- 区民の皆さんと党区議団の提案との共同で新年度予算で実現しました
- 認可保育園待機児が過去最高水準
- 区民へ更なる負担増と施策の削減をすすめる
- 職員削減で官製ワーキングプアを増やし区民サービス低下
- 「国際都市おおた」名の下で大規模開発推進
- 待機児ゼロの提案に自民・公明・民主・維新などが反対
区民の皆さんと党区議団の提案との共同で新年度予算で実現しました
第1回定例会(2月19日~3月25日)で新年度予算2,574億円(前年度比72億円・2.9%増)が決まりました。
認可保育園の増設・人材確保に支援
7つの民間認可保育園開設支援、糀谷では区が土地・建物を借り受け民間保育事業所に転貸して整備、宿舎借り上げ支援等で保育人材の採用及び定着に対する支援。
特別養護老人ホーム等整備支援
矢口3丁目(30床・2017年度開設予定)、千鳥2丁目(84床・2018年度開設予定)の2か所整備支援、新年度から西馬込2丁目(30床)、萩中2丁目(81床)、大森西4丁目(84床)の3か所と、大森西4丁目には介護老人保健施設(116床)併設整備で開設。
認知症検診モデル事業
3医師会が行っていた認知症の早期発見、早期治療につなげるためのモデル事業に助成。
障がい者緊急入所施設の建設
障がい者総合サポートセンター「さぽーとぴあ」に隣接する大森医師会館跡地に、医療と福祉の連携により重度の障がいのある方にも対応し、緊急一時保護もできる機能や、学齢期の発達障がい児支援のための機能を持つ施設の建設。
精神障がい者手当支給
精神障害者保健福祉手帳1級の方に月4,500円支給。
住宅リフォーム助成5,000万円に拡充
今年度当初予算4,000万円から5,000万円に拡充。屋根・外壁の塗装も新たに対象に。
子育て応援グッズの配布
すべての妊婦が保健師等と面談し、1万円相当の応援グッズをカタログギフト方式で配布。
子どもの学習支援事業
貧困の連鎖防止のため、生活困窮世帯の中学生に学習支援を実施。
学校図書室に司書配置
読書指導の充実を図るため小学校20校、中学校10校に(仮称)読書教育司書を配置し、司書教諭を補助すると共に学校図書館司書としての活動を行う。
通信制課程へ奨学金制度拡充
奨学金制度を通信制課程へも拡充されました。制度改善には4会派の幹事長が要望書を区に提出し条例提案に至ったものです。また、党区議団にも、区民の方から「ぜひ、条例の改正を議会みんなで、審議してください」との手紙もいただいていました。さらに、給付型等の改善を求めています。
認可保育園待機児が過去最高水準
今年4月から、認可保育園に入れない一次不承諾は1,786人、二次不承諾でも1,736人で過去最高水準となりました。
党区議団は待機児解消は認可保育園でこそと、実情に見合う認可保育園の増設で、抜本的対策を求めています。
新年度予算案には、区民の声や党区議団の提案にこたえたものがあるものの、党区議団は以下の理由で反対しました。
区民へ更なる負担増と施策の削減をすすめる
負担増は、まず使用料の大幅値上げです。
受益者負担の適正化に向けた施設使用料の見直しについて、17年間値上げをしなかったからと、「統一的な施設使用料算定についての基本的な考え方」を整理し、施設使用料の見える化をはかるとして、54施設および小中学校関連施設の約8割の区分(午前・午後などの区分)について最大25%の値上げで、更に今後4年ごとに見直しを行うものです。
施策の削減では、指定保養施設は、27年続いた1泊3000円の補助金を今年度2000円に減らし、更に新年度は年間6泊7日から、2泊3日まで利用を制限します。
高齢者施策では、70歳以上の全ての高齢者に支給される「いきいき高齢者入浴事業」は、手続きも手間がかかるような変更をし、予算を2割も減らしました。また、いこいの家を改修する際に浴槽をなくし、シャワーだけにします。要支援高齢者の紙おむつの支給も廃止。自立となった人の住宅改修助成を廃止し、高齢者支援に逆行します。
産業経済費は予算全体の僅か1・46%です。新年度予算には、従来の施策だけであり、ものづくり産業等実態調査の結果を活かしていないことも問題です。
職員削減で官製ワーキングプアを増やし区民サービス低下
大田区は民間委託や指定管理者制度で「民間にできることは民間へ」と職員削減をすすめ、官製ワーキングプアを増やしています。
今定例会に46人の職員定数削減条例が提出されていますが、大田区は職員定数減を3か年で227人減とする計画をすすめています。民営化、業務委託、指定管理者制度をすすめ、区の仕事を担う労働者は、非正規雇用が約4割となり、業務委託の場合には何人で働いているのかもわからない状況で、区民サービスの低下が問題となっています。
「国際都市おおた」名の下で大規模開発推進
区民に負担増を押し付ける一方で、東京オリンピック・パラリンピック開催を契機に、「国際都市おおた」の実現、次世代に「夢と遺産(レガシー)」を残す取り組みで、大規模開発推進となっています。新空港線「蒲蒲線」は昨年7月、東京都の「広域交通ネットワーク計画について《交通政策審議会答申に向けた検討のまとめ》」で「整備について優先的に検討すべき路線」の5路線に入らず、半ば破綻しているにもかかわらず、区長は「30年の区民の悲願として、私が先頭に立って実現する」という姿勢を続け、新空港線整備資金積立基金に更に5億円の積み立てで、合計25億円余の積み立てとなりました。
京急蒲田、糀谷駅前再開発で、住民が4割しか残れないまちづくりに多額の税金を投入し、更に雑色駅前再開発をすすめようとしています。
蒲田・大森駅周辺のまちづくりでは、蒲田駅周辺中長期整備推進業務委託で、駅周辺街区の共同化や建替支援を行うことにより、住民追い出しにつながりかねません。
党区議団は、大規模開発優先から区民のくらし福祉応援の予算へ抜本的な転換を求め、予算編成替えの動議を提出しました。
待機児ゼロの提案に自民・公明・民主・維新などが反対
「保育園落ちた日本死ね」という匿名ブログが国会でも取り上げられ、全国的にも待機児問題が大きな課題となっています。
大田区でも4月入園申し込みが4514人あり、不承諾(一次)1786人で、約4割が認可保育園に入れず、大田区でも待機児解消は重大な課題です。
保育園に子どもが入れなければ、保護者は仕事を辞めなければなりません。
このような深刻な状況を打開するために党区議団は待機児ゼロのための予算編成替えの動議を区議会本会議最終日に提案しました。
その内容は、80~100人定員の認可保育園を20か所増設するため、予算案に60億円を増額するものです。
しかし、自民・公明・民主・維新などの反対多数で否決となりました。
区民の切実な声に耳を傾けない姿が明らかになりました。