区議団ニュース2016年5月号(No.255)――戦争法廃止/税金は、子育て・中小企業等優先に


PDFファイル大田区議団ニュース2016年5月号(No.255)

松原区長のコメント撤回を要求/新空港線計画は撤回を

4月7日、国土交通省の交通政策審議会の小委員会は、新空港線を含む「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について(案)」(以下、答申)を発表しました。

優先順位つけず

 答申は、東京圏の今後の都市鉄道の「あり方」を検討した24路線の意義と課題についてまとめただけであり、都政新報(4月12日号)でも「整備の優先順位は評価していない。都や地元区市が要望していた路線は全て取り上げられており、小委員会としては意義や課題を羅列するにとどまった」と指摘されています。
 しかし、松原区長は4月7日、「『 事業化に向けて関係地方公共団体・鉄道事業者等において、費用負担のあり方等について合意形成を進めるべき』という高い評価をいただきました」とコメントを発表しました。
 これは区民に誤解を与えるものであり、党区議団はコメントの撤回を求める見解を発表しました。

事業化へ課題山積

 また、答申は「プロジェクトの事業化に当たっては、整備・営業主体の確立が大前提であることは言うまでもない」と述べています。しかし前回の答申(16年前)では、2015年までに整備着手することが適当である路線と位置付けられましたが、財源確保や、事業主体について何も明らかにされていません。
 総事業費1080億円は度重なる計画変更にも関わらず当初(12年前)のままで、この間、調査費などに1億円以上かけ、更にこの5年間で25億円も積み立てています。

計画の撤回を

 党区議団は、JR蒲田駅~京急蒲田駅間について、循環バスや動く歩道などを提案してきました。
 多額の税金投入計画となる新空港線計画は撤回すべきです。

区議会議員の欧州・米国・中国への海外親善訪問調査、今年度も実施

 今年度も区議会議員の海外親善訪問調査に行く予算(約2400万円)が組まれ、4月の幹事長会・議会運営委員会で、自民・公明などの議員が欧州・米国・中国などに行くことを決めました。
 参加した一部の議員からは「『百聞は一見に如かず』であり、この調査は区民のためになる」との発言がありました。しかし、調査に基づいた施策提案もほとんどありません。
 また、区民への報告を求めても、「おおた区議会年報に掲載されており、改めて区民に説明する必要はない」と拒否しています。
 党区議団は「緊急に海外にまで行き調査する課題はない。区民のくらしや営業が深刻でたいへんな時に区民の理解は得られない」として反対し、中止を求めました。

大田区ものづくり・商店街の活性化の課題と展望を提案

 党区議団は、大田区が一昨年行った「大田区ものづくり産業等実態調査」と「大田区商店街調査」の報告書についての分析を、(公財)政治経済研究所に委託し、区内中小・零細企業と商店街の発展方向と展望について課題と展望(中間報告)をまとめました。
 今後、これを基に、区内関係者と意見交流をし、党区議団として政策提案をしていく予定です。
 中間報告では、工業で、区内町工場の事業所数減少に歯止めをかけ、そのエネルギーを区の公共財として位置付け、区が必要な財政援助等を行い、母工場都市機能(*1)を構築し、そのための具体的な提案がされています。
 商店街では、消費者である区民がどこで何を買い物をしているのかの調査が実施されていませんでした。これは商店街調査として大きな問題です。商店街を準公共財(*2)としてとらえ、地域社会の中での消費だけでなく、大型店にないコミュニティの優位性をどう再生するか提案されています。
 みなさんに一日も早く政策提案できるよう全力を挙げて準備していきます。
*1 最先端技術の新事業分野の試作工場等が集積している都市。
*2 商店街が公共性のある役割を担っているという考え方。

羽田空港増便で国交省要請「もうこれ以上耐えられない」

南風時に都心上空を通過(国交省ホームページの資料より作成)

南風時に都心上空を通過(国交省ホームページの資料より作成)

 4月13日、羽田空港増便(都心上空通過)問題の集会と国交省要請が行われ、大田・品川・江東・江戸川・新宿等から住民等約80人が参加しました。 国は国際競争力の強化を理由に昨年7月、羽田空港増便のための新飛行経路案を発表しました。国際線の需要が集中する午後3~7時、南風の着陸時には美原高校付近で、離陸時には穴守稲荷駅付近で上空150mを飛行する計画です。
 集会では新飛行経路案の騒音、大気汚染、事故の危険等の不安や「経済最優先でなく命と生活を守ってほしい。計画はやめてほしい」等の声があふれました。国交省は丁寧に説明するとしながら「8月には結論を出さないと五輪まで間に合わない」という不誠実な答弁を繰り返しました。参加者は十分な説明会である教室型の説明会開催を求めました。
 大田区からの参加者が「(1945年9月)48時間退去命令を受けて故郷を奪われた。今でも騒音と危険の中で暮らしている。これ以上は耐えられない」と発言。党区議団から清水、佐藤、金子、福井区議が参加しました。

「希望する認可保育所に入りたい!」党区議団が懇談

 4月7日に党区議団は、大田区保育園情報コミニュティの方々と、実施したアンケート調査に基づく「大田区における保活の現状と課題」について懇談しました。「生後3カ月から保活を実施した」「11園全て落ちた。仕事と両立できるか心配」「子どもの命を守るため詰め込みなどの規制緩和はやめるよう国に求めてほしい」などの意見が出されました。
 認可保育所とともに認証保育所などの空き情報を、ネット上で見られるようにしてほしいとの要望は、党区議団が早速4月15日の委員会で提案し、担当課長は「対処していきたい」と答弁しました。
 保育所に預けられず、育休が延長できなければ、退職を余儀なくされる保護者の厳しさや切実さに応えることが急務です。党区議団は1700人を超す認可保育園待機児童解消のために大幅な認可保育園増設を求めていきます。

特養待機者1360人(4月現在)今年度3カ所開設

開所が遅れている特養ホーム

開所が遅れている特養ホーム

 現在区内の特養待機者は1360人(4月現在)となっており、まだまだ施設は不足しています。党区議団は、職員確保と同時に更に増設を求めてきました。
 今年度区内で、萩中(81床、ショートステイ9床)、馬込(30床、ショートステイ5床)、大森西(84床、ショートステイ12床)、3カ所の特養ホームが開設予定です。
 しかし、大森西の「花みずき」は当初5月1日開設予定でしたが、職員を確保することができず、6月1日に延期となっています。
 介護職員の確保が難しい原因の一つは、重労働に見合わない低賃金です。昨年の介護報酬2・27%引き下げが大きな影響を与えており、区独自で職員確保、処遇改善策の実施が急がれます。

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