(映像は大田区議会ホームページより:33分)
障害者権利条約に基づく就労支援等について
【すがや議員】
日本共産党大田区議団のすがや郁恵です。私は、まず、障害者権利条約に基づく就労支援等について質問します。
今騒がれている8月の、中央省庁や自治体による障害者雇用の水増しが大きな社会問題となっています。障害のある人の権利が守られていないことは許されないことです。障害者権利条約は、世界中の障害のある人の権利を守るために、2006年の国連総会で作られ「私たち抜きに私たちのことを決めないで」がこの条約の合言葉、2014年1月にはすべての国会議員が賛成して、日本はこの条約を守ると約束しました。しかし、日本政府が権利条約を批准してからもうすぐ5年になりますが、今年は、旧優生保護法による強制不妊手術に対する裁判、5月には、雇用契約を結んで障害者の就労支援を行う「就労継続支援A型事業所」に営利企業が参入したが、経営の破たんで障害者の雇用が奪われるなど障害者ビジネスの問題などもおこっています。
そこでまず雇用の問題についてです。障害者雇用促進法では、雇用率(障害のある人を雇わなければならない数字)を一般企業は2.2%、国や自治体は2.5%以上ですが、ドイツ5%、フランス6%であり、日本はその半分、それ以下で障害者権利条約からしても、低すぎます。
大田区の障害者採用は、特別区職員採用募集で行っていますが、大田区人事白書によると、2008年(平成20年度)ではまだ3.35%あった雇用率は、2013年(平成25年度)は2.41%に低下しています。その後この5年間で2.71%に回復傾向かと思えば昨年2.61%(昨年の人事白書では、視覚障害8人、重度障害30人、聴覚音声機能障害14人、肢体不自由48人、内部障害、精神障害6人)計106人が今年は2.55%84人と下がっています。
●働いて生計を立てたい、自分の力を生かしたいと願う人たちの働く機会を保障するため、通勤支援や、長く勤務できない人などに対して、短時間勤務が認められるなどそれぞれの障害に合わせて働く時間を考えたり、休憩時間を長くしたり、スロープや車いすトイレをつくったり、障害のある人が働ける場や条件を障害のある人の立場から整備していくなど、合理的配慮を国や東京都に求め、また、区も独自に行うこと、さらに、特別区の目標3.0%に早く到達し、それ以上の雇用率にすることです。お答えください。
【総務部長】
私からは、障がい者雇用に関するご質問にお答えします。障がい者の雇用機会を広げることは、障がい者が安定的に自立し、社会に参画することに通じます。特別区では、雇用促進の観点から、雇用率の目標を「3%」と設定しています。区は、特別区人事委員会が実施する23区共通の一般採用選考により、計画的な採用を実施しており、一定の雇用率を確保してきました。また、平成30年度の選考より、受験資格が見直され、新たに精神障がい者と知的障がい者も受験できることとなりました。こうした雇用拡大を着実に進めながら、目標雇用率達成に向けて、計画的かつ積極的な採用に努めてまいります。また、障がい者雇用の促進と併せて、雇用後の支援も重要な課題です。障がいを有する職員が働きやすい職場環境を整備し、均等な機会や待遇の確保、さらには、能力発揮に向けた合理的配慮に努めることは、区の責務です。今後も、関係部局との連携を図りながら、就労支援に関する取り組みをさらに進め、障がいの種類や程度に関わらず、障がい者が有する意欲や能力を発揮して、円滑に職務を遂行できるよう環境整備に努めてまいります。
【すがや議員】
次に、区が雇用の場を確保することについてです。大田区の施設縮小によって働く場所が縮小されていることです。例えば、21カ所あった老人いこいの家が羽田老人いこいの家を含め4館廃止されました。存続の希望が出されていた西糀谷老人いこいの家は、糀谷駅にシニアステーションができるので廃止になり、そこでは、視覚に障害のある人がマッサージをしていました。区は福祉目的の敬老マッサージとしても、視覚に障害のある方々にとっては、自分の力を生かし、働く場所、社会参加の場所になっていました。畳の部屋がないということを理由にマッサージをする場所がなくなったのです。また、マッサージを楽しみにしていた高齢者の楽しみも奪われました。そのような老人いこいの家は廃止してはなりません。
●区は単なる福祉目的の敬老マッサージの位置づけとしても、障害のある人にとっては活躍できて、働く場所ではないでしょうか。区として、障害のある人が働くことを支える仕組みつくりを検討し、広く働く場所を確保、支援する事が求められます。お答えください。
【福祉部長】
障がいのある方の働く場所の確保等に関するご質問ですが、障がいのある方の個々の状況応じて活躍できる環境を整備することは重要と考えております。区は障がいのある方の就労を支援するため、就労支援機関・企業等とのネットワークを構築し、多くの就労者を企業等へ送り出し、定着する取組みを続けております。この中には、区内の特別養護老人ホームやデイサービス等の高齢者施設の職員として就労されている方々もおられます。また、精神障がいのある方を、区の臨時職員として雇用し企業就労等へつなげるチャレンジ雇用事業を今年度から開始しております。これらの取り組みを着実に進め、障がいのある方の活躍を支えてまいります。なお、議員お話の敬老マッサージについては、高齢者の健康増進の観点から、今後適切に対応してまいります。
【すがや議員】
次に、予算編成に当たっての各団体との懇談会で障害者・児団体の方から、防災に当たっての要援護者支援や福祉避難所、情報提供などの問題、手話講習会などの改善点等たくさんの要望を頂き先日区長に党区議団から提出しました。来年度の予算に実現してください。
また、10月18日、アプリコホール展示室にて区南部圏域高次・脳機能障害支援普及事業「専門的リハビリテーションの充実事業」講演会主催者に中途失聴難聴者の方が情報保障をお願いしましたが、磁気ループの用意できない、手話通訳の派遣できない、一番前で聞いて下さいとの返事で一番前に座ったけれども聞き取れませんでした。
●2015年に2億8080万円かけて区民ホールアプリコ音響設備改修の時にどうして埋め込み式のループなど設置しなかったのか、そのような考えがないのが残念です。今後施設改修の時にはすべてに設置すること、また、学びの機会が奪われることがないよう、何年も改善を求めている今ある大田区障害福祉課の磁気ループを貸出し用にし、機会あるごとに主催者に知らせていくことが必要です。障害者サポートセンターを作った松原区長ですから、障害者の権利を守る視点の発揮を求めるものです。お答えください。
【福祉部長】
障がいのある方への合理的配慮に関するご質問ですが、障がいのある方もない方も、共に生きる社会の実現に向けて、平成28年4月から障害者差別解消法が施行されております。同法には、障がいのある方から配慮を求められた場合に、過重な負担にならない範囲で、社会的な障壁を取り除くための「合理的配慮の提供」が定められております。区は、障がいのある方に職員が適切な対応が図れるよう、職員対応要領の策定や研修を継続的に実施し、区民サービスの向上を図っております。また、聴覚障害のある方への磁気ループを含めたコミュニケーション機器の貸し出しに関する情報については、区が発行する「障がい者福祉のあらまし」に記載をしております。区は引き続き、合理的配慮の提供に向けて適切に取り組んでまいります。
【すがや議員】
さらに、大田区が民間委託したところで障害のある人の雇用促進が行われているか、バリアフリーなど社会的に守られているかチエックするとともに、大田区として公契約条例を一日も早く作ることを求めておきます。
子どもを安心して産み育てられる支援について
【すがや議員】
次に、子育て支援策について質問します。
2019年10月から実施予定の3歳以上の幼児教育・保育の無償について、14日全国市長会は、国が求める新たな費用負担に対して反対を表明しました。政府は昨年の衆院選の際、無償化(全額国費)を打ち出したのに、消費税増税で地方も収入が増えることから、幼稚園・保育所の運営費は国が1/2、都道府県と市町村が各1/4、公立保育所・幼稚園は市町村が全額という今の負担を無償化後も維持するというものです。また、給食費については現行の負担方法を見直して、無償化の対象にしない方針です。
幼児教育・保育関係者や保護者から「給食は教育・保育活動の一環。どの施設でも給食費は無償化すべき」との声が上がっています。幼稚園との公平性を理由に保育所の給食費も「実費徴収」とされて、給食費が無償化対象から外されることですが「戦後子どもには食が一番大事ということで、児童福祉法に基づいて保育所には調理室を設置し、給食は保育の一環とされてきました。
●この歴史的経過を考えれば、当然給食費は無償化の対象とするべきです。また、今保育料が減免されている低所得者の子どもが、保育料が「無償化」されても給食費を払うことになり、兄弟姉妹が多ければ更なる負担増になります。深刻化する子どもの貧困の対策として給食の役割はますます大きくなっており、幼稚園でも保育所でも、どの施設であっても給食は無償化することが求められています。大田区は国に対して、給食費の実費徴収をしないよう求めること、また、国が行わない時は大田区が実費徴収しないよう助成することです。お答えください。
【こども家庭部長】
本年6月に経済財政運営と改革の基本方針2018いわゆる骨太の方針が閣議決定され、その中で幼児教育無償化を一気に加速するとの方針が示されたことに伴い、現在、内閣府、文部科学省、厚生労働省により、幼児教育の無償化の制度設計についての議論が行われております。有識者らによる内閣府の子ども・子育て会議の本年11月22日の会議において、国は、幼稚園、保育所、認定こども園以外の無償化措置の対象範囲等に関する検討会報告書の内容として、「保護者から実費として徴収している通園送迎費、食材料費、行事費などの経費については、無償化の対象から除くことを原則とすべきである。」との見解を示し、一般世帯の場合は、主食・副食ともに保護者の自己負担とし、それぞれ、主食費3千円、副食費4千5百円を徴収する案を示しました。国は、当初、幼児教育の無償化に係る費用について、各地方公共団体が、その一部を負担することとしておりましたが、11月21日に、内閣府・文部科学省・厚生労働省・総務省と、全国知事会・全国市長会・全国町村会とが協議を行う会議を開催し、実施初年度に要する経費は、全額国費の負担とする、との方針を示しました。食材料費の負担についても案の段階でありますので、今後、議論の中で新たな提案がなされることも想定され、現時点においては、国の動向を注視していくべき段階であると考えております。
【すがや議員】
今年も、保育園募集要項が配布され、11月30日に申し込み締め切りです。党区議団は、年々申込締切期間が早くならないことを求めるものです。また、若い子育て世代が、お子さんを安心して産み育てやすい大田区にするために、これまで一貫して、待機児童0にすること、待機児解消は、区民の願いである認可保育園の増設でおこなうことを求め、今期は、今後開設予定を含め56園分、定員約3400人を拡充しました。この1年間だけでも、21園1073人分の定員増となり、これは世論と運動の成果です。
しかし、今年度開設した認可保育園は、すべて株式会社、営利企業です。これまで保育は、人が人を育てる事業で、儲けを生み出す営利企業は、参入できないとしていたのを、安倍政権では、営利企業の参入ができるようにしました。保育は、運営費の8割を人件費が占めるのですから、これだけ営利企業が参入する事は、国や自治体からでる補助金と人件費を安くすることで儲けがでるからです。その中で低賃金で保育士が集まらない、定着しないという実態が浮き彫りになりましたが、その影響を一番受けるのは保育される子どもたちです。
営利企業の参入を認め、待機児童解消を区立保育園の増設で進めてこなかった大田区の責任は重大です。
さらに、国は、2017年から待機児童解消を認可保育園でなく、無認可の企業主導型保育所で進めようとし、大田区ではすでに18カ所まで増えています。先日、世田谷区では、今春開設した企業主導型保育所で、保育士5人全員が10月末に一斉退職し、11月から休園していることが問題になりました。企業主導型保育所は、基準を満たせば内閣府の委託で助成金を支給する「児童育成協会」からの運営費支給があり、例えば開設費用の4分の3相当の助成金があり、認可保育所より保育士の資格保有者は半分でよいなど人員配置基準が緩い、市区町村の指導がないなど問題があります。認可外施設は利用者と施設の直接契約であり、待機児童解消を認可外保育施設を増やして図ろうとする国の方針は問題です。
●大田区では、以前、平和島にある認証保育所の保育士不足が解消できず廃園になり、その子どもたちを区立保育園で急遽受け入れるなどの対応をしました。また、無認可保育施設で痛ましい死亡事故が起きていますから、これ以上大田区の権限のない無認可保育所設置はやめることを国に求める事です。また、企業主導型保育所開設募集を大田区のホームページで案内しているのですから、18カ所ある大田区の実態を調査することを求めるものです。お答えください。
【こども家庭部長】
次に、認可外保育所に関する御質問ですが、国は、認可外保育施設の利用が、待機児童問題により認可保育所に入ることができない子どもに対する代替的な措置であることをまえ、これらの施設を条件付きで幼児教育の、無償化の対象にすることを検討しております。認可外保育施設は、子育て支援において一定の役割を果たしていると捉えております。企業主導型保育所については、既に東京都と連携し、開設情報をもとに、保育サービスアドバイザーが施設を訪問して保育実態の把握を行っているほか、最近、他区において発生した、企業主導型保育所の保育士が大量退職した事例を受けて、大田区内の18の企業主導型保育所に聴き取り調査を行って、良好な職員関係の下に運営が行われているか、確認しております。区としては、引き続き企業主導型保育所を含む、認可外保育施設について、情報の把握に努めるとともに、東京と連携をしながら、保育の質の向上を図ってまいります。
【すがや議員】
本来ならば、子どもの権利を優先するとした児童福祉法の立場に立って環境の整備をしなければならないのに、都市部では、土地の確保が難しく、園庭がなくてもいい、東京都は、窓が保育室になくてよいとするなど規制緩和を進めています。
また、平成16年に始まった大田区の民間委託から14年たちます。当時、西蒲田保育園の民間委託では、「先生明日も来るの?」と子どもたちが不安定になっていることが雑誌にも掲載されました。今や、2018年4月現在私立95園、うち株式会社立49園、区立43園です。
大田区が民間委託した保育園では、保育士が集まらない為、保育士を紹介する会社に約1人に対して100万円、計1900万円(17人~18人)を支払うそうです。区立保育園の募集には、6~7倍の応募の人が集まるのに、民間では保育士確保のために、余分なお金を払わなければならず、保育士を紹介する会社が儲かる状況まで作っています。
●これらのことは、国が営利企業の参入を認め、保育予算を一般財源化して削減したことがおおもとにありますが、その中で、国に翻弄されずしっかりした施策を持つのが大田区の責任です。今こそ、保育士が定着し、子どもたちにより良い保育が行われるために、民間委託は中止し、元に戻すこと、待機児童解消は、区立保育園の増設で行うことです。お答えください。
【こども家庭部長】
次に、区立保育園の民営化の中止と、区立直営保育園の増設についてのご質問ですが、区では、保育士の「宿舎借り上げ支援事業」や「保育士応援手当」により、各私立保育園における保育士の定着を図っているところでございます。また、民営化した保育園の中には、英語教育やサッカー教室、リトミックなど特徴あるプログラムを実施し、質の高い保育を達成している園もでてきています。平成30年度から、保育園も幼児教育施設と位置付けられたことに伴い、さらに教育の充実を検討している園もあり、各民間事業者の特色を生かした保育が定着しつつあります。区では、多様なニーズに応え、保育サービスの充実に向けた取組みを行うために、平成16年度から区立保育園の民営化を実施しておりますが、方針策定時の目標は達成されつつあり、民営化を推進していく方針に変更はございません。
【すがや議員】
さて、党区議団は、洗心保育園の問題を第3回定例議会代表質問し、区長は「できることは支援をする」と表明しました。7月に来年度0才児募集停止を表明、5年後には廃園と急な法人の提案に、「洗心保育園を存続してほしい」という思いの一点で署名をはじめ様々な運動が起きていたところ、また急展開、法人は「保育園を譲渡する」ということを保護者に説明したとのことです。保護者の方から「今、先生たちは、この保育園で働き続けられるかわからない不安な思いで、自分の子どもたちの保育を一生懸命やってくれている。先生たちのことが心配」という声が出ています。このような中で、一番影響を受けるのは子どもたちです。
法人が存続ができず譲渡するならば、選定で一番いいのは、子どもたちのことをよく知っている現在の保育士、職員がそのまま子どもたちの保育ができることです。通常の民間同士の譲渡では片付かないことだと思います。以前「よい子の保育園」の時には、大田区がプロポーザルを行い、保育士がそのまま引き継がれました。保育園の運営や建て替え工事に国、都、大田区等の補助金、公費が使われますし、法人のこととしても子どもは、大田区の子どもであり、保護者は大田区の区民です。大田区に責任があるのです。
●仮に譲渡するとしても選定には公平性、透明性が必要です。保護者は、今保育をしている保育士、職員での存続を望んでいますから、大田区は、そのことに力を尽くすべきです。お答えください。
【こども家庭部長】
次に、洗心保育園の存続についてのご質問ですが、洗心保育園については、事業を引き継いでもよい、とする事業者が現れ、現在、協議を行っているとの報吉を受けております。議員のお話にあった「おひさま保育園」の事業引き継ぎの際には、土地及び建物が区の所有であることから、区が事業者選定を行ったものです。洗心保育園は、民立民営の私立保育園であり、土地・建物も法人の所有であるため、譲渡先の事業者の選定について、区が当事者として選定を行うことはできませんが、事業計画等について説明を求め、必要に応じて助言、支援を行っていくことが必要であると考えております。また、現在の保育士や職員の雇用についても、民間事業者の問題であり、区は介入できませんが、現在の保育士や職員と十分な話し合いをするよう申し入れを行っております。洗心保育園の存続については、今後も運営法人等と緊密に連絡をとりながら、対応してまいります。
【すがや議員】
次に「会計年度任用制度」についてです。区立保育園や児童館、学童保育において重要な支え手が非常勤職員の皆さんであり、正規職員と同じ仕事を担っています。しかし、この非常勤職員について、昨年5月、地方公務員法及び地方自治法の改定で「会計年度任用職員」の職を創設することとなり2020年度から実施されます。総務省の調べでも地方自治体で働く臨時・非常勤職員は65万人、大田区では、今年1月東京春闘会議による調査で、非常勤は2070人、臨時職員は140人です。正規職員4184人ですから非正規雇用は3人に一人になっています。法の改正で、常勤の職員と同じ仕事をしている非常勤職員に期末手当の支給の改善点があるものの、1年雇用の不安定雇用は変わらず、毎年1か月の試用期間が導入されます。特別区では、給料表、諸手当、退職手当など8項目を統一とし、「雇用問題」「賃金の具体額」「休暇制度」などは各区で決めることになりました。
●そこで質問します。昨年、学童保育の民間委託により、翌年も働く意思があった非常勤職員の雇用が切られるという問題がありました。
2020年から施行される「会計年度任用制度」で働くことを希望する非常勤職員を全員雇用すること、これを機に、民間委託に置き換えないこと、賃金の引き下げをしないなど雇用を良くすることです。お答えください。
【企画経営部長】
会計年度任用職員制度に関するご質問ですが、地方公務員法の改正により平成32年度・2020年度から制度導入が可能となります。現在、区においてはその詳細を検討中でございます。また、会計年度任用職員制度の導入の如何を問わず、行政サービスについて適切なアウトソーシングを推進することは、更なる区民サービス向上のために必要な不断の取組みであると考えております。今後とも、会計年度任用職員制度につきましては、総務部と緊密な連携のもと、他の地方公共団体の動向等も十分に注視しつつ、勤務条件の整備など適時適切に対応してまいります。
【すがや議員】
子育て支援の最後に、保育士定着のための「宿舎借り上げ制度」家賃補助制度は、2020年度(平成32年度)までであり、区は、東京都がこの制度を継続するよう求めること、また、大田区独自で行っている、保育士応援手当は「大変助かっている」と好評ですので、私立園長会等から求められている「全職種に応援手当を」の声に一日も早くこたえることを求めるものです。
地域の方々と共に育った「こらぼ大森・子ども交流センター」の充実について
【すがや議員】
つぎに、こらぼ大森・子ども交流センターについて質問します。
11月11日、開設15周年記念、ポレポレECOまつりが開催され、子どもから高齢者までたくさんの人の参加で、にぎわっていました。後日お聞きしたところ、延べで4000人以上、昨年と比べても800人増の参加があったと伺いました。ポレポレECOまつりは、地域大人の団体、子ども交流センターと学童保育室の子どもたち、出店希望の有志小・中学生(食べ事、美術、大森探検隊、ダンス)の子どもたちが参加・運営しており、15年かけて子ども交流センターと地域の方々が共に育てきていることを感じる内容でした。
このこらぼ大森は15年の暫定試用期間の終了、こらぼ大森(旧大森第六小学校)に大森西出張所、大森西保育園、大森西区民センターなどの機能が一つの建物の中に入る、大森西地域再編計画複合化の計画がしめされています。
先ほど述べた4000人規模のお祭りを開催できるようになった「子ども交流センター」は、ファミリールームを卒業した保護者が様々なサークルを作って活躍の場を広げています。例えばピアノ、フルートなど楽器を演奏できるママさんたちが、子ども交流センターのファミリールーム利用者にミニコンサートを開いたり、また、別グループでは既にお子さんたちも15歳に成長していますが、ファミリールーム卒業時から「ぞうぐみさん」というサークルを作り、現在は、学童保育のお手伝いをしたり、また、「こういった場所があるところがいい」と引っ越してきた方もいるなど、子育ての拠点としての居場所です。「芝生があってこのそばを通るといい風が吹いて気持ちがいい」などその心地よい場所が「どうなってしまうのか」との声が出されています。
まず子ども交流センターで行っている学童保育についてです。これまでこらぼ大森(旧大森第六小学校)の教室で広々と活発におこなわれていましたが、開桜小学校に移ると使える教室や場所が狭くなります。近隣にはマンションができ、子どもの数も増えてきているのに、教室は足りるのか心配です。また、開桜小学校の中で行っている放課後教室を参観させていただきましたが、トイレまで遠いので時間を区切って子どもたちを案内していました。トイレに行きたいときに行けるよう、改善はすぐにでもすべきです。
●今回の4000人を集めたポレポレECOまつりを含めこらぼ大森・子ども交流センターは、子どもを真ん中にして地域の皆さんと共に育ててきたものです。これが、大田区が進める地域力ではないでしょうか。こらぼ大森・子ども交流センターは、現在の規模と場所でそのまま残すことです。お答えください。
【こども家庭部長】
次に、こらぼ大森・子ども交流センターに関する御質問ですが、こらぼ大森・子ども交流センターは、平成拓年の設立以来、長きにわたり、地域のNPO法人として、様々な活動を展開しております。ポレポレエコまつりや、食育としての料理教室、キャンプなど多彩な活動は、子どもたちの興味や関心を引出し、体力を育むなど、地域の力が発揮された子どもの健全育成活動として、区としても高く評価しているところでございます。現在、大森西地区公共施設の再編計画が決定され、こらぼ大森・子ども交流センターを含む(仮称)大森西二丁目複合施設の基本計画を検討しているところです。これまでの活動を新たな施設でどのように継承・発展ざせていくかについては、運営法人と十分に話し合い、活動に必要な施設規模を検討してまいります。
【すがや議員】
また、学童だけが開桜小学校に移った場合でも、児童館と学童の運営が一体に行われることを求めます。
次に、現在、ファミリールームの利用者は、施設を4時まで使用できることも魅力の一つです。子どもを遊ばせた後、お昼を一緒に食べたり、子どもがお昼寝した時にママ同士で話をしたり、時には子育ての相談も。この心地よい時間が、複合化計画では、タイムシェアーになってしまい、空いていれば利用できるということは問題です。
また、現在でも体育館や芝生校庭の使用にあっては、年2回の抽選会は多目的室がいっぱいになるほど込み合っています。これが校庭狭くなる、芝生もどうなるかわからない、体育施設も複合化によって少なくなりますから、ますます地域の方々を含め利用しづらくなります。さらにいったい誰が運営するのか、子どもから高齢者までの施設が入るとされていますが、このままでは貸館施設になり、子育ての中心核というこれまでの積み重ねが継続できなくなります。
18日、羽田保育園の内覧会に行きました。子育てひろばと体育館、つばさ教室との合築です。羽田保育園は広くて誰でもトイレ設置も設置され、とてもかわいらしく、木のぬくもりのあるきれいな施設ですが、大規模のために部屋の中に大きな柱があり,死角ができていました。1歳児~5歳児それぞれ30人計150人の大規模保育園です。それにしても園庭が元の保育園の半分くらい、プールもなく、夏場になると簡易式のプールを作るのだそうです。結局子どもたちの遊ぶ場所が奪われ、子ども中心の設計ではないと思いました。まさにこれが複合化のしわ寄せであり、わが党の指摘どおりになりました。
大森西保育園では、現在タイヤを園庭にたくさん並べて子どもたち全員で遊ぶ園庭遊びの保育研究が行われ、この体験がはじまってから、それまで子どもの怪我が年間19件あったのが1件に減ったこと、それは、子どもたちの体感がしっかりしてきたことの報告もされています。大森西保育園を建て替えるにはプレハブを建てるなどお金がかかると理由を述べていますが、子どもの育ちをお金で測るのでなく、どれだけ豊かな経験ができるか、保育の質からぜひ考えていただきたいと求めるものです。
●私は、公共施設の複合化は、結局区民の使える施設の縮小になるものと考えています。大森西保育園については、平成4年に大規模改修工事は終わっていますので、複合化計画は中止し、長寿命化の視点で今壊す必要はありません。大森西保育園は今ある場所での継続を求めるものです。おこたえください。
【こども家庭部長】
最後に、大森西保育園の改築に関するご質問ですが、大森西保育園の改築については、大森西地区公共施設の再編計画の中で、(仮称)大森西二丁目複合施設に置きこむごととしております。本計画のメリットとしては、複合施設を利用する高齢者や地域住民との交流を行うことで、子どもたちの健全な発達にも良い影呂が期待されること、仮設園舎が不薯であり、園児は、園庭が一時的に使えなくなるなどの制限を受けることなく、新園舎での保育にスムーズに移行できること、等がございます。また、良好な保育環境となるよう、面積についても検討を進めており、園児にとっても、保護者にとっても、メリットの多い計画であると考えております。
以 上