日本共産党大田区議団は23日、地方議会議員年金制度の復活に反対する意見書に反対し、討論を行いました。
日本共産党区議団を代表して、議員提出第3号議案 地方議会議員年金制度の復活に反対する意見書について反対の討論を行います。
地方議会議員年金制度は、平成の大合併により急激に財政が悪化し、廃止に至ったものであり、その対策こそ必要です。
反対の第一は、現在議員年金がないもとで、将来の保証がないことから、経済的余裕のある者しか地方議員になれない状況です。
ですから、全国町村議会議長会が「地方議会議員が安心して議会活動に専念し、かつ将来の町村議会の議員の人材を確保するには、退職後の生活安定のための年金制度が不可欠であるとの考えから、かねてより地方公務員共済年金へ加入できるよう国に働きかけを行ってきたところである。」と要請しています。
また、制度廃止法案の委員会採決に際し、衆・参両院議員の総務委員会において、「地方議会議員年金制度廃止後、概ね一年を目途として、地方議会における人材確保の観点を踏まえた新たな年金制度について検討を行う」旨の附帯決議が全会一致で可決されたものです。
第二に、今意見書では、「国民年金制度の課題の解決の無いまま地方議員だけを特別扱いすることは許せません」と述べていますが、国民年金制度も議員年金もどちらも課題も解決が必要であり、一刻も早く課題の解決のために、力を合わせていこうではありませんか。
日本共産党は、「地方議員がその役割を果たすために、議員在職中の生活収入を得るための就業に制約があることは考慮すべきであり、経済的余裕のある者しか地方議員になれない状況を避けるためにも、議員退職後のなんらかの生活保障の検討が必要である」と考えています。
また、現在国会において、厚生年金を活用した議員の年金制度の検討を行っていますが、これは「地方議会議員のみの特別な制度を設けることを求めるものではなく」「内容的によく検討されているもので、考えられる案」であり、党区議団は、否定するものではありません。
今回の意見書は、一切の議員年金を否定しているものであり反対です。
(参考)議員提出第3号議案 地方議会議員年金制度の復活に反対する意見書
議員提出第3号議案
地方議会議員年金制度の復活に反対する意見書
上記の議案を大田区議会会議規則第13条第1項の規定により提出する。
平成30年2月22日
大田区議会議長 大森昭彦様
提出者
岡 高志 荻野 稔 三沢清太郎
犬伏秀一 奈須利江 北澤潤子地方議会議員年金制度の復活に反対する意見書
地方議会議員年金制度は、平成23年6月1日に廃止された。
しかしながら、平成24年5月24日に第104回市議会議員共済会代議員会において、廃止された地方議会議員年金に変わる薪たな地方議会議員の年金として、市町村長や勤労者が加入する基礎年金に上乗せの報酬比例部分のある公的年金制度への加入を求める決議がなされた。
また、平成28年7月及び平成29年8月には全国都道府県議会議長会、全国市議会議長会及び全国町村議会議長会において、同様の決議や要望を採択し、国や国会の関係方面に要請活動がおこなわれている。
議員年金制度は、廃止されたものの、元議員等の既存支給者への給付はこの先約50年続き、その公的負担累計総額は、約1兆1,400億円にものぼる巨大な額となる。その原資はすべて税金であり、国や各地方自治体の財政運営に少なからず影響を与えている。
国民の日常生活は依然として厳しい環境に置かれている中で、国民年金制度の課題の解決の無いまま地方議員だけを特別扱いすることは許されない。
地方議会議員年金制度廃止後も、莫大な税金投入が続いており、この制度を新たな形で復活させれば、さらなる公費負担が必要になり、到底国民の理解を得られるものではない。国民目線から遠くかけ離れた議長会の決議・要望は許容できるものではない。
よって国におかれては、各議長会が進める地方議会議員年金制度の復活には断固反対し、制度復活しないよう強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。年月日
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣 宛大田区議会議長名