清水教育長に対し、文部科学省発行の「放射線副読本」の使用についての申し入れを行いました


日本共産党大田区議団は23日、清水大田教育長に対し、文部科学省発行の「放射線副読本」の使用についての申し入れを行いました。

この副読本は、現在文部科学省のホームページにも掲載されています。

2012年2月23日

大田区教育長 清水 繁様

文部科学省発行の「放射線副読本」の使用についての申し入れ

日本共産党大田区議団

東日本大震災に伴って起きた東京電力の福島原子力発電所の事故は、日本国民に放射能の怖さを見せつけました。野田佳彦首相は昨年12月14日、原発事故の収束を宣言しましたが、実際には11ヶ月たった今でも炉心の状態さえ把握できず、汚染水など放射性物質の放出も止まらず、「収束」とは程遠い状態です。
福島原発から約200km離れた大田区でも、学校や公園などから高い放射線量が計測されるホットスポットが発見され、不安が広がっています。
ところが、大田区教育委員会が使用しようとしている文部科学省発行の「放射線副読本」は、放射線の危険についてはほとんど触れず、あたかも心配する必要がないかのように描かれています。
しかも「一度に100ミリシーベルト以下の放射線を人体が受けた場合、放射線だけを原因としてがんなどの病気になったという明確な証拠はありません」と記載されています。100ミリシーベルト以下の放射線について、発がん性が「ある」という明確な証拠もありませんが、「ない」という明確な証拠もありません。
「がんなどの病気を起こす色々な原因」というイラストでは、「年をとる」「遺伝的原因」「ウイルス・細菌・寄生虫」などの原因と同列に、しかも「放射線・紫外線など」と紫外線とひとくくりにされています。これでは、子どもたちが、放射線の危険性について正しく学ぶことができません。
中学生用副読本でも自然界から受ける放射線量が世界平均と日本平均にわけて円グラフで示され、被ばくは日常的なもので、しかも日本の線量は世界平均よりも低いから安全だといわんばかりです。
放射能による健康被害には、急性障害とともに晩発性障害があり、放射線被ばくは、たとえ低線量であっても、将来、発がんなどの晩発性障害が起こる危険につながると多くの専門家が指摘しています。特に内部被ばくは除染方法も治療方法もなく、洗い流すなどで除染できる外部被ばくとは異なります。
放射能被害については、スリーマイル島やチェルノブイリの原発事故の際の被害状況を教えるべきです。特に、唯一の被爆国として広島・長崎の被ばく実態について、直接被ばくではなく原爆投下数日後に被爆地を訪れた人たちに晩発性障害が多く出ていることなどを含めて、正しく伝えるべきです。
その上で、体内に入った放射性物質は、その物質の半減期と体の代謝や排泄によって、時間とともに体から出ていくこと、水洗いや調理法の工夫で食品中の放射性物質を減らせること、ホットスポットとなりやすい側溝や落ち葉などに気をつけることなどを正しく教えることが大切です。
この際、原子力発電の危険性、今回の事故の概要、福島県をはじめとする被害の実態を子どもたちに伝える必要があります。
日本共産党大田区議団は、子どもたちが過大な心配と安易な安心を持たないよう、放射線について正しい知識を学ぶことができるよう下記のことを要請します。

1、 文部科学省発行の「放射線副読本」は使用しないこと。
2、 世界的な流れである「脱原発」も選択肢に入れたエネルギー政策をはじめ、子どもたちが未来を見すえることができるような知識を提供する教材を使用すること。
3、 国に対し、正しい知識を学ぶことができる副読本に改定するよう求めること。

以上

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