることは、区の基本的な責務であると認識しております。
区はこれまで、コロナ禍における感染症対策や物価高騰対策といった、現下の区民生活に必要となる施策を途切れることなく実施し、地域の実情に応じたきめ細かな施策の展開に努めてまいりました。
社会経済状況は引き続き不確実性の中にありますが、区はこうした苦境を乗り越え、区民の皆様が豊かさを感じ、希望あふれる未来へと成長を続ける地域社会を支える力強い歩みを進めていくことが必要であります。
このことから、区は令和5年度予算編成においても、区民生活や区内経済を下支えする地域に寄り添う施策や、地域としての成長につながる施策を総合的に展開し、区民福祉の増進を図ってまいります。

【杉山議員】
次に、区は11月の総務財政委員会に2023年度予算編成過程の公表について、当初要求状況の報告がありました。各部局から予算編成、予算要求が上がり、2023年度当初要求額、一般会計で歳出が3,247億円、歳入は2,963億円で、歳入・歳出の乖離が285億円で財源不足としています。財源不足額の解消では、歳出において査定を経て、必要に応じて歳出額の精査を行うとしています。しかし、歳入を見ると、2021年度当初予算額では、繰入金が179億6,700万円であったものが、2022年度当初要求額は76億4,300万円となり、100億円以上も減額されています。昨年度同様に繰入金をした場合、一気に乖離は約半分となります。乖離額は繰入額によって大きく変わるため、285億円の財源不足の根拠にはなりません。そこで伺います。
●11月の総務財政委員会での質疑で、「査定を経て精査する中で区民に必要なものには予算を配分する」との答弁がありました。しかし、2021年度は当初予算で歳入と歳出の乖離があることから118億円の財政基金からの繰入を予定していたが、決算では繰入は行われず、逆に積み立てました。財源不足に名を借りた福祉等の削減の総量規制の事務事業の見直しはやめるべきです。お答えください。

【松原区長】
区が事務事業の見直しを行う目的は、単に財政負担を軽減することだけではなく、施策の新陳代謝を進め、限られた経営資源を区民が真に必要とする施策に振り向けていくことであります。
区を取り巻く環境が変化する中において、新たな行政需要に柔軟かつ的確に対応していくにあたり、この取組は必要不可欠なものであると考えております。
区が予算及び組織定数の編成を行う際には、個々の事業の経費等の規模はもとより、区民ニーズの変化、これまでの成果、実施手法など多角的な検討を重ねております。
その上で、必要と判断した事業については、人員・財源ともに積極的な措置を講じることにより、メリハリを持った配分を行っております。また、事業の執行段階においても、最少のコストで最大の成果をあげることをめざし、区以外の多様な主体との連携やICT技術の活用など、選択肢や手法を幅広く検討し、実践しております。
引き続き、良質で満足度の高いサービスを継続して提供するために、必要な見直し、再構築を徹底することにより、持続可能な自治体経営を実践してまいります。

【杉山議員】
次に、物価高騰から暮らしを守り、経済を立て直す。消費税は5%に減税、インボイスは中止、異次元の金融緩和は破綻。介護保険は第9期に向けて改悪が目白押し、安心・安定した介護サービスと、賃金の上がる、区独自の救済策についてです。岸田政権は物価高騰などで国民生活の悪化が深刻になっている時に、その原因となっているアベノミクス「異次元の金融緩和」に固執し、対応不能に陥っています。日本は「賃金が上がらず、成長が止まった国」という特異な国になっており、この現状を打開するには、賃上げを軸に実体経済を立て直すこと、とりわけ内需を活発にすることに本腰を入れることが必要です。『優しく強い経済』にする提案を日本共産党は行っています。アベノミクス以降150兆円も増えた大企業の内部留保を賃上げや国内投資で経済に還流させ、実態経済を立て直します。そこで、お聞きします。
●大田区と受注する事業者との間で結ばれる契約に、生活できる賃金など人間らしく働くことのできる労働条件を定める条例、公契約条例の制定を求めます。また、大田区行政管轄で働く非正規労働者も含む全ての労働者の時給を1,500円以上に引き上げることを求めます。お答えください。

【松原区長】
区では、令和2年に大田区の発注する契約に係る労働環境の確認に関する実施要綱を制定し、一定規模以上の契約について、就業規則や支払賃金の状況などの労働環境の確認を行うことで、契約の適正な履行と労働環境の整備に配慮した調達の推進に努めているところです。
直近では、労働賃金が上昇基調にあることや、労働環境を確認する方策も講じていることから、公契約条例の制定に限定せず、適正な労働環境の確保と公共サービスの質の向上に向け、引き続き検討を進めてまいります。
また、労働者の賃金や労働条件は関係法令に基づき、当該労使間で決定されることとなっておりますので、非正規労働者の時給の下限額を区が定める予定はございません。
なお、区が発注する公共事業等の契約においては、関係法令等の順守を仕様書に記載しておりますので、事業者はその趣旨を踏まえ、適切に履行いただいているものと認識しております。

【杉山議員】
次に、政府の中小企業政策は収益力改善や事業再生支援が主で、これでは「潰れるものを潰さないと経済の邪魔になる」という中小企業淘汰の立場です。いま重要なことは中小企業が地域経済でもまちづくりでも大きな役割を果たしている地域経済問題として捉え、区が全面的に支援し地域経済の立て直しという面で中小企業施策を行うべきです。政府が計画しているインボイス制度は数百万もの小規模企業やフリーランスで働く人々に深刻な負担をもたらします。2021年度消費税新規滞納発生額は5,121億円となりコロナ前と比べ1,000億円以上も増えています。このままでは自分のせいではないのに倒産・廃業する事業者が続出してしまいます。そこで伺います。
●こうした時に総務省自治行政局課長の通知では「地方公共団体の競争入札において、適格請求書発行事業者でない者が契約の相手方となった場合に消費税の負担が増加すること等で地方公共団体に不利益になることを理由として競争入札に参加させないとするような資格を定めることは適当でないと考える」というものですが、この立場で区は取り組むことを求めます。お答えください。

【松原区長】
総務省通知で、「地方公共団体の競争入札において、インボイス発行事業者でない者を競争入札に参加させないこととするような資格を定めることは、地方自治法施行令に規定する「契約の性質又は目的により、当該入札を適正かつ合理的に行うため特に必要があると認めるとき」との要件に直ちに該当するものではないことから、適当ではないと考える。」としています。
また、「インボイス発行事業者であることを競争入札に参加する者に必要な経営の規模及び状況に関する要件とする資格を定めることについても、同様に適当ではないと考える。」としています。
区の競争入札では、インボイス発行事業者とならない消費税免税事業者が入札に参加する案件は少ないと想定されますが、本通知の趣旨を踏まえ、適切に対応してまいります。

【杉山議員】
次に、介護保険でも2023年国会に制度の改悪案が提出されようとしています。上野千鶴子社会学者・東京大学名誉教授は「史上最悪の制度改悪」と批判し改悪を許さない運動を始めています。最大は利用料負担増です。利用者負担を原則2割に、老健施設や介護医療院などの多床室の室料負担を自己負担に、ケアプランの有料化、第1号被保険者の保険料負担強化、保険料納付開始年齢の引下げ、決して軽度とは言えない要介護の1・2への訪問介護・通所介護を地域支援事業に、などですがこれでは年寄りを見捨てる「姥捨て山」です。姥捨て山は脆弱であり、若い人にとっても未来に希望は持てません。誰もが年をとって行くのに不安でしょうがないのです。認知症の人と家族の会は「後期高齢者医療が2割負担になり物価が上がっている。高齢者の負担は限界。介護保険の負担増と給付削減が実施されれば暮らしが成り立たない、暮らしは断崖絶壁だ。『生きていけない』」などの批判が上がっています。そこで、お聞きします。
●このような介護保険改悪は区民の福祉を守る地方自治体として中止するよう、国に求めるべきです。お答えください。

【松原区長】
現在、次期制度改正の内容について、厚生労働省の社会保障審議会において議論が進められております。
制度が創設された当初の平成12年と比べ、区における介護保険給付費は約4倍に増加しています。
給付費の増大が見込まれる中、適正な介護サービスを維持しつつ、持続可能な介護保険制度としていく必要があります。
国の議論の中では、サービス利用者の負担を原則2割とすることや、介護人材の確保などが取り上げられ、今後も継続して議論がされるものと捉えております。
区におきましては、今後国から示される基本指針をもとに、令和6年度からの第9期大田区介護保険事業計画を策定し、制度運営を行うこととなります。
引き続き、国の動向を注視し、適切に対応してまいります。

【杉山議員】
次に、新型コロナウイルス感染症拡大第8波から、区民の命を守る取り組みについてです。
新型コロナウイルス感染症の感染者数は大田区内で累計180,843人(11月28日現在)となっており、週別感染者数も10月末から増加しています。政府が18日正式決定した感染「第8波」への対応は、都道府県知事が「対策強化宣言」を出すことで大人数での会食の自粛要請を可能にするが、まん延等重点措置に基づく飲食店への営業自粛要請はしないとなっています。
11月24日、第80回大田区新型コロナウイルス感染症対策本部会議が開かれ、11月に入り「第8波がはじまった」との認識を示しました。区は第8波に備えた保健所・医療体制として、オンライン診療はコロナやインフルエンザの症状があり、重症化リスクがなく、検査キットを使って自身で検査を行った人が対象で、コールセンターは12月から相談センターと特設相談ダイヤルを統合するとしています。防災機器管理課はポスターによる備蓄3点セットの啓発、区長のメッセージ動画、青色パトロールカーによるパトロール、保健所への他部署からの応援など、基本的に「自助」での対処をとなっています。「自助」でできることには限界があり、これまでの感染症の波が起こった際の経験も生かされていません。これまでの経験を踏まえ、科学的知見に立った対策が求められます。そこで伺います。
●区として、無料PCR検査所の拡大や症状のある人への速やかな検査体制、医療体制の強化、自宅療養者や濃厚接触者対策の強化を求めます。お答えください。

【松原区長】
国は、医療用抗原検査キットの薬局等での販売を許可し、入手しやすい環境を整備しており、東京都は、無料PCR検査事業に加え、濃厚接触者や有症者への検査キット配布事業により、軽症な方は医療機関を受診せずに、速やかに検査が受けられる体制を整備しております。
区はこれらの事業を幅広く区民に周知するとともに、区内3医師会や医療機関と、情報共有や連携を密にし、体制を強化しております。
陽性者については、高齢者や基礎疾患のある重症化リスクの高い方に優先して対応し、医療専門職によります健康観察を強化するなど、重症化しないための早期発見、早期治療に努めております。
濃厚接触者についても、高齢者や障がい者の施設などへの対応に重点を置き、状況に応じて、幅広くPCR検査を実施し、感染の拡大を予防してまいります。
引き続き、適時適切な新型コロナウイルス対策を推進し、区民の安全と安心を守ってまいります。

【杉山議員】
次に、国民健康保険料についてです。国民健康保険料の均等割額は、世帯の人数が増えることで加算をされ、多子世帯にとっては重い負担となっています。
全国知事会や全国市長会は「子供に係る均等割保険料(税)を軽減する支援制度の創設」を提言し、全国知事会は2014年には、国保の基盤強化と負担の公平へ「公費1兆円の投入」を訴えてきています。
このような中で、ここ数年急速に拡大してきた自治体による子どもの均等割減免が25自治体で実施され、その内の岩手県宮古市、福島県南相馬市、白河市など3自治体で子どもの均等割を全額免除に踏み出しています。
そして、今年度から就学前の児童の均等割りが半額免除になりましたが、依然重い負担なっています。
国保運協で、2022年度の均等割額が5万5,300円と、前年よりも3,300円増え、年金受給者、給与所得者と子どもがいない世帯は値上がっていることから、さらに厳しい状況となっています。そうした中、区民負担の軽減と子育て支援及び少子高齢化を防ぐために資するものです。そこで、お聞きします。
●被用者保険にはない均等割は多子世帯ほど負担が重くなり、他の医療保険制度に加入する区民と比べて不公平である。未就学児の均等割保険料は、今年4月から2分の1の軽減となったが、まず児童医療費助成制度にあわせ、高校3年生相当までの均等割を無料にすることを求めます。お答えください。

【松原区長】
昨年の健康保険法等一部改正法で、今年度から国保の未就学児の均等割保険料を5割に軽減する制度が創設されました。
子どもに係る均等割保険料のあり方については、国の制度の中で検討すべきものと考えております。
なお、特別区長会として、均等割保険料軽減措置の対象を未就学児以外へ拡大することや軽減割合の拡大について、国へ要望しており、区といたしましては、引き続き国の動向を注視してまいります。

【杉山議員】
次に、新空港線と新空港線に絡めた沿線まちづくりについてです。今定例会で、新空港線整備資金積立基金の名称を新空港線整備及びまちづくり資金積立基金に改める、積立基金条例の一部を改正する条例が提案されています。新空港線沿線まちづくり構想が10月の委員会に報告されました。
目的として、新空港線整備について、今後、一期整備の事業化や二期整備の進展などを着実に推進するとともに、沿線のまちづくりも同時に進めていくことで、新空港線の整備による効果を最大限発揮させていくが重要である。
このため、沿線のまちづくりの方向性や将来像、その実現に向けた道筋などをとりまとめた、(仮称)「新空港線沿線まちづくり構想」を策定する。
位置付けとして、大田区都市計画マスタープランを上位計画として、想定年次は、2030年代~2050年代頃となっています。
そもそも、上位計画の大田区都市計画マスタープランは、2040年を目標にして地域別方針や将来都市像の実現に向けた計画なのに、さらに10年も超えて、想定年次を決めていることは問題です。
対象範囲は、二期整備も含めた新空港線沿線の各駅及び新空港線に接続する路線の沿線の各駅の周辺地区となっていますが財源が示されていません。
まちづくりには、多額の財源が必要であり、例えば京急蒲田西口駅前地区再開発には再開発事業費として総額252億9千万円のうち、国費80億5千万円、区費78億円、組合94億4千万円が支出されました。この様に蒲田駅東西、糀谷駅には各約200億円近くの税金投入となりました。対象範囲の各駅の整備に、多額の税金投入になるのは明らかであり、現在新年度予算の編成中ですが、歳入と歳出の乖離が285億円と想定しており、事務事業の見直しで、事業の廃止・縮小が行われている中で、住民福祉の削減にもなりかねません。
また、都市計画マスタープランでも公民連携が掲げられていますが、住民とともに行政が責任をもってまちづくりを進めるべきで、行政責任の放棄とも言えます。この間進められてきた駅前再開発のような手法ですすめられれば、従前の住民が3分の1しか残れない、住民追い出しにもなりかねません。
今回の条例改正では、性格の違う、鉄道整備とまちづくりを一体ですすめるもので、天井知らずの積立につながり大問題です。そこで、お聞きします。
●新空港線と新空港線に絡めた沿線まちづくりは住民の暮らしと命を脅かすので、白紙撤回を求めます。お答えください。

【松原区長】
コロナ禍にあっても、区民の豊かで活力ある生活を支えるためには、未来に向けて、持続的なまちづくりを進めていく必要があります。
新空港線は、昭和57年の大田区基本構想に位置付けてから40年にわたり取り組んできた、最も重要な事業の一つであります。
新空港線が整備されることで、区内の東西方向の移動利便性が大きく向上するとともに、羽田空港や渋谷・新宿・池袋などの都市や、和光・所沢・川越などの埼玉方面へのアクセス利便性が向上します。
また、新空港線の整備に合わせ、沿線のまちづくりを連携して行うことで、地域の活性化にも大きく寄与します。
加えて、自動車から鉄道への転換により、CO2が削減され、「ゼロカーボンシティ」の実現にも寄与すると共に、災害時の代替ルートの役割も期待されており、今後の区及び首都東京の発展にとって重要な事業であります。
先月、第三セクターを設立し、今後はこの第三セクターが中心となって手続き等を行っていくこととなりますが、区も引き続き支援や調整等を行い、新空港線の早期整備を目指してまいります。

【杉山議員】
次に、羽田空港の機能強化、増便・新飛行ルートです。始まってから、コロナ禍で2年8ヶ月経ちましたが、航空局や航空各社の直接運航に携わる方々の努力により、大きな事故は起きていませんが、様々な問題が発生しています。国土交通省の2021年度の部品欠落報告では、「羽田空港の新飛行経路における落下物の発生件数は2020年3月29日~2022年4月30日において落下物事案と確認されたものは0件」「部品欠落は2021年度1,064件」「航空会社においては、駐機中等において徹底的な点検等を行うほか、点検等を行う際に整備士等の意識の向上のための様々な取り組みが実施されている」などが記載されていますが、2022年3月13日には渋谷区のテニスコート上に氷の塊が落下すると言う事象が起き、国土交通省との聞き取りのなかでは「飛行機から落ちた可能性は極めて低いと考えており、調査も終了した」との態度をとっていましたが、わが党の山添拓参議院議員が現地に赴き、テニスコート上空を航空機が通過することを確認し、実際に上空を飛んでいると迫り、国土交通省の担当者は、飛行機から氷の塊が落ちた可能性について「ゼロではない」と答えています。
落下物の問題は「万全の対策」と言うが、今まで部品等を落下させてきた航空会社の整備体制が、人員を増やさずに出来るはずがないのです。コロナ禍での減便に対応した整備体制(他部門への配置転換や他社への出向、希望退職など)に削減してきた中で、現在、復便してきている状態です。現場の技術力の低下や、人員体制が追い付かないなど状況があります。そこで、伺います。
●このような中では落下物はなくせません。そうであるならば大田区民の暮らしと命を脅かす羽田空港の機能強化、増便・新飛行ルートは事故が起きる前に中止すべきです。これまでに議会に出された陳情や請願など区民の声に基づき、国へ区長から中止を求めるべきです。お答えください。

【松原区長】
新飛行経路の運用については、区は、区民生活への影響が懸念されることから、これを重大なものと受け止め、これまで、国に対して、安全対策等について4度にわたる要望をはじめ、適時、協議を進めてまいりました。
その結果、国は、「落下物対策総合パッケージ」をとりまとめ、落下物対策を充実・強化しております。
特に、世界に類を見ない基準である「落下物防止対策基準」を策定し、本邦航空会社及び日本に乗り入れる外国航空会社に、その実施を義務付けております。
策定後も、PDCAサイクルを回す形で原因究明及び再発防止を徹底して行い、不断の見直しと強化を図り、着実かつ強力に実施していると伺っております。
区としましては、飛行経路の設定等は、国の責任において判断していくものと認識しております。
今後も、国が実施する安全対策などの取組状況を注視し、引き続き、万全を期すよう求めてまいります。

次世代を担うこどもを、のびのび育てられる環境づくりについて

【杉山議員】
次に、次世代を担う子どもを、のびのび育てられる環境つくりなどについて伺います。
11月19日、館山さざなみ学校の40周年記念式典が行われたことに心からお祝い申し上げます。同僚が参加し、子どもたちが主人公でとても心温まる式典だったと聞きました。館山さざなみ学校に預けている私の知り合いも「はじめは心配だったけれども、今は電話もかけてこない」「表情が生き生きしている」など安心した声を寄せてくれています。一人一人に目が行き届き大事にされている少人数の教育環境だからこそ子どもたちの意欲を高め居心地の良い学校になっているのだと思います。
都教育委員会では小1問題、中1ギャップの予防解決として2010年度から教員加配による学級規模の縮小とティーム・ティーチングの活用、2011年度から小学校1学年、2012年度から小学校2学年、2013年度から中学校1学年で35人学級編成を可能とする教員加配を行っています。さらに、国は40年ぶりに学級編成の標準を改訂し5年かけて小学校を35人学級にすることを決定し今年度から始まりました。しかし、3年生以上は卒業まで40人学級のままであることを党区議団は指摘し、区が都に対して前倒しで実施することを求めるとともに大田区独自で予算をつけて実現することを求めてきました。
学ぶ権利を支え悩みに寄り添い、だれ一人取り残さない教育を実現しようとすれば少人数学級は最良の選択です。欧米を見れば20人程度の学級が当たり前です。そこで、お聞きします。
●区が都に対して「小学校を5年かけて」は不十分であり、前倒しして小学校の35人学級を早急に実現するよう求め、あわせて、体も大きくなり思春期で手厚い教育が必要な中学校も35人学級を早急に実現させるよう求めるべきです。また、予算編成の時だからこそ、予算に反映させ、区独自でも取組み実現すべきです。お答えください。

【小黒教育長】
「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」の一部改正により、令和7年度までに小学校の学級編制標準を段階的に40人から35人に引き下げることとされ、大田区においても今年度は区立小学校全校で第1学年から第3学年までが35人学級となっており、来年度も小学校第4学年までの35人学級編制に向け準備を進めております。
中学校につきましては、40人学級編制とされていますが、第1学年については、東京都教育委員会が定める学級編制基準により、35人学級を編制することができるとされていることから、現在、大部分の区立中学校において第1学年の35人学級編制を実施しております。
35人学級の導入につきましては、実施にあたり、教員や教室の確保等、環境整備面での課題があり、国においても段階的な導入が望ましいと判断されたものと認識しております。このため、引き続き法令の規定に基づいた、段階的な35人学級化を着実に進めてまいります。

【杉山議員】
また、少人数学級に欠かせない教員の確保は切実な問題です。11月22日読売新聞では、都内の公立小学校で、今年度当初で約50人だった教員の欠員が、夏休み明けに130人にまで増え、欠員が補充されない小学校では、校長ら管理職が教壇に立つなどしている、板橋区では、今年度初めてハローワークに求人を出したとの報道は衝撃でした。文部科学省の「教師不足に関する実態調査」では2021年5月時点の全国の学校に配当されている教員定数に達していない「教員不足」の状態は小学校979人、中学校で722人と発表しています。2000年の公立学校教員採用試験の倍率は13.3倍に対し、2021年の倍率は3.8倍と全国で教員志望者の数はこの20年間で大きく減少しています。
教員は労働者であり、教育の専門家です。授業の準備、子どもの理解や対応、教育活動の振り返り、教育者であり続けるための研究と人間的修養など、そうした教員の専門性の発揮にふさわしい働き方が必要です。
「教員不足」の解決は、教員の働き方の改善以外にありません。政府・文部科学省には必要な予算を投入し問題を解決する立場に立つことを求めます。日本共産党は、教員不足の緊急的な対応として、1 多すぎる業務量の削減、例えば初任者研修・年次研修を半分以下に、教職員評価制度の中止、部活動顧問の強要をなくし土・日の試合を減らす、2 直ちにできる教員増について、育児時間勤務のための代替え教員の配置、60歳以降も給与を100%支給、経験豊かな非正規教員の正規採用、3 ハラスメントのない働きやすい環境にする、生活と両立しない人事異動をやめる、4 教員不足を解消する同時の手立て、教育委員会事務局で働いている教員を教員不足の学校へ派遣するなどを提案しています。そこで、お聞きします。
●教員不足に対して、都教育委員会任せにせず、大田区があらゆる手立てをとることを求めます。お答えください。

【小黒教育長】
教員の人材確保は、教育において非常に重要な課題であり、国においても処遇改善や、志望者を増やすための方策について議論が行われております。
文部科学省は、教員採用試験を4月に前倒しで実施し、7月に合格発表する案を示しており、人材確保にむけた具体的な対応策の検討が進んでいます。
また、都においても、「社会の力活用事業」等の実施により、教員の負担軽減を図るとともに、教員免許状取得費用の補助等を通じて、教員となる人材の掘り起しを進めています。
本区におきましても関係機関と緊密な情報交換を行いつつ、区立小中学校に勤務する教員の人脈等も活用して、教員として活躍できる人材の発掘・確保に努めております。
また、区独自の制度に基づき、時間講師や、教員の事務作業を支援する教員支援員を任用する等して学びの充実につなげるとともに、教員の事務負担を軽減し、これまで以上に教育活動に専念できる環境を整備しております。
今後もあらゆる機会を通じて、新たな人材確保に努めてまいります。

【杉山議員】
次に、区立小・中学校、給食の無料化についてです。物価の高騰が止まらず、東京23区の物価指数は昨年の同時期と比べて3.6%上昇、40年7か月ぶりの高い水準です。これは、学校の給食献立にも大きく影響しています。国が行った緊急経済対策、「地方創生臨時交付金」の活用で大田区も補正予算を組みましたが、これは臨時的な措置です。
大田区の学校給食費は月額小学校1,2年生4,100円、3,4年生4,500円、5,6年生4,950円、中学生は5,350円と高額です。兄弟姉妹が複数いれば負担はさらに増えます。
7人に1人の子どもが貧困状態にあり、物価高騰の下で、学校給食費無料化の声はかつてなく広がっています。葛飾区でも来年4月から無料化が始まります。
しかし、区はこれまで学校給食費の無料化の提案について「就学援助や生活保護制度があるので所得の低い子ども達はこの活用を」と冷たい答弁です。
憲法26条が定める義務教育費の無償化を国の財源で実現する事は当然ですが、自治体が給食費を補助することを学校給食法は否定していないことを第3回定例会決算特別委員会の佐藤区議への答弁で明らかになりました。そこで伺います。
●党区議団の試算では、約19億円あれば実現できます。区は先の決算特別委員会で「実施については自治体の判断でできる」と答弁していますので速やかに区立小中学校の給食の無料化を実施することを求めます。お答えください。

【小黒教育長】
学校給食法では学校給食の実施に必要な設備、運営に要する経費は、学校設置者の負担とされ、それ以外の経費は、学校給食を受ける児童又は生徒の保護者の負担とすると明記されております。
教育委員会といたしましては、この法律に明記されている、基本的な考えに基づき判断し、実施しております。
なお、生活困難と認められる世帯の学校給食費につきましては、就学援助事業等により実質的な負担額が生じないよう支援を実施しているところです。
このため、給食費の無償化につきましては、実施する予定はありません。
教育委員会といたしましては、引き続き児童・生徒の心身の健全な発達に重要な学校給食の質の向上や、食育の更なる推進のため、取り組んでまいります。

【杉山議員】
次に保育の問題です。まず待機児童解消の問題です。
この3年間、コロナの影響もあり、毎年増加していた入所申し込み者数の減少がみられます。出生者数が大きく減り、仕事を辞めた人、育児休業の取得・延長を選択した人が増えた影響もあります。大田区は、国の数え方に基づいて「待機児童0」と公言していますが、2022年の認可保育園第1次申請に対する不承諾数=保留数はこども文教委員会への報告では1,000人以上です。待機児童問題を解決には、民間任せでなく公立保育所を増やすことで、解消をすることを求めます。また、保育の質確保や定着を図るには、低すぎる給与の引き上げが重要課題です。宿舎借り上げ制度の継続、保育士応援手当は削減でなく拡充すること、また、幼稚園教諭へも同等の支援を求めます。
さて、保育において何より命を守ることを優先すべきです。福岡県に続いて静岡県牧之原市の認定こども園で送迎バスに3歳児が置き去りにされて亡くなる痛ましい事故は絶対あってはならないことです。経営者のずさんさもありますが、国は事件後、安全管理の徹底通知を出し、通園バスに安全装置の義務付け、費用の一部負担など緊急対応を求めました。しかし、「子どもを安全に運べばよい」というだけでは解決になりません。子どもの命を守るために現場の多忙な状況を改善するための人員配置が必要です。
いま、保育士の配置基準について「子ども達にもう一人保育士を」の運動が11月23日の朝日新聞に掲載されました。例えば、1歳児は自我が芽生え一直線に自分の要求をぶつけてきます。1人ひとりの要求に応えるには子ども6人に保育士一人の配置では無理です。そこでお聞きします。
●実態に合った配置基準に国の基準を抜本的に引き上げることを求めるとともに、大田区独自に基準を引き上げることを求めます。お答えください。

【松原区長】
職員配置基準は、児童福祉法第45条により定められた、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」に規定されており、その基準に則り保育所等における児童の身体的、精神的及び社会的な発達のために必要な生活水準の確保を図っております。
私立認可保育園等については、子ども・子育て支援法の基準に則った基本額に加え、区は1歳児加算など基準を上回る職員配置について、区独自の加算を法外援護費として支給し、職員体制の充実を図っております。
区立保育園においては、医療的ケア児の受入れ等、子どもたちの状況を踏まえ、園運営に必要な職員を配置しております。
引き続き、職員配置基準につきましては、国や東京都の動向に注視するとともに、安心・安全な子どもたちの保育環境の確保に努めてまいります。

以  上

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