第3回定例会一般質問(速報)―あらお議員(9月21日)



(映像は大田区議会ホームページより:34分)

【あらお議員】
日本共産党大田区議団の荒尾大介です。

高齢者・家族・事業者を守り支える第7期介護保険事業計画について

【あらお議員】
まず、大田区の介護保険事業について質問します。
厚生労働省が国会に提出した地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律が、今年、自民党、公明党などの賛成多数で成立しました。この法律は、いわゆる医療介護総合確保法の成立を受けて、高齢者を医療から介護、介護から新総合事業、最終的には介護からの卒業を強いるものであり、そのプロセスの中で公助を減らし、自助、互助を地域や高齢者に押しつけ、公的責任を曖昧にし、安上がりで済ませようとするものです。政府は、2015年の介護保険制度の改悪による影響を検証すると言っていたにもかかわらず、それをしないで、さらなる制度改悪を進めようとしています。
年間収入が単身者で340万円以上、夫婦世帯で460万円以上の人たちが対象のサービス利用料3割負担の導入、自治体に対しては自立支援、重度化防止で成果を上げた区市町村に財政的な優遇を与える仕組みの強化、要介護度を改善させた事業者に対しての成功報酬の導入、自立支援に成果の上がらない事業者への報酬減額、新たな共生型サービスという障害福祉サービスと介護保険サービスの一体化、65歳を過ぎた障害福祉サービス利用者の介護保険優遇原則による自己負担、利用制限の増加、サービス打ち切り・縮小など、個人の尊厳や権利を踏みにじり、老後の安心を奪い去る中身となっています。
政府は、毎年高齢化に伴う社会保障費の自然増分を約5000億円に抑制するという方針を打ち出し、来年度から高額療養費(医療)自己負担上限額の引き上げや、40歳から64歳の第2号被保険者、現役世代の介護保険料の総報酬割の導入などを実施します。介護サービス利用料が1割から2割負担になり、負担が増えたことから、デイサービスの回数を週2回から1日に減らさざるを得なくなった方や、肢体不自由の障がい者の方が、65歳になった途端に介護保険優先原則のため、要介護認定をした結果、要支援1と判定され、使えるサービスがなくなったなど、社会保障費の負担増やサービス抑制に不満の声が沸き起こっています。
人は年齢を重ねることで心身が衰えていきます。それによって要介護状態になった場合に、人としての尊厳を保持しつつ、有する能力に応じて自立した日常生活を営むことができるよう支援することを目的としているのが介護保険制度です。しかし、今、政府が進めているのは、自立支援という名の介護保険からの追い出しです。大田区が準備をしている介護予防応援評価事業は、自立・改善に向けて介護予防に取り組んだ利用者及び事業所を評価・応援すると言っていますが、これによって自治体は財政的優遇を得るために要介護認定率の引き下げをより推進し、事業所は成功報酬を得るために、介護状態の改善が見込める利用者を優先的に選別するような事態が起こることが予想されます。そうなってしまうと、本来介護サービスが必要となる利用者に適切なサービスが行き渡らなくなり、重度化を招き、財政の悪化は免れません。これでは何のための介護保険なのか、保険あって介護なしの状態がさらに悪化し、名ばかりの介護保険制度になってしまいます。
●保険者たる大田区は、国の悪政から住民の健康と福祉を守る防波堤としての役割を果たし、国に対して、介護を社会的に支えるという当初の制度理念に立ち返った介護保険の抜本改革をするよう強く求めるべきです。お答えください。

【福祉部長】
まず、介護保険制度の改正についてのご質問ですが、今回の介護保険法の改正趣旨は、高齢者の自立支援と要介護状態の重度化防止、地域共生社会の実現を図り、サービスを必要とされる方に必要なサービスが提供されるようにするというものでございます。国は、この改正法などをもとに、第7期介護保険計画策定のための基本指針を示しており、現在、区は、これに基づき次期計画の策定作業を進めております。その中で、高齢者がいつまでも自分らしく自立した生活を送ることができるよう、介護予防や生活支援サービスを適切に提供していくための取り組みや、介護度が中重度の方や認知症の方などへの支援のための介護サービス基盤の整備を進める方策などを検討しているところです。第7期計画では、こうした内容も含め、高齢者ができる限り住み慣れた地域で安心して生活できるよう、区の地域包括ケアシステムの深化・推進を図ってまいります。そのため、区としては、現時点において国に対して要望する考えはございません。

【あらお議員】
次に、介護労働者の実態に即した改善策について質問します。介護の現場で働く人材の確保について、各事業所が大変な苦労をしているという声は以前から聞かれていますが、その実態は非常に深刻なものです。厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、2016年の介護職員の平均賃金は月22万8300円で、前年との比較で4800円増えていますが、それでも全産業平均の33万3700円と比べると約10万円も下回っているという低水準が続いています。低賃金の上、長時間労働が常態化している過酷な労働環境のため、離職率も16.8%と、こちらも他の職種と比べ高い割合となっています。担い手が不足すれば必要なサービスが受けられないなど、サービス受給権を侵害することにもつながります。昨年開所した大森西の特養ホームが、職員を確保できずに開設を一月遅らせるという事案が発生したのも、もとをたどれば介護職員の低賃金と、それに見合わない過酷な労働環境などが影響していることは明らかです。このような事態が、今も区内に1000名を超える特養待機者の方々がいることから、利用者である区民にとっても悪影響を与えたことは残念でなりません。
政府は、介護職員の賃金引き上げのために2009年度から介護職員処遇改善交付金を創設、2012年度からは利用者負担を導入した処遇改善加算に改められましたが、これによって2009年度から2015年度までの計4回の報酬改定で合計月額4万3000円の賃上げ効果があったと説明していますが、国会で我が党の議員の質問に対し、国が実際には手当や一時金を除いた基本給の増額は2950円で、この4回の改定の合計で約1万3000円増えただけになっていることを認めています。このような状態では処遇改善がなされていると言えないのではないでしょうか。
私は、昨年の第2回定例会の一般質問でも介護職員の処遇改善を求めてきました。区は処遇改善加算で対応しているからと考えているようですが、実態がこのようでは制度そのものがあってないものと等しいのではないでしょうか。東京都も処遇改善のため、ようやく昨年2016年度から、介護人材確保定着と事業所の地域災害福祉拠点としての機能を推進する目的で、東京都介護職員宿舎借り上げ支援制度をスタートさせましたが、認知症グループホームなどの地域密着型サービス、公立や新総合事業の事業所は対象外、助成規模が全都でたった424戸、福祉避難所に指定された1施設につき対象がわずか4戸、宿舎の場所が事業所の半径10キロ圏内、期間4年間など制限が多く、活用しにくいものとなっています。実態に即した制度の充実が必要です。
●東京都介護職員宿舎借り上げ支援制度を活用しやすくするよう東京都に求めるとともに、保育士応援手当と同様の区独自の介護職員応援手当を創設することを強く求めます。お答えください。

【福祉部長】
次に、介護職員の人材確保と処遇改善についてのご質問ですが、介護職員の人材確保は全国的な問題であり、区としても課題として受け止めております。国(厚生労働省)は、介護職員の処遇改善について、職場内のキャリアパス制度や職場環境の整備を要件として、月額1万2000円から3万7000円相当の介護職員処遇改善加算を算定できるものとしており、区としましても、その制度の趣旨に基づき推進していくべきものと考えております。そうした中で、介護職員の賃金改善を目的に実施している介護職員処遇改善加算の算定状況について、平成29年8月4日に公表された「平成28年度の介護労働実態調査結果」では、全国で対象事業所のうち86.7%が算定をしているという結果が出ております。一方、大田区が指定する地域密着型サービス事業所の今年度の処遇改善加算の算定状況は93.0%となっています。しかしながら、処遇改善加算を算定している事業所全てが最も加算率の高い加算区分を取得しているという状況ではありませんので、引き続き制度の啓発など事業所を支援してまいります。
なお、介護保険制度に関する国等への申し入れにつきましては、これまでも特別区区長会などを通じ実施をしてきたところです。また、宿舎借り上げの助成制度の実施につきましては、今後の国や東京都の動向を慎重に注視し、適切に対応してまいります。

【あらお議員】
次に、第7期介護保険事業計画における新総合事業について質問します。大田区は、来年度からスタートする新しい「おおた高齢者施策推進プラン」第7期介護保険事業計画の策定作業をしているところですが、先にも述べたように、要介護認定の引き下げ、サービスの切り捨てなど、国が進める施策に合わせて新総合事業の具体化を進めてきました。今年、新総合事業の新たな事業構成が報告されました。訪問型はA、ともに行う生活援助サービス、B、大田区絆サービス、C、訪問型機能訓練サービスの3種類、通所型はA、機能訓練特化型サービス、生活機能向上型サービスの2種類が新たに実施されています。これは介護保険事業の予防給付の訪問・通所サービスに代わるものとしてスタートし、経過措置として保険サービスと同等のみなし事業は今年度で終了、来年度からは全て新事業に移行することになります。
これらの新事業の大きな問題点は、保険から自治体の事業となり、保険サービス基準を緩和して行うサービスとして実施されることです。訪問型Aの役割が「自立した生活に戻す支援」と位置づけられ、サービスの担い手はヘルパーなどの専門職以外のヘルパー資格のない人でもできることも可能であることから、費用を抑えた安上がりサービスが増えることで保険サービスからの後退を招き、本来の自治体が負う義務も曖昧になり、介護予防どころか、逆に介護度悪化を招くものとなります。
新総合事業は地域支援事業として、内容、基準は自治体の裁量に委ねられていますが、岡山県倉敷市では、2016年度から新総合事業をスタートさせ、訪問・通所とも、みなしと同等のサービス内容、報酬単価、人員基準で実施をしています。自治体の努力でサービスを維持することは十分に可能です。大田区としても、サービスの総量を維持する必要があるとの認識であるならば、みなしサービスを継続することこそ進むべき道です。大田区がやることで、高齢者だけでなく事業所を支えることにもなります。国の基準にただ沿うだけではなく、高齢者福祉を守り発展させるためにも、今こそ自治体の役割を発揮すべきです。
●第7期事業計画を実施するに当たり、訪問・通所サービスとも、みなし事業と同等のサービスを設け、高齢者の方が安心してサービスを受けられるよう区の責任を発揮すべきです。お答えください。

【福祉部長】
次に、介護予防・日常生活支援総合事業、いわゆる新総合事業についてのご質問ですが、介護保険法施行規則附則第31条により、介護予防訪問介護・通所介護の指定事業者を総合事業の指定事業者とみなす有効期間は、平成30年3月までと明確に規定されております。これを受けて区は、新たな基準の訪問型・通所型サービスについて、実際にサービス提供を行っている関係者団体等と十分な協議を重ね、平成30年4月以降についても適切なサービスを提供できるよう準備を進めております。また、区は、高齢者の総合相談窓口である地域包括支援センターにおいて、ご本人の状況に応じたケアマネジメントに基づくサービス利用を進め、新たな総合事業により高齢者の自立を支援してまいります。私からは以上でございます。

小中学校教員の長時間労働の早急な改善について

【あらお議員】
次に、小中学校の教職員の長時間労働問題について質問します。
我が党は、教員は労働者であるとともに、教育の専門家であり、崇高な職務の担い手であると考えています。文部科学省は今年4月28日に2016年度の教員勤務実態調査結果の速報値を公表し、国が示す過労死ラインに達する月80時間以上の残業をした教員は、中学校で57.7%、小学校で33.5%に上ることが明らかになりました。1週間の平均勤務時間は、小学校57時間25分、中学校は63時間18分と異常な長時間労働が放置されている状態です。校長を含めた全ての職種で10年前と比較して勤務時間が四、五時間増えており、その原因としては事務作業やトラブル対応の増加、中学校では土日の部活動にかかわる時間の増加が挙げられています。
先日、区内の小学校に勤務している教員の方からお話を聞く機会がありました。ほとんどの小学校では、朝8時15分勤務開始、16時45分勤務終了。管理職からは出勤時間が厳しく管理されている一方、勤務終了時間については、16時45分を過ぎても会議が長引いたり、職員作業が入るなど全く管理されていない放置された状態で、管理職からも退勤を促されることもありません。残業代も出ません。
この学校のほとんどの先生は7時半から8時に出勤、退勤は19時半から21時半と、1日12時間以上連日勤務をしており、給食の時間は子どもたちと一緒に教室で食べ、昼休み、中休みも宿題のチェックや子どもたちと一緒に遊ぶなど、休憩はほとんどありません。下校後は教室の片づけ、会議、プリントの採点、事務作業などの業務があり、「7時間45分の正規の勤務時間で終わらせられる業務量ではない」と切実に訴えられました。
この教員の方は、子育て中ということもあり、遅くまで学校に残れないため、自宅に仕事を持ち帰って2時間ほど残業しているということです。連日の長時間勤務で週末になると疲労が蓄積し、朝起きられなくなることもあるそうですが、子どもたちのことを考えると、授業や学級運営に悪影響を及ぼすわけにはいかないとの思いから、無理を押して日々の仕事をこなしています。
これは、ほんの一部の特殊なケースではなく、多くの教員の皆さんが抱えている深刻な実態として捉えなければいけません。この状態が放置されれば、多くの先生方が心身を病み、子どもたちにも悪影響を及ぼしかねません。教員個人の崇高な志と教育者としての使命感だけでは乗り越えられないほど、現場で働く教員の皆さんは疲れ切っています。
公立の小中学校の教職員に対しては、法令で特別な場合を除き時間外勤務が禁じられ、時間外手当を支給しないことが定められています。特別な場合とは、1 校外実習その他生徒の実習に関する業務、2 修学旅行その他生徒の実習に関する業務、3 職員会議に関する業務、4 非常災害の場合、児童または生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合その他やむを得ない場合に必要な業務ですが、実態は煩雑な日々の業務で時間外労働をせざるを得ない状況となっています。
教員には、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法によって、教職調整額という手当を支給する代わりに残業代は支給しないと定められ、労働基準法の対象外であることから、残業、休日出勤への割り増し賃金、多忙化への加配を含む是正措置など法整備が求められています。教員の長時間労働は、児童・生徒の健やかな成長を育む観点からも早急に手を打たなければいけません。教員と児童・生徒の尊厳がしっかりと守られる学校環境を構築することが急務です。
●新宿区では教育委員会が独自に教員の勤務実態調査を実施するなどの取り組みを進めています。大田区も独自に区内小中学校の教職員の勤務実態調査を実施し、実態把握に努めることを求めます。

【教育総務部長】
まず、区独自の教員の勤務実態調査の実施についてのご質問にお答えいたします。長時間労働は、健康の確保だけではなく、仕事と家庭生活との両立を困難にし、少子化の原因や女性のキャリア形成と男性の家庭参加を阻む原因ともなっているとされており、教員についてもワークライフバランスを改善する働き方改革を推進することは、教員自身の家庭生活を充実させるとともに、ゆとりを持って児童・生徒と向き合っていくために大変重要なことであると考えております。
教育委員会では、早くから教員の業務負担の増加に着目し、ICTを活用した学校運営システムの導入による業務の効率化を進めるとともに、教員の業務を補助する非常勤職員を配置するなど、様々な対策を講じてその軽減に努めてまいりました。教員の勤務実態につきましては、ご指摘のような形での実態調査を実施しておりませんが、校長や副校長からのヒアリングなどを通じて、現在においても長時間勤務となっている状況を把握しており、引き続き教員の勤務時間の軽減に向けて取り組んでいく必要があると考えております。

【あらお議員】
現在、小学校給食費徴収は学校が行う業務となっており、ほとんどの場合、教員が担当しています。この業務は、給食費徴収のために保護者の帰宅を待っての電話かけや自宅訪問をするなど、本来の業務ではないために過重なストレスを抱えることになっています。
●文部科学省は、学校が実施している給食費の徴収業務を各自治体が実施する方針を決めるなどの取り組みを進めています。大田区としても実態調査を踏まえて、教員負担軽減対策を講じるべきです。お答えください。

【教育総務部長】
次に、給食費の徴収業務について、教員の負担軽減策を講じるべきとのご質問でございますが、現在、給食費は私費会計に位置づけられ、学校の教職員が校務の一つとして分担して徴収に当たっております。教員が徴収業務に携わることで99%を超える徴収率を維持することができているほか、徴収を通じて児童・生徒の家庭環境の実情や変化を把握することができ、家庭の抱える課題への対応に役立っているところでございます。教員の長時間勤務の軽減には、教員自身が業務に係る時間を意識した仕事の進め方を工夫することや、部活動指導への支援、ICTを活用した校務の効率化による業務改善など様々な取り組みが考えられ、これらを多角的に実施していくことが重要でございます。
大田区教育委員会では、これまでにも校務を効率化し、教員の事務作業の負担を軽減することを可能とする学校運営システムの導入のほか、習熟度別学習指導講師、放課後補習特別講師、学校特別支援員、生活指導支援員等の教員の業務補助や部活動指導に当たる非常勤職員の配置等を行ってきたところであり、今後も国や都の動向を見据えながら適切に対応してまいります。

【あらお議員】
その際、滞納世帯への丁寧な対応をすることを求めます。また、憲法26条に「義務教育は無償とする」と明記されているように、学校給食費の無償化について検討することを求めまして、次の質問に移ります。

教育環境を充実する学校施設の改築について

【あらお議員】
学校施設の複合化について質問します。
2014年に政府が自治体に対し「公共施設等総合管理計画」の策定を押しつけ、人口減少を踏まえた公共施設の最適な配置の具体化を求めました。この計画に基づき、延べ床面積の減少を伴う施設の集約化、複合化を行った場合、財源として活用できる地方債をつくって施設の統廃合を誘導しています。大田区でも国に言われるがまま「大田区公共施設適正配置方針」を策定し、これに基づいて公共施設の合築・複合化を進め、延べ床面積の1割削減を目標としています。しかも、空いた土地は財源確保のため売却することも方針としています。
区が保有する公共施設のうち、築40年以上を経過した施設が全体の約5割を占め、そのうち学校施設が約8割を占めている状況の中、建て替えや長寿命化とあわせて、各種の施設との複合化を積極的に検討するとしていますが、そもそも大田区は人口減少どころか増加しており、他の地方自治体と状況が異なることから、この方針をとること自体に無理があります。学校施設は本来、児童・生徒たちのための教育と活動の場であり、それに特化した施設であるべきです。適正配置方針では「良好な教育環境を確保する」と明記されていますが、そうであるならば、他施設との合築を進める以前に、30人学級など少人数学級実現などを優先すべきです。
入新井第一小学校の複合施設計画では、地上7階、地下1階と建物自体規模が大きく、そこに特別出張所の一部機能と地域包括支援センター、男女平等推進センター、高齢者利用施設、適応指導教室「つばさ」などのほか、計11の機能を集約させるものとなっており、赤松小学校では特別出張所、地域包括支援センター、高齢者利用施設、東調布第三小学校では保育施設、高齢者利用施設が置き込まれます。また、東調布第三小学校では工期が約7年、赤松小学校では約5年から最長8年と長く、小学校6年間を仮設校舎だけで過ごすことになる児童もいることからも、良好な教育環境を保障する上でも複合化をするべきではありません。また、工期が長期化するのは複合化による建物の大規模化によるということも指摘しなければいけません。各施設を集約させた後の跡地利用についても何も示されていないことも重大な問題です。区民の財産でもある公共施設の跡地については、地域住民の要求・要望に応えられる活用の仕方などを計画に盛り込み検討すべきです。
●今年度から新たに田園調布小学校と東調布中学校の改築についての検討が進められますが、教育環境を悪化させる学校施設の改築は複合化で進めるべきではありません。今後の学校施設改築は学校単独で実施することを求めます。お答えください。

【企画経営部長】
これまでも学校改築におきましては、児童・生徒の教育環境の維持向上を最優先に整備を進めてまいりました。公共施設は全体的に老朽化が進み、施設の更新が大きな課題の一つとなってございます。築40年以上経過している施設は全体の約半数であり、さらにその約8割を区内小中学校が占めてございます。このような状況の中で、学校施設の改築におきましては、子どもから高齢者まで地域の様々な年代の方が集い、子ども・子育てを支援する機能、地域力を向上させる機能、区民活動を支援する機能など、複合化、多機能化も一つの手法として地域コミュニティの活動拠点づくりを進めているところでございます。区といたしましては、今後も「大田区公共施設等総合管理計画」の考え方に基づきまして、児童・生徒の良好な教育環境の確保を最優先としつつ、余裕のある容積などを有効活用し、地域の状況や特性を十分に踏まえた施設整備を行ってまいります。

再質問

【あらお議員】
●教員のところですけれども、まず区が教育委員会として教員の長時間労働ということについて問題意識を持つことが大事だと思うんですよ。1日12時間ですよ。給食の時間とか、そういうのも休憩時間にはないんです。ずっとその間、子どもたちと一緒に過ごして、それで中休みとか授業が終わった後もずっとやっているわけなんです。そこをやっぱり区として、先生方がどれだけ大変な思いをしているのかというのをちゃんと調べる必要があるんです。ぜひやってください。ぜひ実態調査を実施してください。よろしくお願いします。どうですか、お答えください。

【教育総務部長】
教員の勤務実態調査につきましては、先ほどお答えしたとおりでございますが、重ねて繰り返し申し上げますと、やはり教員の方々への実態調査が負担になることから、定期的に開催しております校長、副校長のヒアリングの中で聞き取りを行うということで、業務を増やさない形での実態把握に努めているということでございますので、そのような形で実態把握を行い、また、長時間勤務についての対応について適切に対処してまいりたいというふうに考えております。

以  上

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