区議団ニュース2017年8月号(No.263)――くらし・福祉の充実に、税金の使い方を変え自治体本来の役割の発揮を


PDFファイル大田区議団ニュース2017年8月号(No.263)

開発から住民のくらし・営業を守る区政への転換を

羽田空港跡地第1ゾーン(委員会資料より

大田区は、国家戦略特区を活用して羽田空港跡地第1ゾーン整備事業(第一期)の事業者を公募し、鹿島建設(株)を代表とし、主な構成員は野村不動産パートナーズ、富士フイルムなど8社、他に国立国際医療研究センター、トヨタ自動車、三菱地所など20ほどの協力会社とするグループに決定しました。先端産業事業、文化産業事業、産業事業等、総事業費約540億円を見込むとしています。
国家戦略特区では今話題になっている加計学園疑惑はその悪しき例ですが、大田区も最低でも現在積み立てられている羽田空港対策積立基金172億円余が使われることが予想されています。
国家戦略特区は国際競争に勝つために地域を指定し、集中して推進する政策で大企業利益優先の計画です。自治体というより国の基準で進められていくことになり、先端産業事業、イノベーション(技術革新)の創設、技術支援となっており、区内の中小企業の発展のためにはなりえません。
党区議団は、国家戦略特区構想に乗り多額の税金投入の計画は見直し、跡地は緑地にし、頑張っている区内企業を励まし、制度を充実させる本来の自治体の仕事に転換することを求めました。

「保育園を増やして」の声に応え待機児ゼロの大田区へ

正規の資格のある保育士、園庭、プール、調理室があり、所得に応じた保育料である、区立保育園などの認可保育園に児童をあずけて働きたいという区民が増えています。
しかし保育園が足りず、今年度は1845人が認可保育園に入れませんでした。
保育園に入れないために仕事探しをやめた、保育料が高い認証保育所や定期利用の保育施設にやむなく入所した場合などは待機児と数えず、大田区は待機児を572人と発表しました。さらに2歳児までの保育施設増加により3歳児の待機児の増加が深刻な問題となっています。
区が今年度の認可保育園増設の目標を11園から22園(1100人分)に大幅に見直しましたが、真の待機児数に見合った数には届きません。
また、区は保育士の退職者不補充とし区立保育園の民営化を進めていますが、退職者が予想以上に多くなったとして、来年度の正規保育士を30名募集すると発表しました。党区議団は区立保育園の民営化計画を中止し、区立保育園を増やすことを求めています。

新規開設予定の認可保育園(仮称含む)

  • 今年10月
    1. ポピンズナーサリースクール西六郷(西六郷3)
  • 来年4月
    1. 育児サポートカスタネット「森の保育園」(仲池上1)
    2. このえ洗足池保育園(南千束3)
    3. グローバルキッズ鵜の木園(鵜の木2)
    4. おはよう保育園 大森町(大森西3)
    5. 天才キッズクラブ楽学館池上園(仲池上1)
    6. クリオスキッズいけがみ保育園(池上6)
    7. にじいろ保育園矢口渡(多摩川1)
    8. アスク南久が原保育園(南久が原1)
    9. ナーサリールーム・ベリーベア西馬込(南馬込5)
    10. ながはらさくらさくほいくえん(南千束1)
    11. へいわじまさくらさくほいくえん(大森北6)
    12. チェリッシュ桜坂(北嶺町)
    13. このえ雑色保育園(仲六郷2)
    14. 太陽の子 南雪谷保育園(南雪谷4)
    15. グローバルキッズ雑色園(仲六郷2)

共同提案した日額旅費(交通費)廃止の条例案を自民・公明などが反対

党区議団が各会派に呼びかけ、生活者ネット、緑の党、フェア民が共同提案者となり、区議会の本会議や委員会、23区内の視察に対して、1日当たり3000円出されている日額旅費(日当)を廃止にする条例案を提出しました。
都議会では自民・公明党も賛成し、全会一致で可決しています。大田区議会では自民・公明などは「時期尚早だ」などの理由で反対しましたが、無印(たちあがれ・維新・無印の会4人)も賛成しました(計15人)。
23区では、下表のとおり廃止が今年度に入って2区と計6区となりました。また2区が実費支給です。廃止・縮小は流れとなっており、議会改革として「日額旅費は廃止を」の世論と運動を広げていきましょう。

区名 支給の有無
なし 日額 実費
千代田
中 央 2500円
2000円
新 宿 2500円
文 京 3000円
台 東
墨 田
江 東 3000円
品 川
目 黒 2000円
世田谷 実費に近い
渋 谷 2000円
中 野 3000円
杉 並
豊 島
2000円
荒 川
板 橋 3000円
練 馬
足 立 3000円
葛 飾 3000円
江戸川 3000円

臨海斎場使用料 3年前に続き値上げ

7月の地域産業委員会で「臨海斎場使用料の改定について」が報告されました。来年4月から使用料(大人の火葬料+収納容器)を現在3万4500円から4万円へと値上げされる予定です。
値上げの理由として、(1)火葬需要が増大、(2)施設更新と財政基盤の確保、(3)近隣の斎場と比べて低料金、などが挙げられています。また3年前に、2万3000円から1.5倍の3万4500円に値上げされ、3年を目途に見直しを行うとなっていました。
臨海斎場の目的は、「住民の福祉の増進を図るため」と条例で明記されており、使用料の値上げは住民の福祉の増進に逆行するものです。また、民間施設の桐ヶ谷斎場と比べていますが、臨海斎場は公的な施設です。民間と比較すること自体間違いです。
みなさんと力を合わせて値上げストップを求めていきます。

来年度から始まる第7期介護保険事業の改善を

来年度から始まる第7期介護保険事業は、利用者が最も多い要支援1・2の人のサービスを保険給付から外す内容が中心になり、代替になる区が主体となって行う総合事業の内容が未だに具体的に示されていません。
制度変更によりシニアステーションで地域の絆サービスなど、無資格の人のボランティアで間に合わせるという内容等となり、行うサービスは介護保険制度とでは全然違う内容になります。党区議団は従来のサービスを保障すること、特養ホームを増設するという提案をしました。大田区は4カ所の特養建設を支援していますが、希望する人が特養ホームに必ず入れるという状況をつくり、安心できる介護保険への改善を求めていきます。また、必要な医療サービスをきちんと提供できる制度の改善を求めていきます。

大田区議会議員 海外親善訪問調査の中止を

今年度も調査目的を「産業・教育・まちづくり」として、ヨーロッパ、中国、アメリカ方面に区議会議員が訪問調査に行く予定です。現在、団員を募集し調査先等を検討しています。各会派に参加の意向調査が行われ現在で参加は自民党のみ、公明党は主旨には賛同するが今年度は参加しないとしています。
昨年12月に大田区議団のヨーロッパ海外訪問調査の密着取材がテレビ放映され、多くの区民から「23区で行っているのは大田区だけとは知らなかった」「中身は豪華海外旅行のようだ」「大田区に必要な視察には見えない」等々の声が上がっていました。議員派遣の議案は第3回定例議会に提出される予定ですので、党区議団は中止を求めていきます。

今年も予算要望懇談会を開催

党区議団は毎年区内各種団体のみなさんと来年度の予算要望懇談会を行っています。
大田区の貯金・基金は1000億円をはるかに超えています。問題は何に税金を使うかです。
今回も多くの切実な要望が出されています。党区議団は要求実現のためにがんばります。

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