区議団ニュース 2014年5月号(No.242)―安倍政権の暴走と対決し消費増税路線にストップを(大田区議会第1回定例会報告)


PDFファイル大田区議団ニュース2014年5月号(No.242)

待機児童解消のための認可保育園の開設支援

老朽化した区立保育園の改築による定員増、認可保育園の開設支援です。区は待機児童解消では、高い保育料の認証保育所開設支援などでも対策を進めようとしていますが、党区議団は“安心・安全の認可保育園でこそ”と求めています。

特養ホーム等の増設

西馬込(30床)・大森西(84床)・萩中(81床)3ヵ所の特別養護老人ホーム、大森西(特養併設)老人保健施設の整備支援。

住宅リフォーム助成の拡充

約20倍の経済効果が昨年度明らかになったリフォーム助成の拡充。昨年度より1,000万円増の4,000万円となりました。仕事起こしにも期待が持てます。

区内製造業と商店街の実態調査

10数年ぶりに3人以下の零細企業はもとより、商店を含めて全数調査が行われます。このことにより今後の区内中小企業の必要な取り組むべき政策の方向が見えてくることが期待されます。顧客志向の新しい商店街像も事業化も計画めざします。

学校・福祉避難所等の備蓄物の充実・整備

学校避難所は充実、児童館・福祉避難所には新たに整備です。さらに充実に努めます。

自転車駐車場の整備

京急線高架下(京急蒲田駅2ヵ所、糀谷駅1ヵ所、大森町駅1ヵ所、梅屋敷駅1ヵ所、雑色駅1ヵ所)に合計6ヵ所、約4,000台の自転車駐車場を整備します。さらに産業プラザPIOと京急蒲田駅東口の各駐車場も1,034台増の計2,000台に。

買い物弱者支援策等(商店街活性化)

新規に宅配事業や移動販売車への支援を行います。

食物アレルギー対応用の食器およびトレイの購入

年々増加している食物アレルギーの児童・生徒に専用の食器・トレイを導入し配膳ミスを防ぐ対策。

議案提案権を活用し 予算組み替え動議を提案

予算組み替えの主な事業

事業名 増額 減額
特養ホーム建設費助成(10箇所分) 10億
グループホーム建設費助成(6箇所分) 2億4000万
寿祝い金(3千円→5千円) 556万
高齢者医療費助成(外来窓口負担半額) 23億6248万
出産こども一時金(一人5万円) 2億8230万
認可保育園建設費(100人×15箇所) 24億
生活保護世帯への入浴券を増やす 4532万
ものづくり経営革新緊急助成 2億7500万
中小企業の後継者支援(一人200万×500人) 10億
住宅リフォーム助成増額(4000万→1億) 6000万
区営住宅借り上げ費(1000戸) 9億4025万
議員の海外親善訪問調査等の中止 ▲1434万
調査研究・企画機能の充実の廃止(国際総合戦略特区) ▲739万
同和対策の廃止 ▲508万
蒲田駅周辺まちづくりの廃止 ▲5122万
大森駅周辺まちづくりの廃止 ▲3394万
新空港線積立基金廃止 ▲5億70万
新空港線の整備促進事業の廃止 ▲1624万
京急関連駅周辺のまちづくり事業の廃止 ▲67億8492万
合計 86億1462万 ▲74億1384万

党区議団は、第1回定例会(3月20日~4月26日)の予算特別委員会で、国の悪政から区民を守る防波堤の役割を果たすため2014年度予算を編成替えする動議を提出しました。以下、動議の特徴です。
第1に、不要不急の京急関連駅周辺まちづくり事業などの大型開発を見直し、また区民に利便性のない新空港線への積立基金などを削減しました。
第2に、この間、区民を支えてきた施策が廃止・削減をされてきました。小規模企業健診助成、母子栄養食品支給、出産子ども一時金、ものづくり経営革新緊急助成事業など復活・拡充をし、区民生活を支えてまいります。
第3に、保育園の待機児問題では2月21日に一次内定発表が行われました。区は一定の対策をしていますが昨年より増えて、不承諾者は1766人となり深刻さは増しています。保育園の待機児、特養ホームの待機者解消のために認可保育園、特養ホームの整備を区の責任として整備し、高齢者の外来医療費の助成を行い、子どもを産み・育てやすい環境、安心して年を重ねられ、住み続けられる大田区にするための施策に力を入れました。

2件の条例を提案

第1回定例会に党区議団は2件の条例提案を行いました。

大田区ぬくもりある手当条例

生活保護は、憲法25条に基づいて保障された国民の権利ですが、国の法改悪で、現在生活保護を受給している方が、最大で10%引き下がります。また、4月から消費税8%で二重の痛みが生活を直撃しますので、引き下がった額を大田区が助成する条例です。

認証保育所保育料の助成の条例

認証保育所保育料が月額最低で5万円、最高で11万円と高額で、大田区は現在第一子1万円、第二子2万円を助成していますが、他区と比べて低い額で、党区議団は認可保育園との差額を少なくするため限度額4万円の提案をしました。

2つの条例は残念ながら反対多数で否決されました。

区政報告会を開催

党区議団は4月11 日、大田区民ホールアプリコ小ホールで区政報告会を開催しました。
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くらし優先で区民の幸せ実現!真の国際化を 代表質問 黒沼良光議員


(映像は大田区議会ホームページより:60分)

消費税増税について区長はこれまで、消費税は社会保障のためと答弁してきましたが、その間違った立場を改めるべきと求めました。
また、おおた未来プラン後期に基づいて予算が編成されましたが、未来プランは、大田区が国際都市として都市機能を磨くこと、住民は地域力でお互い助け合うことを提案しており、国際都市として、第1に羽田空港跡地を中心に国家戦略総合特区として、ここに企業が儲けるための、日本の労働法制などを無視した治外法権地帯を国・都と協議してつくることをめざしています。
第2に蒲蒲線を新空港線と名前を変え、オリンピック・パラリンピックのためにも取りかかることをあげています。
第3に京急沿線の再開発事業に加え、大森駅周辺・蒲田駅周辺グランドデザインが本格的に取り組まれます。2014年度予算はそのための本格的な準備をするものとなっており、くらし優先で区民の幸せ実現の真の国際化を提案しました。

党議員団9人がくらし・営業を守る建設的提案

第1回定例会予算特別委員会予算質疑

予算特別委員会では清水議員が総括質疑を、7人の議員が予算質疑を行いました。黒沼議員は副委員長を務めました。

未来プランは区民の願い実現につながるのか 清水菊美区議


(映像は大田区議会ホームページより:61分)

認可保育園に入れない区民の声を聞き、認可保育園の増設計画にすべき▼高齢者が住み慣れた地域で安心してくらせるよう、さわやかサポートセンターを28ヵ所に増設を▼がん検診の有料化はやめること▼新空港線計画は見直し、15億円の積立金は区民のためにとただしました。しめくくり質疑では、公有地で未利用の土地を特養ホーム、認可保育園等の福祉施設に活用を提案しました。●西糀谷1丁目の気象庁職員住宅(現在の住民は来年度中に退去となる予定で、その後売却予定)。●本羽田2丁目都営住宅1号棟(解体予定、その後都営住宅の建設予定はありません)。

中小町工場・商店に光をあて直接支援を 藤原幸雄区議

区の町工場などに直接支援制度が少なく、最高時から約5千社が減少したのは、1995年制定の産業のまちづくり条例が、中小企業も大企業も同一に「産業者」と位置づけになっているためなので、消費増税と社会保障負担増で最も影響を受ける商工業者支援のため予算増額し、後継者育成、工場家賃補助、プレミアム付き商品券の発行等求めました。

通電火災防止のために感震ブレーカー設置を 和田正子区議

阪神・淡路大震災では地震で停電した電気製品が、電気が復旧して、再び作動して火元になる「通電火災」が6割も占めています。
この通電火災に対して、火災を防ぐ「感震ブレーカー」を、特に木造住宅密集地域を対象として優先的に設置すること、家具転倒防止器具のように高齢者、障害者などの世帯には無料で設置することを求めました。

公共施設整備計画は学校・区民施設優先を 大竹辰治区議

発表された公共施設整備計画の後期案(今年度から5年間)が、学校施設や区民施設の整備が前期計画(昨年度までの5年間)での遅れを、取り戻す計画になるよう求めました。また後期案には、新空港線や羽田空港跡地の大型施設の整備も入っていることから、整備計画から外し、学校施設や区民施設の整備を優先すべきと求めました。

子ども達の学びを守るための支援を すがや郁恵区議

DSC_0015_奨学金審査会の民主的運営と給付型の奨学金制度実現を求めました。また教育では、いじめや不登校対策の一環として始まるスクールソーシャルワーカーの拡充と就学援助の拡充を求めました。就学援助について区は、「生活保護基準引き下げ前の基準で支給し影響のないようにする」と答えました。引き続き運動で引き下げにならないよう頑張ります。

保育園の入園選考指数の見直しを 福井りょうじ区議

現在、自営業者の場合、勤務時間ではなく収入によって働いている時間を算定しています。この算定は実態に沿った選考になっていません。自営業の配偶者(妻)Aさんの場合、20日以上8時間で申告したにも関わらず、実際の認定は12日以上16日未満4時間勤務とされてしまいました。このような事実を示し区に入園選考基準の見直しを強く求めました。

聴覚障害者福祉と都市開発について 金子悦子区議

日本政府は、障害者権利条約を批准し、2月19日から発効しています。石狩市、鳥取県が手話基本言語条例を制定して、大きく聴覚者福祉が前進しており、大田区も、障害者総合サポートセンターの、手話通訳の常勤配置等求めました。
また、蒲田・大森駅周辺開発は、住民の声を吸い上げ、住民本位のまちづくりに尽力すべきと主張しました。

踏切の安全対策と大森駅にエレベーターを 佐藤 伸区議

JR大森駅近くの学校踏切は、最近の10年間で5人の方が事故で命を落としている危険な踏切廃止による代替施設は、利用者・地元住民の声を聞いて利用しやすいものにするよう。また、隣の山谷道踏切の安全対策を併せて求めました。さらに、大森駅東口に設置予定のエレベーターは地上部から改札階の直通のエレベーターにするよう求めました。

新年度も区民に親しまれた事業を廃止・縮小

第1の問題点は、予算編成方針で、「事務事業の見直し・再構築を主体的に断行すること」とし、3年間の原則マイナス・シーリング(減額計上) で100以上の事業に続いて、新年度も区民に親しまれた事業を廃止・縮小したことです。

新年度廃止の事業

  • 借上型区営住宅建設への補助を区営住宅募集倍率が高いのに予定がないと廃止。
  • 生活保護世帯へ出産時乳児の粉ミルク代支給(前年延べ27件)14万1千円を廃止。
  • 寿祝い金(88歳)1万円が5千円に、さらに3千円に削減し、わずか556万2千円(2781人)のケチケチの削減。

一方で大規模開発事業の推進で予算圧迫

第2の問題点は、区民のくらし・福祉を切り詰めながら、一方で大規模開発事業が予算を圧迫しています。
都市整備費が前年度比21・6%、29億円余の増で過去最高の167億円余。

京急関連駅(京急蒲田西口、糀谷駅、雑色駅)周辺のまちづくり

前年度比22億円増の67億8千万円。

    • 京急蒲田西口駅前再開発
      総事業費236億円のうち国費79億円・区費75億円投入したが、住民約6割が転出等になり、住み続けられない町づくりとなっています(下図)。

      京急蒲田西口

      京急蒲田西口(駅は右下)


  • 糀谷駅前再開発
    新年度から解体が始まり総事業費199億円のうち国費44億円・区費58億円投入。

「空港跡地」の整備

2020年頃を目途に空港跡地への産業交流施設、多目的広場などの整備を進めると、総額300から400億円の財政投入。

新空港線

新空港線路線図(新)
JR蒲田と京急蒲田はつながらないなど、区民の利便性の向上にはならず、地方の負担分360億円が、都と区の負担割合も決まっていないのに、新年度積立基金に5億円余の積立で合計15億円余。

非正規雇用で不況に拍車 その結果多額の積立金

第3の問題点は、民営化で、非正規雇用をつくりだしデフレ不況に追い打ちをかけています。大田区では、民間でできるものは民間へと民営化をすすめ、2015年度で、特養ホームの羽田、池上、大森西の3施設ではじまり、民間委託は1万件以上となります。また、指定管理者152件、身分も不安定で低賃金の非正規労働者に置き替えられ、保育園では離職率が高く保育の質の低下にもなっています。
区債年度末現在高と積立基金現在高
その結果、2013年度見込みで基金現在高は合計983億円と依然高いレベルを維持しています。また、区債は毎年減らし続け、468億円とかつての半分以下となっており、2007年度以降基金が区債を上まわり、2013年度で515億円上まわる見込みです。
党区議団は、区民の要求に応え福祉向上、地域経済振興をめざす新年度予算案になるよう編成替えの提案も行い、全力で奮闘しました。

「保育園もっとふやせ」の声をさらに大きく!

新年度が始まり子どもたちは新しい環境に慣れたでしょうか。今年の認可保育園に入園できなかった数は、第1次1766人、第2次1781人で、昨年より476人も増えました。
入れなかった父母たちは「4月に職場復帰しなければ、仕事をやめなければならない」等の理由で保育料の高い認証保育所や小規模保育所などに預けています。
このように、待機児童が増えたのは希望者に見合った認可保育園をつくってこなかった区の責任です。
党区議団は、このような中、保護者や関係者のみなさんと運動をし、予算特別委員会でも予算編成替えで認可保育園の大幅増設や、高い保育料の認証保育園と認可保育園の差額を少なくするため助成を増額する条例を提案しました。区は今年4月に4園(185人分)、5月以降に2園(127人分)増やします。しかし、まだまだ足りないのが現状です。希望者の数に見合う認可保育園の増設をさせましょう。

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