党区議団は第1回定例議会の本会議(3月27日)に、認可保育園10園建設(1園80人規模)を求めて予算組み替え提案を行いました。
今年の認可保育園の申し込み数3458人のうち、認可保育園に入れなかった不承諾数(一次)は1305人でした。
大田区は待機児童対策本部を設置し、2011年度から3年間で1000人の定員増を計画し、2012年度まで811人の定員増を実現しましたが、認可保育園に入れず認証保育所など認可外施設に入園した子どもを待機児童として数えないため、毎年、認可保育園に入れない多くの子どもが出ます。
認可保育園10園の建設費は16億円ですが、国・都の補助金が出ますので区の負担は3億2000万円で実現できます。また党区議団の質疑で、新空港線「蒲蒲線」への積立5億円の予算で「15~16の保育園ができる」と区は答弁しました。区民の声にこたえ、認可保育園10園の増設を求める組み替え提案をしました。
定例会に先立ち党区議団は3月8日、松原大田区長に対し、認可保育園入所に関する緊急申し入れを行いました(上記写真)。
父母が区へ異議申し立て
「生活が厳しく働かなければならないのに、子どもが保育園に入れなかった」などの理由で、認可保育園に入所できなかった14 人の父母たちが3月7日、松原大田区長に対して行政不服審査法にもとづいて異議申し立てを行い、マスコミにも大きく取り上げられました。大田区以外に杉並区や足立区、渋谷区でも行われました。
待機児ゼロへ父母と懇談
党区議団は異議申し立てをされた方々と、来年までとても待てない状況を打開するため懇談しました。保育園待機児解消は緊急の課題です。党区議団は引き続き、待機児ゼロのために全力を尽くします。
区民の願いが実現しました
- 保育園・児童館の耐震改修・津波対策
- 保育園、小・中学校給食食材等の放射能検査
- 小学1・2年に加え、中学1年も35人学級に
- 認可保育園3園の開設支援
- 子宮がん・乳がん検診の拡充
- 熱中症予防対策拡充
- 都市型軽費老人ホームの整備
- 地域密着型サービス施設整備費の助成
- 発達障害児(者)支援事業の拡充
- わかばの家の事業充実
- 住宅リフォーム助成制度の拡充
- (仮称)障がい者総合サポートセンターの建設
くらし・福祉削減の一方で、大規模開発に多額の税金投入
今年度だけでも区民のくらし・福祉を支えてきた事業が40以上・10億円削減されることになります。一方で、現在すすめようとしている大規模開発には多額の税金が投入される予定です。
新空港線「蒲蒲線」1080億円
総額1080億円で埼玉方面から羽田へ乗り入れ、区民の利便性向上にならない計画です。推進のため昨年度5億円、今年度5億円の合計10億円積み立てます。
蒲田・大森駅周辺再開発
京急蒲田・糀谷・雑色の3つの駅前再開発や、蒲田・大森駅周辺再開発をすすめようとしています。
京急蒲田駅西口215億円余
西口駅前再開発は総事業費215億7000万円のうち国費75億6000万円、区費70億6000万円です。
すでに東口に38億円余
東口駅前再開発は駅前広場をつくるため東京ガス跡地を38億円で購入しました。
糀谷駅193億円
糀谷駅前再開発は総事業費193億円のうち国費48億円、区費55億円です。
羽田空港跡地再開発300~400億円
中小企業の仕事づくりと国際展示場建設など、大型施設建設計画で土地代を含めると300~400億円の財政投入に。他党議員からも一自治体の仕事ではないと批判の声が上がっています。
自民・公明・民主・みんなの党などが国保料を値上げ!
今年度の国民健康保険料を改定する条例が第1回定例議会に提出され、自民・公明・民主・みんな・無所属が値上げに賛成し可決しました。
わずか3年の間に…(負担増世帯の例) | ||||
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年収・世帯例 | 年金収入 200万円 2人世帯 |
給与収入 200万円 2人世帯 |
給与収入 200万円 3人世帯 |
給与収入 300万円 3人世帯 |
2010年度 | 63,840 | 91,233 | 95,760 | 160,076 |
2012年度 | 74,319 | 122,226 | 115,414 | 231,399 |
2013年度 | 85,886 | 157,204 | 136,562 | 257,124 |
10年度との差 | 22,046 | 65,971 | 40,802 | 97,048 |
12年度との差 | 11,567 | 34,978 | 21,148 | 25,725 |
前年度の1.3倍 3年前の1.7倍以上の世帯も |
今回の値上げでは、一昨年に計算方式の改定により大幅な値上げとなることから激変緩和措置が実施されていましたが、それも縮小されるとともに、加入者全員が支払う均等割を値上げしました。
これらの結果、上の表のようにわずか3年の間に大幅な負担増となります。特に年金ぐらしの高齢者や低所得・多人数世帯に負担が重くのしかかる内容です。
さらに介護保険料も値上げされ区民のくらしをさらに困難にしています。
国保料が払えず、医療が受けられない―――これでは命にかかわります。いま政治がやるべきは負担の軽減です。これらの値上げのおおもとになる国の社会保障切り捨て政策をやめさせ、負担軽減にふみだすべきです。
( )内は会派の議員数 ○は賛成、×は反対 |
自民(16) | 公明(12) | 共産(9) | 民主(6) | ネット(2) | みんな(2) | 無所属(1) | 緑の党(1) |
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国保料値上げ条例に対する各会派の態度 | ○ | ○ | × | ○ | × | ○ | ○ | × |
今年度の国保料通知は6月12日に発送されます
海外親善訪問調査 議員1人あたり88万6710円
2013年2月4日から10日まで、5泊7日親善訪問調査という名目で海外視察を7人の議員(自民6人、民主1人)で行いました。調査の目的は「街の実情をみてくる」「親善都市の可能性を探る」でした。調査項目は下表の通りで、写真の3つのホテルに派遣議員が宿泊しました。
日本共産党区議団は「友好都市との交流促進に反対するものではありません。東日本大震災のあと、福島県内だけで未だに16万人を超える避難者があり、民主・自民・公明政権の国保の値上げなど、相次ぐ増税と負担増によって、区民生活はいっそう深刻になっています。税収減で区民施策が削減される中で、区議会議員が多額の公費を使って行う親善訪問調査は、区民の目線からとても理解が得られません」と反対し、中止を求めました。
新年度予算にも、この親善訪問調査の予算が計上されており、党区議団は予算特別委員会で、区議会議員の親善訪問調査予算の減額を含んだ予算組み替えの提案をしましたが、質疑はなしで、党区議団以外の賛同はなく否決されました。
《派遣議員》 田中 一吉 伊藤 和弘 押見 隆太 鈴木 隆之 海老沢圭介 長野 元祐(以上自民) 森 愛(民主) |
区民から出された陳情18件を自・公・民が不採択
第1回定例会では区民から出された18件の陳情が不採択になりました。
国保料値上げの激変緩和措置の継続などを求めた国民健康保険料に関する陳情や、生活保護基準の引き下げをしないことを国への意見書提出を求める陳情、消費税の増税実施に反対する意見書提出を求める陳情などは、自民、公明、民主などが反対したため不採択となりました。
陳情に対する各会派の態度 ( )内は会派の議員数 ○は賛成、×は反対 |
結果 | 自民(16) | 公明(12) | 共産(9) | 民主(6) | ネット(2) | みんな(2) | 無所属(1) | 緑の党(1) |
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陳情の審査除外基準を見直すことを求める陳情 | 不採択 | × | × | ○ | ○1 ×5 |
○ | × | ○ | ○ |
池上本門寺周辺の寺町の歴史的景観と環境を守るための陳情 | 不採択 | × | × | ○ | ×5 棄1 |
○ | × | × | ○ |
平和島駅と駅周辺の改善にむけての陳情 | 不採択 | × | × | ○ | × | × | × | × | ○ |
国民健康保険料に関する陳情(6 件) | 不採択 | × | × | ○ | × | ○ | × | × | ○ |
区議会として「消費税の増税実施に反対する意見書」の提出を求める請願(2 件) | 不採択 | × | × | ○ | × | ○ | × | × | ○ |
生活保護基準の引き下げを実施しないことを求める意見書提出に関する陳情 | 不採択 | × | × | ○ | × | ○ | × | × | ○ |
東京税関萩中住宅の跡地を、大田区が購入して、区民施設の設置を求める陳情 | 不採択 | × | × | ○ | × | ○ | × | × | × |
大森ふるさとの浜辺公園内の自然エネルギー発電機の展示説明板の改善を要求する陳情 | 不採択 | × | × | ○ | × | ○ | × | × | × |
臨海斎場へのシャトルバスの運行を求める陳情 | 不採択 | × | × | ○ | × | × | × | × | × |
民家防音工事空気調和機器工事に関する陳情 | 不採択 | × | × | ○ | × | × | × | × | × |
精神障がい者の障がい等級による受け取る年金額の差に関する陳情 | 不採択 | × | × | ○8 棄1 |
× | × | × | × | × |
区民アンケート結果報告
党区議団は昨年12月から2012年度区民アンケートを実施しました。頂いたご意見は第1回定例会でも取り上げましたが、引き続き今後の議会でも取り上げ、区政に反映させます。
実施概要
- 実施時期:2012年12月~2013年3月
- 配布方法:全戸配布・新聞折込・インターネット
- 有効回答数:2,766(3月末まで)※4月以降の到着分も拝見しています。
集計結果は大田区議団ニュース2013年6月号(No.236)の4ページをご覧ください。