第3回定例会代表質問(速報)―和田議員


9月19日に行われた代表質問と答弁の内容を掲載します。
*答弁は質問順序に沿って修正をしています。

【和田議員】
日本共産党区議団を代表して質問します。
尖閣諸島をめぐる問題で、中国各地で日本人や企業に対して暴力行為や破壊活動が行われているとの報道がされています。尖閣諸島は、歴史的にも国際法上も日本の領土であることは明白です。このことを政府が粘り強く国際社会に発信するとともに、中国に対しても理をつくして説明し、緊張を高めるような行為に対して自制を促す粘り強い交渉を行うべきです。
9月8日に通常国会が閉会しました。民主党野田内閣の1年間は、消費税増税、原発再稼働、TTP参加、オスプレイ配備など公約違反と強行の連続でした。消費税増税は国民の過半数が反対しているにもかかわらず、民主、自民、公明の3党が談合し、数の力で押し切ったものです。公共事業にも使うなど「社会保障のため」という口実も崩れています。
法案を成立させた後で国民の信を問うなどというのは、まさに本末転倒、国民をばかにしたやり方です。
生活必需品を含めほとんどの商品やサービスが対象になり、所得の少ない層ほど重い負担に苦しめられます。
家計をさらに冷え込ませ、景気の悪化、税収減、財政危機と日本経済の崩壊へ、消費税大増税を強行した民主、自民、公明3党の責任は重大です。
消費税増税に国民が納得していないことは、法案成立後の世論調査からも明らかなようにどの調査でも反対が多数になっています。
さらに、消費税の増税が「暮らしに影響する」と答えた人が、「大いに影響」47%、「ある程度影響」45%合わせて92%にも達しています。消費税の増税が国民の暮らしに深刻な影響を及ぼすことがはっきりしています。
●区内の商店街や中小企業からは「これ以上消費税が増税されたらもう商売はやっていけない」と悲痛な声が上がっています。区長はこの区民の声をどのように受け止めますか。お答えください。
【松原区長】
和田議員の代表質問に順次お答えをさせていただきたいと思います。
なお、答弁に一部順序が狂いますのでお許しいただきたいと思います。
まず、消費税増税についてのご質問でございますが、ご指摘の消費税につきましては今年の8月10日に法律が成立し2014年4月に8%、2015年10月に10%へと、段階的に税率の引上げを行うとされております。
同法では、低所得者に配慮する観点から、暫定的・臨時的な措置として、現金支給を行う簡素な給付措置を、さらに特定品目の税率を低くする複数税率の導入および、現金給付と所得税減税を組み合わせる給付付き税額控除といった施策の導入を検討するものとされております。
また、国においては、消費税増税などの税制の改革にあわせて、社会保障制度の改革も一体的に進められており、一定の要件を満たすパートなどの短期労働者へ、社会保険の適用を拡大することや、年金の受給資格期間の短縮、国民健康保険や介護保険について低所得者の保険料負担を軽減していくことなど、きめ細かな低所得者対策に取り組んでいくとしております。
国によります、このような対策の具体化により、国民生活への影響に一定の配慮がされるものと理解しております。今後も引き続き、国の動向を注視してまいりたいと思います。なお、今回の社会保障と税の一体改革は社会構造の大きな変化に起因するものと理解しております。
わが国の高齢化率は2060年には人口の約4割が65歳以上の高齢者という超高齢社会が予想されております。
こうした背景もあり消費税の増額が決定されたわけでございますが、区民が住み慣れた地域で安心して暮らすために、今後も、区としましても、社会状況の変化に柔軟に対応し、区内産業の活性化を図ってまいりたいという風に考えております。

【和田議員】
「原発をなくそう」という国民の声も大きくなる一方です。毎週金曜日の夕方には首相官邸を包囲して「原発なくせ」の声を届けています。官邸前抗議行動に呼応して、全国各地で取り組まれるようになり、11月11日には「原発即ゼロ」の100万人規模の行動が予定されています。
さらにTTP参加に反対する「ストップTPP!!官邸前アクション」も始まり、9月9日には米軍の垂直離着陸機オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会が開かれ10万人を超えました。
国民の声に背を向けて数の力で強引に押し通す民主党政権に対して全国から怒りの声が上がっています。1日も早く解散総選挙で国民の信を問うべきです。
いま自民党の総裁選、民主党の代表選が行われていますが、だれが選ばれても、アメリカ言いなり、大企業優先の2つの異常から抜け出さない限り政治は変わりません。
民主も自民もダメという国民感情の中で、民主・自民に代わる第三極としてマスコミが持ち上げている「日本維新の会」が結党宣言しました。維新八策には新しいものは何もなく、小泉元首相が進めて国民に退場の審判を受けた新自由主義の弱肉強食の政策であり、「思想調査」や「君が代」強制、平和憲法の改悪など強権独裁政治を全国に広げようとする危険な内容です。
日本共産党は、このような流れと正面から対決し、国民のくらし、平和、民主主義を守るために全力を尽くします。

2011年度決算と第2次補正予算について

【和田議員】
〈2011年度決算と第2次補正予算について〉質問します。
2011年度(平成23年度)一般会計は、歳入決算額は2331億円余、歳出決算額は2281億円余で、歳入歳出差引額は49億円余となり、翌年度へ繰り越す財源を差し引いた実質収支額は47億円余となりました。
昨年の3・11東日本大震災は死者、行方不明者およそ2万人という大きな被害をもたらしました。原発事故は全国に放射能の恐怖を与え、福島県民は今も16万人が避難生活を余儀なくされています。
大田区は大震災直後から「被災地支援本部」を設置し、「大田区被災地支援ボランティア調整センター」を立ち上げ、東松島市へ物心両面の支援を行ってきました。日本共産党区議団は、震災直後から7回にわたり被災地への支援対策や区民の命と財産を守るための申し入れを行ってきた立場からも評価しています。
党区議団は、2011年度予算について、待機児童対策で保育園の増設や防災のための耐震診断・改修助成制度、中小企業支援の新製品・新技術開発事業の実用化・製品化助成など区民の声にこたえたものがありましたが、いま区民の暮らしや営業は厳しくなる一方なのに①財政が厳しいと5%のマイナスシーリングで編成したこと ②一方で蒲田駅・大森駅周辺グランドデザインや京急蒲田駅、糀谷駅、雑色駅の駅前再開発、新空港線蒲蒲線の整備促進事業などの大規模開発は調査などの予算が計上されていること ③経費削減のために職員削減と民間委託、指定管理者制度導入を進めることなど、財政が厳しいからと区民施策は切り捨てる一方で大型開発は推進する、さらにアウトソーシングで自ら官製ワーキングプアをうみだし、税収減の悪循環を作る予算であることを指摘しました。
今決算は指摘したとおりになっています。
防災対策の強化が言われている中、障害者・高齢者世帯への火災警報器給付事業の廃止、ひとり暮らし高齢者支援事業として行っていた入浴券、理容・美容補助券が縮小されました。ふれあい入浴券事業はいきいき入浴券事業に移行しましたが、今年度には枚数が減らされ、自己負担が増え、使い方も1か月3回までと制限されるなど後退しています。
東日本大震災を経験した年であったにもかかわらず、障害者や高齢者世帯への家具転倒防止器具の支給は800件、590万円の予算に対して実績は134件、175万円、443万円の不用額、区民の健康を守る基本健康診査は5億1354万円余の予算だったのに実績は、4億9128万円、2226万円の不用額をだしています。特にがん検診は、ある医療機関で予約受付開始日には長蛇の列で「並んでも受けられるかわかりませんよ」と言われ、少し遅れたら「もう終わりです」と言われたなど、予算規模そのものが実態に合っていません。
また、大田区は学識経験者や自治会役員、民生委員、公募区民などによる事務事業外部評価を行っています。大田区版事業仕分けです。2011年度はその結果に基づいて事業の見直しを始めた年度でした。公衆浴場組合への補助、福祉電話貸与などが廃止・縮小され、こども発達センターわかばの家が一部民間委託になりました。
昨年度は小事業で開始後おおむね10年を経過した事業が対象で、24事業が選定され外部評価された結果、住み替え家賃助成、母子栄養食品支給、住宅修築資金融資事務などが廃止・縮小されました。
今年度は補助金等事業を中心に奨学金、館山さざなみ学校、老人クラブ運営助成、新製品・新技術支援事業、商店街活性化推進事業など12事業が外部評価されました。廃止・縮小ありきの外部評価はやめるべきです。
当初約148億円不足するといっていた財政は5%のマイナスシーリングと歳入の増を図り執行した結果、財政基金は当初68億円を取り崩す予定でしたが、30億円の取り崩し、年度末で10億円を積み立て、結果的には20億円の取り崩しで済んでいます。
決算から見て、5%のマイナスシーリングで区民の福祉切り捨てを行うべきではありませんでした。
●2011年度の決算は、5%マイナスシーリングの切り詰めた予算編成で区民施策を切り捨て、さらに執行する中で、実質収支額47億3056万円を使い残すという2重の暮らし、福祉切り捨てで区民への痛みを押し付けた決算だったのではないでしょうか。お答えください。
【松原区長】
次に平成23年度決算についてのご質問をいただきました。平成23年度予算編成においては、一般財源で5%シーリングの上限を設け、限られた財源を活かし、効率的・効果的な予算編成を目指しました。社会保障関係経費の増大と基幹財源の減少という厳しい財政状況の中でも、区民経済と区民生活に必要不可欠な行政サービスを安定的、継続的に提供したいと考え、東日本大震災の教訓を踏まえた総合防災力の強化につながる事業などにも積極的に取り組み、区民生活の安心・安全を、常に念頭において取り組んでまいりました。
また、決算においては、歳出の執行率は96.54%と前年度の95.73%を0.81ポイント上回っており、不用額も平成23年度は79億円と、前年度の88億円を9億円、縮減をしております。
これらの成果は、各部局が予算編成段階での見積もりの精度を高めたことと、予算で見込んだ事業目標の達成に努めた結果と捉えているところでございます。

【和田議員】
基金と区債の関係でも2001年度に200億円だった基金が2011年度には954億円へ、同じく1,256億円だった区債は508億円になりました。この10年間で基金積み立てと区債返済に1,500億円、平均して毎年150億円の税金が直接区民施策にではなく基金積み立てと区債の返済にまわされてきたことになります。
区の財政が健全でも区民の暮らしが不健全では「住民の福祉の向上」という自治体本来の役割を果たしたことにはなりません。
大田区は、「区民サービスの向上とコストの縮減を図る」として、指定管理者制度の導入、民間委託、民営化などアウトソーシングを進めてきました。
指定管理者制度を導入した施設は今年の4月1日現在で119カ所、民間委託や民営化の委託事業は毎年度10,000件を超えています。
区民サービスの向上を掲げたにもかかわらず、利用者満足度が20%台、40%台の施設が出ているなど区民ニーズに応えているとは言えません。
問題は、委託先の職員が不安定雇用や低賃金などで働いていることです。まじめに働いても生活が苦しいという官製ワーキングプアを区が自ら生み出しているのです。離職率が高く、区民へのサービス低下につながります。
社会保障の改悪と負担増、雇用破壊ではますます景気が悪化し、税収減の財政難という悪循環から抜けだせません。
今こそ循環型の地域経済活性化で税収を増やす税金の使い方こそ求められているのではないでしょうか。
●雇用の安定と拡大をはかり、好循環の地域経済を実現するためにも、指定管理者制度や民間委託などのアウトソーシングはやめるべきです。そして「雇用するなら正規の職員で」となるよう非正規職員を正規職員に代えるべきです。お答えください。
【松原区長】
次に、指定管理者制度や民間委託についてのご質問をいただきました。
高度化、複雑化する区民の期待に、適切に応えるためには民間委託や指定管理者制度など、事務事業のアウトソーシングにより、民間事業者の保有する豊富な人材や、ノウハウを積極的に区政に活用することが重要であると考えております。
区は民間委託や指定管理者の募集にあたりまして、従業員の就労環境や労働条件を適正に確保するために、応募事業者に対し、労働基準法や最低賃金法など、関連法令を遵守するよう求めております。
今後も、区民の多様なニーズに適切に応えるため、民間委託や指定管理者制度の適切な運用に努めてまいります。
続きまして、非正織員を正規職員に代えるべきとのご質問ですが、効率化・迅速化が見込まれる業務においては多様な任用形態を活用し、より効率的な執行体制の整備に取り組んできたところであります。
今後も最少の経費で最大の効果をあげることを目指し、真に職員が担うべき役割を見極め、区全体の事務事業の質と効率性の向上を図るとともに、よりよい区民サービスが提供できるよう、努めてまいります。
さらに、限られた行政資源を最適に配分する取り組みが不可欠であることから、アウトソーシングなどの見直しで確保した人員を、より優先度の高い施策に振り向けていくとともに、業務量に見合った適正な職員配置に努めてまいりたいと思います。

【和田議員】
一般会計第2次補正予算案には、保育園や小中学校、特別支援学校の給食の放射性物質検査業務委託としてそれぞれ57万2千円、75万8千円が計上されています。「放射能から子どもを守りたい」という強い保護者の願いに応えたものであり、党区議団も要望してきたもので評価します。
また、商店街活性化推進事業としてプレミアム付き商品券の発行、4,940万円が計上され、不況のなかでご苦労されている商店街支援として評価できます。
しかし、区の責任で行うべき、子ども家庭支援センターのファミリーサポートセンター事業の民間委託準備経費として233万4千円、おなじく保育事業の民間委託準備経費に341万1千円、オリンピックを名目にして巨大開発を進めようとするオリンピック・パラリンピック東京招致気運醸成事業に1千万円、住民合意も図られず、不要不急の糀谷駅前の再開発に2億2409万円余の予算計上には賛成できません。
さらに、新空港線整備資金積立基金を設置し、新規積立5億円が計上されました。もともと蒲蒲線構想はJR蒲田と京急蒲田間の利便性を求めた区民の声として出されたはずでしたが、現在は副都心線や東武東上線、西武池袋線方面に便利になるとした広域交通が目的になっています。整備促進の経過を見ても大田区だけでも7回の整備調査を行い、25年近く検討しても実現しなかった事業です。
●新空港線整備事業は区民合意もされていないうえに事業の採算性や区内の地域経済の活性化の保証もないまま見切り発車的に基金を設置することは認められません。新規積立の5億円をはじめ、ファミリーサポートセンター・保育事業の民間委託、オリンピック招致気運醸成事業、糀谷駅前再開発はやめて、ものづくり経営革新緊急支援事業などの中小企業支援や介護従事者の処遇改善など区民生活と営業を直接支援する施策に使うべきではないでしょうか。お答えください。
【松原区長】
次に、補正予算に関するご質問をいただきました。
区民生活の支援は、中小企業支援や介護従事者の処遇改善などの直接的なものだけでないと考えております。
区の実施するまちづくり事業などは、地域の住環境の改善や防災力の強化にもつながるものであり、公共事業によって、新たな雇用や需要を創出し、区内経済を下支えするという効果も期待できるところであります。
委託による民間の力の活用は「大田区アウトソーシング指針」により進めているものでございます。スポーツ振興については、本年6月に行った「スポーツ健康都市宣言」など、大田区の施策にふさわしい事業として取り組むもので、それぞれ必要な事業と考えております。
今後も厳しい財政状況が見込まれておりますが、財源確保にも着実に取り組みながら、福祉や教育、産業振興、都市基盤整備などをバランスよく推進し、区政の舵取りを担ってまいりたいと思います。

循環型の地域経済の振興を

【和田議員】
次に〈循環型の地域経済の振興について〉です。
東京都が公表した「国際戦略総合特別区域計画」は東京に多国籍企業を誘致するために金融、財政などの更なる支援を行っていこうというものです。
国会では、外需頼み、多国籍企業誘致という新たな大企業本位の経済政策の一つとして「特定多国籍企業による研究開発事業等の促進に関する特別措置法」を成立させましたが、誘致が成功する保証はありません。
内閣府の経済社会総合研究所のデータでは、企業が海外展開する理由は需要があるが49・4%で一位、人件費が安いが19・4%、現地政府が法人税率の優遇措置や産業育成政策があるなどは0・0%です。
これまでにも、日本を拠点としたグローバル事業展開や国内雇用の創出などの効果を期待して「アジア拠点化立地推進事業費補助金」を企業立地にかかる費用の一部を補助してきました。しかし、2002年から地方の企業誘致の補助金200億円の資金を出したにもかかわらず、企業の撤退、縮小が23件、数千人もの失業者を出すという結果になっています。
企業を支援して様々な恩典を与えながら、雇用の拡大につながらない、損失を出しても全部国民の税金で負担する、誰も責任をとらないやり方はもうやめるべきです。
大田区が提案している産業交流施設を利用するだろうと見込んでいる企業は具体的にあるのでしょうか。建設はしたけれど利用されないでは東京都の臨海開発の二の舞になります。
特区認定がされても、上下水道や海老取川の護岸整備は開発者負担とされているなど、土地取得に約200億円、基盤整備に約100億円、施設整備に約200億円、合計500億円、さらに維持管理費と多額な財政支出が必要になります。区が進める大規模開発はこれだけでなく、総工費1080億円の新空港線蒲蒲線、京急蒲田、糀谷、雑色駅前の再開発、蒲田駅・大森駅周辺グランドデザインなど目白押しです。不要不急の大規模開発はやめるべきです。
●大田区が進める空港跡地整備事業は、区の将来に巨額の財政負担となって将来の区民にも大きな負担を負わせることになります。現在の区民の暮らしに照らしても中止すべきです。お答えください。
【松原区長】
次に、空港跡地の事業を中止すべきであるとのご指摘でございますが、空港跡地につきましては、戦後の48時間以内の強制退去などの歴史的な経緯があり、また国際化され、世界に開かれた日本の空の玄関口である羽田空港に隣接する貴重な土地でありますので、国際都市おおたの実現とともに、国内はもとより海外を視野に入れた広域的な視点からも有効に活用したいと考えております。
このため、活力ある地域経済の源泉であり、次世代産業を支えております、ものづくり中小企業の集積を維持・強化し、地域の活性化と日本の国際競争力の向上に寄与する産業交蓮の拠点形成を目指しているところでございます。
東京都や国と連携し、国際戦略総合特区制度をはじめ、交付金・補助金制度を活用するなど、区財政への影響に十分留意しながら事業を進めてまいります。

【和田議員】
大田区を持続可能な好循環型の地域経済にしていくためには、区内の中小企業が、大企業に依拠する部品加工から自立型の自己製品を生産し、地域内で仕事とお金を循環することができる仕組みを作ることです。
東日本大震災での福島第1原発事故の後、全国各地で太陽光や風力、水力、地熱、バイオマスなどの再生可能自然エネルギーの開発・実施に取り組んでいることがマスコミでも紹介されています。
区内中小企業がこの新分野をはじめ、補正予算でも組まれましたが、医療や介護などの分野で存分に集積技術を発揮し、仕事を増やすために区がこれまでにも行ってきた受発注商談会や研究開発マッチングなどの支援をもっと大胆に行うことが求められています。
大阪市が10年前から「ビジネスチャンス倍増プロジェクト」として取り組んでいるものづくり企業の「技術マッチング!販路拡大!」は、マッチングナビゲーターが企業を訪問し、情報交換をしてマッチング成立させるやり方で、この10年間で受注総額が約101億円、ものづくり企業訪問件数3831社、マッチング活動回数7079回という多くの成果が生まれています。
●区がやるべきことは、大企業本位、外需頼みの「国際戦略総合特別区域計画」に便乗するのではなく、区内中小企業の技術開発や販路拡大などの支援をもっと大規模に行って、仕事づくりをすることです。こうした方向こそ好循環をつくりだす真に待ち望まれる中小企業対策ではないでしょうか。お答えください。
【松原区長】
次に、特区よりも区内中小企業の技術開発や販路拡大などの支援をすべきというご質問でございますが、区内中小企業の技術開発や販路拡大のための支援は、現状でも、大田区及び公益財団法人大田区産業振興協会において、受発注相談や商談会、国内外の展示会出展、新製品・新技術開発助成やコンク一ルの実施などの支援を積極的に進めております。
さらに、国際戦略総合特区でエリア指定を受けている羽田空港跡地に整備を想定しております産業交流施設においても、再国際化した羽田空港の隣接性や、大田区産業の競争力の源泉となる中小企業のものづくり基盤技術の集積を活かすために、国内をはじめ、海外の高付加価値型の企業、研究機関との交流・連携を図っていく考えでございます。
これらを通じて、新市場・新技術が創造されることにより、区内中小企業の販路拡大につながるものと考えております。

新たな被害想定と防災対策・原発について

【和田議員】
次に〈新たな被害想定と防災対策・原発について〉質問します。
8月29日、政府が発表した南海トラフ巨大地震による人的被害、最大で32万3000人が死亡するという数字は私たちに大きな衝撃を与えました。
最悪の死者が出るとみられるのは、①冬の深夜で多くの人が寝静まっている②秒速8メートルの風が吹いている③東海地方を中心に被害を及ぼすタイプの地震が発生する―などの条件が重なった場合で津波で23万人、建物倒壊で8万2000人がなくなるとしています。仮に堤防や水門が地震によって機能しない場合を試算すると、津波による犠牲者はさらに2万3000人増える恐れがあるといいます。
ただ、全員が地震後すぐに避難を開始したり、建物の耐震化率を100%にしたりといった最大限の対策を講じれば、犠牲者は6万1000人にまで抑えられるとみています。
また、東京都が4月に発表した東京湾北部地震の被害想定で、大田区は最悪の場合死者が1073人、全壊棟数が1万1108棟、避難者数は36万4824人と都内の区市町村で最大の被害地になっています。
防災対策の基本は予防です。地震による災害を未然に防止し、被害を最小限に食い止めるために木造密集地域の解消や建築物の耐震化が重要です。
12日に公表された東京都の地域防災計画の修正素案は、基本理念として都民の自己責任を第1にあげ、都の責任と役割をあいまいにしている。被害想定が最悪を想定したものになっていない。木造住宅の耐震化、不燃化は遅れているにもかかわらず、位置づけが弱い。原発事故対策は放射能から都民の命と健康を守る立場に欠けているなど不十分な点や問題があります。大田区の防災担当者も「減災目標も地域住民に頼った感がある」と指摘しています。建物の耐震化や不燃化は個々の努力だけでは解決できない問題です。
区民施設とりわけ子どもたちが毎日生活する保育園や児童館、高齢者の福祉施設などの耐震化は待ったなしです。
●新たな被害想定に基づいて、耐震補強が必要な施設、特に子どもや障害者、高齢者等災害時要援護者の施設は最優先に耐震化計画をつくり実施すべきです。お答えください。
【松原区長】
次に、都の新たな被害想定に基づき、福祉施設等に優先的に耐震化計画を策定し実施すべきとのお尋ねでございますが、大田区が保有し管理する旧耐震の公共建築物について、平成22年度に耐震診断を完了しました。
この耐震診断結果に基づき、改築や耐震補強が必要な施設において、順次設計及び工事を進めております。
また、東京都から新たな被害想定が示されたところですが、耐震基準等の具体的な見直しについては、示されていないところでございます。
大田区といたしましては、国や都の動向を見極めながら、今後とも耐震化を進めてまいりたいと考えております。

【和田議員】
発災時の震災対応を万全にすることも重要です。文京区では全国で初めて、発災時の妊産婦専用避難所を整備するそうです。区内の大学と協定を結び、妊産婦や乳児の受け入れを要請し、助産師会から妊婦等支援班の派遣を受けます。緊急の分娩などについては、区内の大学病院などの協力を得て対応をしたいということです。
ほとんどの自治体は、高齢者や障害者などを「災害時要援護者」として名簿化を進めていますが、妊産婦はこの対象から外れるけれども発災時に最も生命の危機にさらされるため、特別に対応することを決めたとのことです。
区議団が行った障害者団体との懇談では、聴覚障害、視覚障害など障害によって地震や被害の情報を得る方法も支援の方法も違うことが話されました。
●災害時要援護者に対して現状の把握、災害時の情報伝達、避難の方法、外出時の帰宅支援、避難場所の確保、必要な福祉・医療の提供など妊産婦も含めた災害時要援護者に対しての支援計画をつくり周知徹底することが求められます。お答えください。
【松原区長】
次に、災害時要援護者に対する支援に関するご質問でございますが、区では、現在、災害時要援護者名簿を作成して毎年更新を行い、災害時要援護者の把握に努めております。これらは、民生委員を中心に見守り活動にも活用していただいております。また、災害時の情報伝達については、防災行政無線や大田区ホームページ、安全・安心メールサービス等を活用して情報を提供していくことになります。
このような情報提供を含め、災害時要援護者の支援につきましては、現在、関係各課で検討しているところでございます。

【和田議員】
東日本大震災による東京電力の福島原発事故は、日本と世界に放射能の恐怖をもたらしました。御前崎市にある「中部電力浜岡原発」付近の津波高は最大19メートルとされました。同社が想定した約10メートルや、建設中の防波壁の高さ18メートルを上回ります。
南海トラフ地震は浜岡原発の真下で発生し、同原発は震度7の揺れに見舞われ、地震とほぼ同時に津波が襲ってくるとみられます。福島第1原発のように運転中の原子炉があればもちろんですが、現在の全基停止状態でも、安全が確保できる保証はありません。
●「即原発ゼロ」は多くの国民の願いですが、区長は大田区民の命を守るために「原発ゼロ」の立場に立ち、政府と電力会社に対して、とりわけ大田区に近い「浜岡原発」と「東海第2原発」の全基廃炉を直ちに決断することと原発の地震と津波対策の強化を求めてください。お答えください。
【松原区長】
次に、原子力発電所の廃炉および、地震と津波対策の強化を国に求めることについてのご質問でございますが、国のエネルギー・環境会議が、この9月14日に発表した「革新的エネルギー・環境戦略」においては、グリーンエネルギーを最大限に引き上げることを通じて、原子力発電所への依存度を減らし、化石燃料依存度を抑制することを基本方針とすると明示する一方、わが国のエネルギー構成のあり方は、国際的なエネルギー情勢や、技術開発の動向などによって大きく左右されてきたが、国際的なエネルギー情勢を、将来に渡って見通すことは極めて困難とし、エネルギー戦略を構築するにあたっては、謙虚な姿勢で臨み、状況に応じて柔軟に対応する考えを示しております。
当区といたしましても、今後の原子力エネルギーのあり方につきましては、区民の皆様の健康を守ることは当然のこととして、一方で、区民生活や中小企業を始めとした、区内企業の経済活動に与える影響を考慮し、国のエネルギー政策を策定する中で議論、検討されるべきものと考えております。
また、地震と津波対策の強化につきましても、現在、国で計画的に取り組んでおりますので、引き続き、注意して見守ってまいりたいという風に思っております。

子どもの特牲に合わせた支援ができる特別支援教育を

【和田議員】
次に〈子どもの特性に合わせた支援ができる特別支援教育を〉です。
「うちの子はほかの子と比べて手がかかる、育てにくい」「学校で落ち着きがないといわれた」「クラスにパニックを起こす子どもがいる」などの声がよく聞かれるようになりました。日本共産党区議団は、7月に「発達障害ってなに?」と題して学習会を持ちました。幸いに医師会のご協力も得られ、臨床心理士を講師に迎え大変有意義な学習会でした。
参加者は、教職員、保育士、子育て中の父母、孫のことで気になる人など様々でしたが、幼児期と学童期のかかわり方も具体的なお話で「とても参考になった」「タイムリーな企画でよかった」「継続的に学習会を企画してほしい」など好評でした。
発達障害の診断に関しては、必ずしも「ちょっと気になる子ども」すべてに診断名がつくものではないこと。診断の有無にかかわらず「ちょっと気がかり」な様子を見せる子どもに適切な支援を行うことが大事だということです。
2007年度から特別支援教育が実施され、通常学級に在籍する発達障害の子どもも対象になり、個々の教育的ニーズを把握し、持てる力を高め生活や学習上の困難の改善のため適切な支援、指導を行う。教育機関は行政機関と連携をとり、発達障害児、・者に向けた支援を行うこととなっています。
知人の子どもさんは小学1年生ですが、保育園に在園中から発達障害と診断され療育機関にも通っていました。就学前の検診で教育センターに相談をするようにいわれ、相談した結果、通常学級に通っています。保護者が「支援員をお願いしたい」と要望しましたが、子どもさんの特性が比較的おとなしく、多動性、衝動性ではなかったために、学級崩壊にならないからという理由で保護者の願いは聞き入れられませんでした。
担当課長は「支援員は学級崩壊になる様な時にクラスに配置するもので、個人につくものではない」と言っていますが、必要なのはその児童個人への支援なのです。
1学期は、登校することを嫌がる子どもさんを何とか登校させようと家族みんなで大変ご苦労をされたようです。精神的に追い詰められたのか子どもさんは、食べれない、眠れないなど心身に影響が出てしまいました。適切な支援を必要としているのにされていなかったのです。
支援を必要な児童が多いので、保護者の間では「各学校に通級学級を開設して欲しい」という声も上がっています。
●発達障害の個々の子どもの成長と自立を促す教育のために、個々の発達の特性を見極め、通級学級の活用や支援員による補助などその子にあった支援の拡充を求めます。お答えください。
【松原区長】
次に、5歳児健康診査の実施を、とのご要望でございますが、発達障害の早期発見・早期支援を目的とした5歳児健康診査は、通常の健診体制とは全く異なり、保護者が社会性発達や行動統制力が弱い子であることを気づく場であり、小児神経科医が、診察の場で発達に関する詳細な問診や集団生活での子どもの様子など、充分に確認するため時間を要します。さらに、保健部門だけではなく、保育や教育部門のスタッフによる事後の相談体制を整える事が重要となります。
現在、発達上、気になるお子様の場合は、乳幼児発達健康診査を紹介し、小児神経科医と心理職による診察・面接相談を行ない、子どもに合わせた育児指導および経過観察の上、専門医療機関や療育機関をご紹介しております。
1歳6か月児および3歳児健康診査においては、精神発達に関する問診内容の工夫により、早期発見に努めております。
乳幼児発達健康診査では、今後も関係機関とのネットワーク強化に努めてまいります。
5歳児健康診査の実施につきましては、多くの専門医の確保や療育機関の充実など課題が多いため、困難と考えております。
【清水教育長】
それでは私からは、特別支援教育に関する質問にお答えします。
発達障害の子どもの状態に合わせた支援をすべきだというお尋ねでございますが、小・中学校の学校特別支援員は、現在小学校106人、中学校33人でございますが、子どもの学習状況に応じて、学習活動上のサポートを行うほか、日常生活動作を介助するなど、それぞれの子どもの特性に合わせた適切な支援を行うために配置しております。
今後も支援員を効果的に活用することで、障害のある子どもの成長と自立を促進するための支援を推進してまいります。

【和田議員】
発達障害の早期発見・早期支援に向けて葛飾区は、今年度5歳児を対象に保育園と連携して「5歳児健康診査モデル事業」を実施しました。
1歳6か月や3歳の乳幼児健診では発見しにくい現状と、2002年に文部科学省が行った調査では、小中学校の通常学級の児童・生徒の6・3%が「学習面か行動面で著しい困難がある」としている状況から、今回のモデル事業を取り組むことになったそうです。「就学の1年前に行うことで、児童に1番ふさわしい学校を選ぶことができる」とのことです。
現在、大田区では5歳児健診は行われていません。
区はこれまでの未就学児を対象にした発達相談窓口・療育の場に加え、就学後の相談窓口を設置することになりました。このことは大きな前進です。しかし早期発見・早期支援をより充実させるためにも5歳児健診は必要不可欠と考えます。
●早期発見・早期支援の施策の充実のためにも、大田区での5歳児健診の実施を求めます。お答えください。
【松原区長】
次に、発達障害に対する啓発についてのご質問でございますが、発達障害児への早期療養や切れ目のない支援を行うためには、関係職員や保護者が正しい理解を持つことが重要であると考えます。こども発達センターわかばの家では、幼稚園や保育園の訪問支援を昨年度110件実施して、発達障害の支援に関わる職員の能力向上に努めております。

【和田議員】
さらに江戸川区では、発達障害者に対する今後の支援のあり方をまとめた「発達障害に関する支援方針」を発表し、「早期発見・早期支援」を柱に据えました。
各保育園で関係機関との連携を行う中心的な人材を育成する「保育園発達支援コーディネーター育成研修」や「1歳6か月」「3歳」「4・5歳」「小学生」の各発達段階別のリーフレットと一般区民用のリーフレットを作成します。2014年度中に「発達障害児(者)支援センター」を設置予定です。
●医療・教育・行政が連携で適切な支援を行うためには、発達障害と支援についての適切な知識と理解が重要と考えます。保護者をはじめ幼稚園、保育園、学校、行政、一般区民などへの理解を促す取り組みを求めます。お答えください。
【松原区長】
また、保育サービス課や幼児教育センターなどにおいても、施設職員等の理解を促進する取組みを、それぞれ計画的に進めているところでございます。
さらに、保護者を主な対象とした発達支援講演会を年1回、関係施設の職員を対象とした講演会を継続的に開催しております。
今後も様々な機会をとらえて、発達障害への理解と支援につなげる取組みを進めてまいります。

利用者本位の介護保険にするためには

【和田議員】
次に〈利用者本位の介護保険にするためには〉です。
日本共産党区議団は、高齢者が個々の尊厳が守られ、最期まで人間らしく生きることができるように、毎定例会ごとに介護保険を取り上げ、高齢者や介護従事者の実態を示しながら、改善を求めてきました。
今年の予算要望懇談会の中で、家族や介護従事者、事業者の話からも「介護保険の利用料を捻出するために、2食の弁当を1食にしている」「生活援助の時間が減らされ、生活が不便になった」など高齢者の深刻な生活が浮き彫りになっています。
介護保険料も今年度全国で大幅値上げになり、大田区では、標準で4100円から4900円に月額800円の値上げになりました。年金支給額が減らされた上に介護保険料だけでなく、国民健康保険料や後期高齢者医療保険料も値上げになり、75歳以上は年間で約2万円の値上げとなり高齢者に大きな負担となっています。
●一般財源を使っての保険料、利用料の減免制度を求めます。お答えください。
【松原区長】
次に、介護保険に関するご質問をいただきました。
まず、大田区では、所得が低い方が介護サービスを利用する際に、その負担額を軽減する制度を、区の施策として実施しております。なお、国の指導により、一般財源を使って保険料を減免することは、できないことになっております。
また、所得の少ない方の場合には、居住費や食費について負担軽減する仕組みがございます。今年度もさらなる整備に向けて、積極的に取り組んでまいります。

【和田議員】
今月の7日に、区議団の主催で「介護保険のシンポジュウム」を開きました。蒲田医師会や区内の介護支援専門員連絡会、ヘルパーステーションなどの協力が得られ、日本共産党の田村智子参議院議員とともにパネリストとして参加していただきました。
それぞれの立場からの発言や参加者の発言から、今回の介護保険の改定は利用者にも介護従事者にも介護事業者にとっても「改悪」であるということがあきらかになりました。
4月から介護保険の報酬が改定され、訪問介護の生活援助の時間が削られるなど影響が広がっています。生活援助の時間は、これまでの60分を45分へ、90分を60分へ短縮されました。
これまでヘルパーさんに頼んでいた調理、洗濯、掃除、買い物などが時間短縮になってから十分にできなくなりました。短縮された分を自己負担している人もいます。
これまでのサービスが受けられなくなったうえに、ヘルパーさんとの会話も奪われてしまいました。
一人で外出できない高齢者にとってヘルパーさんとの会話は唯一社会とのつながりであり、「また頑張ろう」という生きる力になっているのです。
立命館大学の小川栄二教授は「会話には人柄や生活習慣など利用者を理解するカギが潜んでいます。また孤立しがちな高齢者の心理的支えや生活意欲の回復に効果があります。会話の希薄化は家事を通じた働きかけで『その人らしい生活』を維持し回復する生活援助サービスそのものに影を落とし、利用者の精神の安定を損ないます」と語っています。
●今回の介護報酬改定による生活援助の時間短縮は、サービス提供の実態にも合わず、介護が必要な人の「尊厳の保持」を掲げた介護保険法の理念にも反し「生活援助の崩壊」ともいえる事態を招いています。生活援助の時間短縮の撤回を国に求めてください。また短縮された分を区が補てんすることを求めます。
「国の制度だから」と何も対策をとらないのではなく、区内の高齢者がその人らしい生き方ができるよう区独自に支援をすることが緊急に求められています。お答えください。
【松原区長】
次に、介護報酬改定に関するお尋ねですが、今回の介護報酬改定は、高齢者の尊厳保持と自立支援という介護保険の基本理念を一層促進するため、各サービスの報酬及び基準について見直しが行われたものです。
訪問介護における生活援助について、サービス提供の実態を踏まえ、サービスを効率的に提供する観点から、時間区分の見直しが行われております。

【和田議員】
生活援助の時間が短縮されたのに利用料は上がっています。1人当たり平均15,000円の介護職員処遇改善交付金は全額国庫負担だったものが今年度から廃止され、その分を介護報酬に加算として上乗せするようにしました。介護ヘルパーを利用すればその利用料に、デイサービスを利用すればまたその利用料に加算されていきます。
「ヘルパーさんの時間が削られた上に保険料や利用料が値上げなんて冗談じゃない」という怒りの声があげっています。
介護従事者が「賃金の引き上げを求めれば、利用者の負担が重くなるという仕組みは働く立場のものにとって大変な屈辱です。」と話しています。
●介護職員の処遇改善はそもそも国が責任をもって行うべきです。「介護職員の処遇改善費交付金」の復活を国に求めてください。復活するまで区が独自に支援することを求めます。お答えください。
【松原区長】
次に、介護保険における介護職員の処遇改善や利用者負担についてのご質問ですが、介護職員の処遇改善措置については、国は、処遇改善につながる安定的な仕組みとするため、介護報酬において実施することを平成24年度の報酬改定で決定したところであります。

【和田議員】
区内の特養ホームの待機者は1800人前後とまったく解消されていません。
特養ホームの施設が不足しているうえに、個室では利用料が高いために入所できない人が出ています。順番が回ってきたときケアマネージャーからまず「10万円の利用料が払えますか」と聞かれるそうです。
区立特養ホームの多床室で月額約7万8千円、個室従来型で約10万円、民間特養ホームの新型個室では14万円から16万円と高額な負担になります。さらに日用品などの経費が加算されます。
国や都の軽減策や大田区独自の助成制度もありますが、こんなに自己負担が大きくては国民年金で生活をしている人には区立の特養ホームにも入所できません。
●老後の安心のために、区が責任を持って、せめて国民年金程度の収入の人でも入所できる区立特養ホームの建設を急ぐべきです。お答えください。
【松原区長】
次に、特別養護老人ホームについてのお尋ねですが、第5期介護保険事業計画において100床規模の整備を目指し、民間事業者の整備支援を行っているところです。
私からは以上です。

以  上

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