「東京圏における今後の都市鉄道のあり方ついて(案)」に対する見解を発表しました


「東京圏における今後の都市鉄道のあり方ついて(案)」に対する見解

2016年4月14日 日本共産党大田区議団

4月7日(木)国土交通省の交通政策審議会の東京圏における今後の都市鉄道のあり方に関する小委員会は、「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について(案)」(以下、答申案)を発表し、「概ね15年後(2030年(平成42年)頃)を念頭に置いて、(中略)本答申をまとめた」としています。
答申案の資料2のⅡ.東京圏における今後の都市鉄道のあり方の2.具体的なプロジェクトについての検討結果(P21)で、(1)国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークのプロジェクト8路線と、(2)地域の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資するプロジェクト16路線の合計24路線の検討結果が挙げられています。
これは、答申案で述べているとおり「関係都県・政令指定都市及び鉄道事業者並びに委員から提案のあったプロジェクトについて、目指すべき姿を実現する上で意義のあるプロジェクトであるか否か等について検討を行った」ものであり、東京都が昨年7月に「広域交通ネットワーク計画について≪交通政策審議会答申に向けた検討のまとめ≫」(以下、「東京都の検討のまとめ」)にある「整備について優先的に検討すべき路線」5路線と「整備について検討すべき路線」14路線の19路線全てについて検討を行っただけのものです。
また、答申案は運輸政策審議会答申第18号で行ったような開業や整備着手の目標年次を定めなかったことが特徴です。
これらのことは、都政新報(4月12日号)でも「今回の答申案では、18号答申で示した『A1』『A2』『B』などの整備の優先順位は評価していない。都や地元区市が要望していた路線は全て取り上げられており、小委員会としては意義や課題を羅列するにとどまった。」と指摘されています。
しかし、松原区長は、「『矢口渡から京急蒲田までの事業計画の検討は進んでおり、事業化に向けて関係地方公共団体・鉄道事業者等において、費用負担のあり方等について合意形成を進めるべき』という高い評価をいただきました」とコメントを発表しました。
答申案(P27)の新空港線の新設の課題として述べているもので、「東京都の検討のまとめ」でも関係者の合意、整備主体、財源確保についても明らかにされないとの理由で、東京都の「整備について優先的に検討すべき路線」からも外されたもので、「東京都の検討のまとめ」と何ら変わるものではなく高い評価と言えるものではありません。
また、答申案(P21)では、「プロジェクトの事業化に当たっては、整備、営業主体の確立が大前提であることは言うまでもない。整備・営業主体が確立していないプロジェクトについては、十分な検討を行うことが必要」と述べるとともに、さらに軌道が異なる路線間の接続方法等の課題も解決されていません。
運輸政策審議会答申第18号でA2路線として位置づけられて16年になるにも関わらず、整備・営業主体が確立していない路線であり、こんな見通しのない路線に多額の税金投入計画は、廃止・撤回こそ求めます。
以上の理由から、松原区長の「新空港線(蒲蒲線)が高い評価」のコメントは、区民に誤解を与えるものであり、撤回を求めます。

参考

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