第1回定例会代表質問(速報)―福井議員(2月23日)



(映像は大田区議会ホームページより:57分)

【福井議員】
日本共産党の福井亮二です。党区議団を代表して質問を行います。

区政・憲法施行70周年、平和とともに歩む大田区について

【福井議員】
区政・憲法施行70周年、平和とともに歩む大田区について伺います。
今年は区政・憲法施行70周年です。大田区政史50年では、戦禍により廃墟と化した大森・蒲田の両区は昭和22年3月に合併して大田区が誕生する。だが焼土から出発した新生大田区がたどった復興への歩みは、占領下の混乱と欠乏の中での厳しく苦難に満ちた道のりであったと記されています。この70年間は、戦争の反省を踏まえてできた憲法とともに歩んできた道だと言えます。そして、同じ過ちは繰り返さないことが大切です。
大田区平和都市宣言では、大田区は平和憲法を擁護することを宣言しています。日本共産党は、戦前から反戦平和を掲げ活動してきました。これからも平和憲法を守り、歴史の逆行を許さず、国民の苦難軽減のために全力を尽くします。
しかし、平和憲法に反する安保法制のもとで自衛隊が南スーダンに駆けつけ警護任務を付与して派遣されています。我が党は、繰り返し安保法制の廃止、自衛隊の撤退を求めています。南スーダンの実態は国連の報告書の中に、政府軍が国際機関のスタッフの居住区画で殺害、レイプ、略奪などを行ったことが記載されています。PKO5原則が崩れているのは明らかです。
さらに日報の隠蔽問題は深刻です。現場の部隊が戦闘だと認めている事案を防衛大臣は衝突と言いかえ、理由を問われると、戦闘行為ではないということになぜ意味があるかというと、憲法9条の問題にかかわるかどうかということでございます。その意味において、戦闘行為ではないということでございますと説明しています。つまり、南スーダンでは殺傷行為はあったが、憲法9条にひっかかるから戦闘行為ではなく衝突と言ってきたとの説明です。このことからも、憲法違反であることが明らかです。
●国政の問題でも、政府が憲法違反の行動をする場合、憲法に基づいて地方自治体が意見を上げることは当然であり、南スーダンからの自衛隊撤退の声を上げるべきです。お答えください。

【松原区長】
南スーダンに関するご質問でございますが、我が国は、平成4年に国際平和協力法、いわゆるPKO協力法を制定して以来、これまで数多くのPKO活動を通じて国際平和協力業務に貢献をしております。政府は平成23年11月から南スーダンの平和と安定に貢献するため、現地に陸上自衛隊を派遣しております。区といたしましては、このような安全保障関連法の運用や自衛隊のPKO活動に関する権限は、政府がその責任において行使するものであると考えております。

【福井議員】
今、戦前のような動きがあります。共謀罪です。政府は名前をテロ等準備罪に変えて今国会に提出しようとしています。法案の名称を変えても、共謀=相談、計画しただけで犯罪に問えるという本質は変わりません。それは犯罪の実際の行為のみを罰するという刑法の大原則に真っ向から反するだけでなく、日本国憲法第9条が侵してはならないとする国民の思想や内心を処罰の対象とする違憲立法にほかなりません。テロ対策の名で国民を欺き、国民の思想や内心まで取り締まろうとする共謀罪は、物言えぬ監視社会をつくる現代版の治安維持法にほかなりません。治安維持法とは、広辞苑では、違反者には極刑主義をとり、言論と自由をじゅうりんとあります。まさに悪法です。この治安維持法で投獄された一人が反戦平和を掲げていた宇都宮徳馬氏です。松原区長が秘書を務められたこともありました。この治安維持法、共謀罪は、反戦平和と真っ向から対立するものです。この共謀罪は、オリンピック・パラリンピックに向けて必要だと説明していますが、現在の刑法体系のもとでも、予備罪、幇助罪など犯罪に加担すること自体を罰する法制は日本に既にあり、対応することができます。また、テロ防止のための全ての条約を締結しています。
●そこで伺います。現代版の治安維持法、この共謀罪については反戦平和と相反します。反対の声を上げるべきです。お答えください。

【松原区長】
次に、共謀罪に関するご質問でございますが、現在、政府では、組織犯罪処罰法の改正を検討しているとの報道がされております。この改正は、平成12年11月に国連総会で採択された「国際組織犯罪防止条約」に我が国も加入すること、また、3年後に迫る東京2020オリンピック・パラリンピック開催に向けて、テロなどの組織犯罪への対策を強化することなどが目的とされております。昨今、世界各国では様々なテロ行為により尊い人命が失われ、私も大変心を痛めているところであります。組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪から国民を守ることは重要であります。このような情勢の中で区民の皆様の安全・安心な暮らしを守ることは区長の重要な責務とあります。世界の恒久平和と人類の永遠の反映を願い、平和都市宣言を行った大田区の首長として、引き続き政府の動向を注視しながら平和な世界の実現を目指してまいりたいと思います。

区民負担増をやめ、暮らし優先の予算について

【福井議員】
区民負担増をやめ、暮らし優先の予算について伺います。
今、区民の実態は、一昨年4月からの消費税8%への引き上げで暮らしと営業は深刻です。我が党区議団が行った区民アンケートには、3600を超える回答をいただきました。その中では、暮らしと営業は53%が苦しくなったと答え、よくなったという回答はわずかに1.5%にしかすぎません。さらに国民健康保険料の値上げ、年金給付は毎年減額、異常な円安による物価高騰が襲っています。区に対する国保料への1万件以上の問い合わせや怒りの声など、多くの区民から悲鳴の声が上がっています。生活保護受給者は1万3555世帯、1万6729人、就学援助は小学生5284人、18.4%、中学生は3105人、27.9%、区民の所得から見ても、納税者の平均で2015年営業所得は411万6000円、給与所得は391万4000円、昨年と比べ微増となっていますが、消費税増税分にも追いつかず、ものづくりのまち大田区の中小企業経営者や勤労者が一段と厳しい環境にあることがあらわれています。このようなときだからこそ、暮らしを応援する政治が求められています。
2017年度一般会計予算は、前年度比約45億円、1.7%増の2619億円余で過去最高となりました。新年度予算案には、子育て支援の中で待機児対策では、当初予算で比べると認可保育所が11施設、児童相談所開設準備、保育士人材確保支援事業、特養ホームの整備、障がい者総合サポートセンター二期工事、蒲田・大森駅ホームドア設置助成、エスカレーターの助成、池上駅の鉄道駅総合改善事業費補助、呑川水質浄化対策、住宅リフォーム助成拡充など、当区議団の提案や区民の声に応えたものであり、評価をするところであります。
しかしまず、緊急に取り組むべき課題があります。それは待機児対策です。保育園については、2月16日に今年の4月の認可保育園の1次選考結果が出ました。申し込み数4807人、昨年は4514人、内定者数2934人、昨年は2728人、保留児童数、昨年は不承諾数と言いましたが、1873人、昨年は1786人と増えています。申し込んだ人の約4割が認可保育園に入れませんでした。入れなかった保護者からは、このまま入れなければ仕事をやめざるを得ない、どうすればよいのでしょうか。また、夜も眠れずに不安ばかりです。なぜ夫婦ともにフルタイムで入れないのですか。私と入れた人の違いは何ですか、このような悲鳴の声が上がっています。緊急に対策をするべきです。
阪神・淡路大震災、東日本大震災では、停電後の電気復旧時に火災が発生する通電火災が多発しました。そのため、震災対策として感震ブレーカーの自治体の補助も広がっています。
●補正予算(第4次)では、公共施設整備基金に積立金に20億円の積み立てを行っています。その一部を振り分けるなどとして、さらなる待機児対策や感震ブレーカーの補助のため、緊急に補正予算を組むべきです。お答えください。

【松原区長】
次に、待機児童対策や感震ブレーカーに関するご質問でございますが、平成29年度予算では、「未来を拓く子どもたちや若者の成長を支える取り組み」、「災害に強く、安全で安心な生活基盤の確立」など四つの重点課題を掲げ、優先的に予算を配分しております。待機児童対策では、保育サービス定員700人の拡充を目指し、認可保育所をはじめ小規模保育所、認証保育所等の整備を図るための予算を計上しております。また、保育士人材確保のため、(仮称)保育士応援手当の新設や保育士宿舎借り上げ支援の拡充のための予算など、ソフト、ハードの両面から積極的に取り組んでまいります。感震ブレーカーにつきましては、防災用品のあっせんに取り入れ、普及啓発に努めるとともに、引き続き区のホームページ等を通じ周知を図ってまいります。このように、感震ブレーカーの普及につきましては、引き続き既存事業によって対応するとともに、待機児童対策に関しましては平成29年度予算においても十分に反映しているところでございます。

【福井議員】
予算案でまず問題なのは、一昨年の消費税増税が住民の暮らしを圧迫している中で、区民へ相次ぐ値上げで負担増を押しつけていることです。大田区政は、区民生活を支えてきたあらゆる分野の施策を縮小、廃止を進めてきました。新年度の予算編成方針でも「将来を見据え、区民目線に立った事業の見直しや再構築を行うことによる『選択と集中』を強化する必要がある」とし、引き続き進めようとしています。
区民への負担増では、4月から学校給食の値上げで小学校の低中学年が月300円、高学年、中学校は月350円と値上げとなり、総額1億4000万円となります。また、施設使用料は約8割の使用区分で値上げとなり、総額2000万円となります。さらには、9月からは保育園保育料と学童保育保育料の値上げが行われ、保育園保育料では低所得者対策は行われたものの、園児の約6割の値上げで総額1億7000万円となります。学童保育保育料も月1000円の値上げとなり、区民の負担増がめじろ押しです。
歳出では、産業経済費37億円余構成比わずか1.4%で、前年度比5066万円余の減です。衛生費でも、胃がん検診920万円余、2.5%の減、大腸がん検診1990万円で10.1%の減となっています。都市整備費で、耐震診断・耐震改修は2億1000万円、20.2%の減、雨水浸透桝等設置助成事業は276万円、23.5%の減となっています。また、公共施設適正配置方針で、今後45年間で公共施設を1割程度削減する計画や新たな財源確保で土地の売却も掲げ、進めようとしており、今定例会にも西糀谷老人いこいの家、大田区民センター廃止の条例が提出されております。
一方で、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて国際都市おおたを目指すとして、JR蒲田・大森駅周辺再開発、京急蒲田・糀谷・雑色駅前再開発と羽田空港跡地のまちづくり計画、新空港線(蒲蒲線)などのために区税投入と基金積み立てを進め、新空港線では、当初予算から10億円の積み立ててで総額40億円余となり、整備主体の設立により1億8000万円で一歩踏み出し、不要不急の大型開発で拍車をかけています。
●新空港線の積立金は、当初から前年度を5億円上回る10億円の積み立てを行います。この増額分の5億円があれば、学校給食費、施設使用料、保育料の値上げは必要ありません。大型開発より暮らし応援に転換すべきです。お答えください。

【松原区長】
次に、予算編成に関するご質問でございますが、平成29年度予算編成に当たりましては、「未来を拓く子どもたちや若者の成長を支える取り組み」、「誰もが健康で、いきいきと活躍できるまちづくり」、「災害に強く、安全で安心な生活基盤の確立」、「地域の資源と強みを活かし、国際都市おおたの成長を牽引する取り組み」の4点を重点課題と捉え、特に優先的に予算を配分しております。大田区の長年の区政の課題でありました新空港線の整備につきましては、財政負担の軽減を図るために、工事着手時期をにらみながら、準備資金に見合う基金を引き続き積み立てていく必要があります。なお、区が区民サービスを提供するに当たっては、負担の公平性の観点から施設等をご利用いただく区民の皆様に応分の負担をお願いしております。区民サービスの向上のためには、ハード、ソフトの両面から限られた財源をバランスよく配分することが重要であります。今後とも、「暮らしてよし、訪れてよし、地域力あふれる国際都市おおた」の実現に向け、必要な施策を着実かつ的確に推進してまいります。

【福井議員】
新空港線では、区長は繰り返し国の高い評価を得たと述べていますが、この問題では、昨年の決算特別委員会の質問で指摘しましたが、国に高い評価なのかと確認していないことがわかりました。審議会の議事録でも、優先順位をつけることではなく、課題を記述することが適当だというのが当委員会の考えであると記載されています。大田区の都合のよい一方的な解釈と言わざるを得ません。新空港線ができれば沿線地域が活性化するかのように描いています。沿線は素通りとなり、なぜ活性化するのかの根拠がありません。
当区議団が反対する理由の一つが巨額な費用です。今、大田区では試算中ですが、国の試算では約1800億円となっています。利便増進法では三分の一ずつ、国、地方自治体、鉄道整備主体となっています。2011年の総務財政委員会での答弁では、鉄道整備主体に出資、融資する考えはないことを明言しています。しかし、区長は今定例会の挨拶で、第三セクターを想定した整備主体の設立に関する予算を計上したと述べました。大問題です。東京商工リサーチの調査によれば、全国の第三セクター鉄道運営会社63社のうち、2015年度の経常赤字は半数を超える35社、利益剰余金がマイナスの累積赤字も40社と6割に達し、三セク鉄道の厳しい経営環境が明らかになったとありました。とりわけ初期投資の負担などから8社が100億円以上の累積赤字を抱えており、巨額の累積赤字の解消が課題になっているともあります。
●第三セクターへの出資は破綻への道であり、区民へ多額の借金をつくることになります。このような計画はやめるべきです。お答えください。

【松原区長】
次に、出資金についてのご質問をいただきました。新空港線(蒲蒲線)の事業は、国の答申において「矢口渡から京急蒲田までの事業計画は進んでおり、事業化に向けて関係地方公共団体・鉄道事業者等において、費用負担のあり方等について合意形成を進めるべき。」との高い評価を受けております。答申を受け、現在、関係者間で諸課題の整理を行っております。関係者間合意が得られた後、速やかに事業着手に向けた準備を進める必要がございます。このため、第三セクターを視野に入れた整備主体設立のための出資金を予算案に計上をいたしました。新空港線整備着手に向け、諸準備を進めてまいります。

【福井議員】
高く評価されたとの考え方は、大田区の一方的な解釈であり、東京都は一昨年3月に答申に向けた検討の中間まとめで優先して整備する計画5路線から新空港線を外しました。また、事業者間の合意がありません。フリーゲージトレインはいまだに実用化されていません。この客観的事実を見るのであれば、新空港線(蒲蒲線)は実現することはできないし、するべきではありません。いま一度立ちどまり、考えるべきではないでしょうか。
●そこで質問します。新空港線(蒲蒲線)事業は白紙撤回をすることを求めます。お答えください。

【松原区長】
次に、新空港線(蒲蒲線)事業についてのご質問でございますが、新空港線事業は大田区が30年にわたって取り組んできた重要課題であり、昨年の国の答申を受けて事業実現に向けて大きく前進をしております。新空港線が整備されることにより、区内東西の移動利便性が向上するとともに、沿線まちづくりをあわせて進めることで区の活性化につながります。また、相互直通運転を行うことで、渋谷、新宿、池袋などの副都心や川越、所沢、和光市など埼玉方面と羽田空港との交通アクセスが強化され、東京圏北西部への新たな交通ネットワークが形成されます。引き続き、新空港線の早期整備に向けて全力で取り組んでまいります。

【福井議員】
予算案の問題点は、ほかにもあります。一層の民営化と非常勤職員の設置や臨時職員を活用しようとしていることです。2月1日大田区版働き方改革でスマートワーク宣言を発表しました。(1)意識改革、20時退庁、毎週ノー残業デーの徹底、(2)業務のスリム化、(3)事務事業の見直し、事業の選択と集中、統廃合とあります。働き方改革は、国が取り組んでいる課題でもあります。
先日、サラリーマン川柳コンクールの入選100作品が発表されました。「残業は するなこれだけ やっておけ」、「ノー残業 居なくなるのは 上司だけ」、「効率化 提案するため 日々残業」など、仕事が減らないのに長時間労働の削減を求められる苦労を嘆く句が目立ったとありました。人を増やさずに残業時間の短縮だけを求めるのは無理があります。そうなると、次に考えられるのが仕事の外部化です。
組織・職員定数の基本方針で、外部化の再検証で一層の民営化と適切な非常勤職員の設置及び臨時職員の活用を進めようとしています。当区議団は、行政が本来行うべき仕事、住民の福祉の増進を進めるためには、アウトソーシングで丸投げではなく行政が責任を持って取り組むことが大切だと考えます。アウトソーシングの多くはコスト削減ありきでサービス向上につながりません。例えば、国保年金課が窓口の一部業務委託をしています。この委託により、職員数で言えば15人分の削減ができたと報告がありました。しかし、委託先ではその仕事を15人で行っているのではなく、平均して約20人、繁忙期は約30人で対応に当たっています。つまり1人当たりの人件費を下げて人を増やすやり方です。ワーキングプアにつながるのも明確です。また、窓口業務のアウトソーシングは偽装請負ではないかと指摘もあり、公的責任の放棄につながるアウトソーシングはやめるべきです。また、ワーキングプアにならないように区がしっかりと把握することが求められます。
お隣の世田谷区では、公契約条例ができました。この中で時給を1020円に引き上げることを決め、4億6000万円の予算を組みました。結果、給食調理は月6000円、学校の非常勤職員は月1万2000円の賃上げとなりました。障がい者の雇用にも適用されています。行政がしっかりと労働者の賃金を把握し、改善することは公共事業や区民サービスの質の向上につながります。
●そこで質問します。大田区での公契約条例の制定を求めます。お答えください。

【松原区長】
次に、公契約条例の制定についてのご質問でございますが、労働者の適正な労働条件を確保することにより、公契約に係る質の確保及び社会的価値の向上を図ることは重要な課題であります。このため、区では、最新の労務単価の適用による適正な予定価格の設定及び最低制限価格制度の活用によりますダンピング受注の排除などに取り組んでおります。現在は、労務単価や最低賃金が上昇している段階にあります。このため、まずは適正な価格の設定及び入札時期の適正化を図っていくことが重要であります。今後も、他区の動向を踏まえながら、区としてどのように対応するかが適切か、公契約のあり方について議論を進めてまいります。

【福井議員】
次に、公用地の活用で公的施設の増設を求めることについて伺います。先日、財務省理財局にレクチャーを受けてきました。未利用国有地については、これまで原則売却を優先するとの管理処分方針をとってきましたが、方針を見直し、売却に加えて定期借地権を利用できるようになりました。処分に当たっては、公用・公共用優先の考え方を原則とし、地方公共団体からの要望を優先しています。要望がなければ一般競争入札により売却しています。また、未利用国有地が売却等されるまでの間は、維持管理費用の削減や土地の有効活用を図るため、一時的な貸し付けや事業用定期借地権を活用した貸し付けを行うなど暫定的な活用を進めています。ここでのポイントは、大田区自体が購入しなくても社会福祉法人が購入または定期借地の意思を示せばよいのです。実際に保育所マッチング事業で行われております。例えば上池台四丁目の最高裁官舎跡地は長年使われておりません。今年の9月に一般競争入札を予定しております。大田区が国有地の情報を社会福祉法人などに働きかけ、認可保育園や特養ホームの誘致を進めるべきではないでしょうか。
●売却予定の国有地をマッチング事業で有効活用することを求めます。お答えください。

【松原区長】
次に、国有地の有効活用についてのご質問ですが、区では、これまでも行政需要にマッチする可能性がある国有地等について国と協議し、購入による学校などの整備、無償貸し付けによる公園整備など、積極的に有効活用を進めてまいりました。国においては、地方自治体や社会福祉法人等への優先的売却等、国有地の福祉施設整備への活用を進めており、今後とも国の動向に注視してまいります。区の施設需要がある場合は、区有財産の有効活用を基本と考えておりますが、立地条件などによっては国有地等の活用も視野に入れて、引き続き検討してまいります。

子どもの貧困対策は、子どもの視点での対策について

【福井議員】
子どもの貧困対策は子どもの視点で行うことについて伺います。
大田区は、子どもの生活応援プラン素案を出しました。今までは世帯の年収をベースに見ていた絶対的貧困から、子どもにとって必要なことに消費として使っているのか、必要な環境を整えているのか、子どもの視点から見ることとした相対的貧困からの対策をとる素案となっています。
先日、NHKの番組で、大田区が昨年行った小5子どもアンケート、小5保護者アンケートについて取り上げられました。私と私の子どもも回答した一人です。この中で、生活困難層が設けられました。家庭、世帯収入、子どもの要素を取り込んだものです。結果、生活困難層は全体の21%となりました。また、毎年新しい洋服、靴が買えない生活困難層は14.8%、非生活困難層は0.2%、習い事ができない生活困難層は22.6%、非生活困難層は1.7%です。特に驚いたのが自分は価値がある人間かの問いに「思わない」と回答したのが、生活困難層は46.8%でした。
貧困対策は様々ありますが、我が党は食育の観点で提案を行います。同じNHKの番組で食育の研究が紹介されました。野菜を食べる頻度が週3日以下の割合の世帯は、収入が多い世帯は11.6%、低い世帯は21.5%、インスタント麺を週1日以上食べる世帯の割合は、収入が多い世帯は15.9%、収入が低い世帯は26.1%など、世帯収入による栄養素摂取量の格差がありました。タンパク量、カルシウム、カリウム、鉄など体をつくる栄養素がとれていないことがわかりました。食生活が乱れると生活全般が乱れてくる。成長時期に栄養素が乱れると大人になったときの病気のリスクが高まります。専門家からも給食費の無償化をするべきとの意見が出されています。全国を見ますと、公立小学校や中学校の給食費の保護者負担を全額補助して無償にする市町村が少なくとも55自治体、うち9割がこの6年間で無償にしています。給食費の一部を補助する市町村が少なくとも362自治体で、23区での公費補助は中央・港・墨田・目黒・荒川・板橋・足立・葛飾区があります。また、当区議団が行った区民アンケートでも、給食費無償化を望む声は上位となっています。
●そこで伺います。大田区で子どもの貧困対策のためにも給食費無償化を行うべきです。お答えください。

【津村教育長】
給食費を無償化すべきとのご質問でございますが、学校給食に係る費用は、学校給食法において、保護者は食材費相当分を負担することと定められております。また、区は就学援助制度を設け、生活保護基準の1.2倍未満の世帯の給食費全額を補助することとしております。昨年、福祉部が実施をいたしましたアンケート調査では、生活困難層は21.0%であるとの結果となっております。平成27年度の就学援助認定者数は、小学校20.8%、中学校32.1%となっており、現在の就学援助制度は、生活困難層をほぼカバーすることができていると考えているところでございます。こうしたことから、大田区において給食費の無償化を行う必要性は低いものと考えております。

【福井議員】
子どもの生活応援プラン素案では、「子どもの貧困対策では、子どもの基本的人権である、子どもの生存、発達、保護、参加を、社会として保障していくことが重要です。そのため、区は第一に子どもに視点を置いた取組みを進めます。」とあります。部活動について考えてみますと、今、生活保護受給の場合は教育扶助の学習支援費があります。支給金額は小学生で月2630円、中学生は月4450円です。この学習支援費の中には学習参考書等の購入費も含まれており、純粋に部活動というわけではありませんが、生活保護受給世帯には支給されています。しかし、就学援助の場合は、小学校4年生から6年生の場合、クラブ活動費はわずか年額250円です。そして、中学生の部活動費はありません。これでは就学援助受給世帯の子どもは部活動をすることはできません。家庭の経済的事情でクラブ活動、部活動が制限されてよいのでしょうか。子どもは敏感です。親に迷惑をかけたくない、うちはお金がないからしようがない、私が我慢すればよいと考えます。小中学生から諦めること、我慢を強いられて成長することが子どもの健全な発達につながるでしょうか。
●子どもの視点で支援をするのであれば、就学援助に部活動費を盛り込み支援をするべきだと考えます。また、就学援助の基準を現行の生活保護基準の1.2倍から以前の1.3倍に戻すことを求めます。お答えください。

【津村教育長】
就学援助費に部活動費を盛り込み、また、基準を改定すべきとのご質問でございますけれども、中学校の部活動につきましては、必修ではないことや部によって費用が異なることから支給対象としておりませんが、共通で使う用具類は、運動部、文化部ともに区の予算を配当して整備を行っているところでございます。現時点で部活動費を盛り込むことは、公平性の問題や具体的な金額の算定方法など様々な課題があると考えております。また、本区の生活保護に準ずる世帯の認定基準につきましては、生活保護基準の見直しが就学援助制度に影響しないよう、暫定的に引き下げ前の生活保護基準に据え置いております。現行の生活保護基準に対応する認定倍率につきましては、景気動向や社会経済状況を踏まえながら、今後適切に判断してまいります。

【福井議員】
大学に行くことがぜいたくなことでしょうか。この言葉は、昨年、私の事務所に相談に見えたある50代男性の言葉です。この男性は2年前まで自営業を営んでいました。しかし、業績悪化で自己破産をしました。そして、今、正規雇用ですが手取り約18万円。貯金もなく娘の大学受験で入学金が準備できず、国の教育ローンが借りられず、相談に見えました。男性は、私は自己破産してから職を探しました。運よく清掃の職につくことができましたが、手取りで18万円。大学を出ていない私には職を選べませんでした。娘には大学を出て職業の選択ができる状況をどうしてもつくってやりたいと思い、相談に来ましたと話されました。現在、大田区は奨学金と給付型奨学金積立基金給付事業があります。実績は、高校の準備金貸し付けは高校進学者3878人の中でわずかに61人、給付型の場合は28人、本当に狭き門となっています。大型開発への投資ではなく、将来を担う子どもたち、人への投資を行うべきではないでしょうか。
昨年、我が党の荒尾議員の質問に対し、担当部長は、現行の貸付型奨学金制度が適当であると答えています。しかし、日本政策金融公庫の調査によれば、入学金と大学4年間の在学費用の合計の平均は約700万円となっています。大田区の貸付型奨学金は国公立大学で月上限3万5000円、4年間で168万円、私立大学上限4万4000円で、4年間で211万円です。入学準備金の貸し付けはありません。大田区の奨学金だけでは足りないことは明らかです。そのほかに日本学生支援機構や国の教育ローンで借りることになります。平均300万円から400万円の貸し付けです。毎年の返済額が3万円から4万円、大卒の平均の初任給の手取りは約16万円です。返済金額を引くと、既に生活保護基準以下となります。実際に貸付型奨学金の返済が生活を苦しめています。奨学金を借りている方の4割が苦しさを感じています。おおた子どもの生活応援プランでは、子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、対策を総合的に推進することが何よりも重要ですと述べています。
子どもの生活応援プランの観点で取り組むのであれば、給付型の奨学金の継続と対象条件の緩和は必然だと考えます。答弁を求めます。

【松原区長】
次に、給付型奨学金に関するご質問でございますが、区が実施している給付型奨学金事業は、故人となられた区民の方からの尊いご寄付とご遺志をもとに創設したもので、経済的事情のある優秀な学生に対し、実施しております。一方、国や東京都が予定しております給付型奨学金は、高等教育が広く国民全体に社会的便益をもたらすとの観点から実施する側面があり、実際の進学では、家計の負担やアルバイト収入、各大学や民間団体等が行う奨学金など他の支援制度も併用し、進学等の費用を用意することが必要となる場合もあります。区の奨学金貸付制度は、学生生活に必要となる様々な必要を支弁し、これまで約1万3000人の方にご利用いただくなど、必要な支援策の一つと自負をしております。今定例会では、返済猶予制度の緩和に関する条例改正案を提出させていただくなど、制度の利便性向上に資する検討を不断に取り組んでおります。また、区の給付型奨学金の選考基準である成績要件につきましては、大田区奨学金貸付審議会での議論を踏まえ、平成27年度進学予定者から、4.5から4.3に緩和したものでございます。こうした成績要件を設けることは、限りある寄付を有効に活用する観点から故人のご遺志に沿うものと考えております。

【福井議員】
次に、非婚のひとり親家庭の寡婦控除のみなし適用について伺います。この問題では、昨年、我が党の菅谷・佐藤議員、他党議員からも適用を求める質問を行っています。申請時において、このような世帯状況を把握した場合には適切に対応してまいりますとの答弁でした。そして、調査をする中で、大田区が保育料についての非婚のひとり親家庭の寡婦控除のみなし適用を今年の4月から行う予定であることがわかりました。私たちの要望にも応えたものであり、大いに評価できるものであります。しかし、保育料も含めて寡婦控除のみなし適用をできる制度、寡婦控除の対象となるのは30事業ほどあります。我が党の宮本徹衆議院議員の国会での質問に対し、子どもの福祉の観点からも検討し、制度を所管している内閣府と十分に調整をしてまいりたいと国会で答弁がありました。また、昨年の我が党の佐藤議員の質問に対し、川野区長政策室長は、非婚のひとり親家庭でのみなし適用につきましては所得税法や地方税法の寡婦控除の規定の改定等も望まれていると答弁しています。さらなる適用拡大の方向は一致していると思います。大田区では、子ども貧困対策へ取り組みを始めていますが、子どもの貧困対策にも有効です。
●大田区で非婚のひとり親家庭の寡婦控除みなし適用の事業をさらに拡大するべきです。お答えください。

【松原区長】
次に、寡婦控除のみなし適用に関するご質問でございますが、昨年、公営住宅法施行令の一部改正が行われ、この4月より公営住宅の入居者の収入算定を行う際、非婚のひとり親家庭につきましても、寡婦控除対象者と同様の控除を行うことになっております。区におきましても、この法令改正にのっとり、区営住宅使用料の算定を行ってまいります。また、区営住宅使用料以外の子育てや福祉分野などにおける寡婦控除のみなし適用につきましては、既に導入済みの自治体においても、様々な考え方、基準を設けて運営している状況にございます。区といたしましては、全ての子どもが生まれ育った環境に左右されず、健やかに育つことができるよう、今後も様々な施策展開に取り組んでまいります。

憲法25条生存権に基づく、国民健康保険制度について

【福井議員】
憲法25条生存権に基づく国民健康保険制度について伺います。
2月2日、大田区国民健康保険運営協議会が開かれました。その中で、来年度の国民健康保険料が介護分を含め1人当たり9662円の過去10年間で最高の上げ幅になる答申を了承しました。区民にさらなる負担を負わせるにもかかわらず、誰一人区民の暮らしや実態は語らず、全員賛成の了承でした。
国民健康保険法の第1条に「社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする。」とあります。国民健康保険は民間の保険制度ではなく、社会保障が前提となっています。この社会保障の考え方は憲法25条の生存権に由来します。そのため、第1次的責任は国にあります。1984年までは給付費の60%が国庫負担でした。1984年、国保改定で50%となり、そして現在、国庫負担金の割合は32%になっていますが、実際には17%しかありません。つまり国保料が高い一番の問題は国がいろいろ言いわけをして法律どおりの32%を負担せず、17%しか負担していないことにあります。
●国に対して当初の予定どおりの支出、負担金をさせ、また、以前のように国庫負担金分を50%に引き上げるように国に求め、あわせて都に対して支援するように求めるべきです。お答えください。

【松原区長】
次に、国民健康保険制度に関する公費負担についてのご質問ですが、国民健康保険の事業運営には、国の交付金や都の支出金などの公費が欠かせないものでございます。区では、従前から、全国市長会を通じて国に対して国保事業に対する財政基盤の強化、公費の拡充を求めてきたところです。特別区では、医療費の急増に加え、大都市特有の事情として、無職、非正規職員の方の割合や住民異動が激しいことなど、保険者の努力だけでは解決し得ない課題に直面しております。昨年12月、特別区長会では、国に対し定率国庫負担割合の引き上げ、低所得の方への負担軽減、子育て世帯への軽減策に対する財政措置の拡充などを求めております。

【福井議員】
我が党が繰り返し国保料引き下げを求める質問に、区長は公平な負担を実現するためにとの答弁を繰り返しています。しかし、実態を見ますと、全国平均で加入者1人当たり保険料負担率、つまり収入に占める保険料の割合を比較しますと、市町村国保は9.9%に対して協会けんぽは7.6%、組合健保は1人当たりの平均所得が国保の2倍以上なのに5.3%と保険料負担率は約半分になっています。つまり保険料負担率、収入に占める保険料の割合を見れば、一番多く負担しているのが国保加入者と言えると思います。区長の言う公平な負担を実現するためと言いますが、区長の言う公平な負担とは財政のみであり、そこには区民の目線、実態がありません。この10年間、国保料の推移を見ますと、2006年は7万9714円から2017年度は11万1189円と1.4倍に上がりました。区民の営業所得を見ますと、2006年、420万円から2016年、391万円と下がっています。所得が減り、保険料が上がれば、誰の目から見ても生活が苦しくなるのは明らかです。
昨年12月26日に特別区長会が厚生労働大臣に国保についての緊急要望を行っております。その中で、保険者の努力だけでは解決し得ない課題に直面していると記載されており、国に対し財政措置を求めています。なぜ滞納するのか。理由は明確です。払えないからです。収入の1割を超える保険料。大田区は収納強化の取り組みをしていますが、国保運営協議会に出された資料によれば、差し押さえ184件に対し執行停止は1438件です。執行停止とは、差し押さえるべき財産がないことを意味しています。滞納処理を行ったところ、約9割の滞納者が払えるべき財産がないことが明らかです。保険料の引き上げはさらなる滞納者を増やし、しいては国保財政の悪化の悪循環を引き起こすことは明らかです。
●国民健康保険は社会保障です。区民の命を守るためには大田区が役割を果たすべきです。当面、一般会計から繰り入れを行い、保険料の引き上げを中止することを求めます。お答えください。

【松原区長】
次に、国民健康保険料についてのご質問ですが、23区の保険料については、毎年度、医療費の動向、国庫負担金及び都交付金の額、所得状況など、基礎となる数字を踏まえて算出しております。国民健康保険制度は、負担と給付のバランスが不均衡になっている状況にあります。特に医療の高度化、調剤医療費が増えていることから、区では国民健康保険特別会計の財源不足に対し、毎年度、多額の繰り入れを行ってきております。保険料率につきましては、被保険者の過大な負担とならないように、十分に検討を重ねて算出しております。一般会計からの繰り入れを増やすことによる独自の保険料の引き下げは考えておりません。

【福井議員】
次に、世帯の収入が生活保護基準に満たない方や境界層、いわゆるボーダーライン層の方々の保険料について伺います。生活保護の受給者に支給されるお金は、最低生活を維持するためのもので、保険料も医療費もかかりません。ところが、大田区の国民健康保険料は、生活保護を受けないで頑張っている保護基準程度の収入でも、高齢2人世帯で約9万円、65歳未満4世帯で約30万円と高額です。我が党は、繰り返し境界層措置をとることを求めてきました。区長は、公平な負担を実現するために難しい。均等割保険料について7割、5割、2割を軽減する措置が設けられていると答えています。先ほどの生活保護基準相当の4人世帯では、収入の約1割の約30万円が保険料です。2割減額分が9240円ですので、この減額を受けても30万円から29万円となるだけです。実際にこのような高額な保険料となっています。生活保護基準を下回る方や境界層、ボーダーライン層の方に保険料や医療費負担を強いることは生存権の侵害にも当たります。
●そこで質問します。介護保険には、保険料を賦課されて生活保護基準以下になった場合は保険料を免除するという境界層措置というのがあります。国民健康保険制度にも介護保険制度と同様に境界層の減免制度を国に求めること、当面、こうした方々については区独自の境界層減免を検討することを求めます。お答えください。

【松原区長】
次に、国民健康保険制度への境界層措置の導入についてのご質問ですが、国民健康保険においては、収入の減少などで生活が困難になった方などに対して、保険料を減免する措置を設けています。保険料の負担が厳しい方に対しては、申請により所得割保険料の減免を行い対応しております。また、生活困難な状況の認定につきましては、保険料の減免の取り扱いに関する特別区共通基準に基づき、生活保護基準額を拡大し、対象者を広げて減免の対応をしております。さらに、保険料の減免措置のほか、一部負担金の減免措置も制度として設けられております。保険料の負担が厳しくなっている方に対しては、減免制度の内容が伝わるよう、繰り返し周知をしております。区独自に、境界層措置による減免制度を設ける考えはありません。

【福井議員】
国保制度について都道府県ごとの広域化について我が党は反対しております。保険料の引き上げ、サービスの後退につながるからです。広域化は大阪府で先取り的に行われています。大阪府は、あるべき保険料、国保行政について府が市町村を指導します。例えば、市町村の一般会計繰り入れには減点、収納率が落ちた場合も減点、医療費抑制が進んだ場合は加点、採点表をつくって、その得点によって調整交付金に傾斜をつけています。その結果、一般会計へ繰り入れて保険料の高騰を抑えてきた自治体や手厚い医療をしていた自治体が国保料の引き上げを余儀なくされています。一方で、低所得者が多くて医療費が高い大阪市に交付金が集中しています。自治体の担当者は、医療環境が変わっていない、市の給付金が増えていないにもかかわらず保険料が上がるのは住民に説明できないという悲鳴を上げています。しかも、平準化と言いますが、大阪市の国保料が下がるわけでもありません。周囲の国保料が上がり続けるという状況です。これが広域化を先取りしている大阪府の実態です。我が党は広域化の中止を求めてまいります。
次に、滞納整理、差し押さえについて伺います。以前、ある区民が区民税を滞納していたところ、銀行に振り込まれた給料がその日のうちに全額差し押さえられ、生活費がゼロになり暮らしていけないとの事例がありました。給料の全額を全額差し押さえられたら、生活はどのようにしていけばいいのでしょうか。民事執行法の第152条では給料全額の差し押さえを禁止しています。給料は昔と違い、ほぼ銀行振り込みです。振り込まれたその日に全額を差し押さえることは明らかに違法行為だと考えます。2013年広島高裁判決、いわゆる児童手当差し押さえ事件で明確になったのは、口座に振り込まれてもその属性が失われていなかったことが認められたことです。この考え方は、口座の全額を差し押さえることはできないことを示しています。この問題では、26年第3回定例会で我が党の大竹議員が質問したところ、区長は、給料等の振り込み口座預金の差し押さえは、国税徴収法第76条第1項の各号に掲げられている税額、社会保険料、生活費を控除して行っていますとの答弁をしています。
●口座の中には生活費が含まれています。生存権を脅かす口座の全額差し押さえはやめるべきです。お答えください。

【松原区長】
国民健康保険料を滞納した場合の対応についてのご質問ですが、被保険者の方に負担していただいております保険料は、国からの交付金とともに保険財政の重要な財源であり、地方税の例により滞納処分をすることができることとされています。しかしながら、滞納処分ができない事実があると認めたときは、執行の停止を行っています。被保険者の方に対しては、生活状況や特別な事情があるかをよくお聞きして、丁寧に対応しております。保険料の徴収の取り組みは、公平な負担を実現するために進めていかなければならないものでございます。
国民健康保険料の滞納整理についてのご質問ですが、保険料の支払いが困難である方は、税など強制徴収できる債券のほかに、強制徴収できない債権や私債権につきましても滞っている場合が多いことは承知しています。滞納の再発や生活状況のさらなる悪化を招くことがないような取り組みをする必要があります。保険料の支払いが困難な方については、生活状況を詳しくお話をし、税や他の保険料、使用料などの支払い状況、収入の状況などご相談の内容に応じ、JOBOTAなど関係機関の相談窓口等の案内も行い、丁寧に対応しております。私からは以上でございます。

【福井議員】
次に、滋賀県野洲市では、債権管理条例があります。市長は条例をこのように説明しています。税金を納めてもらう以前に市民の生活が健全でなければならない。市民の生活を壊してまで滞納整理をするのは本末転倒。生活を壊さず納付してもらうのが原理原則だと説明しています。
滞納整理は生活再建支援で滞納を解決すべきです。そのために、野洲市のような債権管理条例を制定すべきです。以上で質問を終わります。よろしくお願いいたします。

以  上

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